- 更新日 : 2023年8月29日
会社設立で失敗しないためには?失敗例から経営の秘訣を学ぶ
会社を設立すれば、莫大な利益や名声を得られる可能性があるため、とても魅力的に思えます。しかし実際は、会社設立後間もなく廃業・倒産する会社も少なくありません。
ビジネスで成功するためには、魅力的な面ばかりに着目するのではなく、あらかじめ失敗するパターンを把握し、そのパターンに陥らないようにしなければなりません。そこでこの記事では、会社設立後に潰れてしまった事例を紹介し、失敗例から会社を維持するための秘訣を考えていきます。
目次
会社は設立後10年以内に潰れるケースが多い!
2006年(平成18年)版の経済産業省の資料によると、製造業の企業生存率は1年後が約73%、5年後は約42%、10年後は約26%です。製造業のみのデータですが、会社を設立しても、10年以内に7割以上の会社が倒産していることがわかります。
この数値から、会社の存続が難しいことが推測できます。今後、企業生存率が低下する可能性もあるでしょう。失敗には必ず原因があり、失敗しないためには失敗する人の共通点や失敗例を知り、そうならないように対処することが大切です。
会社設立の失敗例
ここでは、実際に会社を設立したものの、その後失敗した例を見ていきます。
失敗例①銀行から融資を受けられない
会社を設立して事業を行う上で、資金の確保は非常に重要です。資金需要が生じた場合は、まず銀行融資を検討するでしょう。しかし、会社設立後の数年間は実績がなく信用性に乏しいため、融資を申し込んでも審査に通らず、融資を受けられないことがあります。すると資金ショートを起こし、設立後数年で会社が潰れてしまうのです。
失敗例②初期投資が多額で、資金不足に陥っている
製造業や店舗ビジネスなど、多額の初期投資が必要な場合は、ほとんどのケースで融資を受けているでしょう。融資を受けると、返済していかなければなりません。しかし、思うように売上が上がらないと資金不足から返済困難に陥り、倒産に追い込まれることがあります。
失敗例③一緒に起業した仲間と意見が対立している
起業する人の中には、友人と起業するケースもあるでしょう。会社設立時は仲が良くても、経営方針や利益の配分などで揉めることが多くなると、仲違いすることがあります。
中には、ビジネスパートナーが会社の現金を持ち逃げして、その結果倒産することも。他人を信用しすぎることも、起業でよく見られる失敗例です。
失敗例④取引先を確保できなかった
会社設立後に仕入先や販売先の確保に失敗して、事業継続が困難になるケースも少なくありません。一般的には、会社設立前から仕入先や販売先の候補となる企業と交渉し、取引の約束を交わしてから事業を立ち上げます。しかし、会社設立前に取引先の確保をしっかり行わず、設立してから行動する会社もあるでしょう。
企業同士の取引では信用が重視され、取引実績のない新設会社との取引には慎重になるため、すぐに取引を開始してもらえるとは限りません。このようなことが重なると、設立後数年間は事業がうまく回らないため、倒産を余儀なくされることがあります。
失敗例⑤人材不足・良い人材を確保できない
社員がいなければビジネスが成立しない業種もあります。そのような業種では、彼らとのコミュニケーションが重要になるでしょう。社長とのコミュニケーションがうまく取れなければ、社員が不安になって辞めていくかもしれません。
社員が経営理念を把握するまでは社長がリーダーシップを発揮し、コミュニケーションを継続してください。朝礼などで社長の考えを社員に伝え、日常業務において社長自ら率先して経営理念に沿う行動をすること。すると次第に経営理念が社員に浸透し、その経営理念に賛同する良い人材が集まってきます。
失敗例から学ぶ!倒産する会社の共通点は?
ここでは会社を設立したものの失敗した例をもとに、倒産する会社の共通点をまとめました。起業する際には、こういったことが起きていないか確認してみてください。
経営・会計に関する知識がない
会社の設立にあたって、経営者は経営に必要な知識を習得しなければなりません。経営者の中には、経営に必要な戦略策定・マーケティング・組織運営・財務会計・税金などの知識が不足している人も見られます。
戦略がなければ効率的な事業活動ができませんし、適切なマーケティング手法を利用できなければ事業の拡大もできません。組織を適切に編成し、効果的な人材マネジメントを行わなければ必要な人材を確保できず、事業活動に支障をきたすでしょう。
財務会計の知識がなければ資金ショートの可能性が高くなり、倒産リスクを高まります。さまざまな問題に対処し、効果的に会社運営を行うためには一定の経営知識を習得し、活用できるようになる必要があります。
無計画な起業や事業拡大
無計画に起業したり、事業を拡大したりして失敗する原因は、企業経営に対する知識・経験の不足と認識の甘さです。特に、会計知識が不足している場合は倒産リスクが高まります。
売上が好調で会計上は利益が出ていたとしても、売掛金の回収が遅れたり、商品を過剰に仕入れたりすると、現金の支出が収入を上回り、資金ショートに陥りかねません。いくら儲かっていたとしても、手元資金が不足して支払いが滞れば、倒産してしまいます。
需要動向の調査や分析をせず、多額の設備投資を勢いで行って失敗するケースも少なくありません。期待や思い込みだけで事業を拡大すると、大きな失敗につながります。
目的・ビジネスモデルが曖昧
若手の経営者に多いのが、目的やビジネスモデルが曖昧なまま、勢いだけで会社を設立するケースです。例えば自分の好きなことややりたいことをビジネスにする場合、市場規模や収益性をまったく考えず事業を始める人がいますが、それでは失敗するために起業するようなものです。
「流行っているから」「儲かるから」といった理由で事業を始めるのもよくありません。儲かる事業は、その分競争が激しくなります。競争に勝ち、事業を継続するためには緻密な戦略や他社との差別化が必要であり、軽い気持ちで会社を設立すると競争に勝てず失敗してしまうでしょう。
会社を永く経営するためのポイント
会社経営を成功させるためには、社員に経営理念を浸透させることが重要です。広い視野を持って経営を企画し、外部環境の変化にも敏感にならなければなりません。判断を誤れば倒産リスクが高まり、顧客や取引先、従業員に迷惑をかけてしまいます。
会社を設立して事業を永く継続するためには、まずは経営者としての自覚や経営知識、判断力を磨く必要があります。適切な情報を収集し、内部環境と外部環境を見定めることで、事業の安定と拡大を図ることができます。
よくある質問
設立後10年以内の会社生存率は?
2006年(平成18年)版の経済産業省の資料によると、設立から10年後の企業生存率(製造業)は約26%です。詳しくはこちらをご覧ください。
会社設立の失敗例とは?
会社設立後数年間は、社会的信用が乏しいため融資を受けられず、資金ショートに陥るケースが少なくありません。また、取引先を確保できなかったり、人材が不足したりするケースもあります。詳しくはこちらをご覧ください。
倒産する会社の共通点とは?
倒産は、主に経営者の経営知識の不足や認識の甘さなどが原因で起こります。事業を永く継続するためには、経営者としての自覚や経営知識、判断力を磨くことが大切です。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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