• 作成日 : 2025年7月23日

20代で起業するアイデア9選！メリットや失敗しない方法を解説

「まだ若いから」「経験がないから」と、起業を諦めていませんか？実は、20代での起業は、思っている以上に多くのメリットがあります。若さゆえのフットワークの軽さ、新しい情報やトレンドへの感度の高さ、そして何よりも「失敗を恐れずに挑戦できる」という特権は、20代の起業家だからこそ享受できるもの。もちろん、成功ばかりではありません。しかし、20代で得た経験は、たとえ失敗したとしても、その後の人生を豊かにする貴重な財産となるはずです。

この記事では、そんな20代のあなたが「これならできそう！」と思えるような起業アイデアを9選ご紹介します。さらに、20代で起業するメリットや、失敗を避けるための具体的な方法についても詳しく解説します。

20代で起業するメリットと強み

20代は、気力、体力、柔軟な発想力、そして失敗を恐れずに挑戦できる貴重な時期です。ここでは、20代で起業することのメリットと、この世代が持つ可能性について掘り下げます。

20代起業のメリット：体力・時間・柔軟性

20代の起業は、充実した体力と時間、思考の柔軟性が大きなメリットです。事業立ち上げ初期の多忙な時期も、20代の体力があれば乗り切りやすいでしょう。また、失敗しても再挑戦しやすい時間的余裕があり、既存の価値観にとらわれない柔軟な発想は、革新的なビジネスを生み出す原動力となります。

デジタルネイティブとしての強みとトレンドへの感度

デジタルネイティブである20代は、SNSやデジタルツールの活用に長けており、ビジネス立ち上げにおいて大きなアドバンテージとなります。新しいテクノロジーやトレンドへの感度も高く、迅速にビジネスに取り入れる適応力も持ち合わせています。この能力は、効果的なオンラインマーケティングや業務効率化、新しいビジネスモデルの構築に直結します。

失敗を恐れず挑戦できる環境

20代はキャリア形成の初期段階であり、万が一事業に失敗しても再起しやすい環境にあります。一般的に、20代は人的資本で得られるキャッシュフローが多く、リスクを取りやすい傾向があるため大胆な挑戦が可能です。失敗から得られる教訓は、次のステップへの貴重な財産となります。

20代におすすめの起業アイデア9選

20代の強みを活かせる、注目の起業アイデアを具体的なビジネスモデルや初期費用、収益化までの目安と共に紹介します。

IT・Webサービス開発（アプリ、SaaS、Web制作など）

プログラミングスキルを活かし、アプリやSaaS、Webサイトなどを開発・制作するビジネスです。初期投資を抑えやすく、リモートワークも可能です。学生向けアプリや特定業務特化型SaaSなどが考えられます。HTML、CSS、Pythonなど各種プログラミング言語の知識が必要ですが、ノーコード等の方法を使えば、無料〜数万円で始められる可能性もあります。ローコードツールの活用も有効です。

ネットショップ・EC運営（ハンドメイド、D2Cモデルなど）

インターネット上で商品を販売するビジネスで、初期費用を抑えられます。BASEやSTORESなどの無料プラットフォームも活用できます。商品企画力、Webマーケティングスキル、顧客対応スキルなどが求められます。初期費用は0円から可能ですが、本格的なサイト構築や広告には数十万円以上かかることもあります。D2Cモデルは、SNSを通じてブランドストーリーへの共感を醸成しやすく、若年層においてブランドストーリーへの共感やSNS経由購買が増えており、ネットショップと好相性という見方もあります。

クリエイティブ制作（動画編集、Webデザイン、イラストレーターなど）

動画編集、Webデザイン、イラスト制作など、クリエイティブスキルを活かすビジネスです。PCと専門ソフトがあれば在宅でも可能です。クライアントの満足度を高めるためには、デザインソフトの操作スキルやセンス、コミュニケーション能力も重要でしょう。初期費用は数万円から可能で、高品質な機材を揃える場合は数十万円かかることもあります。ギグエコノミー化と専門特化が進んでおり、ニッチなスキルを磨くことで高単価案件を獲得できる可能性があります。

オンライン教育・スキルシェア

専門知識やスキルをオンラインで教えるビジネスです。語学、プログラミング、趣味など分野は多岐にわたります。専門知識に加え、指導力やカリキュラム作成能力も求められます。初期費用は0円～数万円から可能ですが、本格的なシステム導入には数十万円以上かかることもあります。20代が持つニッチな趣味や最新トレンドに関する知識を活かすことで、収益化のチャンスを広げられるでしょう。

