- 作成日 : 2024年9月4日
開業届が受理されない原因は?正しい書き方や提出方法も解説!
税務署にはさまざまな届出や申請、申告についての書類を提出しますが、それが受理されないケースや間違いを指摘されて出しなおすケースがあります。税務署から返されたのには理由があります。この記事では、開業届の差し戻しがあった場合の理由について考えます。開業届を作成する際などに確認して、一度で受理される開業届を作成しましょう。
目次
開業届が受理されない原因は?
税務署に書類を提出しても、その書類が差し戻されることはあります。e-Taxなどにおいてはプログラムである程度の書式チェックをするため、途中でエラーが出て気付くこともありますが、自筆で書いてすぐ提出した場合、思いもよらない箇所を見落としているケースもあるのです。
そもそも開業届とは?
開業届は正式名称を「個人事業の開業・廃業届出書」と言い、新たに事業所得、不動産所得、山林所得となる事業を開始したときは、開始日から1カ月以内に税務署に提出する書類です。
所得税法第229条において開業届は、「税務署長に提出しなければならない」とされているため、該当する事業を開始した場合には忘れずに提出する必要があります。
現在のところ、提出しなかったときの罰則規定はありませんが、税務署からの通知等もあるため、期限内の提出を心がけましょう。
なお、開業届は事務所等の新設、増設、移転、廃止時や事業の廃止時にも提出すべきものとされています。開業時以外にも忘れずに提出しましょう。
開業届が受理されない原因4つ
開業届が受理されない原因として基本的なものを4つ挙げておきます。これ以外にもあり得ますが、ケースバイケースで考えましょう。
1. 必要書類の不足
開業届の提出には本人確認書類が必要です。本人確認書類がない場合には受理されないことがあります。
2. 記載内容の不備
開業届にはいくつか記載する欄がありますが、その記載がないと受理されないことがあります。例えば、開業なのか廃業なのかを選択していない、所得の種類(不動産、山林、事業のうちいずれか)を選択していない、開業日が記載されていないなどです。
3. 提出先の誤り
開業届と同じタイミングで、個人事業税に関する「個人事業開始申告書」を税事務所に提出します。誤って、税事務所に提出すべき「個人事業開始申請書」を税務署に提出した場合は指し戻されます。
4. 記載内容の矛盾
記載した内容に明らかな矛盾がある場合には、受理されません。開業届は、あくまでも個人事業主を対象としたものですが、個人番号欄に法人番号を記載したり、納税地を国外としたり、開業日を未来日付にしている場合などは指し戻されます。
開業届が受理されたか確認する方法は?
開業届は、あくまで「届出書」です。行政手続において届出行為は形式的な要件が満たされていれば手続きは完了となります。
開業届を窓口持参で提出した場合、税務署で受け付けが終われば自動的に効力が生じます。また、郵送で提出した場合には返送される以外は問題がなく、e-Taxにおいても受信通知が届いていれば問題なしと考えられます。ただし、後日、内容についての連絡を受けることがあります。
開業届の提出について問題がないかどうか不安がある場合には、直接窓口に尋ねる以外にもチャットボットやタックスアンサー、電話対応などがあるため大いに利用しましょう。
開業届の書き方で注意すべきポイントは?
開業届の書き方について、注意すべきポイントを挙げておきます。
記載項目 | 主な注意点 |
---|---|
職業欄 | 簡潔に記載し、中ほどにある「事業の概要」欄に具体的な事業について記載します。 |
屋号欄 | 記載は任意です。 |
開業・廃業に伴う届出書の提出の有無 | 青色申告:同時に提出する場合には「有」に〇を付けます。 消費税:「課税事業者選択届出書」については、インボイス制度との関係を確認してからの提出をおすすめします。 |
開業日 | 店舗の開店日や最初の取引があった日などを記載します。 |
上記以外の書き方については下記をご参照ください。
参考:個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁、「書き方」
消費税の「課税事業者選択届出書」とインボイス制度との関係については下記をご参照ください。
参考:消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A|国税庁、「Q&A」(問7、問116-2等をご参照ください。)
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