• 更新日 : 2025年3月13日

35歳から起業を考えるのは遅い?アイデアの出し方や成功のコツを紹介

35歳から起業を考えるのは遅くありません。中には、40歳を超えてから起業にチャレンジする方もいます。35歳で起業する場合、どのようなポイントを押さえておくべきなのでしょうか。

本記事では、35歳で起業するメリット・デメリットのほか、アイデアを生み出す方法や起業の進め方などについて解説します。

35歳からの起業は遅くない

総務省統計局が公表した「令和4年 就業構造基本調査」によると、2023年度の全体の就業者約6,707万人のうち、自営業者は約511万人、会社などの役員は約355万人でした。

年齢別の内訳は、自営業者は50歳~54歳がもっとも多く約53万人、会社などの役員は55歳~59歳がもっとも多く約47万人です。35歳~39歳は、自営業者が約31万人、会社などの役員が約18万人でした。

同調査のデータでは、起業の月日といった詳細は含まれていませんが、35歳以上でも自営業者や会社の役員として従事している方が一定数いることはわかります。つまり、35歳から起業を考えても決して遅くはないと考えられるでしょう。

35歳から起業を考えるメリット

日本政策金融公庫の「2024年度新規開業実態調査」のアンケート結果によると、2024年(調査年度)の開業時の年齢は、30代が全体の28.6%でした。このデータだけでみると、起業家の約3割近くは30代であることがわかります。

全世代の中でも起業する方が多い30代ですが、35歳から起業を考えることにはどのようなメリットがあるのでしょうか。主なものを2つ紹介します。

社会経験や人脈を活かせる

35歳は、さまざまな人生の節目を意識するような年齢です。例えば、転職時の採用年齢などを意識しやすい年です。

35歳で起業するメリットは、これまで積み上げてきた社会経験や社内・社外との人脈が起業にプラスに働く可能性があることです。これまで築いてきた人脈や対人スキルなどにより、新しい事業にも取り組みやすい環境が備わっています。ライフスタイルの変化を経験しやすい年齢でもあるため、これを機に、思い切って好きなことをしてみたいという気持ちを実現に移しやすい時期でもあるでしょう。

中間管理職などの経験を活かせる

30代に入ると、会社の中でも中堅の立ち位置になり、中間管理職などの役職を任される場合もあります。管理職の経験があれば、部下と上司の間に立って円滑にコミュニケーションを図ったり、部下を育成・指導したりする経験も身についてきているでしょう。35歳での起業は、20代ではなかなか培うことのできなかった管理職としての経験を活かせます。人材の育成や部下とのコミュニケーションは、従業員を雇用して開業する場合などに役立つスキルです。

35歳から起業を考える際の注意点

35歳からの起業で注意しておきたいポイントを2つ紹介します。

家族の理解を得られない可能性がある

35歳になると、結婚などにより家族を持つ方も増えます。そのため、家族の今後のことも考えつつ、慎重に起業を進める必要があります。会社を辞めて起業する場合は、家族に説明して理解を得ることも重要です。しかし、家族に起業の相談をしても、納得してもらえず、反対される可能性もあります。起業をすることで達成したい目標がある場合は、収入が思うように得られない期間にどうするのかなど、細かな部分までしっかり話し合うことが必要です。

自分の能力やスキルを俯瞰する力が必要

35歳からの起業は決して遅くはありません。しかし、失敗した際にさまざまなリスクを負うことになります。廃業することになったときは、新たに就職活動をしなくてはなりません。就職活動を始めても、年齢などの制限もあり、すぐに就職先が見つかるとは限りません。長期的な視点で維持できる事業を開業するには、自分の能力やスキルを俯瞰できることが重要です。自分自身は何を得意としているのか、どのようなスキルがあるのか、どのような分野で他者と差をつけられるのか、冷静に分析することで、自分の強みになる事業を展開しやすくなります。

