- 作成日 : 2025年8月29日
起業するにはまず何から始める?成功しやすい業種やアイデアがない場合まで解説
働き方が多様化する現代において、起業は選択肢の一つです。しかし、いざ起業しようとすると、「まず何から手をつければいいの?」「事業のアイデアが思いつかない」「資金はいくら必要なんだろう」といった、数多くの疑問や不安が立ちはだかります。
この記事では、起業を目指すすべての方に向けて、事業アイデアの発想法から具体的な手続き、資金の準備方法まで、起業を実現するための5つの基本ステップを分かりやすく解説します。
目次
起業するにはまず何から始める?
起業への道のりは、決して複雑なものではありません。一つひとつのステップを確実に踏んでいくことで、誰でも自分のビジネスを形にすることができます。ここでは、起業を実現するための最初のステップを順番に見ていきましょう。
1. 事業アイデアを具体化する
すべてのビジネスは、一つのアイデアから始まります。「誰の、どのような課題を解決したいのか」を明確にすることが全ての土台です。
アイデアの輪郭が見えてきたら、「誰に」「何を」「どのように」提供するのかを具体的に言語化し、ビジネスの核を固めます。この段階で、提供する価値を明確にすることが、後の事業計画をスムーズに進めるための基礎となります。
2. 事業計画書を作成する
事業計画書は、頭の中にあるアイデアを客観的な視点で見つめ直し、事業の実現可能性を高めるために不可欠です。事業のコンセプト、ターゲット市場、競合分析、販売戦略、収支計画などを具体的に書き出していきましょう。
金融機関から融資を受ける際には提出が必須となる重要な書類ですが、それ以上に、自分自身の思考を整理し、事業の方向性を定めるための道しるべとしての役割を果たします。
3. 必要な資金を準備する
事業を始めるには、初期費用と運転資金が必要です。事業計画書で算出した金額をもとに、必要な資金を準備しましょう。
自己資金だけで不足する場合は、資金調達を検討する必要があります。日本政策金融公庫からの融資や、国・自治体が提供する補助金・助成金など、様々な選択肢があります。それぞれの特徴を理解し、自身の事業計画に合った方法を選びましょう。
4. 開業形態を決める
起業する際の形態には、主に「個人事業主」と「法人(株式会社など)」の2つがあります。それぞれのメリット・デメリットを比較し、どちらが自分に適しているか慎重に判断しましょう。
個人事業主 | 法人 | |
---|---|---|
開業手続き | 簡単(開業届を税務署に提出するだけ) | 複雑(定款認証、設立登記などが必要で費用もかかる) |
社会的信用度 | 法人より低い傾向 | 高い |
税金 | 所得が増えると税率も上がる(累進課税) | 所得が一定額を超えると法人の方が税率上有利な場合がある |
責任の範囲 | 無限責任(事業上の負債はすべて個人で負う) | 有限責任(出資額の範囲内での責任) |
事業規模が小さいうちは個人事業主で始め、事業が拡大してきたら法人化する(法人成り)という選択も一般的です。
5. 必要な手続きを行う
開業形態が決まったら、それに伴う公的な手続きを進めます。個人事業主の場合は、税務署への「開業届」の提出が基本です。許認可が必要な業種(飲食業、建設業など)の場合は、管轄の行政庁への申請も忘れずに行いましょう。法人を設立する場合は、定款認証や設立登記などの手続きが必要です。これらの手続きを漏れなく行うことで、正式に事業を開始することができます。
起業したいけどアイデアがない場合はどうする?
起業したいという情熱はあっても、具体的なビジネスアイデアが浮かばないという方は少なくありません。しかし、革新的なアイデアは、意外と身近なところに隠れているものです。ここでは、ビジネスの種を見つけるための4つのヒントを紹介します。
自分の好きや得意を深掘りする
あなたが時間を忘れて没頭できることや、他人から褒められることは何でしょうか。趣味や特技、これまでの仕事で培った専門スキルは、ビジネスの強力な源泉になります。例えば、料理が好きならケータリングサービス、文章を書くのが得意ならWebライター、特定の業界に詳しければコンサルタントなど、自分の強みを活かせる分野を探してみましょう。情熱を注げる分野は、困難な状況でも事業を継続する力になります。
日常の不便や不満に目を向ける
私たちの身の回りには、「もっとこうだったら良いのに」と感じる小さな不便や不満が溢れています。その不便こそが、新しいビジネスチャンスの宝庫です。例えば、「子育て中にゆっくり買い物できる場所がない」「リモートワークで集中できる環境がほしい」といった課題を解決するサービスは、多くの人から共感を得られる可能性があります。日々の生活の中で感じる課題をメモする習慣をつけるのも良い方法です。
既存サービスの組み合わせを考える
全く新しいものをゼロから生み出すだけがイノベーションではありません。すでに世の中にあるサービスや商品を、新しい視点で組み合わせてみることで、独自の価値を提供できる場合があります。
例えば、カフェとコワーキングスペース、家事代行と高齢者の見守りサービスなど、異業種の要素を掛け合わせることで、これまでになかった新しい市場を開拓できるかもしれません。
成功事例を分析する
成功している起業家の事例を学ぶことは、アイデア発想の大きな刺激になります。なぜそのビジネスが成功したのか、どのような顧客課題を解決しているのかを分析することで、自分のビジネスに応用できるヒントが見つかります。本を読んで知識を深めるのも効果的です。多くの起業家が推薦する名著や、最新のビジネストレンドに関する書籍を読むことで、視野を広げ、思考の引き出しを増やすことができます。
起業で成功しやすい業種は?
