- 作成日 : 2024年8月30日
町会・自治会が法人化できる要件は?認可の申請方法や流れを紹介
町会・自治会は法人化が可能です。2013年時点で298,700の地縁団体のうち、すでに44,008の団体が法人化しています。法人化のために満たすべき要件や、認可申請に必要な書類についてまとめました。また、法人化の手順についても紹介するので、ぜひ参考にして法人化を実現してください。
目次
町会・自治会は法人化できる
町会・自治会とは、市町村内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された団体のことです。市町村長の認可を受けた場合、認可地縁団体制度により、町会・自治体は法人化できます。
町会・自治会が法人化すると、会長名義や役員共同名義の土地を法人(町会・自治会)の名義に移転登記することが可能です。なお、2013年4月1日現在、日本には298,700の地縁団体がありますが、そのうち 44,008の団体は法人化しています。
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町会・自治会を法人化できる要件
町会・自治会を法人化するためには、次の要件をすべて満たすことが求められます。
- 地域的な共同活動を実施している
- 客観的に明らかな区域として定められている
- 区域に住所のある全住民が加入できる
- 区域の住民のうち相当数が加入している
- 規約を定めている
それぞれの要件について解説します。
地域的な共同活動を実施している
単に地域名がついているだけの町会・自治会では、法人化の申請ができません。申請する時点で、地域的な共同活動を実施していることが求められます。たとえば、月に1度は地域のゴミ拾いを実施したり、スポーツや文化に関するクラブ活動を開催したりするなど、地域に根ざした何らかの活動をしていることが必要です。
また、申請時には共同活動を示す書類の提出を求められるため、実際に活動していることがわかる文書や写真などが必要になります。たとえば、ゴミ拾い会の案内や活動報告、写真などがあると、地域的な共同活動をしている証拠となるでしょう。
客観的に明らかな区域として定められている
法人化を申請する町会・自治会は、地域に根ざしていることが必要です。たとえば、町名や地域名が団体の名称に含まれていても、地域とは関係のない団体なら法人化申請ができません。
また、町・地域の範囲が明らかであることも条件です。申請時には区域図も提出するため、地図上で境界線を明示できなくてはいけません。
区域に住所のある全住民が加入できる
法人化を申請できるのは、区域の住民なら全員が加入できる開かれた団体のみです。「戸建て住宅に限る」「持ち家に限る」「年会費〇万円以上を支払う人に限る」のように、条件を定めている団体は、たとえ地域に根ざした活動を実施していても法人化の申請はできません。
また、文章としては記載しなくても暗黙のルールとして特定の性別や年齢、何代以上同地で暮らしているかなどを条件として定めている場合も、法人化の対象とはなりません。申請時には構成員名簿も提出するため、特定の偏りがなくすべての住民が加入できる仕組みになっているのかも確認されます。
区域の住民のうち相当数が加入している
区域の住民のうち、相当数が加入していることも条件となります。区域の住民なら誰でも加入できる団体であっても、「区域内で団体の存在があまり知られていない」「存在は知られているが、あまり支持されていない」ケースでは、法人化の申請は難しいでしょう。
法人化申請の際には、構成員名簿を提出するため、実際の住民数と比較すれば加入割合が簡単に算出できます。あまりにも割合が低い場合には、申請しても却下されるかもしれません。
規約を定めている
法人化の申請時には、規約も提出します。そのため、町会・自治会が法人化を目指す場合には、団体が守るべき規約も定めておくことが必要です。
なお、規約には次の内容が含まれていることが求められます。
- 団体の目的
- 団体の名称
- 団体が主に活動する区域(構成員が居住する区域)
- 団体の主たる事務所の所在地
- 構成員が満たすべき資格
- 団体の代表者に関する事項
- 団体の定例会議や臨時会議についての事項
- 団体が管理・所有する資産
その他、団体の存在を理解するうえで必要と思われる事柄は、すべて規約内に記載しておくようにしましょう。
認可申請に必要な書類
町会・自治会を法人化する際には、管轄する市区町村に以下の書類を提出する必要があります。
- 認可申請書
- 規約
- 認可申請を議決したことを示す書類
- 構成員名簿
- 共同活動を示す書類
- 代表者に関する書類
- 区域図
認可申請書は、各市区町村のホームページからダウンロードできることがあります。認可申請書が公開されていない場合は、直接、市区町村役場に出向いて該当する書類を受け取りましょう。
市区町村によって認可申請書のフォームは異なりますが、以下の内容について記載することが一般的です。
- 申請年月日
- 団体の名称、団体の主たる事務所の所在地
- 団体代表者の氏名、住所
- 法人化申請のために提出する書類の目録
認可申請の手順
町会・自治会法人化の申請は、以下の手順で手続きを実施します。
- 管轄の市区町村に相談
- 町会・自治会で総会を開催
- 認可申請に必要な書類を市区町村長に提出
- 市区町村長による認可書の交付
- 市区町村長による認可告示
まずは相談です。法人化申請をする前に、管轄する市区町村役場の窓口に出向いて相談しましょう。町会・自治会が法人化の基準を満たしているのか確認してもらえます。また、基準を満たしていないときは、具体的に何をすればよいのかを教えてもらえるでしょう。
場合によっては、複数回の相談が必要になるかもしれません。町会・自治会の法人化を実現するためにも、市区町村の担当者と話し合っておきましょう。
法人化の基準を満たしていると判断されるときは、構成員の調査が実施されることがあります。構成員が実際に町会・自治会の区域と定める場所に居住しているのか、市区町村の担当者によって確認されます。
問題なく法人化できそうだと判断されたときは、町会・自治会の総会開催です。総会では、次の内容について定めることが必要です。
- 法人化に向けた規約の改正
- 法人化の許可申請をすることの決議
- 現行の代表者を法人化申請者とすることの決議
- 構成員の確定
- 保有資産の確定(資産がある場合。また、将来的に保有する資産についても確定する)
総会においてすべての決議を得てから、認可申請書や添付書類を市区町村長に提出します。不備がなく、法人化の基準をすべて満たすと判断されるときは、市区町村長から法人認可書が交付され、告示されます。
法人化で地域のコミュニティ機能を高めよう
町会・自治会を法人化することで、会長名義や役員名義の土地を町会・自治会の名義にすることが可能になります。より活発にコミュニティ活動を進めていくためにも、町会・自治会の法人化が必要になることもあるため、構成員が集まり、話し合ってみてはいかがでしょうか。
地域のコミュニティ機能が高まると、一致団結した活動がしやすくなるため、トラブルを防止できることもあります。また、普段から地域の活動が活発なら、災害時などの緊急時にも短時間で住民の安否を確認でき、スムーズな助け合い活動が行えるのもメリットです。管轄の市区町村役場に相談し、町会・自治会の法人化を検討してみましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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