1. 「マネーフォワード クラウド会社設立」
  2. 会社設立の基礎知識
  3. 外国人が日本で会社設立するための流れと条件、必要書類や登記のやり方
  • 更新日 : 2021年9月17日

外国人が日本で会社設立するための流れと条件、必要書類や登記のやり方

外国人が日本で会社を設立する場合は、必要書類や条件などが日本人の場合と異なります。発起人の銀行口座が日本の銀行法で定められている銀行ではない場合や、持っているビザによっては会社を設立できない場合があること、また印鑑証明が発行されないためサイン証明書が必要になることなど、さまざまなハードルがあります。

これらを理解しておけば、外国人でもスムーズに会社を設立できるでしょう。この記事では、外国人が会社を設立する方法や流れ、費用、必要な書類について解説します。

外国人が日本で会社設立する方法は?日本人と異なる?

外国人が日本で会社を設立する際、日本人が会社を設立する場合と方法や手続きが大きく変わることはありません。定款を作成し、公証人の定款認証を受けて出資金を払い込み、設立登記を行うという流れです。
日本人が会社を設立する場合と異なるのは、外国人ならではのさまざまな条件があることです。例えば、法務局に提出する書類に日本語訳がついていなければ、受理されません。

また、外国には印鑑証明の制度はほとんどありませんが、日本では定款認証や設立登記申請の際は、必ず発起人や代表取締役の印鑑証明が必要です。印鑑証明を持たない外国人は、その代わりになるサイン証明書などが求められるなど、外国人が日本で会社を設立するために必要な書類は、日本人の場合とは異なります。

その他、日本で会社を経営するためには「経営・管理ビザ」を取得する必要もあります。経営・管理ビザの取得にも条件があります。

外国人が日本で会社設立するための条件は?

外国人であっても条件を満たせば日本で会社を設立することができますが、外国人には在留資格(ビザ)があり、その種類によっては日本での活動が制限されます。

外国人が「日本人の配偶者等」「定住者」「永住者」「永住者の配偶者等」の在留資格をすでに取得している場合は、日本での活動が制限されることはありません。日本人と同様に、好きな形態で法人を設立することができます。

一方、外国人が「技術・人文知識・国際業務」「技能」「家族滞在」「留学」といった在留資格を取得している場合は日本での活動が制限されるため、自由に会社を設立することはできません。入国管理局で「経営・管理」ビザへの変更を申請する必要があります。

例えば「技能」のビザを取得している外国人が、これまでそのビザを使って技術を磨いていたとしても、自分で会社を設立してお店を経営したい場合は、在留資格を「技能」から「経営・管理」ビザに変更して、経営者として活動できるようにしなければなりません。

経営・管理ビザを取得する方法は?

経営・管理ビザを取得するには、以下の3つの条件があります。

  • 事業所が確保されていること
  • 資本金か出資の総額が500万円以上または2名以上の常勤職員を雇用していること
  • 事業の安定性・継続性があり、経営者本人に経営能力があると判断できること

事業所が確保されていること

経営・管理ビザを取得するためには、すでに会社を設立していなければなりません。バーチャルオフィスは事業所としての実態がないため、会社として認められないので注意が必要です。短期での契約や月ごとの契約も「継続性」の要件を満たさないため、事業所として認められません。自宅を事業所として使用する場合は、自宅が「専ら住宅として使用するもの」と定められていると事業所として使用することができません。会社を設立するためには事務所や店舗など、経営主体となる事業所がすでに確保されている必要があります。

資本金か出資の総額が500万円以上または2名以上の常勤職員を雇用していること

外国人が会社を設立する場合は500万円以上の資本金または出資が必要で、その資金をどのように拠出したのかを証明しなければなりません。自分で貯めた場合は通帳のコピー、借り入れた場合は金銭貸借契約書や返済計画書といった書類が必要です。2名以上の常時社員を雇用している場合は、資本金または出資が500万円未満でも申請は可能です。ただし、常時社員は日本人または就労ビザ以外のビザを持っている外国人で、「永住者」「永住者の配偶者等」「日本人の配偶者等」「定住者」に限られます。

事業の安定性・継続性があり、経営管理者本人の経営能力があると判断できること

申請した事業に安定性と継続性があり、経営者本人に経営能力があることを書類で説明しなければなりません。そのためには、事業計画書の提出が必須です。事業計画書の内容から、事業の安定性や継続性の有無が判断されます。なぜこの事業を行いたいのか、どのように実現しようとしているのか、営業活動、組織体制、収支の見通しなど、説得力のある事業計画書を作成する必要があり、外国人が会社を設立する上で最も重要な資料といえます。

外国人が日本で会社設立する流れ・費用は?