代行サービス（家事代行、オンライン秘書、営業代行など）

他者の仕事や作業を代行するサービスです。特別な専門知識が不要なものから高度なスキルが求められるものまで幅広いです。コミュニケーション能力や時間管理能力が重要です。初期費用は0円から可能で、個人事業主としてビジネスを行うには30万円～50万円程度が目安になります。ギグエコノミーの拡大により、20代にとって低リスクで柔軟な働き方を実現しやすい分野です。

インフルエンサー・コンテンツクリエイター

SNSや動画プラットフォームで情報を発信し、影響力を基盤に収益を得ます。発信力、企画力、コミュニケーション能力、プラットフォーム理解など、幅広いスキルが求められます。初期費用はほぼ0円から可能ですが、機材投資も考えられます。特定のコミュニティにおける信頼と影響力、独自の世界観の構築が重要です。

ソーシャルビジネス・社会課題解決型事業

環境問題や貧困などの社会課題に対し、ビジネスの手法で持続可能な解決を目指す事業です。課題への深い理解と情熱、ビジネススキル、共感力、ネットワーク構築力が必要です。ソーシャルビジネスでは、クラウドファンディングや助成金による資金調達の成功事例が見られるケースがあり、有効な選択肢の一つと言えます。20代は社会貢献とビジネスモデルを両立させる新しい潮流を生み出しています。

地域活性化ビジネス（ゲストハウス運営、特産品開発など）

地域の資源を活用し、課題解決や魅力創出に貢献するビジネスです。企画力、マーケティングスキル、コミュニケーション能力、地域連携力が必要です。資金は事業規模によりますが、クラウドファンディングや補助金活用も有効です。20代の視点は、関係人口創出や新しいライフスタイルの提案に繋がる可能性があります。

その他（飲食店、美容サロンなど）

20代の感性を活かせる飲食店や美容サロンも人気です。SNSでの話題性や同年代のニーズを捉えることが重要です。専門技術に加え、マーケティングや店舗運営ノウハウが必要です。店舗が必要となるため、初期投資は比較的高額になる傾向があります。体験価値とコミュニティ形成を重視することで、他店と差別化を図れます。

20代におすすめの起業アイデア比較

20代で起業して成功した事例

多くの若き起業家たちが、革新的なアイデアと情熱で成功を収めています。ここでは、日本を代表する若手起業家の成功事例を深掘りし、彼らがどのようにして困難を乗り越え、事業を成長させてきたのかを学びます。

株式会社メルカリ　山田進太郎氏

山田進太郎氏は20代での起業経験を経て、36歳でメルカリを創業。プロダクトの質へのこだわり、市場投入のタイミング、明確なビジョン、地道な改善と顧客サポート重視が成功要因です。

dely株式会社　堀江裕介氏

堀江裕介氏は大学在学中にdely株式会社を創業。フードデリバリー事業の失敗から学び、料理レシピ動画サービス「クラシル」へ大胆にピボットしました。圧倒的な行動力と迅速な意思決定、先行者利益、明確なビジョンと高い目標設定、市場ニーズへの的確な対応が成功要因です。

株式会社タイミー　小川嶺氏

小川嶺氏は大学在学中にアパレル事業で失敗後、自身のアルバイト経験から「タイミー」を創業。自身の原体験に基づく課題発見、早期のテレビCM展開、ワーカーと企業のニーズを捉えたプラットフォーム構築、強い信念と行動力、戦略的な資金調達力が成功要因です。

株式会社ビビッドガーデン　秋元里奈氏

秋元里奈氏は実家の農家廃業経験から、25歳で「食べチョク」を創業。生産者ファーストの徹底、消費者との直接的な繋がり重視、明確なビジョンと情熱、デジタル化の有効活用が成功要因です。

株式会社CAMPFIRE　家入一真氏

家入一真氏は連続起業家で、東日本大震災を機にクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」を設立。「個人のエンパワーメント」という一貫した思想、クラウドファンディングの本質的理解、社会の変化への的確な対応が成功要因です。

READYFOR株式会社　米良はるか氏

米良はるか氏は大学院在学中に日本初のクラウドファンディングサービス「READYFOR」を設立。「寄付型クラウドファンディング」への注力、強い信念と実行力、周囲の期待を超える成果へのこだわりが成功要因です。

その他20代の注目起業家（学生起業、女性起業家、ソーシャルビジネスなど）

学生起業家（Game8西尾健太郎氏、Facebookザッカーバーグ氏）、女性起業家（mederi坂梨亜里咲氏）、ソーシャルビジネス（ボーダレス・ジャパン田口一成氏）など、多様な分野で20代が活躍しています。強い情熱とアイデア、行動力があれば誰にでもチャンスがあります。

