• 更新日 : 2026年3月24日

会社設立の登録免許税はいくら?計算方法や半額に軽減するコツを解説

Point会社設立の登録免許税まとめ

会社設立の登録免許税は、法務局への登記申請時に国へ納める税金で、株式会社は最低15万円、合同会社は最低6万円が必要です。

  • 資本金額による税額の変動:資本金の0.7%が最低税額を上回る場合、その金額を納付する(株式会社は約2,143万円超が目安)。
  • 特定創業等支援事業による半額軽減: 自治体の創業支援を受け証明書を取得すれば、株式会社は7.5万円、合同会社は3万円に減免される。
  • 事後申請による還付は不可: 登録免許税の軽減は「登記申請時」の証明書添付が必須条件であり、設立後に証明書を取得しても差額の返還は受けられません。

登録免許税の納付方法は、収入印紙を台紙に貼る方法のほか、ペイジーやオンライン申請時の電子納付も選べます。ただし、印紙に割印をしてしまうと受理されない恐れがあるため、台紙への契印のみに留めるよう注意しましょう。

会社設立を検討する際、必ず発生する大きなコストが「登録免許税」です。株式会社なら最低15万円、合同会社なら最低6万円が必要となり、資金計画を立てるうえで無視できない金額といえます。しかし、特定の制度を活用すれば、この税金を「半額」に抑えられることをご存じでしょうか。

この記事では、登録免許税の計算方法から納付手順、そして賢く節税するための具体的な方法までをわかりやすく解説します。

会社設立にかかる登録免許税とは

登録免許税とは、特定分野の登記や登録に対して課せられる国税です。不動産や会社の登記、特定国家資格の登録などが対象となります。

法人の設立・存続には、あらゆる種類の登記が必要です。これらの登記手続きは登録免許税の課税対象であり、株式会社・持株会社など設立時の商業登記や、一般社団法人など設立時の法人登記を行うときにも、登録免許税を納税する必要があります。会社設立時には、資本金の準備や創業資金の確保などが必要ですが、登録免許税も会社設立に欠かせない費用として念頭に置いておきましょう。

関連資料|会社設立項目チェックリスト

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登録免許税の計算方法

登録免許税の金額は、設立する法人の種類と資本金の額によって決まります。

会社の種類ごとに税率が定められており、計算結果が一定の金額に満たない場合は、法律で定められた最低税額を納付する仕組みです。

会社形態別の税率・最低税額一覧

以下の表は、主な法人格設立時の登録免許税をまとめたものです。

会社の種類 登録免許税の計算式 最低税額
株式会社 資本金の額 × 7/1000 15万円
合同会社 資本金の額 × 7/1000 6万円
合名会社・合資会社 1件につき定額 6万円
一般社団法人 1件につき定額 6万円

参考:No.7191 登録免許税の税額表|国税庁

株式会社では少なくとも15万円、合同会社や合資会社、一般社団法人などでは少なくとも6万円の登録免許税が課税されます。

ちなみに、株式会社で登録免許税が15万円を超えるのは資本金が約2,143万円、合同会社で6万円を超えるのは資本金が約858万円のときです。計算において100円未満の端数が出たときは、その端数は切り捨てて登録免許税額とします。

【実例】資本金別・登録免許税シミュレーション

実際に資本金の額によってどれくらい税金が変わるのか、株式会社を例に見てみましょう。

  • 資本金100万円の場合:
    100万 × 0.007 = 7,000円→ 15万円(最低税額適用)
  • 資本金2,000万円の場合:
    2,000万 × 0.007 = 14万円 → 15万円(最低税額適用)
  • 資本金3,000万円の場合:
    3,000万 × 0.007 = 21万円 → 21万円

多くの小規模設立では最低税額が適用されることになります。

関連資料|税理士が解説!これさえ見れば大丈夫! 会社設立の手続き完全ガイド

登録免許税を半額に軽減するには?

