- 作成日 : 2024年9月3日
白色申告でも開業届は必要?青色申告がおすすめの理由や書き方も解説!
白色申告とは、「青色申告ではない」という意味であり、個人事業主が青色申告の申請をしていない場合には自動的に白色申告となります。白色申告は青色申告に比べて記帳などを簡素化できますが、節税の観点からは青色申告が推奨されます。また、開業届の提出については、白色、青色に関係はありません。この記事では、開業届と白色申告との関連を解説します。
目次
白色申告でも開業届の提出は必要?
白色申告・青色申告には関係なく、個人事業主として一定の事業を始めるにあたっては開業届(正式名称:個人事業の開業・廃業等届出書)を提出します。
白色申告とは?
白色申告は、個人事業主が所得税の確定申告をするときの申告方法の一つです。所得税では、納税者が自分で所得税法に沿って所得税額を計算して納税するという「申告納税制度」を採用しています。
申告納税制度では、1月1日から12月末までの1年間に生じた所得を計算し、発生した帳簿や書類を保存する必要があります。その計算過程において白色と青色ではルールが異なり、青色申告は厳格さが求められます。
白色申告は青色申告ほど厳格なルールはないものの、決められた書式である収支内訳書を作成して所得を求めます。
参考:No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度|国税庁
白色申告と青色申告の違いは?
白色申告と青色申告の大きな違いは、青色申告のほうが節税できることです。青色申告の申請後、一定水準の会計記帳を行い、記帳に基づいて申告をすると所得税額計算の過程で有利な取扱いが受けられます。
例えば、青色申告では「青色申告特別控除額」という経費を、最大55万円分所得から差し引くことができます。何も購入していなくても、青色申告しているだけで最大55万円の経費計上が可能になると言えます。
青色申告のルールに沿って申告すると、所得税だけではなく、それに紐づく個人住民税や個人事業税などにも影響がある場合があります。
参考:
No.2070 青色申告制度|国税庁
記帳や帳簿等保存・青色申告|国税庁
白色申告で開業届を提出すべきケースは?
すべての個人事業主が開業届を提出するわけではありません。開業届を提出すべきなのは、「不動産所得」「事業所得」「山林所得」を生ずる事業を開始した人に限られます。これらの所得を生ずる事業を始めた場合、白色申告にしたいならば「青色申告承認申請書」を提出しなければよいだけです。
例えば副業としての収入があり、営利目的でかつ継続的なものは「業務に係る雑所得」にあたります。これも上記3つの所得以外なので、開業届を提出する必要はありません。
参考:個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁、No.1500 雑所得|国税庁
白色申告でなく青色申告で開業届を提出すべき理由は?
開業届を見ると、次のような欄があります。

出典:個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁、「個人事業の開業・廃業等届出書」を加工して作成
「開業・廃業に伴う届出書の提出の有無」として、青色申告承認申請書や消費税関連書類について提出の有無を記載する欄となっています。この欄は、開業時から青色申告とする場合や消費税の課税事業者となる場合には、同時にこれらの書類の提出を促すものです。
開業届を出すときに、合わせて青色申告承認申請を提出することにより、開業当初から税務上の優遇を受けられます。事業をしていれば赤字になることもありますが、損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除できる(「純損失の繰越し」と言います)のも青色申告です。赤字の翌年に黒字が出ても繰り越した赤字と相殺できるということです。
青色申告による税務上の特典はまだまだあるため、開業届の提出の際はぜひ「青色申告承認申請書」をおすすめします。
白色申告の開業届の書き方は?
開業届の提出にあたって、一緒に「青色申告承認申請書」を提出しなければ、提出時点では白色申告となります。白色申告用の開業届があるわけではありません。
職業欄の書き方
開業届の職業欄については、特に決まった書き方はありません。あまりスペースがないため、簡潔な表現でよいでしょう。書き方がよく分からない場合には、税務署に相談してみましょう。
屋号の書き方
開業届の屋号欄には、屋号がなければ空欄としても問題ありません。ただし、屋号によって、取引先に早く覚えてもらえたり、屋号付きの口座を開設したりできるため、事業がやりやすくなることはあります。
開業時に屋号が決まらない場合も空欄で構いません。職業欄や屋号欄は確定申告書にもあるため、開業後に決まった屋号を確定申告時に記載することで問題ありません。
そもそも開業届とは?
開業届は、正式名称が「個人事業の開業・廃業等届出書」で、個人が事業を始めたことを税務署に知らせるための書類のことです。
所得税を納める方法として、会社員の場合は毎月の給料から天引きされることが一般的です。一方、会社に属さず個人で事業をする場合は、自身で所得税を計算し、確定申告を行う必要があります。
開業届を税務署に提出すると、「個人事業主として所得税を納めます」と税務署に知らせることになります。それ以降、税務署は確定申告に必要な情報を事業主に通知し、また、事業主がきちんと申告・納税しているか管理します。
開業届は誰が提出する?
基本的に手続き対象者は本人となりますので、本人が税務署に対して、開業届を提出します。
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開業届の提出期限は?
開業届は、事業を開始した日(開業日)から1カ月以内に、事業所を管轄する税務署へ提出します。開業日といっても個人事業主の場合は、事業を始めた日があいまいなこともあるでしょう。この点については決まったルールがあるわけではなく、本人が「開業した」と考える日が開業日となります。
したがって、実質的には特に1カ月以内にこだわる必要はないと言えます。事業を始めた年の内に開業届を提出するようにしましょう。
開業届をネットで簡単に作成する方法
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e-Taxソフトで開業届を作成する際は、e-Taxソフトのインストールなどが必要です。
ソフトのインストールが不要でオンライン上で利用できる、マネーフォワード クラウド開業届のような開業届作成サービスは、デザインや使いやすさが初心者向けに設計されているのが特徴です。
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開業届を提出するには、スマホで電子申告(e-Tax)・インターネット(e-Tax)・郵送・税務署の窓口に持参の4つの方法があります。
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