- 更新日 : 2025年11月25日
創業融資に源泉徴収票は必要?個人・法人の必要書類と注意点まとめ
創業融資の申し込みにあたって、源泉徴収票は「経歴・収入の裏付けとなる書類の一つ」 であり、 すべての申込者に対して必ず提出が義務付けられているわけではありません。
たとえば、 日本政策金融公庫(以下「公庫」)の創業融資の場合、提出の柱となるのは 創業計画書等の事業計画、そして申込者の属性に応じて 確定申告書(控)や源泉徴収票などの収入証明書類となっています。
本記事では、公庫を例に、源泉徴収票の役割、入手できない場合の代替書類(確定申告書・課税(非課税)証明書・納税証明書等)、法人と個人で異なる必要書類の整理、そして実務上見落としがちな注意点を、最新の案内に沿ってわかりやすく解説します。
目次
創業融資の審査で源泉徴収票は必要?
創業融資の審査では、申込者の職務経歴、収入実績、そして返済可能性を裏付ける 収入・所得を示す公的な書類が重要視されます。創業計画書に記載する「これまでの職務経験」や「自己資金の形成経路」が実態と整合しているかを確認するため、勤務していた企業からの源泉徴収票や、申告した確定申告書などが提出を求められることがあります。
安定した実績があることは、返済能力への信頼性を高める要素となります。
ただし、公庫の案内では「源泉徴収票または確定申告書(控)等を求める場合がある」とされており、すべての申込者が源泉徴収票を必ず提出しなければならないという趣旨ではありません。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
続いてこちらのセクションでは、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気のガイドを簡単に紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
補助金をまるっと理解!会社設立時の補助金ガイド
補助金の概要や各制度の内容に加え、会社設立直後の企業でも使いやすい補助金や実際の活用事例などについてまとめました。
「使えたのに知らなかった!申請が漏れてた!」といったことを防ぐためにも、会社設立時の資金調達方法の一つとしてお役立てください。
事業計画書完全ガイド
事業計画書を作成するメリットや記載すべき項目、数値計画、具体的な作成ポイントなど、実用的な計画書作成のコツをまとめました。
資金調達を検討されている方・事業を始めようとしている方に多くダウンロードいただいておりますので、ぜひお気軽にご利用ください。
起業家1,040人への調査でひも解く!先輩起業家が一番困ったことガイド
マネーフォワード クラウド会社設立では、会社設立の経験がある方1,040名に対して、会社設立に関する調査を実施しました。
先輩起業家が悩んだ部分や、どのように会社設立を行ったかを、定量的に分析していますので、ぜひご活用ください。
会社設立時に決めることチェックリスト
「会社設立時に決めることチェックリスト」では、会社設立の基本事項や、株式会社・合同会社別の決めることチェックリストなどを、1冊にまとめています。
図解でカンタンにまとめており、完全無料でダウンロードいただけます。
日本政策金融公庫の創業融資で必要な書類とは?
公庫の創業融資では、申込者全員に求められる 基本書類 に加え、事業形態(法人・個人)、資金使途、申込時点(創業前/創業直後/創業後)などに応じて 追加書類が異なります。
申し込みをスムーズに進めるには、事前に自身の立場で「どの書類を用意すべきか」を把握しておくことが重要です。書類に不備があると、審査や実行に遅れが生じるおそれもあります。
提出が求められる主な基本書類
申込者の属性にかかわらず、一般的に提出を求められる書類の代表例は次の通りです。
| 書類名 | 概要と注意点 |
|---|---|
| 借入申込書 | 公庫所定の様式。Webサイトからダウンロード可能 |
| 創業計画書 | 事業内容、資金使途・調達計画、収支見通しなどを具体的に記載 |
| 本人確認書類 | 運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどの顔写真付きのもの |
| 預金通帳の写し | 面談時などに「資金の出入・自己資金の形成状況」を確認するため、直近数か月分の通帳、あるいはインターネットバンキング画面等の提出が案内されています |
法人が追加で提出する書類
法人として申し込む場合は、法的な存在を証明するための書類が追加で求められます。例としては以下のとおりです。
個人事業主が追加で提出する書類
個人事業主の場合は、事業の開始を公的に届け出たことを示す書類が必要です。
| 書類名 | 概要と注意点 |
|---|---|
| 開業届(控)の写し | 税務署へ提出した際の受領印があるもの |
| 許認可証の写し | 法人と同様、事業に許認可が必要な場合に提出 |
状況に応じて必要となる書類
上記の基本・追加書類に加え、申込者の状況や資金使途に応じて以下のような資料を求められることもあります。
創業融資で源泉徴収票がない場合の対処法は?
