- 更新日 : 2025年4月24日
【東京都】起業・創業を促進する助成金・補助金一覧!申請期間や条件まとめ
東京都で起業・創業する際に活用できる助成金・補助金一覧をまとめて紹介します。そのほか、東京都が起業・創業の促進に力を入れる理由やあらためて確認しておきたい助成金、補助金、給付金、融資の違い、創業・起業時に役立つ各種ひな形・テンプレートも紹介するので、最後までチェックしてください。
目次
東京都が起業・創業の促進に力を入れる理由
まずは、東京都が起業・創業の促進に力を入れている理由を解説します。東京都が起業支援に取り組むようになった背景には、新たな雇用の創出には起業家の創出が必要不可欠だと考えたためです。
実際、日本における開業率は世界的に見ても低いのが実情です。また、既存の中小企業では新たな雇用創出をできないという研究成果もあるなど、既成概念にとらわれない新しいアイデアで起業・創業を促進させることが求められています。
また、日本の競争力も低下の一途をたどっていることも理由の1つです。このままの状況が続くと経済的に没落し、豊かな生活が遅れなくなる恐れもあります。
それらの懸念点に対して解決策となり得る起業・創業を希望する者が活躍できる社会を実現すべく、東京都が中心となってスタートアップ戦略を展開しています。
助成金、補助金、給付金、融資の違い
具体的な助成金・補助金を紹介する前に、助成金・補助金・給付金・融資の違いについてあらためて確認しましょう。
助成金
助成金とは、国の政策に沿って企業が取り組んだ際に支給されるお金(後払いのため注意が必要)のことです。助成金は原則返済不要です。
助成金の目的は、労働環境を安定させることにあります。助成金を受けるにあたって他社と競争することはなく、要件を満たせば原則給付されます。
助成金の管轄は厚生労働省で、助成金の財源の多くが雇用保険料です。
補助金
補助金とは、国の政策目標などに沿って事業や取り組みを行っている法人や個人事業主に支給されるお金のことです。こちらも原則後払いで、返済は不要です。
募集要項に合致する事業について計画案を募集し、審査と採択を経て給付対象者や金額が決まります。補助金には募集と採択があるため、応募したら必ず受給できるわけではありません。また、申請期限が短期間であるため、応募する際には注意しましょう。
給付金
給付金とは、国・自治体が特定の事業主や個人に対して支給されるお金のことです。給付金は災害時支援や育児支援などに対して支給されることを見るとわかるように、特定の条件や目的のために支給されます。また、助成金や補助金と違って個人を対象にしている場合が多いことや、迅速な支給が求められることが多いため申請手続きが比較的簡単な点が特徴です。
融資
融資とは、金融機関からお金を借りることです。助成金や補助金とは違って、お金を借り受けるため、返済義務があります。融資には、国や地方自治体による公的融資と民間の金融機関による民間融資の2つがあります。
東京都で創業時に申請できる助成金や補助金
東京都で創業時に申請できる助成金や補助金について、解説します。代表的なものには、次の3つが挙げられます。
- 創業助成事業
- 商店街起業・承継支援事業
- 若手・女性リーダー応援プログラム助成事業
それぞれ詳しく見ていきましょう。
創業助成事業
創業助成事業とは、創業初期に必要な経費の一部を助成するものです。助成費は、賃借料や広告費、器具備品購入費、従業員人件費、市場調査などに活用できます。
<対象者>
- 創業5年以内の事業者、または開業を予定している方
<助成率>
- 助成対象経費の3分の2以内
<助成限度額>
- 400万円(下限額100万円)
<採択件数>
- 200件
申請要件として、TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援の終了者、東京都及び都内区市町村が行う創業を対象とする制度融資利用者などがあるため、事前に確認しましょう。
参考:東京都産業NET 創業助成金(東京都中小企業振興公社)
商店街起業・承継支援事業
商店街起業・承継支援事業とは、都内商店街で新規店舗を開業しようとする方を支援する事業です。店舗の工事費や経費の一部を助成することで、費用負担軽減を図ります。
<対象者>
- 年齢や性別、個人・法人問わない
- 都内商店街で新規店舗の開業、既存店舗と異なる事業への多角化、事業承継のいずれかを予定している方
<助成限度額>
- 事業所整備費用:限度額250万円
- 店舗賃借料:1年目180万円、2年目144万円、3年目120万円
<助成率>
- ともに3分の2以内
若手・女性リーダー応援プログラム助成事業
若手・女性リーダー応援プログラム助成事業は、都内商店街で開業を希望する若手や女性を支援する事業です。
<対象者>
- 女性または39歳以下(令和7(2025)年3月31日時点)の若手男性
- 都内商店街で開業を予定しており実店舗を持っていない方
<助成限度額>