起業アイデアの出し方、選び方

起業のアイデアはどのように出していくのか、アイデア探しに便利な手法を3つ紹介します。

シックスハット法を活用する

シックスハット法は、自由な発想でアイデアを生み出せるように6つ視点から思考する方法です。「客観・中立的」「主観・直感的」「客観・否定的」「客観・肯定的」「創造・革新的」「統括・俯瞰的」の6つの観点から問題について検討します。

客観的な事実に基づいた意見、直感的な意見、論理的な意見、固執しない自由な意見など、あらゆる観点からアイデアを出し、全体をまとめます。それぞれの立場に役割を分担することで、会議でも取り入れられる手法です。複数の視点から考えることにより、通常では思いつかないようなユニークなアイデアが生まれる可能性があります。

希望点列挙法を活用する

希望点列挙法とは、「こうなったらよい」という希望や理想をベースにアイデアを出していく手法です。希望点列挙法では、予算や実現可能性などの現実的な問題は一旦考えずに、とにかく希望からさまざまな発想をしていきます。制約なしにさまざまな考え方ができるため、思いもしない角度からアイデアを生み出せるのがメリットです。希望点列挙法とは反対に、欠点や問題をベースにアイデアを出していく欠点列挙法という手法もあります。

SCAMPER法を活用する

SCAMPER法は、アイデア発想の典型的パターンをベースにしたフレームワークです。以下の7つの質問を掘り下げることでアイデアを出していきます。アイデアを生み出す切り口を素早く得られるのがSCAMPER法のメリットです。

  1. 代用する
  2. 組み合わせる
  3. 応用する
  4. 修正する
  5. 転用する
  6. 削ぎ落とす
  7. 再構築する

例えば、1の「代用する」について、既存の商品やサービスについて別のもので代用できないか考えていきます。2の「組み合わせる」では、別々の商品やサービスを組み合わせることで新たなものを生み出せないか話し合います。このように、質問について考えることで、事業のヒントになるようなアイデアを生み出せるのが特徴です。

35歳から起業をする際の手順

35歳からの起業は、以下の手順で進めていきましょう。

  1. 起業の目的を明確に持つ
  2. 自分の強みやアイデアを洗い出す
  3. 起業の計画を立てて家族に理解を得る
  4. 起業に必要な資金を調達する
  5. 起業に必要な手続きをする

35歳で起業するにあたって重要なのは、明確な目的意識です。「なぜ起業するのか」「なぜ起業しなければならないのか」といった問いを自分の中に深く掘り下げることが大切です。起業について考える過程において、起業をしない選択肢の方が適切という場合もあるかもしれません。特に、家族持ちの35歳の起業の場合、家族に相談をする前段階において自分の中で起業をする意義を明確にしたうえで、起業が適切な選択なのか慎重に考えておくことが重要です。

起業することが自分のライフスタイルやライフプランにプラスになると考えるときは、起業に向けた準備を進めていきます。先に紹介したアイデア出しの手法などを使って、「どのような事業を展開していくのか」といった、数あるアイデアの中から絞りこんでいきましょう。

実現したいアイデアが決定したら、事業計画を立てて、起業についての家族の理解を得られるように十分に家族に説明を行います。家族が納得した段階で、ようやく起業に向けた本格的な取り組みが進められるようになります。

35歳からの起業を成功に導くポイント

起業に成功するためには、開業する分野の知識やスキルだけでなく、組織を運営する知識や能力、また会社を維持するための手続き関連の知識が必要です。例えば、起業すると、日々の会計処理を行ったり、従業員の毎月の給与計算を行ったり、小規模企業の場合は社長が自らしなければならないことが増えます。適切な対処ができるように、経営で求められる最低限の知識や情報は書籍などから得ておきましょう。

起業前に事業計画を立てることは、家族からの承諾を得るのにも役立ちます。事業にしたいアイデアを定めたら、実現できるような計画を固めていきましょう。


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