- 作成日 : 2023年2月22日
新会社法とは?資本金1円でも株式会社が設立可能に!
新会社法とは、商法の抜本改正に伴い、「商法」第二編と商法特例法、有限会社法が統合されて作られた法律のことです。2006年5月に施行されました。資本金1円でも株式会社が設立可能になったり、合同会社が誕生したりなど、さまざまな改正ポイントが存在します。
今回は、新会社法とは何か、改正ポイントや注意点について解説します。
目次
新会社法とは?
新会社法とは、2006年5月に施行されたもので、商法の抜本改正に伴い「商法」第二編と商法特例法、有限会社法が統合されて作られた法律のことです。
新会社法が施行される前は「商法」の第二編、「株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律(商法特例法)」「有限会社法」の3つに分かれて存在していました。これらが1本化したものが、新会社法です。
新会社法には、株式会社の設立手続きの簡素化やLLC(合同会社)という新会社形態について、事業承継の円滑化など、中小企業にも関わる施策が多く盛り込まれています。そのため、会社経営に関わっている方は、新会社法の改正ポイントについて理解することが大切です。
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新会社法の改正ポイントは?
新会社法にはさまざまな改正点があり、それぞれのポイントについて理解する必要があります。
新会社法の改正ポイントは以下のとおりです。
- 資本金1円でも株式会社が設立可能に
- LLC(合同会社)の誕生
- 類似商号規制の廃止
- 取締役は1人・任期は10年まで設定可能
- 事業承継の円滑化
新会社法改正を理解するためには、新会社法によって会社の機関設計が柔軟に行えるようになり、会社設立に関する手続きも簡素化された結果、起業のハードルが下がった点を押さえましょう。
ここでは、新会社法の改正ポイントについて解説します。
資本金1円でも株式会社が設立可能に
旧制度では、株式会社は最低1,000万円、有限会社は最低300万円の資本金や出資金が必要でした。(現在では有限会社を新たに設立することはできません。)しかし、新会社法により、1円でも株式会社を設立できるようになったのが大きな改正ポイントです。
従来、資本金1円での株式会社設立は、設立後5年以内に資本金を最低資本金まで引き上げるという条件で認められていました。しかし、5年以内に資本金を引き上げることはハードルが高く、資本金の制限が起業の普及を妨げる1つの原因となっていたのが課題でした。
新会社法により、最低資本金が撤廃されたことにより、理論上は資本金1円でも会社を設立できるようになっています。
ただし、資本金1円で会社を設立する場合、金融機関からの融資が通りにくくなったり、取引先からの信用獲得において不利になったりするリスクがあります。
また、事業年度開始日における資本金または出資金が1,000万円以上である場合は、税務上「新設法人」に該当し、設立初年度から消費税課税事業者になる点も理解しておきましょう。
LLC(合同会社)の誕生
LLCとは、Limited Liability Companyの略で、日本語では合同会社と呼ばれます。LLCは、新会社法により認められた新しい会社の形態のことです。
株式会社では、利益や権限の配分は出資比率によって決定される一方、LLCでは、出資者は有限責任でありながら、利益や権限の配分を自由に設定できるという特徴があります。経営の自由度が高く、成果を出している社員の利益配分比率を高めることも可能です。また、LLCでは所有と経営が一致しているため、株主総会を開催する必要がありません。そのため、株式会社に比べて迅速な意思決定が実現します。
なお、新会社法により有限会社が廃止され、すべての有限会社は法律上、株式会社として扱われるようになりました。
類似商号規制の廃止
類似商号規制とは、会社を設立する際、同一市町村内で同じ営業内容の会社と同一、または類似の商号については、新しく設立する会社が使用してはいけないとするものです。
類似商号規制により、これまでは会社設立にあたって、商号のチェックに時間がかかっていました。
しかし、新会社法で類似商号規制が廃止されたことで、スピーディーに会社設立の手続きを行えるようになったのです。
