- 作成日 : 2025年5月1日
起業準備に有効な自己分析とは?確認するポイントや方法・ツールをまとめて紹介
起業準備の一つとして、自己分析を忘れてはいけません。自分の得意分野やスキル、大切にしたい価値観などを冷静に分析することで、実現可能な事業計画を立てられるようになります。自己分析により把握したいポイントや具体的な方法、利用できるツールをまとめました。また、自己分析と並行して実施したい他己分析も紹介します。
目次
起業準備において自己分析が重要な理由
就職活動の前には自己分析が必要といわれますが、起業準備の際にも同様です。自己分析を実施し、自分についての理解を深めることで、事業の成功率が高まります。
起業準備で自己分析が重要とされる主な理由は、次の3つです。
- 自分を客観的に評価できる
- 事業内容や目的が自分に合っているか判断できる
- 事業を継続できるか判断しやすくなる
自分を客観的に見るのは大切なことですが、「客観的に見よう」と意識しても、主観的な視点を完全に除くのは容易ではありません。自己分析を実施し、自分の能力や向き不向きなどを客観的に把握することで、冷静に起業準備を進めていけるでしょう。
自己分析により自分の適性を深く知れば、事業内容や目的が適切か判断しやすくなります。また、事業を成功させるためには根気よく続けることが必要ですが、自分に合う事業なら長期にわたって継続しやすくなるため、事業成功の可能性も高まります。
起業には時間も資金も必要です。大切な時間と資金を無駄にしないためにも、自己分析を実施し、事業の成功率を高めておきましょう。
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起業準備の自己分析で把握したいポイント
自己分析は通常、自分を深く知るために実施しますが、起業準備の自己分析は単に自分を知ることを目的として実施するのではありません。事業と自分の関連性について把握したいポイントだけに注目し、自己分析を進めていく必要があります。
特に次のポイントに注目して、自己分析を実施していきましょう。
- 自分の得意分野やスキル
- 自分の苦手分野や課題
- 起業の目的
- 大事にしたい価値観
各ポイントを解説します。
自分の得意分野やスキル
得意な分野やスキルは個人ごとに異なります。どんなに好きな領域の仕事であっても、自分が得意とする分野やスキルに合っていないなら、事業として成功する可能性は低くなってしまうでしょう。
自分の得意分野・スキルを詳しく分析し、これから始めようとする事業に合っているのか考えてみてください。
自分の苦手分野や課題
自分の得意分野を知ることも大切ですが、苦手分野や課題についても目を逸らさず、客観的に分析してみましょう。
もし苦手とする分野が事業に関わる場合は、起業までに苦手意識をなくし、課題を克服しておくことが必要です。起業する時期から逆算し、スキルアップや苦手克服のための計画を立てておきましょう。
起業の目的
なぜ起業するのか明らかにしておきましょう。起業の目的を明確にしておかないと、事業に対する意欲を失う恐れがあります。
また、長期目標と短期目標を分けて決め、それぞれの目標を実現するための具体的な計画を立ててください。起業目的が明確なら、具体的な目標も見つけやすく、実現に向かって行動しやすくなります。
大事にしたい価値観
起業にあたって、どのような価値観を大事にしたいのかも明らかにしておきましょう。収益の最大化を最重視するのか、それとも社会問題の解決に注力したいのか決めておくことで、事業を進める基本指針が定まります。
また、仕事とプライベートのバランスも決めておくようにしましょう。仕事ばかりに注力し、プライベートが疎かになると、家族や友人との関係に亀裂が入ったり、心身の健康が衰えたりする恐れがあります。
起業準備の自己分析を行う方法
自己分析の方法は多数あります。その中でも以下の手法は、起業準備に利用される傾向にあります。
- SWOT分析
- 3C分析
- 自分史
- マインドマップ
- WILL・CAN・MUSTフレーム
各手法の手順と、起業準備への活かし方を紹介します。
SWOT分析
SWOT分析とは、自分や事業を取り巻く外部環境と、自分や事業が抱える内部環境を、強み(Strength)・弱み(Weakness)・機会(Opportunity)・脅威(Threat)の4つに分類する手法です。
