- 更新日 : 2026年2月26日
開業届が受理されない原因は?正しい書き方や提出方法も解説!
主な原因は書類不備や提出先ミスですが、現在は「受理された証拠」が残らない紙提出のリスクにも注意が必要です。
- 却下理由: 書類不備や記載内容、提出先の誤りなど
- 注意点: 2025年から紙の控えへの「収受印」廃止
- 対策: 受理の証明(受信通知)が残るe-Tax
紙提出では受理されても事業実態の証明書(ハンコ付きの控え)が入手できないため、確実に履歴が残るe-Taxでの提出が推奨されます。
税務署にはさまざまな届出や申請、申告についての書類を提出しますが、それが受理されないケースや間違いを指摘されて出しなおすケースがあります。税務署から返されたのには理由があります。この記事では、開業届の差し戻しがあった場合の理由について考えます。開業届を作成する際などに確認して、一度で受理される開業届を作成しましょう。
目次
開業届が受理されない原因は?
税務署に書類を提出しても、その書類が差し戻されることはあります。e-Taxなどにおいてはプログラムである程度の書式チェックをするため、途中でエラーが出て気付くこともありますが、自筆で書いてすぐ提出した場合、思いもよらない箇所を見落としているケースもあるのです。
そもそも開業届とは?
開業届は正式名称を「個人事業の開業・廃業届出書」と言い、新たに事業所得、不動産所得、山林所得となる事業を開始したときは、開始日から1カ月以内に税務署に提出する書類です。
所得税法第229条において開業届は、「税務署長に提出しなければならない」とされているため、該当する事業を開始した場合には忘れずに提出する必要があります。
現在のところ、提出しなかったときの罰則規定はありませんが、税務署からの通知等もあるため、期限内の提出を心がけましょう。
なお、開業届は事務所等の新設、増設、移転、廃止時や事業の廃止時にも提出すべきものとされています。開業時以外にも忘れずに提出しましょう。
開業届が受理されない原因4つ
開業届が受理されない原因として基本的なものを4つ挙げておきます。これ以外にもあり得ますが、ケースバイケースで考えましょう。
1. 必要書類の不足
必要書類が不足していると、受理されないことがあります。
2. 記載内容の不備
開業届にはいくつか記載する欄がありますが、その記載がないと受理されないことがあります。例えば、開業なのか廃業なのかを選択していない、所得の種類(不動産、山林、事業のうちいずれか)を選択していない、開業日が記載されていないなどです。
3. 提出先の誤り
開業届と同じタイミングで、個人事業税に関する「個人事業開始申告書」を都道府県税事務所や市区町村に提出します。誤って、都道府県税事務所や市区町村に提出すべき「個人事業開始申告書」を税務署に提出した場合は指し戻されます。
4. 記載内容の矛盾
記載した内容に明らかな矛盾がある場合には、受理されません。 開業届はあくまでも個人事業主を対象としたものですが、個人番号欄に法人番号を記載したり、納税地を国外としている場合は指し戻しの対象となります。
なお、「開業日」については、提出日より先の「未来の日付(開業予定日)」であっても、1ヶ月程度の常識的な範囲であれば問題なく受理されます。 準備のために早めに提出することは認められています。
開業届が受理されたか確認する方法は?
開業届は、あくまで「届出書」です。行政手続において届出行為は形式的な要件が満たされていれば手続きは完了となります。
ただし、受理された証拠(控え)が手元に残るかどうかは提出方法によって大きく異なります。
- e-Tax(電子申告)の場合: 送信直後に届く「受信通知」が、税務署の受領印と同等の効力を持ちます。マイページからいつでも確認・印刷でき、これが最も確実な「受理の証明」となります。
- 窓口・郵送の場合: 令和7年(2025年)1月より、控え文書への収受日付印(受付印)の押印が廃止されました。 窓口や郵送で提出した場合、税務署側では受理されていても、手元には「日時が入った公的な証明書」が原則として残りません。
「銀行口座を作りたい」「融資を受けたい」等の理由で、受理された証明が必要な場合は、必ず履歴が残るe-Taxを利用しましょう。 提出後に不安がある場合や、個別の事情を確認したい場合は、所轄の税務署へ電話等で問い合わせることも可能です。
開業届の書き方で注意すべきポイントは?
| 記載項目 | 主な注意点 |
|---|---|
| 職業欄 | 簡潔に記載し、中ほどにある「事業の概要」欄に具体的な事業について記載します。 |
| 屋号欄 | 記載は任意です。 |
| 開業・廃業に伴う届出書の提出の有無 | 青色申告:同時に提出する場合には「有」に〇を付けます。 |
| 開業日 | 店舗の開店日や最初の取引があった日などを記載します。 |
上記以外の書き方については下記をご参照ください。
参考:個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁、「書き方」
消費税の「課税事業者選択届出書」とインボイス制度との関係については下記をご参照ください。
参考:消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A|国税庁、「Q&A」(問7、問116-2等をご参照ください。)
開業届作成でつまずきやすい点とは?
開業届を提出する際、多くの方が書類の作成作業そのものよりも、記入する内容の判断に悩んでいます。
マネーフォワード クラウドが実施した調査では、開業届の手続き全体を通して最もハードルが高いと感じたのは「青色申告などの関連書類の理解(必要性や違いの判断)」で、21.4%でした。次いで、「記入内容の判断(職業欄の書き方、開業日の設定、屋号など)」が20.2%となっています。一方で、「書類の作成・入力作業」にハードルを感じる方は11.3%にとどまりました。
この結果から、多くの方が「何を書くべきか」という内容の判断や、青色申告などの制度の理解に心理的なハードルを感じていることがわかります。開業届が受理されない原因の1つである「記載内容の不備」を防ぐためには、職業欄や開業日などを正確に判断して記入することが重要です。書き方のポイントを事前にしっかりと確認し、スムーズに受理される開業届を作成しましょう。
出典:マネーフォワード クラウド、手続きで「面倒・ハードルが高い」と感じた点【開業届に関する調査データ】(回答者:812名、集計期間:2026年1月実施)
開業届を確実に受理させ、スムーズな事業開始を
開業届の修正や再提出を求められる主な原因は、添付書類の不足や記載内容の不備、提出先の誤りです。特に令和7年から窓口での収受印が廃止されたため、確実に受理された証拠(控え)を手元に残すには、e-Taxによる電子申告が最も確実な手段となります。
正式名称である「個人事業の開業・廃業届出書」は、事業の社会的信用を得るための第一歩です。書き方のポイントや提出ルールを正しく理解して手続きを完了させ、余裕を持って個人事業主としてのスタートを切りましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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