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  • 更新日 : 2020年11月6日

開業届の内容を変更する方法は?屋号、業種、住所など

個人事業を始める時には、税務署に開業届を提出します。開業届の届出書には、住所や屋号などさまざまな事項の記載が必要です。

ところで、開業届を出した後、届出書に記載した事項に変更が生じた時にはどうすればよいのでしょうか?

本記事では、開業届の内容を変更する方法について説明します。変更のための届出等が必要になるのはどんな場合なのか、手続きのためにはどこに何を提出すればよいのかを把握しておきましょう。

開業届に記載した内容を変更する方法

開業届の内容が変更になっても、原則として届出の必要はありません。ただし、納税地の異動等があった場合には、届出が必要になります。

開業届の内容を変更しても届出が必要とは限らない

開業届に記載するのは、次のような事項です。

  • 納税地
  • 氏名
  • 生年月日
  • 個人番号
  • 職業
  • 屋号
  • 所得の種類(不動産所得、事業所得など)
  • 開業日
  • 開業に伴う届出書の提出の有無(青色申告承認申請書、消費税に関する課税事業者選択届出書)

このうち、変更の届出が必要になるのは、基本的に納税地のみになります。

結婚・離婚などにより氏名が変わっても、届出は必要ありません。次の確定申告で、確定申告書に新しい氏名を記載するだけです。

住所を変更した場合には?

個人事業主の納税地とは、通常は自宅の住所地です。そのため自宅の住所を変更した場合には、税務署に届出をしなければなりません。

なお、自宅とは別に事業所を持っている場合、事業所の所在地を納税地にすることもできます。開業時に事業所を納税地として届出しているケースでは、自宅の住所を変更しても届出は不要です。

屋号や業種を変更した場合には?

屋号とは事業を行う時の名前です。個人事業主が屋号を変更した場合、変更後の確定申告書に新しい屋号を記載するだけでかまいません。

また、開業届に記載した職業とは異なる業種に変更したり、業種を追加したりする場合も、届出は不要です。

個人事業主が住所変更する時に必要な届出の種類

住所変更で税務署に提出する書類は複数ありますので、出し忘れのないようにしましょう。従業員を雇用している場合には、税務署以外での手続きが必要になることもあります。

納税地の「異動」または「変更」の届出

税務署に対する住所変更の届出は、細かくは納税地の「異動」と「変更」に分かれます。個人事業主の住所変更では、通常は「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」を提出します。

なお、開業届で自宅を納税地にしていたものの、納税地を自宅ではなく事務所に変更したいというケースもあると思います。このようなケースでは、「所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書」を提出します。

つまり、「自宅」や「事業所」という納税地の種類はそのままで場所だけが変わる時は異動の届出、納税地を「自宅」→「事業所」、「事業所」→「自宅」とするには変更の届出が必要になります。

「個人事業の開業・廃業等届出書」も提出

事業用の事務所・事業所を新設、増設、移転した場合には、「個人事業の開業・廃業等届出書」の提出が必要です。書式は開業時と同じものになります。

「青色申告承認申請書」の再提出は不要

青色申告を選択している人は、開業届と一緒に「青色申告承認申請書」を提出しているはずですが、住所変更の際に、「青色申告承認申請書」を出し直す必要はありません。

税務署を変更したら振替納税は再度手続きが必要

振替納税を選択している場合、税務署に「預貯金口座振替依頼書 兼 納付書送付依頼書」(振替依頼書)を提出しているはずです。税務署が変更になる場合には、新しく管轄になる税務署に改めて振替依頼書を提出しなければなりません。

その他の手続きが必要となるケース

従業員を雇用していて労働保険に加入している場合には、労働基準監督署およびハローワーク(公共職業安定所)への届出を移動した翌日から10日以内にする必要があります。

また、社会保険(健康保険・厚生年金)に加入している場合には、移動して5日以内に年金事務所への届出が必要です。

なお、個人事業主が「個人事業の開業・廃業等届出書」を出して事業所の移転を届出している場合には、税務署に「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を提出する必要はありません。

「所得税・消費税の納税地異動に関する届出書」の書き方と注意点

個人事業主の住所変更の場合、通常は「所得税・消費税の納税地異動に関する届出書」(納税地異動届)を提出します異動届出書の書き方や注意点を知っておきましょう。

届出書は異動前の税務署に提出

納税地異動届の提出先は、異動前の税務署です。異動後の税務署への届出は必要ありません。

届出書の記入例

納税地異動届の様式は、税務署でもらえるほか、国税庁のホームページからもダウンロード可能です。

通常、記入するのは以下の①~⑤の部分になります。

届出書の記入例

①タイトル
所得税のみの場合には、「消費税」を消して、「所得税」にチェックを入れます。

②提出先税務署・提出日
異動前の税務署名を記載し、提出日を記入します。郵送の場合、発送する日を書いてかまいませんが、実際の届出日は税務署で受理された日になります。

