• 作成日 : 2023年2月22日

シングルマザーの起業におすすめの仕事・職種は?失敗しない方法も解説

厚生労働省の「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、日本における母子家庭の世帯数は119.5万世帯です。
母子家庭では母親が一人で仕事と家事・子育てを両立しなければならず、収入面や生活面でさまざまな不安を抱えている方が少なくありません。
一方で、女性ならではの感覚や嗅覚を発揮して個人事業主として起業したり、会社を設立したりして、起業家として活躍するシングルマザーもいます。

この記事では、シングルマザーが起業することのメリット・デメリットやおすすめの職種、失敗のリスクを減らす方法を紹介します。
「将来が不安」という方や「起業家として成功したい」という方は、ぜひご覧ください。

シングルマザーの起業におすすめの仕事・職種は?

講師

自分の持つ専門性を活かせる講師業は、とてもやりがいの大きい職種といえます。
そろばんやピアノ、学習塾の講師など、主に子どもを対象にしたものや、活け花やダンス講師、マナー講師といった大人を対象にしたものなど、さまざまな講師が存在します。

個人レッスンの場合はスケジュールを柔軟に調整できるので、子どものイベントのためにスケジュールを空けることもできます。
一方で集団レッスンは時給で考えると非常に効率がよく、短時間で高収入を得られるため、自分のための時間をより多く確保できるのが魅力です。

ライティング

パソコンとインターネットさえ確保できれば始められるため、初期投資がほとんど必要ないのが魅力です。現在はシナリオライターやWebライターの需要が非常に高く、特に医療や料理などの知見がある方は自分の知識を活かせます。

仕事の場所や時間を選ばないため、家事や育児のスキマ時間を有効活用できることが最大の魅力です。

アフィリエイター

アフィリエイターはWeb上でブログやサイトを運営し、広告による収入を得る職種です。
ページ内に設置した広告経由で商品が売れた場合、その数に応じて報酬を受け取れる仕組みになっています。

自分のブログやサイトに多くの人を呼び込むため、SEO対策やウェブマーケティングなどの知識も必要です。
事業が軌道に乗るまでには労力と時間がかかりますが、一度軌道に乗ると大きな収入を期待できることが魅力です。

動画編集、作成

大手動画サイトの動画制作者は、速いペースで多くの良質な動画を投稿し続けなければページビューを確保できないため、制作者の中には動画編集や作成を外注する方も少なくありません。

現在動画編集は、クラウドソーシングサービス上で非常に需要の高い仕事となっています。
編集する動画の種類によっては高性能なパソコンが必要になるので、多少の初期投資が必要であり、動画編集ソフトの使い方を勉強する必要もあります。

シングルマザーが起業するメリットは?

柔軟な時間の使い方ができる

勤務時間が決まっている職種では、勤務時間中は他のことがまったくできません。
しかし、「子どもが小さいうちは一緒に過ごす時間を多く取りたい」と考える方は多いでしょう。

起業すると働く時間を自分で決められるため、勤務時間を調節して家事や育児に時間を割くこともできます。
在宅勤務の場合は、子どもが寝た後のスキマ時間に業務を行うことも可能です。

成功すれば収入を増やせる

シングルマザーの中には、育児や家事の時間を確保するためにパートやアルバイトといった勤務形態で仕事をしている方もたくさんいます。
しかし、時給制の仕事は昇給や昇進の機会が少なく、将来性にも不安があります。
正社員として勤務している場合でも、育児のために他の社員のように残業することができず、一般的な昇進コースに乗れない方も少なくありません。

自営業であれば自分の頑張り次第で事業規模を拡大できるので、子どもが小さいうちは育児に時間を割き、手がかからなくなった頃に事業に本腰を入れて収入を増やすといったこともできます。

急な用事に対応しやすくなる

育児をしていると、子どもが急に発熱するといったこともあります。
子どもの具合が悪い時は、母親として子どもをそばで看病したいですよね。
発熱した子どもは保育園では預かってもらえないため、通常の勤務形態では欠勤や早退をすることになります。
やむを得ない事情とはいえ、勤務先に迷惑をかけてしまうの心苦しいものです。

起業家の場合は、そういった事態でも時間を自分で調整できるので、子どもが発熱した時は看病に専念して、快復したら溜まった業務をまとめて行うことができます。

シングルマザーが起業するデメリットは?

社会的信用が低下する

正社員は収入がある程度保証されているため、社会的信用は高いといえます。
一方、起業家は常に事業が失敗するリスクが付いて回るため、社会的信用は相対的に低くなります。
特に個人事業主として自営業を行っている場合、クレジットカードを作る際や、車・住宅をローンで購入する際に、審査に通らないことがあります。

失敗した場合のリスクが大きい

正社員であれば仕事でミスしたとしても、基本的には他の社員がフォローしてくれます。
またミスによって会社が損害を被った場合も、損害額を補償する必要はありません。
さらに会社が倒産したとしても、その負債を社員が負うことはありません。
しかし、起業家が事業に失敗した場合、その責任はすべて起業家が負います。
そのため、強い責任感を持って仕事に臨まなければ取引先からの信用を失いますし、重大なミスをすると、それ以降仕事をまったく受けられなくなることもあります。

収入が不安定になる

正社員は決められた時間にきちんと働けば、決められた給与を受け取れます。
一方、起業した場合は働いた時間がそのまま給料になるわけではなく、どれだけ結果を残したかがシビアに問われます。
短時間の労働で大きな成果を上げて大金を得られることもありますが、長時間働いても結果が出ず、1円も得られないということもあります。
厳しい競争を勝ち抜いて成功するためには、一度や二度うまくいかなくても決してへこたれない強靭な精神が必要です。

肉体的・精神的負担が大きい

起業した方の多くは「事業が軌道に乗るまでは寝る間も惜しんで、休みなしで働き続けた」といいます。
事業が軌道に乗った後も、事業を安定させ、成長させるために何をすべきか常に考え続けなければなりません。
起業には激務や精神的不安が常につきまとうので、肉体面も精神面もタフでなければ途中で挫折してしまうでしょう。

シングルマザーが起業する方法は?