どのような業種で起業するべきか、悩む方も多いでしょう。時代の変化と共に、求められるビジネスも変わっていきます。ここでは、近年特に注目されている業種の傾向を紹介します。
IT・Web関連
社会全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)化が進む中、IT・Web関連のスキルを持つ人材への需要は高まり続けています。中小企業のDX導入を支援するコンサルティング、Webサイト制作やSNS運用代行、多忙な経営者をサポートするオンライン秘書など、専門スキルを活かせるビジネスは将来性が高いと言えるでしょう。場所を選ばずに働ける点も大きな魅力です。
個人のスキルを活かすサービス
特定の分野で豊富な経験や知識を持つ場合、それを活かしたコンサルティングやコーチングは有力な選択肢です。キャリア相談、資産形成アドバイス、専門技術の指導など、個人の悩みに寄り添い、目標達成をサポートするビジネスは、高い顧客満足度と収益性を見込めます。信頼関係の構築が事業成功の基礎となります。
社会課題の解決に繋がるビジネス
環境問題や高齢化、地域の過疎化といった社会課題の解決を目指すビジネスは、社会貢献性が高く、多くの共感を集めやすいという特徴があります。例えば、フードロス削減に取り組む飲食店、再生可能エネルギー関連のサービス、地域の特産品を活かした商品開発などが考えられます。事業を通じて社会に良い影響を与えたいという想いが、強力な推進力になります。
起業するにはいくら必要?
一般的に、起業に必要な総資金のうち、3分の1から2分の1程度は自己資金で用意することが望ましいとされています。自己資金が潤沢であることは、事業への本気度を示すことにも繋がり、金融機関からの融資審査においても有利に働く傾向があります。まずは事業計画を基に必要な資金額を算出し、目標額に向けて計画的に貯蓄を進めることが重要です。
起業に必要な資金調達の方法は?
自己資金だけでは足りない場合、以下のような資金調達の方法があります。
日本政策金融公庫の融資制度
政府系金融機関である日本政策金融公庫は、これから起業する人や事業を始めたばかりの人を対象とした融資制度を多数用意しています。特に「新規開業・スタートアップ支援資金」は、無担保・無保証人で利用できる場合があり、多くの起業家に活用されています。民間の金融機関に比べて金利が低めに設定されている点も特徴です。まずは相談窓口に問い合わせてみることをお勧めします。
補助金・助成金
国や地方自治体は、新規事業の創出を支援するため、返済不要の補助金や助成金を提供しています。代表的なものに「小規模事業者持続化補助金」や「中小企業新事業進出補助金」などがあります。公募期間や要件が定められているため、常に最新の情報をチェックすることが大切です。申請書類の作成には手間がかかりますが、活用できれば資金繰りを大きく助けてくれます。
クラウドファンディング
インターネットを通じて不特定多数の人から資金を募るクラウドファンディングも、有力な資金調達手段の一つです。事業の魅力や社会的な意義をアピールし、多くの共感者を集めることができれば、資金だけでなく、事業開始前からファンや顧客を獲得することも可能です。事業内容のテストマーケティングの場としても機能します。
働き方別の起業のポイントは?
起業は、個々のライフスタイルや状況に合わせて、様々な形で実現できます。ここでは特に相談の多い、女性や主婦、会社員の方々が起業する際のポイントを解説します。
女性・主婦が強みを活かして起業する
女性ならではの視点や、主婦として培った生活者としての感覚、コミュニケーション能力は、ビジネスにおいて大きな強みとなります。例えば、子育て経験を活かしたベビーシッターサービスや家事代行、地域のコミュニティを活かした教室運営など、身近なニーズに応えるビジネスが考えられます。限られた時間で効率的に進められるよう、オンラインツールを積極的に活用することも成功のポイントです。
会社員が副業から始める
現在の安定した収入を維持しながら、まずは副業としてスモールスタートするのも賢明な方法です。週末や平日の夜間を利用して、自分のスキルや趣味を活かしたビジネスを始めてみましょう。Webデザイン、ライティング、プログラミングなどのスキルは、クラウドソーシングサイトなどを通じて仕事を見つけやすい分野です。副業で実績を積み、収益の見通しが立った段階で独立を検討することで、リスクを最小限に抑えられます。
個人事業主として起業するための手続き
事業の準備が整ったら、いよいよ開業手続きです。ここでは、個人事業主として開業する場合の具体的な手続きを解説します。
1. 開業届の提出
個人事業主として事業を開始するには、事業所の所在地を管轄する税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」を提出します。提出期限は、原則として事業開始から1ヶ月以内です。書類は国税庁のホームページからダウンロードでき、e-Taxを使えばオンラインでの提出も可能です。
2. 青色申告承認申請書の提出
開業届と併せて、「所得税の青色申告承認申請書」を提出することを強くおすすめします。青色申告を行うことで、最大65万円の特別控除を受けられたり、赤字を翌年以降3年間に繰り越せたりと、税制面で大きな優遇措置があります。申請には期限があるため、開業届と同時に提出するのが最も確実です。
3. 事業用の銀行口座とクレジットカードの準備
プライベートのお金と事業のお金の流れを明確に分けることは、経理処理を簡潔にする上で非常に重要です。開業後はなるべく早く、事業専用の銀行口座を開設しましょう。屋号付きの口座を開設すると、取引先からの信頼度も高まります。同様に、事業用の経費を支払うためのクレジットカードも用意しておくと、経費管理が格段に楽になります。
さあ、起業への一歩を踏み出そう
起業は、決して一部の特別な人にだけ許された道ではありません。明確なステップを理解し、一つひとつ着実に準備を進めていけば、誰にでも実現の可能性があります。
大切なのは、頭で考えるだけでなく、最初の一歩を踏み出すことです。この記事を参考に自分のビジネスのアイデアを見つけ、具体的な計画を立ててみてください。あなたの情熱と行動力が、新しい未来を切り拓く原動力となるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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