- 更新日 : 2026年4月23日
会社設立したら法人も青色申告の申請を!メリットや期限などをわかりやすく解説
法人が青色申告を行うと欠損金の繰越控除や少額資産の即時償却など複数の税制特典を受けられ、設立直後からの節税に直結します。
- 赤字を最長10年間繰り越して黒字と相殺可能
- 少額資産(40万円未満)を一括で経費化
- 申請期限は会社設立日から3カ月以内
Q. 青色申告の承認申請書を提出し忘れたら?
A. その事業年度は白色申告扱いとなり、欠損金の繰越など青色申告の特典を受けられません。
会社設立をしたら設立届と一緒に、必ず法人税の青色申告の承認申請書を出しましょう。今回はこの青色申告の承認申請書の概要や書き方、提出期限、さらには青色申告のメリット(特典)などについて解説したいと思います。
目次
法人の青色申告とは
会社が決算期になると、その一年間の売上や経費を集計し、利益を計算して「法人税」という税金を納めなければなりません。
法人税を青色申告で申告するためには青色申告の届出とともに、会社の利益を計算するうえで、複式簿記という一定のルールに従って帳簿を付けることが必要になってきます。
この要件に従って申告しない場合は、自動的に白色申告ということになるのですが、青色申告で申告すれば、税金関係でさまざまなメリットを受けることができます。
法人が青色申告を行うメリット
まず最初に、法人が青色申告を行うメリットを3つご紹介します。
メリット1. 欠損金の繰越控除
青色申告であれば、仮に今期が赤字であっても、翌期以降にその赤字を繰越すことができます。最長で9年間(注)繰越すことができるので、その間に黒字となった場合、繰り越されてきた赤字と相殺することができ、その期の税金を抑えることができます。
例えば前期100万円の赤字で、今期30万円の黒字の場合には、前期の赤字と今期の黒字を相殺することができ、今期は黒字に対する税金を納める必要がありません。さらにこの場合、その翌期も70万円の黒字までは税金がかからないことになります。
(注)平成30年4月1日以後に開始する事業年度において生ずる欠損金の繰越期間は10年となります。
メリット2. 欠損金の繰り戻しによる法人税の還付
前期に黒字で税金を納めていて、今期が赤字になった場合には、その赤字分を前期の黒字と相殺することができます。
この場合、すでに前期の黒字分の税金は払っていますので、今期の赤字分と相殺して前期納めた税金の一部が還付されることになります。
メリット3.40万円未満の減価償却資産については一括で経費にできる(令和8年度税制改正大綱による見直し)
税法上では10万円以上のものは資産に計上し、数年にわたって費用化しなければならないのが原則です。しかし、青色申告の場合で中小企業者であるなど一定の要件を満たす場合には、取得価額が一定額未満の減価償却資産については、一括してその年の費用(損金)にすることが認められています(年間合計300万円まで)。
令和8年度税制改正大綱では、この「少額減価償却資産の特例」について、次の見直しが盛り込まれています。
- 取得価額の上限を「30万円未満」から「40万円未満」に引き上げ
- 適用期限を3年延長し、令和11年(2029年)3月31日まで
- 常時使用する従業員の数が400人を超える法人は対象から除外
なお、年間合計の上限300万円は維持される見込みです。また、引き上げ後の40万円未満の基準は、令和8年4月1日以後に取得する減価償却資産から適用される見通しです(大綱上は明示されていないため、今後の法案・通達で要確認)。
法人が青色申告を行うデメリット
法人が青色申告を行うデメリットは、ほとんどありません。強いてあげるのであれば、青色申告をするためには組織的な帳簿を備え、複式簿記の原則に従って記帳をする必要があることです。
しかし、白色申告であったとしても、法人税の納付額の計算を正確に行うためには、組織的な帳簿を備えること、複式簿記の原則に従って記帳をすることが通常必須となります。
そのため、法人が青色申告を行う際のデメリットはないといって良いでしょう。
法人の青色申告の申請方法・期限
