- 更新日 : 2023年8月29日
コインランドリー経営は儲かる?開業費用やメリット・デメリットを解説!
コインランドリー経営は利回りが比較的高く、土地の活用や節税にもつながるなど、メリットが多いです。自分で経営するパターンとフランチャイズに加盟するパターンがあり、失敗しないよう、土地選びや設備投資など経営のポイントを理解しましょう。
今回はコインランドリー経営のメリット・デメリットや初期費用、注意点などを解説します。
目次
コインランドリー経営は儲かる?
コインランドリー経営とは、空いている土地にコインランドリー用の建物を建て、洗濯機や乾燥機といった洗濯用の設備を導入し、利用者に設備を使ってもらい収入を得るビジネスのことです。
設備さえ導入できれば、コインランドリー経営は狭い土地でも始めやすく、空いている土地を有効活用できるのが特徴です。無人経営も可能で、管理の手間があまりかからない点や、後述のとおり節税にもつながるため、近年注目されています。
客単価は安いですが、多くの利用客を獲得できれば、大きな収入源とすることも不可能ではありません。
コインランドリー経営のメリットは?
コインランドリー経営には、以下のようなメリットがあります。
- ランニングコストがあまりかからない
- 景気に左右されない
- 利回りが比較的高い
- 空き店舗を活用すれば初期投資が少なくて済む
- 空いている土地を有効活用でき、節税にもつながる
特に、ランニングコストが比較的かからず、景気や流行に左右されにくいため、リピーターを獲得できれば安定した収益を得られる点は大きなメリットです。
ここでは、コインランドリー経営のメリットについて解説します。
ランニングコストがあまりかからない
コインランドリー経営はセルフサービスで利用するため、無人でも経営でき、管理の手間や人件費があまりかからないビジネスです。初期投資として設備費用や設置工事費用などは発生しますが、ランニングコストとしてかかるのは水道代や電気代、メンテナンス費用程度で済みます。稼働していない時は、水道代がかかりません。
このようにコインランドリー経営は、ランニングコストはあまりかからないのが魅力です。
景気に左右されない
洗濯は日常生活で不可欠の行為であるため、景気や流行に左右されません。そのため、いつの時代でも一定の需要が見込めます。口コミで評判が広がったり、常連客を獲得できたりすれば、安定して収益を獲得し続けられることが期待できます。
利回りが比較的高い
コインランドリー経営の利回りは、15%程度と言われています。アパートやマンション経営に比べると利回りが比較的高いのもメリットです。コインランドリーに適した立地で事業を始められれば、20%程度以上の利回りを確保することもできます。
空き店舗を活用すれば初期投資が少なく済む
更地ではなく、コインランドリー経営に適した空き店舗を活用して経営を始めれば、その分初期投資が少なく済みます。アパート経営に比べると、比較的初期投資が少ない点はメリットです。
ただし、新しく建物を建てて最新設備を揃えようとすると、アパートを建てる場合と同程度の初期投資がかかるケースもあるため、注意が必要です。
空いている土地を有効活用でき、節税にもつながる
コインランドリー経営は、空いている土地を有効活用できる経営方法です。
中小企業経営強化税制や中小企業等経営強化法に基づく固定資産税の特例、小規模宅地等の特例を活用できる場合もあります。特例によって適用される優遇措置は、以下のとおりです。
- 「中小企業経営強化税制」により、一定の設備投資における即時償却または税額控除
- 「固定資産税の特例」により、固定資産税の3年間免除
- 「小規模宅地等の特例」により、400平米までを限度として、土地の相続税評価額が80%程度減額され、相続税額が減額
このように、コインランドリー経営は節税にもつながります。
参照:中小企業庁 中小企業等経営強化法に基づく支援措置活用の手引き
国税庁 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
コインランドリー経営のデメリットは?
