- 作成日 : 2025年2月20日
地主が法人化を考える目安とは?メリット、デメリット、設立方法を解説
地主が法人化を考える目安は、不動産所得を含めた所得全体で考える必要があります。法人化の必要性は、所得以外にも将来の相続対策を含めた検討が効果的です。本記事を読めば「法人化する手続きが分からない」「地主が法人化するメリットは?」という悩みを解決できます。本記事で、法人化する手続きや、法人化に使うひな形などについて確認していきましょう。
目次
地主が法人化を考える目安とは?
地主が法人化を考える目安は、課税所得が800万円を超えたタイミングです。地主とは、自身が保有している土地を貸し出して家賃収入を得ている人を言います。
不動産所得が800万円の人は、個人事業主の所得税率が23%、法人の法人税率は15%です。
そのため、課税所得が800万円を超えている人は所得税に比べて法人税の税率の方が低くなり、法人化による節税効果が期待できるでしょう。
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地主が法人化するメリット
地主が法人化するメリットは以下の5つです。
所得税を軽減することができる
個人事業主から法人になると、所得税を軽減できます。個人事業主の所得税は累進課税のため、所得が増えるほど税率が上がります。一方、法人では役員報酬として受け取った金額に所得税が課されます。法人には法人税もかかりますので、個人事業主として課税所得が800万円を超えたあたりが法人化の目安とされます。
また、法人化したら家族に対して役員報酬や給与を支給可能です。
例として、1人に1,000万円の所得がある場合に比べて、2人に500万円ずつ所得を分散した方が適用される税率は低くなり、世帯全体の手取りが増える可能性があります。
相続税の節税につながる
地主が法人化して不動産を個人から法人に移すと、所有する不動産の規模によっては相続税が節税できます。相続税は被相続人が所有する全ての相続財産に対して課税されますので、財産評価額が大きいほど相続税の負担も増えます。
「小規模宅地等の特例」といった税制優遇措置を受けられない不動産であれば、土地の所有を個人から法人に移しておくことで、相続人に対して課税される相続税の節税になるでしょう。
経費にできる幅が広がる
法人化すると、経費に計上できる費用の範囲が広がります。個人事業主には給与という概念がなく、退職金も経費にできませんが、法人になると役員報酬や退職金として経費に計上可能です。
役員報酬については無制限ではなく、1年に1回の株主総会で決めた金額を定額で支給するなどの要件があります。
また、家族に支払う給与についても個人事業主よりも要件が少なくなっていて、配偶者控除や扶養控除との併用も可能です。
欠損金の繰越期間が長くなる
法人は個人事業主に比べて、不動産経営で発生した赤字を繰り越せる期間が長くなります。個人事業主は3年の繰越期間ですが、法人になると10年まで伸びるため、将来の黒字との長期間の相殺が可能です。
個人事業主よりも経費にできる項目が広く、一時的に赤字となる期があったとしても10年間繰り越せる点は大きなメリットでしょう。
事業承継しやすい
賃貸事業を法人化すると、家族や第三者へ事業の引継ぎがしやすいです。個人事業主の資産は相続や譲渡などの複雑な手続きが必要となりますが、法人は簡単な手続きで完了します。
具体的には、自社の株式を評価して引き継ぐことで事業を移せます。評価した株式は家族へ贈与する場合でも税金が発生する可能性もあるため、自社の株式を移して税金がかかるかどうかは事前に専門家に確認しておきましょう。
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地主が法人化するデメリット
地主が法人化するデメリットは、以下の2つです。
- 設立や維持にコストがかかる
- 赤字でも法人住民税がかかる
法人のメリットとデメリットを比較して、自身の事業が法人化するべきかどうか検討していきましょう。
設立や維持にコストがかかる
法人化する際に設立の手続きや費用が発生します。自身で会社設立する場合に限らず、専門家へ依頼すれば手続きに応じた依頼報酬が必要です。
また、法人は社会保険の加入が義務付けられているため、社会保険料の会社負担や関連する事務手続きなどが発生します。
赤字でも法人住民税がかかる
法人になると、赤字でも法人住民税がかかります。法人住民税には所得に応じて増加する所得割と、利益の大小にかかわらず事業者の規模に応じて課税される均等割があります。
均等割は地域や会社の規模に応じて変わりますが、最低でも7万円の納税が必要です。利益が出てから法人化を検討しますが、後に赤字になった時のデメリットについても覚えておきましょう。
地主が法人化する際の会社形態とは?
地主が法人化する際の会社形態は株式会社と合同会社の2つです。合同会社は株式会社に比べて、設立費用を抑えられるメリットがあります。一般的に株式会社の設立費用は20万円前後ですが、合同会社なら10万円前後です。
そのため、会社設立時の費用負担を減らしたい人は、合同会社の設立がおすすめです。金融機関からの融資を検討している場合は、社会的信用度の高い株式会社が良いでしょう。
どちらの法人もメリット・デメリットがあるため、自身の事業と照らし合わせて選択しましょう。
地主が法人化する流れや手続き
地主が法人化する際の手続きは以下の5つです。
会社の設立日は、法務局に登記申請書類を提出した日となります。登記が完了した後、1週間から2週間ほどたった後に各種書類の申請が可能です。
登記事項証明書や印鑑証明書は提出頻度も多く、法人設立後の融資申し込みなどで必要な書類となるため、早めに登記手続きを完了させましょう。
また、賃貸の事業を法人化する場合は、不動産の管理方式を決定する必要があります。不動産の主な管理方式は、以下の3つです。
- 不動産所有方式
- 管理委託方式
- 一括転貸(サブリース)方式
今回の記事で紹介したメリットを一番多く享受できるのは、不動産所有方式となります。不動産所有方式は個人から法人に不動産を移すため、不動産取得税が発生することに注意が必要です。
法人設立後は、不動産に関する権利について役員や株主と揉めないように、契約書などの取り決めは確認しておきましょう。
法人設立の流れについては、下記リンクを参照ください。
地主の法人化に役立つひな形・テンプレート
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地主が法人化するメリット5選
地主が法人化するメリットは以下の5つです。
- 所得税を軽減することができる
- 相続税の節税につながる
- 経費にできる幅が広がる
- 欠損金の繰越期間が長くなる
- 事業承継しやすい
土地など不動産を個人から法人へ移すことは、節税効果が見込め相続税対策にも有効です。ただし、地主の所得額や土地の規模によっては、法人化のメリットを活かせないケースもあります。地主の法人化には税法などの知識が必要となるため、専門家に相談しながら適切な方法を検討しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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