青色申告を適用するためには「青色申告の承認申請書」を入手し、管轄の税務署へ提出します。「青色申告の承認申請書」は税務署や、国税庁のHPからもダウンロード可能です。
青色申告の届出「青色申告の承認申請書」は通常、会社設立日から3カ月以内に提出する必要があります。
会社設立日が4月1日の場合、6月30日までに青色申告の届出を出さなければなりません。この日を過ぎた場合、残念ながらその年は青色申告を適用することができなくなるのです。そのため、青色申告の届出は会社設立時に「法人設立届」と一緒に提出する方が望ましいです。
特に、提出した届出を「承認した」という連絡はありませんが、提出した月の翌月末までに「承認不可」の通知がなければ、承認されたと見なしてかまわないことになっています。よほどのことがないかぎり承認されるので、安心して事業に専念しましょう。
法人の青色申告承認申請書の書き方

①納税地や法人名など、法人の基本情報を記載します。登記簿謄本や定款などを見ながら記載しましょう。
②青色申告を開始したい事業年度を記載します。
③該当するものにチェックをし、日付を記載します。
④帳簿組織の状況には、総勘定元帳などの帳簿名や会計ソフトなどの形態、毎月などの記帳の時期を記載します。
会社設立したら青色申告の特典を受けましょう
法人が青色申告をすると、欠損金の繰越控除など多くの特典を受けることができます。それらの特典は節税に繋がるものが多く、法人にとってとても有利なものです。また、青色申告を行うデメリットもほとんどありません。会社を設立した場合は、必ず青色申告を行いましょう。
よくある質問
法人が青色申告を行うメリットとは
欠損金の繰越控除など、さまざまなものがあります。詳しくはこちらをご覧ください。
法人が青色申告を行うデメリット
デメリットはほとんどありません。詳しくはこちらをご覧ください。
青色申告の承認申請書はいつまでに提出すればよいですか?
通常、会社設立日から3か月以内に提出する必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会社設立の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
-
# 会社設立後の手続き
【会社設立後の手続き税務編】税務署・自治体で行う手続きと必要書類
会社設立の手続きは設立登記までで終わりではありません。設立後も税務関係、社会保険関係、労働保険関係の手続きが残っています。税務関係手続きは主に税務署で行いますが、地方税に関しては自…
詳しくみる -
# 会社設立後の手続き
登記簿謄本は郵送申請も郵送受取も可能!方法を紹介
ビジネスを行う上で必要となる登記簿謄本は、郵送での申請や受け取りが可能です。ほかにもオンラインで申請し、郵送で受け取る方法もあります。本記事では、登記簿謄本の申請方法や受け取り方法…
詳しくみる -
# 会社設立後の手続き
登記簿謄本の見方や取得方法を解説 登記事項証明書の違いは?
土地や建物が関係する取引に必要な登記簿謄本や登記事項証明書。そもそも登記とはどのような制度なのか、登記簿謄本と登記事項証明書に記載されている内容に違いはあるのかなどについて解説しま…
詳しくみる -
# 会社設立後の手続き
株式の贈与契約書とは?テンプレートを基に作成方法や書き方を解説
贈与契約書は、自分の持つ財産を特定の人物に贈与するときに作成する書類です。しかし、その財産が会社の株式、とりわけ非上場株式だった場合は、契約前にいくつかの手続きが必要になります。こ…
詳しくみる -
# 会社設立後の手続き
株式会社の定款変更に必要な手続きとは?費用相場や注意点も解説!
定款変更(目的変更) 株式会社において、会社の基本的なルールである定款の内容に変更があった場合には「定款変更」という手続きが必要となります。定款変更は、株主総会の特別決議が必要であ…
詳しくみる -
# 会社設立後の手続き
初めての決算手続き! 法人決算に必要な手続きを解説
個人で行う確定申告の場合は、税務署の電話相談センターや無料相談所で申告書の書き方を教えてもらいながら自分1人でも申告書を作成することができます。しかし、法人の決算ではそう簡単にいき…
詳しくみる