コインランドリー経営のデメリットは以下のとおりです。
- 初期費用が高い
- 1顧客あたりの単価は低い
- 競合との差別化が難しい
- セキュリティリスクがある
後述のとおり、更地からコインランドリーを開業する場合、約3,000万〜4,000万円の初期費用が発生します。初期費用が高い点は、大きなデメリットです。
コインランドリーは客単価が低いビジネスであるため、高単価利用は期待できません。そのため稼働率を上げたり、少しでも単価UPにつなげる取り組みを実施したりすることが重要です。
また、事業内容で競合と差別化を図るのが難しいため、近隣に新しくコインランドリーができた場合には、常連客を取られてしまう可能性があります。
基本的には無人経営となるため、セキュリティリスクに注意が必要です。安心して利用してもらうためには、強盗や下着泥棒などが発生することのないよう、セキュリティを強化することが求められます。
コインランドリーを開業する方法は?
コインランドリーを開業する方法としては、自分でゼロから経営する場合と、フランチャイズに加盟する場合の3つがあります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、比較検討したうえで開業方法を決めましょう。
コインランドリーを開業する3つの方法について、以下に解説します。
自分で経営する場合
ゼロからオリジナリティのあるコインランドリーを立ち上げ、自由に運営したい場合は、自分で直接経営するのがおすすめです。開業準備に多くの時間がかかり、ネームバリューがないため、始めのうちは集客に苦労する可能性があります。
しかし、自分が好きなように経営でき、理想のコインランドリー経営を実現しやすい方法です。収益はそのまま自身のものとなるため、成功すれば高収益を狙える可能性も期待できます。
フランチャイズに加盟する場合
開業準備や運営などをサポートしてもらったり、始めから軌道に乗せたいと考えていたりする場合は、フランチャイズに加盟するのがおすすめです。
フランチャイズに加盟して開業する場合、ロイヤリティの支払義務は発生しますが、本部の知名度を利用できるため、集客で有利になります。開業準備や運営方法などをサポートしてもらえる可能性が高いため、自分で経営するよりもスムーズに開業・運営できるのがメリットです。
一方で本部のマニュアルに沿って運用しなければならないため、オリジナリティを出すことは難しいというデメリットがあります。また、一部のフランチャイズを除き、ロイヤリティの支払いが定期的に発生する点には、注意が必要です。
土地をコインランドリー事業者に賃貸する方法
コインランドリー事業者に土地を賃貸し、経営を事業者に委託して自らは賃料を受け取る、という方法もあります。収入は賃料のみと限られますが、運営を事業者に任せられるため、経営の負担が少ない方法です。遊休地を活用して収入を得たい、と考えている方に適しています。
コインランドリーを開業するための初期費用は?
コインランドリーを開業するための初期費用には、以下のような費用がかかります。
- 洗濯機・乾燥機などの設備
- 設備工事・内装工事費用
更地からコインランドリーを開業するとなると、立地・規模にもよりますが、初期費用として約3,000万〜4,000万円かかるとされています。
ここでは、コインランドリーの開業にかかる初期費用について、詳しくみていきましょう。
洗濯機・乾燥機などの設備
コインランドリーを運営するためには、洗濯機と乾燥機を用意する必要があります。
洗濯機と乾燥機の種類によって費用は異なりますが、1台あたりの費用相場は以下のとおりです。
- 洗濯機(縦型):約15万~30万円
- 洗濯機(横型のドラム式):約50万~200万円
- 乾燥機:約80万~100万円
- 洗濯乾燥機:約200万〜300万円
洗濯機のなかでも、大型のドラム式についてはかなりの費用がかかる点に注意が必要です。
設備の台数やレイアウトについては、業者やフランチャイズ本部と相談するようにしましょう。
設備工事・内装工事費用
主な費用として、ほかにも以下のようなものが必要です。
- 電気工事
- 給排水工事
- ダクト工事
- 外装工事
- 内装工事
- 駐車場の整備費用
など
業者にもよりますが、設備工事や内装工事などにかかる費用は、トータルで約500万〜1,000万円が目安です。
コインランドリー経営に適した物件で開業できる場合は、初期費用を抑えられます。
コインランドリー経営に失敗しないポイントは?
