• 作成日 : 2025年3月11日

個人事業主のホームページ制作に使える補助金一覧【2025年最新】

個人事業主は、自身の事業を広く認知される必要があるため、なんらかの広告宣伝が欠かせません。最近ではSNSによる広告もさかんに行われていますが、より詳細な情報を伝えるためには、ホームページがあるとさらによいでしょう。この記事では、個人事業主のホームページ制作に利用できる補助金について解説します。

個人事業主のホームページ制作に補助金は使える?

個人事業主のホームページ制作に利用できる補助金はあります。補助金とは、国や自治体等の公的な機関から支給される返済義務のないお金です。一定の事業に対して計画を立てて認められると、その事業の実施後に一定額が支払われます。

国の補助金の多くは、経済産業省や中小企業庁などによる公募です。募集時期はそれぞれの補助金によって異なりますが、その年の春から初夏にかけて多く見られます。それぞれの補助金には独自の目的があり、補助金の用途が細かく決められています。

個人事業主のホームページ制作がそれぞれの補助金の目的に合致し、かつホームページ制作費が認められている補助金であれば利用可能です。個人事業主は、対象となる補助金に対して事業計画を提出し、審査を経て採択されます。その後は、計画どおり事業を実施したうえで、補助金の請求を行います。

個人事業主がホームページ制作の補助金を活用するメリット

ここでは、個人事業主がホームページ制作に補助金を活用するメリットを紹介します。

費用負担が軽減される

個人事業主にとって、ホームページ制作費用の負担が軽減されることは最大のメリットです。補助金は後払いではありますが、最終的に個人事業主の金銭的負担を軽減できます。

他の事業に予算を回せる

個人事業主がホームページ制作に補助金を活用すると、ホームページ制作に割り当てる予算を結果的に減らして、他の事業活動に資金を回すことができます。特に広告宣伝費は、売上高の直接的な費用とは言いづらいため、売上に直結する経費に予算を回せることはメリットです。

従来のホームページのリニューアルができる

すでにホームページを制作済みでも、補助金を活用すれば、さらに集客しやすい高機能なページに更新できます。ホームページ制作を専門業者に依頼する場合にも、補助金による負担軽減が約束されているなら、その予算で質の高いホームページの作成を実現できるでしょう。

これらを通して、集客力アップ、売上アップにつながる可能性が増えます。さらには、顧客からの信頼性向上に一役買うでしょう。

個人事業主のホームページ制作に使える補助金一覧【2025年最新】

ここでは、個人事業主のホームページ制作に利用できる補助金を紹介します。ただし、それぞれの補助金は目的が異なります。ホームページ制作の目的が補助金の目的に合っているか確認したうえで応募を検討しましょう。

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者のITツール導入を支援するための補助金です。個人事業主は、以下に該当する場合に利用できます。

業種等常時使用する従業員数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)5人以下
宿泊業・娯楽業20人以下
製造業その他

引用:申請の対象となる方 |IT導入補助金2025

IT導入補助金の対象となるITツール(ソフトウェア、サービス等)は、補助金の公式サイトに登録されているものに限定されています。ホームページ制作において、IT導入補助金は種々の活用方法が考えられますが、ホームページ制作以外の利用として、例えばIT導入補助金のインボイス枠を活用して、PCや会計ソフトを導入することも可能です。以下では、実際にIT導入補助金を活用した事例が掲載されているため参考にしてください。

参考:ITツール活用事例 | IT導入補助金2025

なお、IT導入補助金では、IT導入支援事業者とパートナーシップを組まなければなりません。応募する際はIT導入支援事業者からITツールに関する提案を受けて、ともに申請する必要があります。また、「SECURITY ACTION」(事業主が情報セキュリティの対策取組について自己宣言する制度)が申請要件となっており、事前に手続きが必要です。

参考:
IT導入補助金|独立行政法人中小企業基盤整備機構
SECURITY ACTION セキュリティ対策自己宣言|独立行政法人情報処理推進機構

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、販路開拓などのためのWebサイト制作にかかる経費をサポートする補助金として利用できます。対象となる経費に、「広報費、ウェブサイト関連費」と明記されているのはとても心強いでしょう。