株式会社の登録免許税は少なくとも15万円、合同会社なら少なくとも6万円かかりますが、これを半額にする特例があります。

特定創業支援等事業の「会社設立時の登録免許税の減免の特例」を活用すれば、株式会社なら7.5万円、合同会社なら3万円まで負担を抑えられます。

特定創業支援等事業による減免後の税額

制度を利用した場合の税額は以下のとおりです。

会社の種類 減免後の税率 軽減後の最低税額
株式会社 資本金の額の3.5/1000 7.5万円
合同会社 資本金の額の3.5/1000 3万円
合名会社・合資会社 1件につき3万円 3万円

軽減を受けるための具体的な条件と流れ

この軽減措置を受けるには、単に申請するだけでなく、市区町村が実施する支援プログラムを完了させる必要があります。

  1. 自治体の支援メニューを確認
    設立予定の市区町村が実施する「創業スクール」「個別相談」「セミナー」などを確認します。
  2. 継続的な受講
    原則として1ヶ月以上の期間をかけ、合計4回以上の支援を受ける必要があります。経営、財務、人材育成、販路開拓の4知識を習得することが求められます。
  3. 証明書の交付
    全メニュー終了後、自治体に申請して「特定創業支援等事業により支援を受けたことの証明書」を発行してもらいます。
  4. 法務局へ提出
    会社設立登記の申請時に、この証明書の原本を添付します。

証明書の有効期限や、対象となる創業者の定義(創業前、または創業後5年未満など)があるため、早めに自治体の窓口へ相談しましょう。

参考:産業競争力強化法に基づく特定創業支援等事業|経済産業省

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会社設立の費用や登録免許税を抑えたい!先輩起業家の実態

会社設立時には登録免許税などの法定費用が必ず発生しますが、全体の設立費用や手間を少しでも抑えるために、多くの起業家が会社設立サービスを利用しています。

マネーフォワード クラウドが実施した調査で、会社設立サービスを利用した主な理由を尋ねたところ、最も多いのは「会社設立の書類作成がラクになると思ったから」で、46.3%でした。次いで「会社設立費用が節約できると思ったから」が41.4%となっています。

同調査において「短い期間で会社設立ができると思ったから」を理由に挙げた人は34.5%でした。

自分で会社設立を進める場合、登録免許税は特定の要件を満たすことで軽減措置を受けられるケースもありますが、書類作成の手間や時間を考慮する必要があります。会社設立サービスを活用することで、専門家に依頼する費用を節約しつつ、面倒な書類作成の負担を減らし、効率的に手続きを進めている起業家が多いことがわかります。

出典:マネーフォワード クラウド、会社設立サービス利用の主な理由【会社設立の意思決定調査】(回答者:会社設立の経験がある方1,040名、集計期間:2024年1月)

登録免許税の納付方法

登録免許税の納付方法には、主に「収入印紙」「現金」「電子納付」の3つの方法があります。

登記申請のやり方に合わせて、最もスムーズな方法を選びましょう。

1. 収入印紙で納付

登録免許税を収入印紙で納付する場合は、登録免許税額分の印紙を購入し、印紙を「登録免許税納付用台紙」に貼り付けて納付します。この際の契印には、申請書で使用した印鑑を使いましょう。法務局の窓口へ書類を持参して申請する場合に多く選ばれる方法です。

2. 現金で納付

金融機関の窓口で納付する方法です。この方法を選ぶ場合、金融機関の窓口に登録免許税納付用の納付書を提出し、記載した金額を納入します。入金後に領収書が発行されるため、その領収書を「登録免許税納付用台紙」に貼り付けて提出します。

3. インターネットバンキング・ATMで納付

商業登記・法人登記をオンラインで行った場合は、インターネットバンキングやATMから登録免許税を電子納付できます。

ただし、インターネットバンキングを利用する場合、金融機関との手続きが完了していることが前提です。ATMを利用する場合も、納付に対応した機種である必要があります。「Pay-easy」のマークの有無で判断できるため、利用前に確認しておくと安心です。オンライン申請のソフトで電子納付画面の情報を取得しておく必要があるため、忘れずに確認しましょう。

