- 作成日 : 2025年2月20日
会社設立の際に経費になるものは? 勘定科目や仕訳、節税ポイントを解説
会社設立にかかった費用は、経費に計上できます。本記事では、会社設立の際に経費にできる費用の一覧をはじめ、経費計上するにあたって用意すべきものや注意点などについて解説します。
経費計上する際の仕訳の例も一緒に取り上げるため、興味を持った方はぜひ最後までご覧ください。
目次
会社設立の際に経費にできる費用は?
経費とは、所得を得るために事業で発生した支出のことです。会社設立において経費にできる費用には、創立費と開業費の2つが挙げられます。
両者の詳しい説明は、以下のとおりです。
創立費
創立費とは、設立準備開始から会社設立までに必要な諸費用のことです。創立費の対象となるものとして、定款および諸規則作成のための費用や、オフィスの賃借料などが挙げられます。
また、カフェで会社設立関連の話し合いを行ったときに支払った飲食代や、移動の際にかかった交通費なども創立費に含めることが可能です。なお、資本金は創立費に含めないため、注意してください。
開業費
開業費は、会社設立から事業開始までにかかる費用のことです。具体的には、広告宣伝費や事務用品や備品の購入費、市場調査費用などが含まれます。
開業費として認められる費用は個人と法人で異なるため、経費を計上する際は注意が必要です。また、開業後に発生した費用は開業費に含まれません。
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会社設立の経費はいつから計上できる?
会社設立の経費の計上は、とくに期間の制限が設けられていません。その気になれば、開業の数年前までさかのぼって経費計上できます。
ただし、数年以上も時間が経っている費用を経費計上する場合、税務署に不審に思われ、調査対象になりかねません。そのため、基本的には半年から1年ほどさかのぼって計上します。
会社設立で経費として計上できないもの
開業するために必要な費用は、基本的に経費として計上することが可能です。ただし、以下のように通常は経費として計上できても、開業費としては計上できない費用もあります。
- 事業税などの税金
- 土地や建物などの賃貸料
- 商品の仕入れ費用
- 通信費
- 光熱費
- 従業員の給料
会社を運営するうえで経常的に発生する費用は、基本的に会社設立時には経費にできないと考えておきましょう。
会社設立の経費を計上するために必要なもの
会社設立に関連する費用は、経費として計上することが可能です。しかし、経費として計上するためには、証明書を用意しなければなりません。
以下では、経費を計上する際に有効な証明書について解説します。
領収書
会社設立にかかった費用を経費として計上するにあたって、欠かせないのが領収書です。発生した費用を領収書という目に見える形で残すことで、経費として計上できるようになります。
また、昨今は業務の効率化や保管スペースの削減を目的として、領収書を電子化するケースも多いです。電子化された領収書は、電子帳簿保存法に則って電子保存していれば、経費を計上する際の有効な書類として認めてもらえます。
レシート
領収書がない場合は、レシートでも経費の計上は可能です。ただし、以下の情報が記載されているものに限ります。
- 購入年月日
- 購入した場所
- 購入したもの・サービス
- 購入したもの・サービスの金額
また、宛名がなければ領収書の代わりにならないと考えている方もいますが、必ずしもそうとは限りません。
出金伝票
電車やタクシー代などの交通費は、領収書はおろか、レシートすらもらえないことがあります。そのようなときに役立つのが、出金伝票です。
出金伝票とは、個々の取引内容をその場で記録するために用いる伝票の1種です。ただし、経費として計上できる書類にするためには、日付をはじめ、出金先・勘定科目・摘要・金額などを正確に記載しなければなりません。
不備があった場合、経費の架空計上を疑われるため、出金伝票を作成する際は注意してください。
会社設立の経費の勘定科目や仕訳の例
取引の内容を正確に記録するためにも、会社設立の際にかかった経費は必ず仕訳しましょう。具体的な勘定科目や仕訳の例は、以下のとおりです。
創立費の仕訳
創立費の仕訳をする際は、勘定科目「創立費」を用います。たとえば、会社設立登記に関して50万円を現金で支払った場合、以下のような仕訳を行います。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 創立費 | 500,000円 | 現金 | 500,000円 | 会社設立登記費用 | |
創立費は、原則営業外費用です。そのため、基本的に支出時の仕訳で会計処理は完了します。
なお、創立費は繰延資産として計上することも可能です。その場合は任意償却、もしくは60ヶ月(5年)以内に均等償却します。
60ヶ月(5年)以内に均等償却する場合の仕訳は、以下のとおりです。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 創立費償却 | 50,000円 | 創立費 | 50,000円 | 会社設立登記費用 | |