IT導入補助金と同様に、個人事業主は以下に該当する場合に小規模事業者持続化補助金を利用できます。

業種等常時使用する従業員数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)5人以下
製造業またはそれ以外20人以下

令和7年2月28日時点において、小規模事業者持続化補助金の応募要領は公表されていませんが、令和6年度補正予算により令和7年に実施することが決定しています。通常枠に加えて「インボイス特例」や「賃上げ特例」が設けられ、それぞれ補助額が上乗せされる見込みです。

参考:人気の補助金|中小企業庁小規模事業者持続化補助金(通常枠)

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、経済社会の変化に対応するため、新市場進出や事業・業種転換、事業再編等、思い切った事業再構築を支援する制度です。補助対象経費の例としては、「システム構築費」や広告作成、媒体掲載などの「広告宣伝費・販売促進費」が挙げられており、ホームページ制作費もこの一環と言えます。

事業再構築補助金には、成長分野進出枠(通常類型、GX進出類型)とコロナ回復加速化枠(最低賃金類型)があります。それぞれの枠によって対象となる事業者が異なり、要件に合致すれば個人事業主も対象です。

各類型の要件として、金融機関等や認定経営革新等支援機関と策定した事業計画があり、補助事業終了後一定期間に一定の成長率が増加していることが求められます。

例えば、成長分野進出枠の通常類型(市場拡大要件)においては、次の要件が求められます。

  • その事業終了後3~5年で付加価値額の年平均成長率4%以上増加、または従業員1人当たり付加価値額の年平均成長率4%以上増加
  • 事業終了後3~5年で給与支給総額を年平均成長率2%以上増加
  • 取り組む事業が、過去から今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種に属している

したがって、事業上の取引について手続きや事務管理を整備しており、客観的に成長率が示せるような環境にあることが大切です。応募を検討している個人事業主は、金融機関や経営認定革新等支援機関等に相談しましょう。

参考:事業再構築補助金|中小企業基盤整備機構

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業者等が生産性を向上するために、革新的な新製品・新サービス開発事業等を行うための設備投資等に必要な経費を補助するものです。「製品・グローバル高付加価値化枠」や「グローバル枠」があります。

個人事業主も要件に合致すれば、ものづくり補助金に応募できます。補助対象費用には「広告宣伝・販売促進費」があるため、ホームページ制作が生産性向上のものづくりの一環として明らかであれば問題ないでしょう。

それぞれの枠に共通する基本要件は、次のとおりです。

  • 付加価値額の年平均成長率が+3.0%以上増加
  • 1人当たりの給与支給総額の年平均成長率について、事業主の都道府県の最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上、または給与支給総額の年平均成長率が+2.0%以上増加
  • 事業所内の最低賃金について、事業主の都道府県の最低賃金+30円以上の水準
  • 従業員21名以上の場合は、一般事業主行動計画を公表等

なお、これらすべてを満たす3〜5年の事業計画に取り組むこととされます。ものづくり補助金も、要件となる成長率等が継続的に正しく求められるような管理が必要です。

参考:
ものづくり補助金|中小企業基盤整備機構
ものづくり補助金総合サイト|中小企業基盤整備機構

個人事業主がホームページ制作の補助金を受給するまでの流れ

次に、補助金を受給するまでの大まかな流れについて解説します。それぞれの補助金は申請要件が異なるため、概要をつかんでから詳細な手続きを見ると分かりやすいでしょう。

申請に必要な書類を準備する

まずは募集要領をダウンロードし、申請要件に自身の事業が合うかどうかをよく検討しましょう。一般に次のような書類が必要です。

  • 各補助金で指定された申請書および事業計画書
  • 直近の確定申告書および収支内訳書または所得税青色申告決算書の控え
  • 本人確認書類
  • その他各補助金に応じた各種書類

なかでも事業計画書の作成は重要であり、補助金の採択に大きく影響します。IT導入支援事業者、認定経営革新等支援機関、商工会や商工会議所などの関与が必要なものもあるため早めに相談するのがよいでしょう。

