- 更新日 : 2024年6月19日
事業計画書を1枚で作成する方法!ポイントや項目例、注意点も解説
状況によっては、1枚のみの事業計画書を作成するケースもあります。この記事では、1枚版でおすすめの事業計画書のテンプレート、作成時のポイント、作成のメリットや注意点を紹介します。
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・1枚の事業計画書・創業計画書テンプレート・作成例のダウンロード方法
目次
事業計画書とは?
事業計画書とは、事業の運営方針や収支の予測などを記載した、社内または社外に事業戦略を示すための書類です。事業の実現可能性を検証したり、外部から資金を調達したりするために作成します。
事業計画書の作成目的については、下記の記事で詳しく説明しています。
事業計画書(1枚版)のテンプレート
マネーフォワード クラウド会社設立では、各種事業計画書のテンプレートを用意しています。必要に応じてご活用ください。
下記は、1枚版の事業計画書のテンプレートです。事業内容、必要資金、利益の計算など、事業の概要がわかるシンプルな項目でまとまったテンプレートです。
無料登録後のページにある「会社設立ナビ」にて、70種類以上の事業計画書をダウンロードしていただけますので、ぜひお気軽にご利用ください。
1枚の事業計画書を作る際のポイント
1枚の事業計画書の作成時に気になりやすいポイントを三つ紹介します。
ポイント①:1枚の事業計画書が必要な場面は?
1枚の事業計画書が必要なのは、事業の内容を的確に把握したい場面です。何枚、何十枚にも及ぶ事業計画書は、確認するだけで疲れてしまうほか、要点をつかみにくいデメリットがあります。一方、1枚の事業計画書は内容が凝縮かつ簡潔にまとめられているため、要点を素早く把握しやすいメリットがあります。
ポイント②:1枚の事業計画書は融資のときに使える?
融資の審査でも1枚の事業計画書は使えます。事業計画書は、シンプルな方が、稟議にかかる時間が少なく済み、決裁権者にまで目を通してもらいやすいのです。しかし、1枚であっても、金融機関側が確認したい必要な項目が記載されている必要はあります。
ポイント③:事業計画書は何枚が普通?
事業計画書に枚数の決まりはありません。数枚でシンプルにまとめることもあれば、規模の大きい会社では数十枚に及ぶこともあります。補助金の申請時に提出する事業計画書は、A4用紙10~15枚以内が目安とされています。
1枚で事業計画書を作る際の項目例
マネーフォワード クラウド会社設立で提供している事業計画書(1枚版)の各項目について、記載内容や記載例を紹介します。
創業者情報
創業者個人に関する項目です。創業者の経歴(学歴や職歴)、事業計画書作成時点で保有している資格を記載します。経歴は、勤務先だけでなく、役職や実績などもわかるようにすると良いでしょう。
事業内容
創業のビジョンや事業の内容、競合の状況を記載する項目です。
創業のビジョンには、なぜ創業するのか、どのような展望を考えているのか記載します。
事業内容には、どのような事業を行うのか詳しく記載します。例えば、飲食業であれば、「食事や飲み物の提供」ではなく、どのような素材を利用したどのような料理を提供するかまで詳しく記載するのが望ましいでしょう。
競合他社の状況には、商圏(見込み顧客が住んでいるエリア)に存在する競合の動向や周辺の環境などを記載します。競合の情報を含めることで、後に記載する当社の強みと比較できるようにする意図があります。
当社の強みには、セールスポイントになり得るサービスや魅力を記載します。
必要資金
開業にあたり、必要な設備資金と運転資金、そのうち自己資金でカバーする金額を記載します。資金調達計画には、自己資金でカバーできない部分をどのように調達するか、例えばどこからどのくらいの融資を受ける予定なのか記載します。
創業後の利益
創業後の売上高、原価、経費、利益額を概算で記載します。創業当初と事業が安定した時点の二つの時期を記載するのが一般的です。補足説明として、売上高や原価などの計算の根拠(平均客単価や平均客数など)を示します。
1枚で事業計画書を作るメリット
事業計画書を1枚で作成するメリットは、事業の柱を整理できることです。1枚にまとめることで重要な項目に絞ることができ、事業内容の説明に不要な部分が削除されます。何枚、何十枚と確認しなくても、事業を大まかに把握できます。
第三者に開示するために複数枚にわたって事業計画書を作成するためのベースとして作成するのにもおすすめです。事業計画書の作成に慣れていない人でも、1枚に全てがまとまっているため、比較的容易に作成できます。
1枚で事業計画書を作る際の注意点
1枚版の事業計画書を作成する際の注意点を三つ取り上げます。
必要な項目に絞る
1枚版の事業計画書は、1枚に内容を収める必要があるため、記載する項目を必要なものに絞り込む必要があります。必要な項目は、どのような目的で事業計画書を作成するのかイメージして絞り込むのがおすすめです。
例えば、事業計画書を開業後の見通しを把握するために作成するのであれば、収支計画(利益の予想)や資金調達の計画はあった方が良いでしょう。
金融機関から融資を受けるのが目的であれば、上記に加えて、経営者の経歴やビジョン、競合状況、経営戦略などを盛り込むと、事業の全容がよりわかりやすくなります。
要点を押さえる
事業計画書の内容はボリュームがあるほど良いとは限りません。1枚にまとめる場合は、内容を詰め込み過ぎて文字が小さくならないように、読みやすさも考慮する必要があります。読みやすさとわかりやすさを両立させるには、要点を押さえて各項目をうめると良いのです。
より詳細な情報を付け加えたい場合は、1枚版の事業計画書を要約版とし、別途詳細な資料を添付するのが良いでしょう。
6W2Hを活用する
1枚版の事業計画書を作成する場合は、6W2Hを意識して作成することをおすすめします。6W2Hは、5W1Hを発展させたフレームワークで、以下の頭文字を表現しています。
- When(いつ)-いつ事業や資金調達を始めるか
- Where(どこで)-どこで事業を始めるか
- Who(誰が)-どのような人員で始めるか
- Whom(誰に)-誰をターゲットにサービスや商品を提供するか
- What(なにを)-どのようなサービスや商品を提供するか
- Why(なぜ)-なぜ事業をするのか
- How(どのように)-どのように独自性や優位性を生み出すか
- How much(いくら)-売り上げや利益の目標はいくらか
6W2Hを意識して作成すると、事業に必要な要素が網羅され、事業概要を整理しやすくなります。
1枚の事業計画書はシンプルに要点を整理できる
1枚版の事業計画書を作成するメリットは、必要な項目に絞り込むことで、事業計画の要点を整理できることです。金融機関の融資の審査に必要な項目が網羅されていれば、1枚でも必要書類の事業計画書として認められます。
事業計画書の作成を苦手に感じているのであれば、1枚で作成が完了する1枚版の事業計画書の作成から着手してみてはいかがでしょうか。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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