20代で成功する起業アイデアの見つけ方

ここでは、20代が成功するためのアイデア発想法と、そのアイデアを形にするための具体的なステップを紹介します。日常の気づきから、社会の大きな課題まで、アイデアの源泉は無限に広がっています。

自分の「好き」や「得意」から発想する

自分の興味や得意なスキルを深掘りすることは、ユニークで情熱を注げるビジネスアイデア発見の第一歩です。例えば、料理好きが飲食店を開業したり、美容への関心からサロンを立ち上げたりするケースです。自己実現とキャリア形成を同時に追求する魅力的な手段となり得ます。

日常の「不便」や「課題」に目を向ける

日常生活の些細な不便さや課題に目を向けることは、新たなビジネスチャンス発見の重要な視点です。駐車場シェア「akippa」は創業者の実体験から生まれました。20代の瑞々しい感性が革新的なアイデアの源泉となります。

社会のトレンドやニーズを先読みする

SDGsや環境配慮、健康志向、リモートワークといった社会トレンドや未来のニーズを捉えることは、成長市場で成功するための重要戦略です。AIなどの技術進化も新しい市場を生み出します。20代はトレンドを掴む情報感度が高く、柔軟に未来を描けるため、これらをビジネスに結びつける能力に長けています。

アイデア発想フレームワークを活用する

SCAMPER法（代用、組み合わせ、適応・応用、修正・変更、転用、削減、逆転・組み替え）やマンダラチャート（9×9マスで思考を深掘り）リーンキャンバスなどのフレームワークは、アイデアを多角的に発展させ、ビジネスモデルを構造的に捉えるのに役立ちます。

MVP（Minimum Viable Product）で小さく試す

MVP（実用最小限の製品）を早期に市場投入し、顧客フィードバックを得ながら改善を繰り返す手法です。Dropboxのデモ動画やAirbnbの自宅貸し出し、メルカリの手作業対応などが好例です。20代の起業家にとって、リスクを抑え市場ニーズを検証する有効な手段です。

20代ならではの視点とは？

20代のユニークな視点や価値観は、新しいサービスや同世代の共感を呼ぶプロダクトを生み出す原動力です。固定観念にとらわれず変化に柔軟に対応でき、特にデジタルネイティブとしてSNSマーケティングやオンライン教育、サブスクモデルなどを得意とします。ダイバーシティ、サステナビリティ、ウェルビーイングといった新しい価値観をビジネスに組み込むことで、社会変革を促すイノベーションを生み出す可能性があります。

20代の起業で失敗しないための7つの鉄則

起業にはリスクが伴いますが、事前の準備と正しい知識でそのリスクは最小限に抑えられます。20代の起業家が陥りがちな失敗とその対策を学び、成功への確度を高めましょう。

1：明確な目的とビジョンを持つ

なぜ起業するのか、事業を通じて何を成し遂げたいのかという明確な「目的」と「ビジョン」は、起業成功の土台です。これらは経営判断の指針となり、困難に立ち向かう精神的な支えとなります。

2：徹底した市場調査と顧客理解

市場ニーズや顧客課題と合致しなければビジネスは成功しません。市場規模、競合、ターゲット顧客のニーズを深く分析することが重要です。客観的なデータに基づき事業の可能性を冷静に評価しましょう。

3：堅実な事業計画と資金計画

情熱やアイデアを形にし、持続可能なビジネスにするには、堅実な事業計画と資金計画が不可欠です。事業計画書は資金調達に必須であり、資金計画の甘さは資金ショートを招き事業が行き詰まる原因となります。

4：必要なスキルと知識の習得

起業には専門スキルに加え、営業、マーケティング、人材マネジメント、財務・会計、法務など幅広い知識とスキルが必要です。20代は分野によっては経験が浅い場合があるため、継続的な学習と自己投資が不可欠です。

5：人脈形成とメンターの活用

20代は人脈が限られていることが多いため、起業家コミュニティやセミナーに積極的に参加し、人脈を広げましょう。経験豊富なメンターからの助言は、事業の方向性決定や課題解決に非常に有効です。

6：小さく始めてPDCAを回す

大規模展開ではなく、小規模でスタートしリスクを抑えながら経験を積み、市場の反応を見ながら事業を成長させましょう。顧客に価値を提供できる最小限の機能を備えたMVP開発も有効なアプローチです。PDCAサイクルを迅速に回し、柔軟に軌道修正することが成功確率を高めます。

7：失敗を恐れず、学び続ける姿勢

起業には多くの失敗や困難が伴いますが、重要なのは失敗から学び、次に活かすことです。20代は失敗からの回復力が高く、多くの経験を吸収できる時期です。常に新しい知識を学び、変化を恐れず挑戦し続ける姿勢が不可欠です。