公募期間中に補助金を申請する

各補助金にはそれぞれの公募期間があるため、必ず期間内に申請を行いましょう。申請にあたっては、多くの補助金で電子申請システムを利用しています。「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要なため、事前にアカウントを作成しておきましょう。GビズIDは、1つの「IDとパスワード」で、複数の行政サービスにログインできます。

参考:GビズID|デジタル庁

補助金の採択結果が通知される

各補助金の申請後、事務局の審査を経て採択結果が通知されます。採択結果の通知時期は、一般に申請締切から2〜3ヶ月後となることが多いです。採択通知を受けた後は、申請した事業計画に基づいて補助事業を開始しますが、この段階では、事業者が自己資金等で事業資金を立て替える必要があります。

事業内容の実施報告を行う

補助金では、補助事業状況についての実施報告が求められます。例えば、IT導入補助金では「事業実績報告」としてITツールの発注、納品、支払い等の取引を行ったことが分かる書類を提出します。

事業再構築補助金では、補助事業の完了後、指定の実績報告書やその証拠となる書類等を提出するにあたって提出期限が厳格に定められています。また、ものづくり補助金はその補助事業の終了後6年にわたって事業の報告をする必要があります。実施報告は交付決定の重要な要素のため、各補助金の公募要領等で確認しましょう。

補助金の交付が決定する

採択後、経費について内訳などを記載した書類や交付申請書を提出します。補助金の事務局は提出された実績報告や証拠書類を精査し、確定検査を行います。補助事業が計画どおりに実施されたか、経費が適切に使用されたかなどの確認が行われ、問題がなければ補助金の交付が正式に決定して事業者に通知されます。

補助金を受給する

補助金の事務局が事業者からの請求書を受理し、内容に問題がなければ、事業者の指定口座に補助金が振り込まれます。入金までの期間は通常、請求書提出から1ヶ月程度です。また、補助金によっては補助金受領後に検査を受ける場合があります。

個人事業主のホームページ制作の補助金に関する注意点

最後に、ホームページ制作において補助金を受ける場合の注意点を紹介します。

補助金を受給できるのはホームページの完成後

前述のとおり、補助金は補助事業の実施後に入金されます。後払いであるため、ホームページの制作費を個人事業主が一時的に立て替える必要があります。資金繰りが難しい個人事業主は、関連する融資制度として「小規模事業者経営改善資金(マル経融資)」などを検討してもよいでしょう。

参考:マル経融資(小規模事業者経営改善資金)|日本政策金融公庫

補助金を申請しても必ず採択されるわけではない

補助金の採択率はさまざまです。補助金によって異なるうえ、応募状況や申請要件等によっても変わります。例えば、IT導入補助金の2024年の採択結果を見ると採択率は高いものの、小規模事業者持続化補助金の2024年8月分の採択率は約37%、ものづくり補助金の2024年1月から3月にかけての採択率は約36%です。

加えて、補助交付候補者に採択されても申請した経費のすべてについて認められるわけではないので注意が必要です。

補助金の公募期間がいつまでか確認が必要

最も注意すべき点が、公募期間の確認です。多忙な事業の合間を縫って公募期間内に申請するためには、計画性が求められます。

事業計画においては、補助事業の目的や実施内容、期待される効果などを具体的に記載する必要があります。また、その事業の市場環境や競争優位性などを記述する場合もあります。頭の中で事業像を思い描くだけではなく、日ごろから気になる点をまとめておき、期限内に文章化できるよう工夫しておきましょう。

補助金の趣旨に合致したホームページ制作を

補助金制度がいくつもあるのは、それぞれの趣旨が異なるからです。同じホームページ制作でも、それぞれの補助金の趣旨に合致しているかによって採択率が大きく変わります。

重要なのは、資金計画やスケジュールが具体的で「実現できる計画」を仕上げられるかという点です。また、補助金終了後においても事業が継続できる仕組みであることを示せるとよいでしょう。


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