• 作成日 : 2024年8月30日

中古車販売業の事業計画書の書き方・無料テンプレート【簡単解説】

事業計画書は、中古車販売業の開業にあたり、サービス内容やターゲット層、収支計画を示す重要な書類です。安定した経営を続けるためには、自社の強みや独自性を明確にし、実現可能なマーケティング戦略を策定することが求められます。本記事では、中古車販売業の事業計画書について、テンプレートを基にした書き方や、作成のコツなどを解説します。事業計画書のテンプレートが必要な場合は、以下からダウンロード可能です。

中古車販売業の事業計画書はなぜ必要?

中古車販売業を成功させるためには、明確な事業計画書の作成が欠かせません。主な目的は、事業の展望や収支計画、リスク管理などを明確にし、ビジネスを成功に導くことです。

大手企業も参入する競争の激しい中古車販売業では、在庫管理や仕入れ、顧客獲得、アフターサービスなどの具体的な戦略がなければ、事業の継続が困難になる可能性があります。市場調査に基づいた根拠のある計画を示し、一貫性のある事業計画書を作成しましょう。

また、事業計画書は、金融機関の融資審査にも必要です。自社の独自性や強みを計画書にしっかりと示すことで、金融機関や投資家からの信頼を得やすくなり、資金調達の成功率が高まります。

中古車販売業の事業計画書のひな形、テンプレート

事業計画書 中古車販売業

マネーフォワード クラウドは、中古車販売業向けの事業計画書のひな形、テンプレートをご用意しております。事業計画書作成の参考として、ぜひダウンロードして、ご活用ください。

中古車販売業の事業計画書の書き方・記入例

事業計画書を作成する際には、中古車販売業に特化した要素を取り入れることが重要です。本章では、各項目の書き方と記入例を解説します。

創業の動機・目的

「創業の動機・目的」は、中古車販売業を始める理由や背景を記載します。中古車販売業を始める動機や目的は、事業計画書において事業者のビジョンを明確に示す重要な部分です。

たとえば「車に関わる仕事をしたいという思いがあり、〇〇自動車での業務のほか、同社で取扱いのない外車について、副業でも転売を行っている」といった具体的な動機や背景を示すと良いでしょう。

動機や目的が明確であるほど事業計画書の信頼性が高まり、金融機関や投資家に対する説得力が増します。事業に対する想いが伝わるよう、具体的な内容で作成しましょう。

職歴・事業実績

「職歴・事業実績」は、過去の職歴や関連する事業経験を記載します。中古車販売業に関連する職歴や事業実績は、事業計画書において重要なアピールポイントです。

たとえば「〇〇自動車に就職し、社内販売実績で5年連続1位を達成」といった、具体的な経験や数値を示すことで、事業の信頼性を高められます。また「中古自動車販売士、中古車査定士を取得」のように、保持資格やスキルを記載することで技術面での強みが伝わり、成功の可能性が高いことを示せるでしょう。

取扱商品・サービス

「取扱商品・サービス」は、提供する商品やサービス内容、セールスポイントを具体的に記載します。中古車販売業の場合、取扱う車種や中古車販売以外のサービスを明確に示してください。

たとえば、特定のブランドや車種に特化した販売戦略を打ち出すことで、他社との差別化を図れます。また、車両の整備・点検や保証サービス、アフターサービスなどの付加価値サービスも、差別化を図る上で重要な要素です。

たとえば「広く中古車を取扱うが、特にSUVの品揃えを充実させ、SUVの中古車に強い店という印象を持ってもらえるようにブランディングしていく。」といった具体的な方針を示しましょう。

付加価値サービスについては「自店で購入した場合のメンテナンスの割引など、リピーター獲得に向けた施策も講ずる。」など、販売促進につながる戦略を記載することで、独自性を強調できます。

