• 更新日 : 2026年2月17日

エステサロン開業時の事業計画書の書き方・記入例は?テンプレート付きで徹底解説

Pointエステサロン開業時の事業計画書の書き方は?

エステサロンの事業計画書は、融資獲得と経営プランの可視化に不可欠な書類です。

  • 客観的な数値に基づき、収益の根拠を明確化
  • 専門用語を避け、非専門家にも伝わる表現を徹底
  • 実績や資格を明記し、経営者としての信頼を担保

開業時の融資審査では、主観を排した市場調査データと、精度の高い収支計画の提示が求められます。

エステサロンを開業する際に作成する事業計画書には、創業の動機や目的・事業実績など複数の項目を記入します。売上シェアや収益性、必要な資金の内訳など具体的な数値を記載する必要があるため、客観的で根拠のある記載を行うのがポイントです。

この記事では、エステサロンの開業時に必要な事業計画書の書き方・記入例を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

エステサロンの事業計画書とは?

エステサロンの事業計画書・創業計画書

出典:エステサロン向け事業計画書のテンプレート(こちらからダウンロード可能)

エステサロンの事業計画書とは、開業予定のサロンで「どのような商品・サービスを提供するか」「自社の強みは何か」「従業員は何名雇うか」などをまとめた書類のことです。「創業計画書」とも呼ばれます。

事業計画書を作成する目的は、主に下記の2つが挙げられます。

  1. 金融機関へ融資を申し込むため
    エステサロンはテナント料や設備費、消耗品の購入費用など多額の初期費用がかかります。初期費用に充てるため、金融機関から融資を受ける際、事業計画書は融資可否の重要な判断材料となります。
  2. 経営プランを可視化するため
    頭の中にある経営プランを言語化・数値化することで、自らの経営プランを客観的に評価できるようになります。また、数値化された事業計画書は事業の進行途中の段階でも進捗状況の確認ができ、軌道修正が必要な場合にも役立ちます。第三者から経営プランに関するアドバイスをもらう際の資料としても有効です。

エステサロン開業時の事業計画書の書き方・記入例は?

エステサロンの開業を成功させるためには、事前に方向性を明確化して、入念に営業戦略を立てることが大切です。金融機関に融資を申し込むことも視野に入れると、事業計画書はエステサロンに特化した内容で作成しなくてはなりません。

ここでは、事業計画書に記載する主な項目別に、書き方のポイントや記入例を解説します。

創業の動機・目的

なぜエステサロンを開業するのか、その動機と目指す方向性を明確に記載します。単なる思いだけでなく、これまでの経験やその経験を通して学んだ課題などを踏まえ、どのような目的をもって事業を行いたいのか、目標達成のための準備状況や収益が見込める根拠も併記すると、計画性が伝わりやすくなります。

記入例

エステサロンで10年間勤務し、店長として店舗運営を5年間経験。指名客も年間◯◯名に達し、独立後も一定の集客が見込める。また、近隣に女性専用のプライベートサロンがなく、差別化が可能と判断したため。

経営者の職歴・事業実績

経営者がエステサロン運営に適した経験や資格を持っていることを証明する項目です。金融機関はその経営者が安定した返済が可能かどうかを見極める必要があり、そのためには経営者が事業を遂行できる能力があるか否かを過去の実績から判断します。

職歴に関しては、基本的な書き方は、職務経歴書と同じです。専門学校などの学歴と美容業関係の職歴とともに、技術力を証明する実績や資格があれば抜け漏れなく記載します。

そのうえで、前職で利益向上に貢献した実績やマネジメント経験などがある場合はそれらの実績も記載するようにしましょう。

取扱商品・サービス

自店舗のコンセプトや、競合他社との差別化ポイントを明確に記載します。エステサロンにはフェイシャル、脱毛、リラクゼーションなど多様な形態があるため、どのような形態のサロンを目指すのか、どのような美容アイテムやマシンを導入するのか、どのような施術やプランを提供するのか、競合との差別化につながるポイントを具体的かつ明瞭に記載しましょう。

取引先・取引関係

ターゲットとする顧客層を具体的に記載します。 エステサロンの場合、取引先は主に個人客となりますが、単に「個人客」とするのではなく、ターゲットの詳細を深掘りします。見込み客がいるのであれば、別紙でリストを作成すると利益の根拠を示す資料となります。

フリーランスのエステティシャンと業務委託契約を行ったり、従業員を雇ったりする場合は、それぞれ外注先や人件費として記載しましょう。

従業員

サロンの運営体制と人員構成を明らかにします。従業員数を記載するほか、役職や雇用形態ごとに分けた人員構成も記載します。

例えば、個人事業主として開業する場合、家族に手伝ってもらうのであれば家族従業員の記載が必要です。

記入例
  • 常勤役員の人数:○人
  • 従業員数:○人(うち家族従業員 ○人)
  • パート従業員:○人

借入の状況

現在抱えている借入について、借入先や借入残高、年間返済額などを具体的に記載します。借入の状況は、返済能力を判断するための重要な材料となるため、事業に直接関係のない個人的なローンも抜け漏れなく記載することが必要です。

