• 作成日 : 2016年8月15日

事業承継には準備が必要!事業者が今知っておくべき基礎知識

事業承継は準備が肝心です。「まだまだ先の話だし」「先のことを考えている余裕はない」と考えていては、いざ事業承継をするとなると様々なトラブルが起きかねません。
ここではそうならないための事業承継の計画の立て方、後継者を選ぶ際の考え方、そして事業承継にかかるコストについて解説します。

事業承継の計画を立てる

「2つの承継」で事業承継を万全に

事業承継は「経営そのものの承継」と「自社株式・事業用資産の承継」という2つの「承継」から構成されています。
経営そのものの承継とは、後継者が事業承継したあとにスムーズに経営を始めるための「経営ノウハウの承継」と、経営者の会社に対する想いや価値観、信条などの「経営理念の承継」の2つを指します。
これを円滑に行うためには会社内部の要職を任せたり、他社への出向などを通じて後継者を事前に教育することが必要です。
自社株式・事業用資産の承継をする際には、経営に必要な自社株式や事業用資産を後継者に対して集中的に配分し、他に子供がいる場合はそれ以外の財産を配分するといった配慮をしなくてはなりません。
配偶者や子供には「遺留分」といって民法上保障される最低限の資産承継の権利があるため、後継者にすべて配分することはできないのです。
また事業承継には少なからずコストがかかります。そのための資金を確保するのも事業承継の重要なポイントです。

事業承継の計画を立てる際の4つのポイント

2つの承継をスムーズに行うためには、以下の4点を踏まえた事業承継の計画が必要です。

1.事業承継の関係者の整理
2.事業承継に関わるお金の整理
3.経営理念や事業の中長期目標の設定・確認
4.どうやって・いつまでに事業承継するかの設定

1は現在の経営者を含め、配偶者や子供の年齢や仕事などの現状の再確認です。
2では会社の事業資産や個人資産などを大まかに確認します。まだ後継者が決まっていない場合、1と2の結果をもとに決定することも可能です。
3は事業承継の延長線上に会社として、事業としてどんな目標を掲げるかを設定・確認する作業です。例えば「適正規模の高利益経営」を理念に掲げ、「3つある事業のうち1つは5年以内に縮小・停止させ、他の2つに集中する」といった目標を掲げるのです。
4では事業承継の関係者に対して、後継者が承継することの承諾を得たり、どういった段取りで経営ノウハウや経営理念の承継を行っていくかなどを具体的に決めていきます。
特に決めておくべきなのが「いつまでに」という期限です。これが不明確な場合、経営者がいつまでも経営に口出しするなどして、後継者だけでなく従業員まで混乱させる危険があります。

誰に事業承継するべきなのか?

親族内にいない場合は従業員でも問題なし

多くの事業承継が親から子供へと行われます。しかし子供や配偶者、その他の親族に事業承継の資質や意思がない場合は、信頼の置ける従業員の中から後継者を決めても問題はありません。すでに会社や事業をよく理解した従業員であれば、事業承継もスムーズです。
注意したいのはそれまで事業承継の意思がないと考えていた親族が、突然事業承継したいと言い出すケースです。事態が必要以上に複雑化するため、事前に親族の意向を慎重に確認する必要があります。

後継者はどう育てる?

後継者としての自覚や能力を育てるためには、会社内部および外部での教育が必要な場合があります。
会社内部での教育には、営業や財務、労務、製造など社内の様々な部門を経験させる「ローテーション」や、部長や専務などの責任ある地位に就けることで経営に関わる意思決定やリーダーシップを養う方法があります。
一方で実際に他社に勤務させることで人脈形成や会社に対する客観的な視点を磨く方法や、事業承継の後継者対象のセミナーなどを活用するのが、外部での教育です。どのような方法が効果的かは後継者によって様々なので本人と面談しながら考える必要があります。

後継者の決定は現経営者の重要な役割

後継者の決定は現経営者に発言権・決定権があるうちに必ず行わなくてはなりません。引退後に内紛が起きたり、会社の経営がストップするなどの問題の原因となるからです。
もし「適切な後継者が見つからない」と困っている場合は、経済産業局が選んだ中小企業支援の専門家である「巡回対応相談員」や、商工会議所などの支援機関に相談することもできます。

事業承継にかかるコストは2種類

親族内での事業承継を行う場合、後継者には次の2つのコストがかかります。

1.会社または後継者が、相続などで分散した自社株式や事業用資産を買い取るための資金
2.後継者が、相続や贈与によって自社株式や事業用資産を取得した場合に必要な相続税や贈与税の納税資金

後継者でない子供などに対して遺留分を配分すると、後継者の経営が円滑に行えない場合もあります。その際に必要となるのが1の資金です。
相続や贈与で事業承継ができたとしても、そこには税金が課せられます。これを用意できなければ財産を国に譲渡しなければならないため、事業承継ができません。
そのため2の資金も必ず用意しておく必要があります。

まとめ

準備不足のまま事業承継のタイミングを迎えてしまうと、内紛や相続問題、資金不足などで最悪の場合廃業になる可能性もあります。
そうなれば親族の人間関係にしこりが残るばかりか、従業員を路頭に迷わせることにもなります。ここで解説した基礎知識を理解し、スムーズに事業承継を行えるよう事前にしっかりと計画・準備しておきましょう。

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