取引先・取引関係

「取引先・取引関係」は、販売先や仕入先、提携先を記載します。

主要な仕入先としては、以下の一例が挙げられます。

  • 自動車オークション会社
  • 買取業者
  • 一般個人からの買取(下取り)

中古車販売業では、安定した仕入れルートがないと事業の継続が難しくなるため、取引先を具体的に記載し、事業の安定性を示すことが重要です。アフターサービスの充実度や信頼性を高められます。

従業員

「従業員」は、3か月以上雇用する予定の従業員数を記載します。

中古車販売業の業務は、営業や車の整備、事務作業など多岐にわたります。営業担当や整備士、事務員など、事業運営に必要なスタッフの人数を具体的に明記しましょう。

たとえば「常勤役員の人数(法人のみ):1人、従業員数(3か月以上継続雇用者):8人」のように示します。

借入の状況

「借入の状況」は、事業とは関係のない経営者個人の借入状況を記載します。

たとえば「住宅ローン」「自動車ローン」「教育ローン」など、現在の借入金をすべて明示してください。

事業開始にあたって新たに融資を受ける場合、借入状況を正確に申告することが重要です。既存の借入状況や返済能力を示し、金融機関や投資家に対する信頼性を高めましょう。

必要な資金と調達方法

「必要な資金と調達方法」は、事業に必要な資金総額と資金の調達方法を記載します。必要な資金は、設備資金と運転資金に分け、それぞれの使用用途と金額を明記してください。

中古車販売業において必要な資金は、以下の一例が挙げられます。

  • 設備資金:店舗取得費・内装工事費・家具、備品費など
  • 運転資金:人件費・仕入費・広告宣伝費など

また、資金調達の方法としては、自己資金のほか、金融機関や日本政策金融公庫からの借入が一般的です。

中古車販売業の場合、車両仕入れに多額の費用がかかるため、設備資金を抑える工夫をし、安定して事業を継続できる計画を立てましょう。

事業の見通し(月平均)

「事業の見通し」は、月ごとの売上や利益の見通しを記載します。事業の安定性や将来性を示す重要な要素となるため、市場や競合の調査に基づき実現可能な計画を行いましょう。

たとえば、以下のように具体的に記載します。

  • 売上高:平均客単価230万円×月間売上台数12台=2,760万円
  • 原価率:80%
  • 人件費:役員報酬80万円、正社員40万円×5人、パート従業員15万円×3人
  • 家賃:50万円
  • 支払利息:1,200万円×年1.5%÷12ヵ月=1.5万円
  • その他:消耗品費、諸経費 50万円

中古車販売業の場合は、季節変動や市場のトレンドによる売上の変動も考慮し、現実的な予測を行うことが求められます。

中古車販売業の開業に必要な資格・許可について

中古車販売業を営むためには、以下のような資格や許可が必要です。

古物商許可

中古車販売業を始めるにあたり、古物商許可は必須の許可です。中古車は「古物」に該当するため、古物営業法に基づいて古物商許可証の取得を取得する必要があります。古物商許可がなければ、中古車の販売や買取を行うことはできません。取得には通常1〜2か月程度かかるため、早めに準備を進めることが重要です。

サービスに応じて必要な許可・資格

中古車販売業は、提供するサービス内容に応じて、取得すべき許可や資格が異なります。

以下に代表的な一例を解説します。

自動車分解整備事業認証

中古車販売に加えて、整備や車検サービスを提供する場合、道路運送車両法に基づいて地方運輸局長の認証を受ける必要があります。

自動車整備士資格

車両の整備や点検を行う場合、自動車整備士の資格が必要です。道路運送車両法に従い、多数の従業員がいる場合には、1/4以上かつ2人以上の自動車整備士を配置しなければなりません。

自動車保険代理店登録

中古車販売と同時に自動車保険の販売を行う場合、保険業法に基づき、損害保険会社との代理店契約を締結し、財務局への登録が必要です。登録には、保険募集に関する試験に合格することが条件となります。


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