• 作成日 : 2025年8月30日

働き方改革推進支援助成金とは?2025年(令和7年度)のスケジュールはいつからいつまで?

働き方改革の実現を資金面から後押しする「働き方改革推進支援助成金」。この制度を有効に活用することで、ITツールの導入や人材育成にかかる費用負担を軽減し、企業の競争力を高めることが可能になります。

この記事では、2025年(令和7年度)の働き方改革推進支援助成金の概要とコース内容、公募スケジュールから、業種別の活用事例、申請の流れ、そして重要なポイントである36協定との関連性まで詳しく解説します。

※本記事の情報は、2024年度(令和6年度)までの情報や例年の傾向に基づく予測を含みます。2025年度(令和7年度)の正式な情報は、厚生労働省のウェブサイトで公開される最新の公募要領をご確認ください。

働き方改革推進支援助成金とは

働き方改革推進支援助成金は、生産性向上と労働時間の短縮に取り組む中小企業の事業主を支援する制度です。厚生労働省が管轄しており、時間外労働の削減や年次有給休暇の取得促進に向けた、企業の具体的な取り組みを資金面でサポートします。

中小企業が抱える課題解決を後押し

多くの中小企業では、人手不足や長時間労働が常態化し、従業員の離職や採用難につながるケースが少なくありません。働き方改革推進支援助成金は、こうした課題を解決するために、勤怠管理システムの導入や業務効率化に資する設備投資、従業員への研修など、前向きな投資を促進することを目的としています。単なる資金援助ではなく、企業の体制改善を促す性格を持っています。

成果目標の設定が必須

働き方改革推進支援助成金の特徴は、単に設備を導入すればよいというわけではなく、具体的な成果目標を設定し、達成を目指す必要がある点です。

例えば、「事業所内の時間外労働時間を月平均5時間以上削減する」「年次有給休暇の取得日数を年間4日以上増加させる」といった明確な目標を掲げ、その達成に向けた取り組み計画を立てることが申請の前提となります。

働き方改革推進支援助成金の対象となる中小企業事業主

働き方改革推進支援助成金の対象となるのは、以下の資本金または労働者数の要件を満たす中小企業事業主です。自社が該当するかどうかをまず確認しましょう。

業種資本金の額または出資の総額常時使用する労働者の数
小売業(飲食店を含む)5,000万円以下50人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
卸売業1億円以下100人以下
その他3億円以下300人以下

この定義は、申請時点での企業の規模で判断されます。

働き方改革推進支援助成金の対象となる取り組み事例

助成金の対象となるのは、成果目標の達成に直接的に関連する取り組みです。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • 労務管理担当者に対する研修
  • 従業員に対する研修、周知・啓発
  • 外部専門家(社会保険労務士など)によるコンサルティング
  • 就業規則・労使協定等の作成・変更
  • 人材確保に向けた取り組み
  • 労務管理用ソフトウェアや機器の導入・更新
  • デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
  • 生産性向上に資する設備・機器の導入・更新

この助成金は、様々な業種で有効に活用できます。

働き方改革推進支援助成金の4つのコース

働き方改革推進支援助成金には、企業の課題や目的に応じていくつかのコースが用意されています。2024年度は以下の4つのコースが設けられており、2025年度も同様のコースが設けられる可能性があります。

1. 労働時間短縮・年休促進支援コース

労働時間短縮・年休促進支援コースは、時間外労働の削減や年次有給休暇の取得促進を目指す中小企業を支援する、最も基本的なコースです。成果目標として、時間外労働の削減や、従業員のための特別な休暇(病気休暇、教育訓練休暇など)の導入が求められます。

2. 勤務間インターバル導入コース

勤務間インターバル導入コースは、従業員の健康を守るため、勤務終了から次の勤務開始までに一定の休息時間(インターバル)を設ける「勤務間インターバル制度」を新たに導入する企業を支援するコースです。過重労働を防ぎ、ワークライフバランスの改善を目指します。

3. 業種別課題対応コース

業種別課題対応コースは、労働時間規制の適用が猶予されていた特定の業種が抱える課題解決を支援するコースです。主に建設業、運送業、病院、介護施設、情報通信業、宿泊業などが対象となり、各業種の特性に合わせた働き方改革の取り組み(例:IT化による業務効率化、労働能率の増進に資する設備導入など)を後押しします。