関連資料|登録免許税の収入印紙貼付台紙

登録免許税納付時の注意事項

納付手続きでミスをすると、申請が受理されなかったり手間が増えたりすることがあります。以下の3点に注意しましょう。

1. 印紙は「収入印紙」を用意する

国に納めるのは「収入印紙」です。特許印紙や、都道府県が発行する「収入証紙」では納付できません。収入印紙は郵便局や法務局、コンビニなどで購入できます。ただし、コンビニは200円などの少額印紙が主であるため、高額な納付の際は法務局で申請時に購入するのが一般的です。

2. 印紙に割印はしない

契約書などに貼る印紙とは異なり、登録免許税の納付では印紙への割印は不要です。登録免許税の申請では、割印ではなく台紙への契印のみを行います。誤って消印をすると再利用防止の観点から受理されない恐れがあるため注意しましょう。

3. 印紙の貼り直しは避ける

一度貼り付けた印紙をはがして再度貼り付けると、登記申請が却下されてしまうこともあります。少々貼り付けに失敗しても、貼り直しはしないのが基本です。もし申請が却下されたり取り下げたりした場合は、還付請求を行うことで税金を返してもらうことが可能です。

関連資料|法人登記で終わりじゃない 登記後にまずやること

会社設立にかかる費用まとめ

会社設立時には、登録免許税のほかに、定款認証や印鑑作成などの費用が発生します。

設立する会社の形態によって、必要なステップや費用が異なります。まずは全体像を把握し、予算を正確に見積もりましょう。

費用項目 費用の内容 備考
定款の認証手数料 公証役場へ支払う定款認証の手数料 株式会社のみ必要

1.5万〜5万円

定款の謄本手数料 定款の謄本発行に必要な手数料 株式会社のみ必要

約2,000円

収入印紙代 紙で定款を作成した場合に必要な税 電子定款なら0円

4万円

会社の実印作成費 設立登記で必要な実印を作成する費用 3,000円〜1万円程度

紙で定款を作成すると4万円の印紙代がかかりますが、電子データで作成する「電子定款」を選べばこの費用は発生しません。最近では多くの起業家がこの方法を選択し、初期費用を抑えています。

関連資料|会社を設立するなら知っておきたい「お金」の知識がひとつでわかる! 会社設立に関わるお金コンプリートガイド
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【Q&A】登録免許税でよくあるトラブルと解決策

Q. 間違えて多額の収入印紙を貼ってしまいました。

A. 登記申請時に「登録免許税還付通知請求書」を併せて提出することで、過払い分を還付してもらえます。ただし、現金で直接戻ってくるのではなく、後日指定の口座に振り込まれる形となります。

Q. 会社を設立した後に「証明書」をもらいました。遡って減免できますか?

A. できません。軽減措置は「登記申請時」に証明書を添付していることが条件です。設立後に証明書を取得しても、既に納めた登録免許税の差額を返してもらうことは不可能です。必ず「設立前」に自治体のプログラムを完了させましょう。

Q. 以前に別の場所で起業したことがあります。二度目の設立でも半額になりますか?

A. 原則として、既に事業を営んでいる方や、過去に事業を営んでいた方は対象外となるケースが多いです。あくまで「新規の創業」を支援する制度である点に留意してください。

登録免許税を賢く抑えて会社設立を成功させよう

会社設立の登記にあたっては、登録免許税の納税が欠かせません。株式会社なら少なくとも15万円、合同会社なら少なくとも6万円がかかります。

登録免許税を抑えて会社を設立したい方は、市区町村が実施する特定創業支援等事業の活用を検討しましょう。証明書の交付を受ければ、登録免許税を半額に軽減できます。浮いた資金を事業運営に充てることで、より良いスタートを切れるのではないでしょうか。まずは設立予定地の自治体ホームページを確認し、制度を賢く活用することから始めてみてください。


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