源泉徴収票を紛失した場合や退職した会社から受け取れない場合でも、他の公的な書類で代替できる可能性があります。
収入や勤務実態を客観的に証明できる書類であれば、代替資料として認められることがあります。どの書類が有効か、事前に公庫の担当者に相談しましょう。
源泉徴収票の再発行を依頼する
まず試みるべきは、源泉徴収票を発行した会社への再発行依頼です。会社は従業員の退職後も一定期間、源泉徴収票を発行する義務を負っています。連絡が取れるのであれば、まずは再発行を依頼するのが最も簡単な解決策でしょう。
確定申告書で代替する
会社員であっても、医療費控除やふるさと納税などで確定申告をしている場合は、その確定申告書(控)の写しが源泉徴収票の代わりになります。税務署の受領印があるか、e-Taxの場合は受付完了通知があるものを準備しましょう。
住民税の課税証明書を利用する
市区町村役場で発行される「課税証明書」も有効な代替書類です。この書類には前年の所得額が記載されているため、収入の公的な証明になります。
給与明細書を提出する
直近数か月~1年分の給与明細を複数枚提出することで、勤務実態を示す補助資料となることがあります。ただし、源泉徴収票・課税証明書などに比べて証明力はやや弱いため、他の証明書と併せての提出が望ましいです。
法人と個人事業主で創業融資の必要書類に違いはあるか?
法人と個人事業主では、事業形態に応じた書類の違いがあります。特に「法人格の有無」を証明する部分が異なります。
| 項目 | 法人 | 個人事業主 | 違いのポイント |
|---|---|---|---|
| 設立を証明する書類 | 履歴事項全部証明書 | 不要 | 法人格の有無 |
| 税務署への届出 | 法人設立届出書(控) | 開業届(控) | 事業形態に応じた届出書類 |
| 通帳 | 法人名義の通帳 | 個人名義の通帳 | 事業資金と個人資金の管理 |
創業融資で納税証明書はどの範囲まで提出が必要か?