4. 団体推進コース

団体推進コースは、事業主団体(商工会議所や協同組合など)が、その傘下にある中小企業に対して働き方改革を推進するための事業を行う場合に支援を受けられるコースです。セミナーの開催や、専門家による相談窓口の設置といった取り組みが対象となります。

働き方改革推進支援助成金の業種別の活用事例

この助成金は、様々な業種で有効に活用できます。

例えば、歯科医院の場合、予約管理システムや自動精算機を導入して受付業務を効率化したり、スタッフのスキルアップ研修を実施したりする費用が対象となり得ます。

また、運送業では、勤怠管理と連携できるデジタル式運行記録計(デジタコ)の導入が代表的な活用例です。デジタコの導入により、車両の運行状況やドライバーの労働時間を正確に把握し、長時間労働の是正につなげることができます。建設業においても、施工管理ソフトウェアの導入による現場作業の効率化などが考えられます。

働き方改革推進支援助成金の申請から受給までの流れ

助成金を受給するためには、正しい手順とスケジュールに沿って手続きを進める必要があります。全体の流れを把握しておきましょう。

1. 交付申請

まず、定められた期間内に「交付申請書」および「事業実施計画」を管轄の労働局へ提出します。この計画書には、企業の現状、成果目標、目標達成のための具体的な取り組み内容、必要な経費などを詳細に記載する必要があります。この内容が審査の核となります。

2. 交付決定と事業実施

提出した申請書が審査され、内容が妥当と認められると「交付決定通知書」が届きます。重要なのは、必ずこの交付決定通知書を受け取った後に、計画していた取り組み(発注や契約)を開始することです。 決定前に着手した経費は助成金の対象外となるため、注意が必要です。

3. 支給申請

事業実施期間内に計画した取り組みを完了させ、成果目標の達成状況を確認した後、「支給申請書」を提出します。取り組みにかかった費用の領収書や、実施前後での労働時間の変化を示すタイムカードの写しなど、成果を証明する書類を添付します。

4. 助成金の受給

支給申請の内容が審査され、適正であると認められると、晴れて助成金が指定の口座に振り込まれます。働き方改革推進支援助成金のスケジュールを考える際は、申請から実際の受給までには1年近くかかることも念頭に置いておくと良いでしょう。

2025年(令和7年度)の公募スケジュールはいつからいつまで?

令和7年度(2025年度)は、2025年4月1日(火)から交付申請(事業計画の提出)の受付が開始されました。

交付申請書の提出締切日は、2025年11月28日(金)に設定されています。ただし、予算の上限に達した場合は早期に締め切られる可能性があります。

正式な日程については、必ず公式発表を確認してください。

参考:働き方改革推進支援助成金|労働時間等の設定の改善|厚生労働省

働き方改革推進支援助成金の申請時のポイント

審査を通過し、働き方改革推進支援助成金を確実に受給するためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。

1. 客観的で具体的な成果目標の設定

申請時に設定する成果目標は、誰が見ても達成・未達成が判断できる客観的な指標でなければなりません。「従業員の意識を高める」といった曖昧なものではなく、「時間外労働時間を月平均〇時間削減する」「年次有給休暇の取得率を〇%向上させる」のように、具体的な数値目標を設定することが求められます。実現可能な範囲で、かつ改善努力が見える目標を立てることが採択の可能性を高めます。

2. 36協定の適切な締結・届出は必須

この助成金を申請する上で、36協定(時間外労働・休日労働に関する協定)の適切な締結と労働基準監督署への届出は絶対的な前提条件です。 特に、時間外労働の上限規制(原則として月45時間、年360時間)に対応した内容になっているか、特別条項の内容は適切かといった点が厳しくチェックされます。

36協定に不備がある場合、申請自体が受理されない可能性があります。申請前に必ず自社の36協定を見直し、必要であれば社会保険労務士など専門家のアドバイスを受けて改定しましょう。

3. 期限を守り、余裕を持った準備を

交付申請や支給申請には、それぞれ厳格な期限が設けられています。期限を常に意識し、書類の準備や証拠書類の整理は余裕を持って進めることが大切です。特に、複数の業者から見積もりを取ったり、就業規則を変更したりするには時間がかかります。交付決定前から準備を始めるくらいの心構えが成功につながります。

計画的な準備で働き方改革を推進しよう

この記事では、2025年(令和7年度)の働き方改革推進支援助成金について解説しました。働き方改革推進支援助成金は、企業の労働環境を改善し、生産性を向上させる大きなチャンスです。本記事を参考に、ぜひ計画的な準備を進めて、制度の活用を検討してみてください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事