外国人が日本で会社を設立する際の流れは、以下のとおりです。

  1. 会社の基本事項を決める
    会社の名前(商号)、発起人、資本金、事業目的、本店所在地などを決めます。商号は、同じ所在地で同一の商号がないことを確認する必要があります。
  2. 会社実印の作成
    代表取締役印、角印、銀行印の3種類を作成するのが一般的です。
  3. 定款の作成と認証
    定款とは、会社の規則・ルールのことです。定款を作成し、公証役場の公証人から認定を受けます。
  4. 資本金の振り込み
    定款認証後に、発起人が定めた銀行口座に資本金を振り込みます。
  5. 登記申請
    法務局で会社の設立登記を行います。設立登記の完了をもって、会社が法的に成立します。
  6. 諸官庁届出
    開業届などの書類を税務署などに提出します。
  7. 経営・管理ビザへの変更申請
    会社を設立後、経営に必要な「経営・管理ビザ」を取得するため、入国管理局へ変更申請を行います。経営・管理ビザへの変更が許可されれば、一連の手続きは完了です。

外国人が日本で会社を設立する際に必要な費用

日本人は資本金が1円でも会社を設立できますが、外国人の場合は2名以上の常勤社員を雇用できないと、500万円以上の資本金を用意しなければなりません

その他、会社を設立するには法定費用として約25万円、行政書士や司法書士といった専門家への報酬として10万~15万円程度の費用が発生します。

会社設立の手順や費用については、こちらの記事を参照してください。

外国人が日本で会社設立するための必要書類は?

外国人が日本で会社を設立するために必要な書類は、以下のような一般的に必要な書類のほか、印鑑証明書を持たない外国人は代わりにサイン証明書が必要になります。サイン証明書は、日本にある大使館や領事館といった在外公館で取得できます。

登記申請書

登記申請書は、会社の基本事項を記載して申請する書類です。外国語で書いた書類を提出しても問題ありませんが、必ず日本語訳をつけましょう。

定款

定款とは、会社のルールや規則をまとめた書類のことです。

資本金払込証明書

実際に資本金を払い込んだことを証明するための書類です。

就任承諾書

就任承諾書は、会社の取締役に就任したことを証明する書類です。

発起人・取締役の印鑑証明書

印鑑証明書を持たない外国人は、サイン証明書を用意する必要があります。

印鑑届書

会社の実印である代表者印を法務局に届け出て、登録するための証明書です。

外国人が日本で会社設立するときに気をつけることは?

外国人が会社を設立する際に必要な手続きの一つに、資本金の払い込みがあります。日本の銀行法に規定されている銀行でなければ、資本金の払い込みはできません。発起人の銀行口座が日本の金融機関ではないケースと、発起人の銀行口座が日本の金融機関の海外支店であるケースを見てみましょう。

発起人の銀行口座が日本の金融機関でない場合

発起人の銀行口座が日本の金融機関でない場合は、発起人が日本の金融機関で口座を開設するか、有効な金融機関の口座を持つ協力者に取締役となってもらうことで、資本金の払い込みが可能になります。

日本の金融機関の口座を開設するには、「仕事や留学のために日本に6ヵ月以上滞在していること」「住民票を取得していること」といった条件があります。この条件に当てはまる人が発起人の中にいれば、日本の金融機関で口座を開設できます。

この条件を満たす人が発起人の中にいなければ、協力者を探して取締役になってもらい、資本金の払い込みに関する権限を発起人から協力者に移して、協力者の口座に資本金を払い込みます。
その後発起人が経営・管理ビザを取得したら、協力者には取締役を退任してもらいます。

発起人の銀行口座が日本の金融機関の海外支店の場合

日本の金融機関の海外支店は、日本の銀行法で定められた金融機関であるため、資本金の払い込み先として利用できます。ただし、海外支店の口座では取引が日本円以外の通貨で行われていることがあり、その場合はレートの証明が必要です。

外国人が日本で会社設立する方法について理解できましたか?

ここまで、外国人が日本で会社を設立する際の流れや条件、必要な書類について解説してきました。日本での会社設立をスムーズに行うためにも、手続きの流れや条件を正しく理解することが大切です。特に事業計画書の作成は非常に重要なので、実現性や継続性をしっかり説明できるように準備しておきましょう。

よくある質問

外国人が日本で会社を設立する方法は日本人の場合と異なりますか?

会社を設立する際の一連の流れは同じですが、印鑑証明書を持たない外国人はサイン証明書が必要になるほか、経営・管理ビザを取得する必要もあります。詳しくはこちらをご覧ください。

印鑑証明の代わりになるものは?

在外公館で発行してもらえるサイン証明書が、印鑑証明の代わりになります。詳しくはこちらをご覧ください。

外国人が日本で会社を設立するために必要なお金は?

2名以上の常勤社員を雇用できなければ、500万円以上の資本金が必要です。また、会社を設立するための法定費用として約25万円、行政書士や司法書士などに支払う報酬として10万~15万円の費用が発生します。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

「マネーフォワード クラウド会社設立」で会社設立をもっとラクに

監修:服部 大(中小企業診断士/税理士)

服部大税理士事務所/合同会社ゆとりびと 代表社員
2020年2月、30歳のときに名古屋市内にて税理士事務所を開業。平均年齢が60歳を超える税理士業界の数少ない若手税理士として、顧問先の会計や税務だけでなく、創業融資やクラウド会計導入支援、補助金申請など、若手経営者を幅広く支援できるよう奮闘している。執筆や監修業務も承っており、「わかりにくい税金の世界」をわかりやすく伝えられる専門家を志している。