自分と事業が得意とすることと苦手とすることを客観的に判断できるようになり、戦略を立案しやすくなります。以下の手順で実施していきましょう。
- 分析の目的を明確にする
- 外部環境を分析する(社会や環境に変化によりプラスに働くものを「機会」、マイナスに働くものを「脅威」として区分する)
- 内部環境を分析する(長所や利点を「強み」、短所や苦手とするものを「弱み」として区分する)
3C分析
3C分析とは、顧客(Customer)と競合(Competitor)、自社(Company)の3つの視点から、事業を取り巻く環境を分析する手法です。以下の手順で分析しましょう。
- 分析の目的を明確にする
- 顧客・市場を分析する
- 競合となる企業を分析する
- 自社を分析する
- 戦略を立てる
自分史
自分史とは、小学校・中学校・高校・大学・大学院・社会人などの期間に分けて、印象的だったことや取り組みを書き出す手法です。以下の手順で分析しましょう。
- 学校区分ごとにターニングポイントと考える出来事を2つ程度書き出す
- その出来事について覚えていることを箇条書きにする
- 内容を具体的に記載する
- 文章として仕上げ、タイトルを決める
マインドマップ
マインドマップとは、テーマからイメージする言葉を書き出していく手法です。思いつくままに書き連ねることで、自分が持つ価値観が明らかになります。
- 中心にキーワード(「自分」など)を記載する
- キーワードから放射状に関連する言葉やイメージをつなぐ
- 自分自身の価値観をまとめる
WILL・CAN・MUSTフレーム
WILL・CAN・MUSTフレームとは、自分のなりたい姿を把握するための自己分析の手法です。以下の手順で実施しましょう。
- 紙にWILLとCAN、MUSTと記載した枠を書く
- WILLには今後やってみたいこと、CANにはこれまでの経験によって得たスキルや能力、MUSTには求められる能力やスキルを記載する
- それぞれの記載内容から理想の姿を描く
自己分析に利用できるツール
ツールを使って自己分析する方法もあります。起業準備に活用されるツールをいくつか紹介します。
エニアグラム
エニアグラムとは、質問に答えて9つのタイプに分ける分析ツールです。タイプ3・7・8と分類される場合は主張型です。自己中心的で積極的に主張・要求しますが、自分の気持ちを表現することは少ない傾向にあります。
タイプ1・2・6は柔順型です。努力すること、よい人でいることを目指し、協力的で物事を実施する前に何をすべきか判断しようとする傾向にあります。なお、他人に従順なのではなく、自分がよいと思うことに柔順になるのが特徴です。
タイプ4・5・9は後退型です。欲しいものを入手するために他人から離れる傾向にあります。想像の世界に入りやすく、控え目な点も特徴です。
| タイプ | 行動の動機 | 自己価値 |
|---|---|---|
| 1 | 正しいこと・間違いのないことをしたい | 理性的で客観的で正しい |
| 2 | 人の役に立って愛されたい | 人の面倒を見る、愛情深い |
| 3 | 成果を出して賞賛を得たい | 際立っており、賞賛に値する |
| 4 | 自分らしさを表現して感動したい | 独特で感受性が強い |
| 5 | 情報を分析し、本質を見極めたい | 理解力があり知的 |
| 6 | 責任を果たして仲間として認められたい | 信頼に値し、責任感がある |
| 7 | 可能性に挑戦して人生を楽しみたい | のびのびと振る舞い、幸せ |
| 8 | 影響力を行使し、存在感を味わいたい | 力があり、有能 |
| 9 | 他社と融和し、平和な気持ちでいたい | 穏やかで安定している |
エムグラム
エムグラム(mgram)とは、特徴的な8つの性格要素を抽出する診断テストです。自分の性格や行動に対して、周囲がどのような印象を持っているか判断する指標となります。
質問に対して、「とても当てはまる」「やや当てはまる」「どちらともいえない」「あまり当てはまらない」「まったく当てはまらない」の5段階で回答し、自分を構成する要素をあぶり出します。
ストレングスファインダー
ストレングスファインダー®(クリフトンストレングス®)とは、以下の34の資質を分析するテストです。自分を構成する特徴的な5つの資質を抽出し、弱みを強みに変えていくように意識することで、より才能を発揮できる状態に引き上げます。