ただし、同一住所にて登記しているほかの商号と同一の商号を使用することはできません。そのため、複数企業が入居している施設で会社を設立する場合は、同一商号がないかを確認する必要があります。
なお、ここでの同一商号とは、漢字やアルファベットといった表記が完全に一致していることを指します。たとえば「株式会社ABC」と「株式会社abc」、「株式会社あいう」と「株式会社アイウ」はそれぞれ同一商号ではありません。
取締役は1人・任期は10年まで設定可能
これまで、株式会社を設立するためには、取締役3人と監査役1人を選任し、取締役会を設置する必要がありました。そのため、家族や友人に頼んで取締役や監査役になってもらうケースが多く見られました。
しかし、新会社法により、取締役が1人でも可能になり、非公開会社(すべての株式を譲渡制限株式としている会社)の場合は、取締役会の設置も任意となっています。改正により、会社を設立するハードルが大きく下がったのがポイントです。
また、従来の会社法では取締役の任期は2年でしたが、非公開の株式会社の場合、取締役の任期が10年まで設定可能になりました。10年以内であれば、任期は何年でも可能です。任期が伸長したため、取締役の重任登記にかかる手間や費用が抑えられるようになりました。
一方、取締役は任期いっぱい委任する必要があり、何らかの問題が発生した場合は任期の途中で解任しなければなりません。解任に納得しない取締役から損害賠償請求されるリスクがある点には、注意が必要です。
事業承継の円滑化
新会社法では、株式会社は相続や事業承継などで当該株式会社の株式(譲渡制限株式)を取得した者に対し、その株式を当該株式会社に売り渡すよう請求できる旨を、定款で定められるようになりました。そのため、会社が好ましく思わない者が相続した場合でも、強制的に株式を買い取れるようになり、事業承継がスムーズに行えるようになったのです。
新会社法の注意点は?
会社法は、2006年5月に新会社法として一部が施行されてから、2007年5月に全面施行されました。その後、2014年に第1次改正が行われ、2019年に改正会社法が成立しています。その間も細かい改正は行われています。このように、会社法は現在に至るまで改正されているため、会社法を正しく理解するためには、改正内容について理解する必要があるのです。
2014年の第1次改正では、コーポレート・ガバナンスの強化を図ることを目的に、社外取締役や社外監査役の社外性要件厳格化が規定されました。また、親子会社やグループ会社に関する規律整備も行われています。
2019年に成立した改正会社法では、2021年3月に施行されました。この改正は、社会経済情勢の変化に鑑み、株式運営や取締役の職務執行などを適正化することを目的に行われたものです。株主総会の運営や取締役の職務執行に関する見直しや、社債管理に関する制度の見直し、株式交付制度の創設などが、改正項目として挙げられます。
このように、会社法は改正されており、その都度改正内容について理解しなければなりません。今後も改正されることが考えられるため、積極的にキャッチアップする必要があります。
参考:法務省 会社法の一部を改正する法律について
法務省 会社法が改正されます
新会社法について正しく理解しよう
今回は、新会社法の改正ポイントや、会社法を理解するうえでの注意点について解説しました。新会社法は、2006年5月に施行されたもので、商法の抜本改正に伴い、「商法」第二編と商法特例法、有限会社法が統合されて作られた法律です。
中小企業やベンチャー企業にも関わりが深い改正ポイントが多く存在するため、経営者は必ず内容を理解しましょう。また、会社法は改正を繰り返しており、今後も改正される可能性が高いため、改正内容については随時理解が必要です。
よくある質問
新会社法とは?
新会社法とは、2006年5月に施行されたもので、商法の抜本改正に伴い、「商法」第二編と商法特例法、有限会社法が統合されて作られた法律のことです。詳しくはこちらをご覧ください。
新会社法の改正ポイントは?
新会社法の改正ポイントは、資本金1円でも株式会社が設立可能になったこと、LLC(合同会社)が誕生したこと、類似商号規制が廃止されたこと、取締役が1人でも可能になったこと、事業承継が円滑化したことなどです。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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