- 更新日 : 2023年4月28日
100円ショップを開業する方法!開業までに必要なものや稼ぎ方を検証
起業のひとつに100円ショップを開業するという選択肢があります。今やどこにでも見かけるようになった100円ショップですが、新たにショップを開業するにはどのような手続きが必要なのでしょうか?
この記事では、新たに100円ショップを開業するにあたって必要なことや経営上の留意点を解説します。
目次
100円ショップを開業するまでに必要なことは?
まず、100円ショップを開業するにあたって、特別な資格や手続きはありません。個人ならば個人事業主として、法人ならば法人設立の手続きが必要となるだけです。
開業後の主な手続きは下記のとおりです。
設立の形態 | 主な手続き先 | 備考 |
---|---|---|
個人事業主 | 税務署など | 従業員を雇用する場合は、労働保険も必要 |
法人 (事前に法人設立登記が必要) | 税務署など | 法人設立届、給与支払事業所等の開設届などを提出 |
社会保険事務所 | 健康保険、厚生年金保険新規適用届を提出 | |
労働基準監督署 | 保険関係成立届、概算保険料申告書などの提出 | |
ハローワーク | 事業所設置届、雇用保険被保険者資格取得届などを提出 |
ただし、ダイソーやキャンドゥなどフランチャイズ(以下、FCとします)に加盟する場合には、本部の条件を満たす必要がありますので事前に確認しておきましょう。
大手FCだから経営が安泰ということはなく、開設前には立地要件などの熟考や開設後においてもリピート客確保のための努力が欠かせません。
100円ショップの開業に必要な資金
ここでは一般的な100円ショップのFC加盟において、開業に必要な資金を解説します。
まず、個々のFCにより募集の形態はさまざまです。例えば、ダイソーは日本初の100円ショップを開店させた有名FCですが、現在は店舗物件の募集のみを行っているようです。
また、キャンドゥのFCに加盟するには、まず出店予定地の調査や資金計画などが提示されますので、それに応える必要があります。地域によって土地を賃借する費用の差は大きく、また、売り場だけで50坪以上が求められるため、この時点で加盟の可否が決定されると言えます。
したがって、それぞれのFCに加盟するにあたり、どのような要件があるのかを事前に調べましょう。
上記を踏まえ、一般に100円ショップをFCとして開業するための費用としては次のものがありますが、参加するFCによって必要となる金額は様々です。
FCによってはキャンドゥなどのように加盟金や保証金などがかからないものもあり、ワッツのように委託販売システムを採用しているものもありますので、各FCの内容をご確認ください。
- 加盟金:FC本部に対する初期費用として加盟時に一括で支払います。
- 保証金:FC本部が加盟店に対して提供するサービスに対する費用として、加盟金と同じタイミングで支払います。
- 店舗賃借のための資金:店の規模や立地により異なります。敷金や保証金のほか家賃の前払いが必要なケースが多いです。
- 内装工事費、備品購入費など:店舗により変わってきますが、店舗賃借のための資金と合わせて1,000万円以上はみておく必要があります。
この他に継続的に発生する費用として、売上高の一定割合や固定額として支払うロイヤリティがあります。ロイヤリティについてはFCによって異なります。
100円ショップを開業するメリット
100円ショップを開業するメリットは、資金繰りさえできれば開業が比較的簡単であることと、大手FCに加盟することでブランド力に期待できるということです。
それぞれ見ていきましょう。
比較的簡単に開業できる
100円ショップでは、日用品や雑貨、文具、食品などに多種多様な商品を取り扱っており、消費者はその安さ、手軽さを求めています。開業資金こそ必要ですが、技術的なものや詳細な商品知識を有する商品は少ない傾向です。
したがって、開業側から見ると比較的開業が容易とも言えます。
大手FCならブランド力が期待できる
大手FCの100円ショップの商品を競うようにSNSで取り上げている消費者をよく見かけます。大手FCであるからこそ成り立つ「訴求力」があると言えます。言いかえると、そのSNSを見た人が「買いたい」「使いたい」と思うのは、大手FCの100円ショップだからです。
SNSでの拡散がいつまで続くかわかりませんが、大手FCに加盟すると得られるブランド力をフル活用することができるのは大きなメリットです。
100円ショップを開業するデメリット
これから100円ショップを開業するにあたって、考えておくべきデメリットも挙げておきます。広い店舗で多くの商品を扱い、多くの店舗があることは今後開業するにあたってのマイナス要因と言えます。
初期費用がかかる
大手FCに加盟するには、開業に必要な資金を見るだけでも多くの初期費用がかかります。
初期費用をその後の事業で早期に回収できれば問題はありませんが、それが難しい状況になることもあります。下記のような「薄利多売」「業界が飽和状態」という現実があることも認識しておきましょう。
薄利多売である
100円ショップは商品の単価が低く、利益率が低い「薄利多売」を目指す商法です。したがって、売上高を増やすことが求められますが、そのためには大量仕入れが必要となり、さらに在庫管理などを強化する必要があります。
つまり、薄利多売を実現するためのまとまった資金や人手を確保する必要があるのです。
業界が飽和気味
100円ショップは利用率が高いけれども、その市場は飽和状態になりつつあると言われています。その理由として、そもそも消費者の購買力や100円商品の需要は限られており、既存の店舗との競合が避けられないことが挙げられます。
さらに中国や東南アジアなどからの原材料費や人件費が高騰していることも商品の値上げを生んでいます。
FCに入らずに独自で開業したら成功できる?
100円ショップを開業するのに、大手FCに加盟せずに独自に開業した場合はどうでしょうか?
そもそも100円ショップのビジネスモデルは、次の要素から成り立っています。
- 大量に仕入れる
- 利益率が低い目玉商品も販売する
- 広告をせずに集客ができる
大手FCに加盟すれば、そのブランド力とこれらの要素がセットされています。
大量仕入れには大きな資金が必要です。さらに、大量仕入れをすると商品管理を強化する必要があります。例えば、食品では品質管理や消費期限が求められ、化粧品などでは成分表示や安全性が求められます。
集客のために利益率の低い目玉商品の販売をすることは、個人経営では勇気のいる選択です。場合によっては、商品の原価のほうが高くなることがあるかもしれません。また、広告には費用がかかりますが、個人経営で広告をしない場合には集客が見込めないでしょう。
したがって、独自で100円ショップを開業することは現時点では難しい状況であると言えます。
計画を立てて安定した経営を目指しましょう
100円ショップに限りませんが、開業するには事業計画が必要です。どんな事業がしたいのか、どんな将来像にしたいのかを、可能な限り具体的に事業計画に落とし込みます。事業計画自体が粗かったり、雑に考えたりしていると、融資の審査などでは通らないこともあるでしょう。
どんな小さな事業においても、今まで自分が温めてきた構想を具現化する過程が必要です。事業の立ち上がり直後は決して安定した経営状態ではないかもしれませんが、それまでの軌道修正やリスケジュールの回数が多いほど、自分なりの乗り越え術も見つかるものです。
事業を開始する際は、納得できる事業計画を描き、それをブラッシュアップし続けることに尽きます。
よくある質問
100円ショップの開業資金は?
大手FCに加盟することを考えると、1,500万円〜2,000万円といったところです。詳しくはこちらをご覧ください。
はじめての店舗経営に100円ショップは向いている?
多種多様の商品を扱うため商品管理が必要なことから、はじめての店舗経営には向いていないと言えます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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