| 実行力の資質 | 達成欲、アレンジ、信念、公平性、慎重さ、起立性、目標志向、責任感、回復志向 |
|---|---|
| 影響力の資質 | 活発性、指令性、コミュニケーション、競争性、最上志向、自己確信、自我、社交性 |
| 人間関係構築力の資質 | 適応性、運命思考、成長促進、共感性、調和性、包含、個別化、ポジティブ、親密性 |
| 戦略的思考力の資質 | 分析思考、原点思考、未来志向、着想、収集心、内省、学習欲、戦略性 |
参考:株式会社ハート・ラボ・ジャパン クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)とは
BIG5-BASIC
BIG5-BASICとは、120の質問文から性格を5つの指標で分析するツールです。外向性・協調性・勤勉性・情動性・創造性の各指標において、どの程度の強さ・弱さを持つのかを分析します。例えば、協調性が強い場合は、協調的な傾向が見られる分、排他的な傾向は弱いと分析できます。
| 指標 | 強い⇔弱い |
|---|---|
| 外向性 | 外向的⇔内向的 |
| 協調性 | 協調的⇔排他的 |
| 勤勉性 | 勤勉的⇔怠惰的 |
| 情動性 | 論理的⇔情動的 |
| 創造性 | 創造的⇔保守的 |
参考:【BIG5-BASIC】運営事務局 自己分析ツール BIG-BASIC
起業準備に他己分析を活用する方法
起業準備の1つとして自己分析を実施することも重要ですが、自分以外の人に自分を分析してもらう「他己分析」も重要です。他己分析を実施することで、より客観的に自分を分析し、強みや弱み、伸ばすべきポイントや克服すべきポイントに気づけるようになります。
他己分析を依頼する相手
他己分析を依頼する相手は、誰でも問題ありません。しかし、共通要素を持つ人ばかりを選ぶと分析結果が偏る恐れがあるため、次のように異なる要素を持つ人を網羅するように選ぶようにしてください。
- 率直に話してくれる人
- 自分と共通点がある人
- 自分との共通点が少ない人
- 起業経験者
- 同業種の人
他己分析の質問例
身近な人には、次のような質問で自分の強みや弱みを尋ねてみましょう。
- 「普段わたしにはどのような行動ルーティンがある?」
- 「わたしが辛そうにしているのはどんなときか?」
仲のよい友人や一緒に働いたことがある人には、次のような質問で自分の魅力を尋ねてみてください。
- 「どんなときにわたしが成長したか」
- 「集団内でわたしはどのような役割を受け持つことが多いか」
その他の人には第三者による評価を尋ねてみましょう。
- 「わたしには第一印象とのギャップはあるか、あればどのような点か」
- 「将来、わたしはどのような人物になっていると思えるか」
自己分析・他己分析の結果を起業に活かすポイント
起業準備時に自己分析や他己分析を実施しても、結果を起業に活かさないならば意味がありません。次のポイントに注目し、結果を起業に活かしてください。
- 長く続けられる事業を見つける
- 事業戦略を立てる
各ポイントを解説します。
長く続けられる事業を見つける
事業を成功させるためには、少なくとも長く続けることが必要です。長きにわたって根気よく続けるためにも、自己分析と他己分析により、自分自身が本当に興味を持って取り組める事業を見つけましょう。
事業戦略を立てる
自己分析と他己分析の結果は、起業計画だけでなく、事業戦略にも活かしましょう。分析によって明らかになった自分自身の強みを戦略に活かし、競合企業との差別化を図り、具体的な成長戦略を立ててください。
自己分析・他己分析を通して起業準備を進めていこう
事業を成功させるためにも、準備段階で自己分析と他己分析を実施することは重要です。自分の本当の強みや弱み、興味を持って取り組める分野などは、自分を客観的に分析することで明らかになります。紹介したツールや手法、他己分析も用いて、客観的に自分の姿を洗い出しましょう。
また、自己分析・他己分析の結果を起業準備だけでなく、事業戦略や成長戦略の立案に活かすことも大切です。分析により明らかになった自分の特性が反映できるような戦略なら、主体的に事業に取り組めるようになり、成功の可能性が高まります。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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