- 事業所整備費用:限度額400万円
- 店舗賃借料:1年目180万円、2年目144万円、3年目120万円
<助成率>
- ともに4分の3以内
参考:東京都中小企業振興公社 若手・女性リーダー応援プログラム助成事業
東京都23区で創業時に申請できる助成金や補助金
東京都23区で創業時に申請できる助成金や補助金について解説します。取り上げる助成金や補助金は、あくまで一例です。各自治体で行っている支援事業については、東京都創業NETのページでご確認ください。
- 中小企業ホームページ作成費補助金(中央区)
- 創業スタートアップ助成事業(杉並区)
- 新規開業賃料補助(港区)
中小企業ホームページ作成費補助金(中央区)
中央区では、中小企業ホームページ作成費補助金を実施しています。区内の中小企業や個人事業主を対象に、ホームページを新たに作成する場合、既存のホームページを変更する場合に制作費用の一部を補助するものです。
一般枠と創業枠が設定されており、それぞれの枠で補助対象経費が異なります。すでに開設しているホームページを変更する場合は一般枠のみが対象です。
<令和6年度募集分の補助額>
- 一般枠:対象経費の総額の2分の1(限度額5万円)
- 創業枠:対象経費の総額の3分の2(限度額6万円)
創業スタートアップ助成事業(杉並区)
杉並区では、区内での創業促進を目的として、創業当初に必要な経費の一部を助成する事業(創業スタートアップ助成事業)を行っています。
助成対象者は、中小企業者であることや基準日(10月1日)において、創業後6ヶ月以内であることなどが挙げられます。
補助限度額や補助率は、次のとおりです。
- 事務所家賃助成:限度額30万円、助成率3分の2
- ホームページ等作成助成:限度額20万円、助成率3分の2
新規開業賃料補助(港区)
港区では、創業当初の賃料の一部を助成する新規開業賃料補助を行っています。事務所などの月額賃料の3分の1を補助(限度額は1ヶ月あたり5万円)します。
要件は、「港区内に事務所があること」「住居と兼用ではないこと」「バーチャルオフィスではないこと」などです。
東京都の市町村で創業時に申請できる助成金や補助金
東京都の市町村で創業時に申請できる助成金や補助金について、解説します。ここでは、東村山市と羽村市を例に紹介しましょう。
ほかの市町村については、東京都創業NETのページでご確認ください。
各種補助金事業(東村山市)
東村山市では、創業を予定している方や経営改善・事業規模の拡大を行う方に対して補助金制度を展開しています。
■ 新販路開拓等応援プロジェクト
市内で新規創業される方はもちろん、すでに市内で事業を営んでいて新たに市内もしくは市外で店舗や事務所等を構えて事業を開始する方に向けた補助金制度です。
補助対象経費には、店舗等の改修経費や備品購入経費、店舗等の賃料などが挙げられます。
令和6(2024)年度に募集した際の補助内容は、次のとおりです。
- 補助率:2分の1以内
- 補助限度額:市内事業者が市内・市外に出店等を行うケース(50万円)、市外事業者が市内に出店等を行うケース(100万円)、創業予定者が市内に出店等を行うケース(50万円)
■ 小規模事業者経営改善補助金
個人事業主を含む小規模事業者が、新たな設備の導入や店舗改修等に取り組む際に利用できる補助金制度です。補助対象経費となるものには、店舗等の改修経費や機械設備等の導入および改修経費などがあります。
令和6(2024)年度に募集した際の補助内容は、次のとおりです。
- 補助率:2分の1以内
- 補助限度額:50万円
羽村市創業支援補助金
羽村市創業支援補助金とは、羽村市で創業を希望する方、もしくは創業5年未満の方を対象とした補助金です。設備投資やマーケティング、広報費用等を対象としています。
令和6年度に募集した際の補助内容は、次のとおりです。
- 補助率:3分の2
- 補助上限額:50万円
創業・起業時に役立つ各種ひな形・テンプレート
マネーフォワード クラウドでは、法人の定款に役立つひな形・テンプレートを提供しています。下記リンクから無料でダウンロードできますので、自社に合わせてカスタマイズしながらご活用ください。
起業・創業を促進する助成金・補助金をうまく活用しよう
東京都で起業・創業する際に活用できる助成金・補助金には、自治体ごとにさまざまなものがあります。本記事で紹介した助成金や補助金を参考に、自分の住んでいる地域で活用できるものがないか、確認してみましょう。
補助金を申請する際には、事業計画書の作成が必要です。事業計画書にどういった内容を書けばよいかわからない方は、本記事で紹介したテンプレートや書き方の記事を参考にしてください。助成金・補助金を活用して、よいスタートを切りましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
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