例えば、自家用車の自動車ローンや自宅の住宅ローン、消費者金融からの個人的な借金なども全て記載しましょう。。

必要な資金と調達方法

「何にいくら必要なのか」と「その資金をどう用意するのか」の整合性をとります。 必要な資金を「設備資金」と「運転資金」に分けて算出し、それぞれ項目を細かく分け、見積書などの根拠に基づいた金額と見積先を記載します。また、それらに必要な資金の調達方法についても、自己資金や親族からの借入、金融機関からの融資など明確に記載しましょう。

  • 資金の使い道: テナント初期費用、内装工事費、施術用ベッド・マシンの購入費など
  • 調達方法: 自己資金、金融機関からの借入、親族からの借入など

事業の見通し

金融機関に対して、収益性が期待できる事業であり、問題なく借入金を返済できることを証明するための項目です。見込まれる収益に加えて、人件費や地代家賃などの経費、借入金の返済なども抜け漏れなく記載しましょう。

注意点は、根拠にもとづいて数値を算出することです。収支計画は漠然としたイメージで記載するのではなく、客単価や1日の予約数、営業日数をもとに明確な数値を算出します。創業当初と軌道に乗った後ではサロンの認知度も来店客数も変化するため、それぞれ分けて記載します。

参考:事業計画書の作成例|起業マニュアル|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]エステティックサロン|業種別開業ガイド|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]

エステサロン向け事業計画書のひな形、テンプレート

マネーフォワード クラウド会社設立では、エステサロン事業計画書のひな形・テンプレートをご用意しております。ぜひダウンロードしてご活用ください。

エステサロン開業に成功するための事業計画書のポイントは?

事業計画書の質を高め、融資の成功率を上げるためには、以下の3つの視点が不可欠です。

客観的な数値と根拠を提示する

融資の審査や経営判断において、主観ではなく客観的なデータに基づいた記述が重要です。 「駅近だから集客できる」といった抽象的な表現ではなく、「近隣の通行量は1日あたり◯名で、同規模の競合店が◯店舗あるため、◯%のシェアを獲得できる」といった、第三者が納得できる根拠を用意しましょう。市場調査データや、専門業者からの見積書を添付することも効果的です。

専門用語を避け、誰にでも伝わる言葉で書く

金融機関の担当者など、美容業界に詳しくない第三者が読んでも理解できる平易な表現を心がけましょう。 施術名や美容機器の名称など専門用語だけで並べるのではなく、「〇〇という悩みを解消する施術」といった具体的な用語に言い換えて説明します。中学生が読んでも事業内容がイメージできるレベルの分かりやすさが、信頼獲得への近道となります。

徹底的な準備で情報の精度を高める

いきなり書き始めるのではなく、まずは市場調査や見積もりの取得を丁寧に行い、情報の解像度を上げることが成功の秘訣です。 周辺の競合調査、内装業者の現地調査、ターゲット層へのアンケートなど、足を使った情報収集が計画書の説得力を生みます。準備段階で課題が見つかれば、開業前にプランを修正できるため、結果として経営のリスクヘッジにも繋がります。

エステサロンの事業計画書、約半数が再提出を経験?

マネーフォワードが実施した調査によると、事業計画書の作成において最も困難だと感じた項目は「財務・資金調達計画」で35.5%、次いで「販売戦略・マーケティング計画」が30.3%でした。多くの人が、具体的な収支計画などの「数字」や、集客のための「戦略」の言語化に苦戦している実態がうかがえます。

また、銀行や投資家に提出した際の結果について、約45%の人が「再提出」または「内容への指摘」を受けたと回答しています。一発で審査を通過した人は約3割(31.7%)にとどまっており、融資審査のハードルが決して低くないことがわかります。

一方で、作成経験者の55.5%がWeb上の事業計画書テンプレートを使用しています。独自の形式にこだわるのではなく、金融機関が見慣れている標準的なテンプレートを活用し、指摘されやすい財務や販売戦略の根拠をしっかりと埋めていくことが、スムーズな開業への近道といえるでしょう。

出典:マネーフォワード クラウド、作成が最も困難だと感じたセクション、提出時の不備・再提出の指示、Web上のテンプレート利⽤状況【事業計画書に関する調査データ】(回答者:809名、集計期間:2026年1月実施)

理想のエステサロン経営を実現するために

エステサロンを開業する際に金融機関へ融資を申し込むためには、事業計画書を作成する必要があります。事業計画書の内容は、創業の動機から具体的な収支計画まで、一つひとつの項目を精査することで、融資審査の成功確率は高まります。また、事業計画書の作成は自身の経営指針にもなります。事業計画書の作成に向けて、まずは自己資金の確認と、市場調査、信頼できる業者からの見積もり集めなどから始めてみましょう。事業計画書が、あなたの夢の第一歩を確かなものにするはずです。


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