コインランドリー経営は、アパートやマンション経営に比べると、初期投資も少なく、気軽に始められるイメージがあります。しかし適当に経営しても、失敗に終わってしまうでしょう。
コインランドリー経営に失敗しないためのポイントは、以下のとおりです。
- 立地を見極める
- ニーズのある設備を見極める
- 駐車場の広さや配置を検討する
- 競合との差別化を図る
- 清掃を徹底する
ここではそれぞれのポイントについて、解説します。
立地を見極める
コインランドリー経営を成功させるうえで、立地は重要なポイントです。多くの利用者を集められ、安定した収益が見込まれる立地を見極める必要があります。
リサーチの際は、コインランドリーの専門業者に依頼し、世帯数や競合の状況などを詳しく分析してもらうことが効果的です。コインランドリーは新規参入が増えているため、現状だけでなく将来も見据えて立地を見極めなければなりません。
ニーズのある設備を見極める
洗濯機や乾燥機、洗濯乾燥機などの設備の稼働率を上げるためには、ニーズのある設備を見極め、適切な台数を導入することが大切です。
同じ設備の中にも、小型・中型・大型と異なるサイズが存在します。大型設備は高単価が期待できる一方、小型設備のほうがより多くの方に利用してもらいやすいのが特徴です。
たとえば単身世帯が多いエリアであれば、小型洗濯機を多めに置いたり、ファミリー世帯が多いエリアなら布団も洗える大型洗濯機を導入したりなど、エリアの顧客層を捉え、ニーズのある設備を見極めることがポイントです。
駐車場の広さや配置を検討する
駐車場の広さや配置も、重要なポイントです。単身世帯が多いエリアや都心の駅近くにあるコインランドリーの場合、駐車場がなくても大きな問題はないかもしれません。一方、アクセスが悪いコインランドリーの場合は、広めの駐車場を設けないと利便性に欠けるため、集客は期待できないでしょう。
駐車場とコインランドリーの距離も、重要なポイントです。距離が遠くなると洗濯物を運ぶのが大変になってしまい、顧客獲得できなくなってしまいます。
競合との差別化を図る
コインランドリーは収益率が高くないため、より多くの顧客に使ってもらい、稼働率を上げることが特に重要です。
そのためには近くの競合との差別化を図り、自身のコインランドリーを選んでもらえるようにする工夫が欠かせません。
コインランドリーのサービス内容自体は差別化が難しいですが、以下のような工夫が考えられます。
防犯カメラを設置してセキュリティ対策を強化する
女性をターゲットにおしゃれな内装にする
キャッシュレス決済を導入する
待ち時間を快適に過ごせるようテレビや無料Wi‐Fiを設置する
清掃を徹底する
コインランドリーは無人で経営することもできますが、だからといって放置してよいわけではありません。放置すると、店舗が荒れてしまいます。特にコインランドリーでは、衣類の糸くずやゴミが落ちたり、ペットボトルが放置されたりする場合が多いです。多くの利用者に選ばれるコインランドリーにするためには、清掃を徹底し、清潔な店舗を保つことが求められます。
コインランドリー経営のポイントを理解する
今回はコインランドリー経営のメリット・デメリットや初期費用、成功のポイントなどについて解説しました。ランニングコストが比較的かからず、空いている土地を有効活用できるコインランドリー経営は、近年注目を集めているビジネスです。
コインランドリー経営には自分でゼロから開業する方法やフランチャイズに加盟する方法、土地をコインランドリー事業者に賃貸する方法があり、自分に合った方法を見極める必要があります。コインランドリー経営に成功するためには、土地の選定や設備の見極め、競合と差別化するための工夫を徹底しましょう。
よくある質問
コインランドリー経営のメリットは?
コインランドリー経営のメリットは、ランニングコストがあまりかからない点、利回りが比較的高い点、空き店舗を活用すれば初期投資が少なくて済む点、空いている土地を有効活用でき、節税にもつながる点などです。詳しくはこちらをご覧ください。
コインランドリーを開業するための初期費用は?
コインランドリー開業の初期費用としては、洗濯機・乾燥機代や設備工事・内装工事費用などがかかり、更地から始める場合は、立地・規模にもよりますがトータルで約3,000万〜4,000万円ほど必要とされています。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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