上記の仕訳は、当期事業年度の月数が6ヶ月であるケースを想定しています。
開業費の仕訳
開業費の仕訳は、勘定科目「開業費」を用います。たとえば、開業のために市場調査を20万円で実施し、すべて現金で支払った場合、以下のような仕訳を行います。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 開業費 | 200,000円 | 現金 | 200,000円 | 市場調査実施費用 | |
開業費は、原則営業外費用です。しかし、繰延資産にもすることもできます。
その場合は、60ヶ月(5年)以内の均等償却によって、以下のような仕訳を行います。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 開業費償却 | 20,000円 | 開業費 | 20,000円 | 市場調査実施費用 | |
上記の仕訳は、当期事業年度の月数が6ヶ月であるケースを想定しています。
会社設立の経費を計上する際の注意点
会社設立の経費を計上するにあたって、いくつか押さえておきたい注意点が存在します。以下で具体的な注意すべきポイントを取り上げるため、経費を計上する際の参考にしてください。
経費の不正計上をしてはいけない
経費の計上をするにあたって、過少申告や無申告などの不正計上が発生しないようにしましょう。不正計上と判断された場合、以下のようなペナルティを受けなければなりません。
また、不正計上を行ったことが知られた場合、コンプライアンス意識が低い企業と判断され、経営に深刻な影響をもたらす可能性が高いです。意図せず不正計上を行わないためにも、経費の正しい計上を心がけてください。
根拠資料を用意する
経費計上をする際は、必ず領収書やレシートなどの根拠資料を用意してください。また、領収書やレシートは、会社法や税法などによって保管義務が定められています。
保管する期間も決まっており、税法に関わるものは7年間保管しましょう。根拠資料は、取引の証明だけでなく、法令遵守の証拠としても役立ってくれます。
保存方法は、原本のまま書面をファイリングするのが一般的です。なお、電子メールや会計システムを利用した電子取引は、原則電子データのまま保管します。
会社設立の経費計上で節税効果を高めるポイント
会社設立の経費計上は、減価償却によってさらに節税効果を高められます。減価償却とは、収益に貢献した資産の取得額を費用化することです。
会社を設立した場合、減価償却費を計上するタイミングを任意で選択できます。事業が赤字のときは償却額を抑え、黒字のときに全額一括で計上することで節税が可能です。
会社設立にかかる費用を削減するには?
会社を設立するためには、さまざまな費用がかかります。そのため、できるだけ費用を抑えたいと考える方も多いです。
以下では、会社を設立するにあたって有効な、費用を削減する具体的な方法について解説します。
電子システムを利用する
費用を削減するおすすめの方法の1つが、電子システムの利用です。会社設立時には定款の作成が必要になりますが、定款を書面で作成した場合、印紙代が発生します。株式会社の設立であれば、定款認証を受ける際に4万円の収入印紙が必要です。
定款は書面に限らず、電子化された定款でも認証を受けることが可能です。電子定款には印紙代がかかりませんので、設立費用の節約につながります。
資本金を1,000万円未満にする
会社設立において払い込みが必要な資本金を、1,000万円未満にするのも有効な費用の削減方法として挙げられます。なぜなら、資本金が1,000万円未満の会社は、会社設立から最大2年間消費税を免除してもらえるためです。
ただし、インボイス発行事業者の登録を受けている適格請求書発行事業者は、課税事業者として消費税の申告納税が必要です。
市区町村の支援を活用する
市区町村によっては、創業支援を実施している場合があります。たとえば、長野県松本市では登記をする際に必要な登録免許税の軽減を受けられる支援を実施しています。この支援によって本来払うべき税金を安くできるため、初期費用を削減することが可能です。
ただし、利用するためには各市区町村が設定した条件を満たさなければなりません。自治体の公式サイトなどで、事前に情報収集を行っておきましょう。
会社の設立にあたって経費にできるものとそうでないものをしっかり見分ける
会社の設立に関わる費用は基本的に経費に計上できますが、なかには経費として計上できないものもあります。正確な経費計上を行うためにも、経費として扱えるか否か、事前にしっかり見極められるようにしましょう。
なお、経費計上する際は、会計ソフトの利用がおすすめです。マネーフォワードでも、作業を効率的に進められる経費精算システムを提供しています。興味を持った方は、ぜひ一度公式サイトをチェックしてください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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