③届出する人の情報
納税地の欄には異動前の住所を書きます。その他の欄にも、基本的に異動前の情報を書きます。

④異動年月日
引っ越した日を書きます。

⑤異動前・異動後の納税地
異動前・異動後の納税地をそれぞれ記入します。

提出方法は3種類

納税地異動届は、税務署の窓口で提出できるほか、郵送でも提出可能です。e-Taxを利用して納税地異動届をインターネットで申請することもできます。

なお、書類を提出する時には、マイナンバーの確認があります。税務署の窓口には、番号確認書類(通知カード※、マイナンバー入りの住民票など)と本人確認書類(運転免許証など)を持参しなければなりません。マイナンバーカードを持っていれば、本人確認書類は不要です。郵送時にはコピーを同封します。

窓口または郵送の場合には、控え(コピーもしくは、もう一部作成した開業届控)も提出し、受付印をもらうのを忘れないようにしましょう。

※「通知カード」は令和2年5月に廃止されていますが、カードに記載された氏名、住所などが住民票に記載されている内容と一致している場合は、番号確認書類として利用できます

届出書の提出期限

納税地異動届は、納税地の異動があった後、遅滞なく提出しなければならないとされています。ただし、「個人事業の開業・廃業等届出書」の提出期限が1カ月以内となっているため、1カ月以内には届出するようにしましょう。

住所変更した時の「個人事業の開業・廃業等届出書」の書き方

「個人事業の開業・廃業等届出書」は、事業用の事務所・事業所を新設、増設、移転した場合には、再度提出が必要です。

納税地異動届と併せて提出

個人事業主が事業用の事務所・事業所を新設、増設、移転した場合には、納税地異動届と併せて、「個人事業の開業・廃業等届出書」も提出します。提出時には控えももらいましょう。

届出書の記入例

記入するのは①~⑥の部分です。

届出書の記入例

①提出先税務署・提出日
提出先は、異動前の税務署です。

②届出する人の情報
ここには、開業時に届出した事項を記入します。この欄に記入する納税地は異動前の住所になります。

③届出の区分
「移転」にチェックを入れます。

④所得の種類
「事業所得」にチェックを入れます。

⑤移転日
住所変更した日を記入します。

⑥移転後・移転前の所在地
移転後・移転前それぞれの住所を記入します。

住所変更時の開業届の提出期限

「個人事業の開業・廃業等届出書」は、事業用の事務所・事業所の新設、増設、移転があってから1カ月以内に提出しなければなりません。

実際は提出しなくても問題ないことも

事業用の事務所・事業所の新設、増設、移転があった場合、「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出しなくても、実際には問題がないこともあります。事前に税務署に確認して、指示に従いましょう。

開業届の内容の変更には注意して臨もう

個人事業主は、開業届に記入した内容のうち、納税地としている住所を変更した場合には税務署に届出が必要です。住所以外の氏名や屋号、業種などを変更することがあっても、特に手続きは不要です。

また事業用の事務所・事業所の新設、増設、移転があった場合、税務署には「所得税の納税地異動に関する届出書」に加えて、「個人事業の開業・廃業等届出書」の届出書を求められることもあります。提出先は異動前の税務署なので、間違えないように手続きしましょう。

【参考】
国税庁|[手続名]所得税・消費税の納税地の変更に関する届出手続

e-Gov 電子政府の総合窓口|労働保険名称、所在地変更

日本年金機構|適用事業所の名称・所在地を変更するとき(管轄内の場合)の手続き

日本年金機構|適用事業所の名称・所在地を変更するとき(管轄外の場合)の手続き

e-Tax|異動届出書等の提出先のワンストップ化について

国税庁|[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

開業届の提出はお済みですか?

監修:並木 一真(税理士/1級FP技能士/相続診断士/事業承継・M&Aエキスパート)

並木一真税理士事務所所長
会計事務所勤務を経て2018年8月に税理士登録。現在、地元である群馬県伊勢崎市にて開業し、法人税・相続税・節税対策・事業承継・補助金支援・社会福祉法人会計等を中心に幅広く税理士業務に取り組んでいる。

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