- 作成日 : 2025年9月16日
新規開業・事業復活の支援策|個人事業主・フリーランス向けの給付金・補助金を解説
先の見えない経済状況や物価高騰が続くなか、新たに開業を目指す方や、事業の復活を期す事業者の方も多いのではないでしょうか。特に個人事業主やフリーランスにとって、資金繰りや事業の安定化は大きな課題です。
この記事では、2025年に活用できる国や自治体の支援策を解説します。新規事業や事業拡大に使える補助金、物価高騰対策の給付金、そして過去に実施された事業復活支援金の現状まで、あなたの挑戦を後押しする具体的な情報を紹介します。
目次
新規開業・事業復活における公的支援の重要性
社会経済が目まぐるしく変化する現代、事業者は多くの課題に直面しています。公的支援の重要性を理解するために、まずは現在の事業環境を確認しましょう。
物価高騰と事業者への影響
2025年も続く物価高騰は、多くの事業者の経営を圧迫しています。原材料費やエネルギーコストの上昇は、利益を直接的に減少させる要因です。この厳しい状況を乗り越え事業を成長させるには、コスト削減の努力に加え、国や自治体が提供する物価高騰対策の支援を積極的に活用することが重要です。
インボイス制度導入後の変化
インボイス制度の導入は、特に免税事業者であった個人事業主やフリーランスの経理業務に大きな変化をもたらしました。制度への対応を機に、会計ソフトや受発注システムを導入する動きが活発化しています。IT導入補助金などを活用して業務のデジタル化を進めることは、一時的な負担軽減だけでなく、長期的な生産性向上にもつながります。
新規開業・事業復活に活用できる補助金の種類
厳しい経済環境だからこそ、国や自治体は事業者を支える多様な支援策を用意しています。ここでは、新規開業や事業復活のフェーズで活用できる代表的な補助金を紹介します。
新事業進出補助金
時代の変化に対応し、新たな事業分野への進出を考えている事業者には、新規事業に関わる補助金が有力な選択肢です。代表的なものに、事業再構築補助金の後継と位置づけられる「中小企業新事業進出補助金」があります。
参考:中小企業新事業進出補助金
個人事業主やフリーランスであっても、革新的なアイデアや成長意欲があれば対象となる可能性があり、事業の抜本的な改革を目指す事業者にとって重要な支援策です。補助額が大きい分、事業計画の緻密さが求められるため、早めの準備が重要です。
小規模事業者持続化補助金
個人事業主やフリーランスにとって活用しやすい補助金の筆頭が、「小規模事業者持続化補助金」です。経営計画に基づいて取り組む販路開拓や生産性向上のための経費を支援する制度として人気があります。チラシやパンフレットの作成、ウェブサイトの構築・改修、ネット広告の出稿、店舗の改装など、幅広い経費が対象となります。事業の地盤を固め、持続的な成長を目指す上で非常に有効な手段です。
設備投資補助金
事業拡大のために新たな機械やシステムの導入を検討している場合、設備投資補助金の活用が効果的です。例えば、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、通称「ものづくり補助金」は、革新的な製品・サービス開発や生産プロセスの改善に必要な設備投資を支援します。また、2025年に新設された「省力化投資補助金」は、人手不足の解消に役立つIoT機器やロボットなどの導入を後押しするもので、事業者の注目が高まっています。
IT導入補助金
「IT導入補助金」は、業務効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を目的として、ITツールの導入を支援する制度です。インボイス制度に対応した会計ソフトや、受発注システム、決済システムの導入費用などが対象となります。バックオフィス業務の効率化を目指すフリーランスや小規模事業者にとって、利用価値の高い制度です。
新規開業・事業復活に活用できる給付金・助成金
補助金とは異なり、返済不要で受け取れる給付金や助成金の動向も把握しておきましょう。
事業復活支援金はすでに終了
新型コロナウイルスの影響を受けた事業者向けに実施された「事業復活支援金」は、すでに受付を終了しています。2025年現在、直接的な後継制度はありません。ただし、その趣旨を引き継ぐ形で、物価高騰対策の給付金や、前述した各種補助金が事業の継続や再構築を支援しています。
物価高騰対策の事業者向け給付金
物価高騰の影響を緩和するため、国や地方自治体は事業者向けの給付金や支援金を随時実施しています。エネルギー価格高騰に対応する支援や、特定の業種を対象とした給付金などがこれにあたります。これらの給付金事業者になるためには、自治体のウェブサイトや商工会議所からの情報を定期的に確認することが不可欠です。
雇用に関する助成金
新規開業や事業拡大に伴い従業員を雇用する場合には、厚生労働省が管轄する雇用関係の助成金が活用できる可能性があります。有期雇用の労働者を正規雇用に転換した場合の「キャリアアップ助成金」など、雇用の安定化に貢献することで受給できるものがあります。
新規開業・事業復活の支援策について確認すべきポイント
補助金や助成金の申請は、事前の準備が採択を大きく左右します。手続きを進める上で押さえておくべきポイントを解説します。
1. 申請期限はいつまでか、スケジュールを管理する
各支援策には必ず申請の受付期間が定められています。いつまでに申請が必要かを把握し、余裕を持ったスケジュールを組むことが極めて重要です。公募開始から締切までが短いケースも多いため、関心のある制度の公式サイトは常にチェックする習慣をつけましょう。
2. 対象要件を満たしているか確認し、必要書類を準備する
支援策には、対象となる事業者の規模、業種、取り組み内容などの要件が細かく定められています。公募要領を熟読し、要件を満たすか正確に確認してください。確定申告書の控えや事業計画書、経費の見積書など、求められる書類も多岐にわたります。不備なく提出できるよう、早めに準備を始めましょう。
3. 専門家への相談も有効な選択肢
事業計画の策定や複雑な申請手続きに不安がある場合は、専門家の力を借りるのも一つの手です。中小企業診断士や税理士、行政書士は補助金申請の知見を持っています。また、よろず支援拠点や商工会・商工会議所では、無料で相談に応じてくれる場合もあります。専門的な助言は、採択の可能性を高めることにつながります。
新規開業・事業復活の支援策で、事業を成功に導こう
2025年現在、開業や事業の復活を目指す個人事業主やフリーランスを支える支援策は、形を変えながらも数多く存在します。物価高騰対策の給付金から、新規事業や事業拡大を後押しする補助金まで、その種類は多岐にわたります。
インボイス制度への対応といった新たな課題に直面するなか、これらの制度をいかに効果的に活用するかが、事業の未来を左右します。まずは現状の課題と目標を明確にし、それに合った支援策を能動的に探し、申請期限を意識して計画的に準備を進めることが成功への鍵です。
この記事で紹介した情報が、あなたの事業再生と新たな飛躍に向けた確かな一歩となれば幸いです。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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