20代起業家のための資金調達と支援制度

起業には資金が不可欠ですが、多くの20代はスタートアップにおいて自己資金が潤沢でない場合が少なくありません。しかし、熱意と優れたアイデアがあれば、様々な資金調達手段や支援制度を活用することが可能です。ここでは、20代の起業家が利用しやすい資金調達方法と、東京都を中心とした支援制度について解説します。

多様な資金調達方法

自己資金が少なくても起業の道は開かれています。日本政策金融公庫の融資制度（特に「新規開業・スタートアップ支援資金」は女性や35歳未満の若者向け優遇あり）、地方自治体の制度融資、信用保証協会、補助金・助成金（東京都の「創業助成事業」など）、ベンチャーキャピタル（VC）からの出資、エンジェル投資家からの出資、クラウドファンディング、家族・知人からの借入・贈与など、多様な選択肢があります。事業計画や状況に合わせて最適な方法を組み合わせましょう。

東京都の創業支援制度

東京都は創業支援が充実しており、これから事業を始めたい方をサポートしています。

主な創業支援策

これらの制度を活用する際は、それぞれの要件をしっかりと確認し、必要に応じて専門家のアドバイスも積極的に活用しましょう。

アイデアやパワーで20代での起業を成功させよう

20代での起業は、確かに挑戦です。しかし、それは同時に、計り知れない可能性と成長の機会に満ち溢れています。起業に「絶対の成功法則」はありません。しかし、今回ご紹介したポイントを参考に、しっかりと準備し、行動することで、成功への道は開けることでしょう。

もしうまくいかなかったとしても、20代で得た経験や学びは、その後の人生においてかけがえのない財産となるはずです。この記事で紹介したアイデア、成功事例、そして失敗から学ぶ教訓をもとに、起業を目指してみてはいかがでしょうか。

• 水野 崇（CFP / 1級FP技能士）

  水野総合FP事務所代表。「投資で育てるお金と豊かさ」をテーマに金融リテラシー啓蒙活動を行い、相談・執筆・講師など多分野で活躍。独立系FPとしてライフプランや投資・資産運用、不動産・住宅ローン相談を中心に、年間100名以上の相談業務に従事。事業法人などで講師を務め、年間80回以上登壇。マネー教室を運営し中学生から社会人までを指導。日本FP協会「2021年FP広報センター」スタッフ。学校法人専門学校非常勤講師。

関連記事

# 起業
生活保護受給者も起業助成金を申請できる？特定求職者雇用開発助成金も解説！
さまざまな理由で現状は生活保護を受給しているけれど、社会的に自立したい、起業を目指したいと考えている方もいます。事業を始める際に活用したいのが、融資とは異なり原則返済不要の助成金です。本記事では、生活保護を受給している方が、起業をする際に利…
詳しくみる
# 起業
起業の基礎-起業したいけどアイデアがない人はどうすべき？
起業したいけどアイデアがないときは、無理にアイデアをひねり出す必要はありません。起業は無理に行うものではなく、進んで行うものです。やりたいことを自然に行うことで成功が見えてきます。 インターネットで好きなものを見ているときにも、何か思い浮か…
詳しくみる
# 起業
自宅起業のアイデア15選！成功事例や手続きも解説
働き方の価値観が大きく変化する現代において、自宅を拠点とした起業は、多くの人々にとって魅力的な選択肢となっています。しかし、「起業したい」という想いはあっても、「具体的に何をすれば良いのか分からない」という最初の壁に直面するケースは少なくあ…
詳しくみる
# 起業
群馬県で受けられる創業支援は？補助金や融資、相談窓口などを解説
群馬県で起業をする場合、特定創業支援等事業や補助金・助成金など様々な支援制度を利用することができます。 この記事では、群馬県で起業を考えている方、創業を志す方々が利用できる様々な支援制度について、その内容や活用方法を詳しく解説します。 群馬…
詳しくみる
# 起業
長野県で受けられる創業支援は？補助金や融資、相談窓口などを解説
これから起業を考えている方にとって、「どこで始めるか」は大きな判断材料の一つです。自然豊かな環境と、落ち着いた生活基盤を持つ長野県は、創業の地として注目されています。長野県では、県と市町村が連携し、創業前から創業後までを支援する多彩な制度を…
詳しくみる
# 起業
ドローンを飛ばすには飛行許可が必要？国土交通省などへの申請方法も解説
ドローン許認可が必要かどうかを把握しておくことは、安全にドローンを飛ばすために欠かせません。飛行場所や方法に応じて、航空法やその他の法律に基づく飛行許可が求められる場合もあります。 本記事では、国土交通省などへの申請方法も含め、ドローン飛行…
詳しくみる