協力してもらえる味方を見つける

いざ起業しようと思った時に最も大切なことは、サポートしてくれる味方を見つけることです。自分だけの判断で突っ走ると周りを冷静に見られず、失敗してしまうおそれがあります。まずは、友人から客観的な意見を聞きましょう。
また、実際に起業すると多忙になるため、一人では手が回らなくなるかもしれません。そのような時に子どもを預かってくれたり、業務を手伝ってくれたりする人がいれば、心強いでしょう。

経理・税務に関する知識をつける

個人事業主として起業して収入を得た場合は、確定申告を行う必要があります。
確定申告は税理士に依頼することもできますが、決算や確定申告にかかる顧問料の相場は10万~15万円と決して安くないので、事業が安定するまでは自力で行うという方も多いでしょう。
あらかじめ経理や税務に関して基本的な知識を習得し、自力で管理できるようにしておくと費用を抑えられるだけでなく、事業経営にも役立ちます。

個人事業主か、法人か

個人事業主として開業するための手続きは、税務署に開業届を出すだけです。それ以降も、会計や税務に関しては毎年確定申告を行うだけなので、とてもシンプルです。
個人事業主は開業にかかる手間が少ないものの、税制面や社会的信用の面では法人に劣ります。

法人を設立する場合は、法定費用に加えて資本金が必要です。
現在は資本金1円でも法人を設立できますが、合同会社を設立する場合でも10万〜20万円程度はかかります。
最初は個人事業主として開業し、その後法人にシフトすることもできるので、事業が軌道に乗るまでは個人事業主として事業を行うほうがよいでしょう。

シングルマザーが起業に失敗しないためには?

まずは副業から

シングルマザーが起業する際は、まずは副業として始めることをおすすめします。
いきなり起業しても、その業種に対する経験や知識が不足していますし、何より実績がまったくない人にはクライアントが仕事を依頼してくれません。
また自分がその業務に向いているどうか、あらかじめ確認しておいたほうがよいでしょう。

まずは自分ができる範囲で試してみて、継続的に依頼してもらえるクライアントを複数持ち、収入がある程度安定してから起業するほうが、リスクを抑えられます。

最初の仕事を見つける方法としては、友人や会社の同僚といった人脈を利用して紹介してもらう方法や、クラウドソーシングサービスを利用して仕事を受注する方法があります。
業種によっては、自分のスキルを示すポートフォリオを作成して、クライアントが依頼する前に自分のスキルや経験を確認できるようにしておくとよいでしょう。

規模の大きい仕事をいきなり受けない

最初に受注する仕事は、なるべく規模が小さいもののほうが安全です。
規模の大きい仕事はその分報酬も大きくなるので、「今後の事業拡大のために規模の大きい仕事をどんどん受けたい」という気持ちになりがちです。
しかし、自分の業務のペースをつかめていないうちに規模の大きい仕事を受けると、手が回らなくなってクライアントに迷惑をかけるおそれがあります。
クライアントからの信頼を失えば、そのクライアントの仕事は二度と受けられないでしょう。

自分のスキルや経験に応じて仕事の規模を徐々に大きくするほうが、無理なく着実に実績を積み上げられるはずです。

シングルマザーでも女性起業家を目指せる!

シングルマザーの起業の際におすすめの職種や、起業のメリット・デメリット、起業の方法、失敗しないための心構えについて紹介しました。
シングルマザーで大きな資金を準備できない方でも、初期投資の少ない業種で副業から始めれば、リスクを抑えて起業できます。

起業に成功すれば、時間を有効活用できるだけでなく収入アップも期待でき、子ども学費などの問題を解消できるかもしれません。
このようなことから、シングルマザーの起業には大きなメリットがあるといえます。
ただし、副業から始めるとしても、本業に加えて副業も行うためには体力が必要です。

また、起業すると大きな責任を負うことになるため、常に肉体的・精神的負担と向き合わなければなりません。
起業する前に起業のメリット・デメリットを正しく把握し、自分の適性も考慮する必要があります。

「起業したいけど今は考える余裕がない」という方は、いつまで経っても起業できません。
起業したいという意志があるなら、今すぐ検討することをおすすめします。

よくある質問

副業から本業になるまでの期間はどれくらい?

業種によって異なりますが、ゼロから実績と信用を積み上げて、継続依頼を受けられるクライアントを複数持つまでには、最短でも3~6ヵ月はかかると考えておいたほうがよいでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。

シングルマザーが起業に失敗しないためには?

起業する際は、開業後2~3ヵ月は収入がなくても耐えられる貯蓄があるのが望ましいです。開業資金を蓄えるためにも、まずは副業として小規模の業務から始めるとよいでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。


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