納税証明書の提出範囲については、「直近2期分」など一律の要件があるわけではなく、申込者・制度・申込時点によって異なります。大切なのは、税金を滞納しておらず、納税義務を誠実に果たしている姿勢が示せることです。
必要な納税証明書の種類と取得場所
主に必要となるのは、国税と地方税の納税証明書です。
確定申告未了・納税証明書がない場合の対応
会社員経験のみで確定申告がない場合や、納税証明書が未取得の場合には、 源泉徴収票・住民税の課税(非課税)証明書・給与明細書等を代替資料として相談できます。正直に状況を説明し、公庫担当者に代替書類を確認してください。
創業計画書以外で見落としがちな提出書類の注意点
創業融資の結果は創業計画書の内容に大きく左右されますが、その計画の信憑性を裏付ける他の書類の準備も同じくらい大切です。特に、自己資金、設備投資、事業所に関する書類は見落としがちですが、審査の判断材料になります。
これらの補足資料は、計画が単なる理想論ではなく、現実に根差したものであることを示すものとなります。
自己資金を証明する通帳の履歴
通帳の残高だけを見せるのではなく、どのようにしてその資金を貯めてきたかの「経緯」を示すことが求められます。毎月コツコツと給与から貯蓄している履歴があれば、計画性や事業への真剣さが伝わります。親族からの一時的な借入金(見せ金)と疑われないよう、資金の出所は明確に説明できるようにしておきましょう。
設備投資の妥当性を示す見積書
設備資金の融資を申し込む場合、その金額の根拠となる見積書の提出は必須です。このとき、1社だけでなく複数社から見積もり(相見積もり)を取っていると、コスト意識が高く、堅実な経営判断ができる人物であるという印象を与えられます。なぜその業者と金額を選んだのか、合理的な理由を説明できるように準備しておきましょう。
事業の実態を示す賃貸借契約書
事務所や店舗の場所が確定している場合、その物件の賃貸借契約書(または仮契約書)を提出することで、事業の実現可能性が格段に高まります。立地条件は事業の成果を左右する要素であり、具体的な場所が確保できていることは、計画が着実に進行している証拠となります。
創業融資には源泉徴収票と必要書類の準備が大切
創業融資申込みでは、源泉徴収票をはじめとする必要書類を計画的に準備しておくことが成功の鍵です。源泉徴収票は、過去の職務経歴や自己資金形成の証拠として極めて有効ですが、もし手元にない場合でも、課税証明書などで代用できる可能性があります。
また、創業計画書に説明した内容を裏付ける資料(見積書・賃貸借契約書 等)をそろえておくことで、計画が単なる「理想」ではなく「実現性ある計画」であることを示せます。疑問点や最新制度については、公庫の窓口・担当者に早めに相談し、着実に準備を進めましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会社設立の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
創業融資の借り換えは可能?借り換え先の種類や選び方を紹介
創業融資の借り換え自体は可能です。借り換え先については、どこを選択するかは、現状の融資の状況や融資元によって異なります。創業融資の主な借り換え先や選び方、借り換えの注意点について解説します。 創業融資は借り換えが可能 創業融資は、基本的に借…
詳しくみる信用保証協会の創業融資とは?必要書類や記入例、審査のポイントも解説
信用保証協会の創業融資とは、信用保証協会を通じて金融機関から創業のための融資を受けることです。信用保証協会に保証を肩代わりしてもらえるため、小規模事業者や中小企業も利用しやすいメリットがあります。 この記事では、信用保証協会の創業融資におけ…
詳しくみる創業融資の相場はいくら?融資額や金利の目安を解説
創業融資で借りられる金額の相場は、正式に公表されておりません。日本政策金融公庫の2024年度の調査によると、開業時の資金調達における金融機関等からの借入平均額は780万円です。ただし、これはあくまで平均値であり、より実態に近い数字をとるなら…
詳しくみる建設業の資金調達におすすめの創業融資とは?審査で重要なポイントも解説
建設業を設立する際の資金調達では、日本政策金融公庫の融資制度や信用保証協会の「信用保証制度」を利用し、創業融資を受けることができます。融資を受ける際は審査に通るための重要なポイントがあるため、チェックしておきましょう。 本記事では、建設業の…
詳しくみる中小企業の資金調達のタイミングと方法は?創業・拡大・資金繰り対策を解説
資金調達は、中小企業の経営において避けて通れないテーマです。創業時の初期費用や事業拡大に伴う投資資金、突発的な資金繰りの悪化など、企業が直面する局面ごとに必要な資金の性質は異なります。 本記事では、中小企業が資金調達を検討すべきタイミングと…
詳しくみる開業の創業融資にプロパー融資は難しい?メリット・デメリット、審査基準を解説
プロパー融資は、銀行が独自に審査し保証なしで貸し出す融資です。信用力が重視されるため創業期の活用は難しいものの、事業が安定すれば有力な選択肢となります。本記事では、プロパー融資の特徴や審査基準、他の融資制度との違いを解説し、創業者に適した資…
詳しくみる



