• 更新日 : 2025年3月13日

50代で起業する方法は?アイデアの出し方や成功のポイント、注意点を解説

50代で起業する方法として、会社を辞めて起業する方法、会社員として働きながら起業する方法などがあります。50代の起業は、他の年代の起業と比べてどのような特徴があるのでしょうか。本記事では、50代で起業するメリットや注意点、アイデアの出し方などを紹介します。

50代で起業する方法

50代で起業する場合、主に以下の方法が考えられます。

  • 本業と並行して起業する方法
  • 本業を辞めて起業する方法
  • 社内スタートアップ制度を利用する方法

いずれも新たなビジネスを立ち上げたいときに考えられる方法です。社内スタートアップ制度は、これまで通り会社に在籍しながら、社内で新たなビジネスを立ち上げることができる仕組みです。また、既存の事業を自分のビジネスとして発展させたい場合は、事業承継型M&Aによって事業を引き継ぐ方法も考えられます。

50代で起業を考えるメリット

日本政策金融公庫の「2024年度新規開業実態調査」によると、2024年(調査年度)において、開業時の年齢は、50代で20.8%に上ることがわかりました。全体の約5分の1は、50代になってから起業していることがわかります。

出典:「2024年度新規開業実態調査」~アンケート結果の概要~|日本政策金融公庫

なぜ50代で起業を考える人が多いのか、50代での起業のメリットを紹介します。

豊富な経験を活かせる

50代で起業することの強みは、20代や30代などの若年層と比べて豊富な経験がある点です。長年培ってきたスキルや知識を活かして、新たに開業するビジネスを展開していきます。さらに、50代になると管理職や経営陣に近いポジション、あるいは経営層の経験がある方も増える傾向です。そのため、マネジメントや経営に関する知見やスキルを開業時に発揮できる見込みがあります。

貯蓄を事業資金にできる

50代は、30代や40代などと比べて会社での勤務年数が長いこともあり、比較的多くの資金を蓄えていることが多いことでしょう。長期的な貯蓄により、ある程度まとまった資金を形成できているケースも少なくないでしょう。50代までに貯めてきた資金は、事業資金として利用できます。まとまった資金をある程度用意できることから、事業の選択肢が広がりやすい点も、50代での起業の強みの一つです。また、資産は事業が軌道に乗るまでの運転資金としても利用できます。運転資金に投入することで、資金ショートのリスクを軽減でき、健全な企業運営をしやすくなるでしょう。

ライフステージが障害になりにくい

50代の起業は、家族のライフステージが事業の妨げになりにくいのもメリットです。家庭によっても事情は異なりますが、50代になると子どもが大きくなり教育費などがかからなくなるケースも増える傾向です。住宅を購入している場合は、住宅ローンの残高も減り、家計にも余裕が出てきやすい年代と言えるでしょう。このように、50代は子育てや教育費の負担が軽減され、その分資金を自由に使いやすくなるため、起業しやすい環境が整いやすいと言えます。

50代で起業を考える際の注意点

50代で起業する場合、メリットもあれば注意点もあります。ここでは注意しておきたいことについて解説します。

体力面で不安が生じることがある

50代は、30代や40代などと比べると、体力面で劣ります。若いころは問題なくこなせていた仕事量も年齢を重ねるにつれて負担になるでしょう。また、50代になると、持病を抱える方が増える傾向です。50代で起業する場合、定期的な通院や入院が必要な持病があると、事業にも影響が及ぶ可能性があるでしょう。そのため、健康面のリスクも考えつつ、できるだけ健康を保ちながら、無理のない範囲で経営に携わるようにしましょう。

時間の面で失敗のリスクが大きい

20代や30代などでの起業は、失敗してもやり直せる機会がいくらでもあります。事業を廃業して再就職することもできれば、新たな事業を始めることもできるため、選択肢が広いのが特徴です。

一方、50代の起業は20代や30代などと比べて、失敗したときのリスクが大きいというデメリットがあります。会社を辞めて起業する場合、事業に失敗した場合、これまでのキャリアを取り戻しにくくなる可能性があります。再就職ができたとしても、退職する前の収入と同程度の雇用契約を結べるとは限りません。また、失敗を考えたときの心理的な重圧感から焦りが生まれてしまい、大胆な行動がかえって経営状況を悪化させることもあります。

起業アイデアの出し方、選び方

ここでは、50代で起業する際のアイデアの出し方などについてご紹介します。

自身の経験から考える

これまでに経験したことのない新しい分野への挑戦は、好奇心を刺激することでしょう。しかし、50代からの起業でまったく新しい分野でビジネスを始めるのは、リスクも高いため、おすすめできません。50代までに培ってきた経験やスキルをビジネスに活かした方が、業界の内情などをよく理解している分、成功の可能性が高まるからです。ビジネスのアイデアを考える際は、これまでに自分が経験してきたことで得意だったことや、他の方の経験と比較して優位に立てることをベースにアイデアを出していきましょう。

フレームワークを活用する

起業のアイデアを出すには、フレームワークの利用もおすすめです。代表的なものに、マンダラートがあります。3×3の9マスを利用して、アイデアなどをまとめるフレームワークです。中央のマスに事業で達成したいことを書き出し、周囲のマスに中央のマスに近づくための解決策やアイデアを書き出していきます。マンダラートに記すアイデアは実現可能なものを選ぶのがポイントです。

複数人で起業を考えている場合は、ブレインストーミングをしてみるのもよいでしょう。ブレインストーミングは、相手の意見を否定しないように自由に意見を出すことで、思いつかないようなアイデアを創造できる可能性のある方法です。

50代で起業をする際の手順

50代で起業する場合の一般的な手順は以下の通りです。

  1. ビジネスのアイデアを考える
  2. アイデアが現実可能なものか検討する
  3. 事業計画書を作成する
  4. 開業に必要な資金を調達する
  5. 開業に必要な手続きを行う

50代の起業で重要なのは、起業に伴うリスクの検討です。起業のリスクを考慮せずに、アイデアだけで開業を進めてしまうと、失敗したときに負担が大きくなる可能性があります。クを背負ってしまうことになります。アイデアを出したら、それが実現可能なものなのか、ビジネスとして十分に成り立つものなのか、十分に吟味してから起業の準備を進めていきましょう。ビジネスの実現可能性については、事業計画書の作成でも役立ちます。

事業計画書は、市場の状況や競合他社の状況、開業に必要な資金、開業後の収支シミュレーションを落とし込んで作成するためです。作成の段階で、想定していなかった課題に気づけることもあります。

50代での起業を成功に導くポイント

50代の起業を成功させるポイントは、開業したい市場の調査や競合他社の調査を十分に行うことです。調査の面においては、長年関わりのある業界の方が、自分の知見を活かせるメリットがあります。徹底的な調査を行ったら、事業の実現可能性を高めるために、事業計画書を綿密に作成するようにしましょう。起業後の資金繰りで失敗するケースもあるため、開業後の収支を現実的な数値に落とし込んで、丁寧にシミュレーションしておくことが大切です。

また、50代の起業は失敗したときに大きなリスクを伴う可能性があります。リスクを低減するためには、スモールスタートがおすすめです。最初に個人事業主の規模感から事業を始めて、事業が拡大したタイミングで法人化する方法もありますので、ご自身のスキルやキャリアを振り返って適切な起業を考えていきましょう。


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