- 更新日 : 2025年10月14日
取締役会非設置会社の定款作成方法は?記載内容や注意点も解説
取締役会非設置会社の定款とは、会社設立時に作成する文書で、一人会社など取締役会を設置しない会社の経営的なルールを定めるものです。定款には商号や事業目的、株式の発行数、譲渡制限などの項目を記載します。本記事では、取締役会非設置会社の定款の概要や記載内容、定款変更の手続きの方法などについて解説します。
目次
取締役会非設置会社の定款とは?
取締役会非設置会社とは、取締役会を設けずに、会社の意思決定を株主総会や取締役、代表取締役により行う株式会社です。
通常、株式会社では取締役の設置が法律(会社法326条1項)で義務付けられています。しかし、取締役会の設置については、上場企業など一部の株式会社を除き企業が自由に選択することが可能です。
そして、取締役会非設置会社の定款とは、会社設立の際に作成される重要な文書であり、取締役会を設置しない会社の組織・運営規則が記載されています。
取締役設置会社の定款との違いは?
取締役会非設置会社と取締役会設置会社の定款には、権限において違いがあります。
取締役会非設置会社の定款においては、別途定めを設けない限り、すべての取締役が会社の業務を執行する権限を持てます(会社法348条1項)。
一方で、取締役会設置会社では定款の記載に関わらず、業務を執行する権限を持つのは、取締役会によって選ばれた代表取締役や業務執行取締役のみです。
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取締役会非設置会社の定款の記載内容は?
取締役会非設置会社の定款に記載する事項としては、会社の商号や事業目的、本店所在地などが挙げられます。また、株式発行数や譲渡についての項目も忘れずに記載しましょう。そのほか、資本金の金額や事業年度、発起人の設定についても明記してください。
本項では、取締役会非設置会社の定款の記載内容を大きく分けて3つ紹介します。
総則
定款の総則部分では、会社の商号(名称)や事業目的、本店所在地、公告方法を明記する必要があります。
特に、商号や事業目的、本店所在地については、記載がないと定款全体が無効になる「絶対的記載事項」に該当しますので、設立前に法務局や公証役場での確認を推奨します。
株式
定款には、株式に関する重要な事項を規定します。特に、株式の譲渡制限は、会社の経営権を保護するために欠かせません。
会社設立当初は、社外の方から経営に関与されないよう、株式の譲渡に制限を設けることが一般的です。そのため、未上場企業の多くは、発行するすべての株式に譲渡制限を定めている「非公開会社」です。
また、株式の譲渡を承認する主体として「代表取締役」または「株主総会」のいずれかを選択する必要があります。これにより、会社の意向に沿った株式の移動が可能です。
さらに、株主の権利行使の基準日を定款で定めます。通常、基準日は決算日と合わせるため、期末日が基準日である旨を規定するのが一般的です。
附則
定款には、附則として、以下の内容を記載します。
- 資本金の金額
- 最初の事業年度
- 発起人の設定
- 発起人の署名・押印
また、発起人が金銭以外の現物で出資する場合、現物出資の内容や価額を明確にする必要があり、定款にその旨を規定しなければなりません。
取締役会非設置会社の定款を作成する際の注意点
取締役会非設置会社の定款作成時には、以下3つの注意点があります。
- 監査役を置ける
- 株式の取得は株主総会の承認が必要
- 本店所在地は町名地番までは記載しなくてもよい
取締役会非設置会社は、監査役の設置義務はありません。監査役の設置は任意ですので、定款に記載があれば監査役も設置できます。
また、株式の取得については、株主総会の承認が求められます。定款で定めることで、株主の譲渡を承認されたものとみなすことも可能です。
さらに、本店所在地の記載方法にも注意しましょう。「最小行政区画(市町村)までの記載」か「具体的に町名・地番までの記載」かを選択できます。
町名・地番まで記載すると、同一市区町村内で本店移転をする際に変更登記が必要です。一方、最小行政区画までの記載にすれば、変更手続きを避けられます。
以上の点に気をつけて、取締役会非設置会社の定款を作成しましょう。
取締役会非設置会社へ移行する場合の定款変更について
取締役会・監査役会設置会社から取締役会非設置会社へ移行する際の定款変更について、以下の点に留意する必要があります。
- 原始定款の変更はできない
- 登記の有無によって手続きが異なる
まず、原始定款を直接変更することはできません。定款変更を行うには、株主総会を開催し、定款変更に関する「特別決議」を行う必要があります。
特別決議では、出席株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要です。取締役会や代表取締役が独断で決めた定款変更は認められていません。
次に、登記の必要がない定款変更の場合、定款の変更が決定されたら、株主総会の議事録を据え置くだけで手続きは完了します。
一方、変更登記が必要な重要事項を変更する場合には、株主総会での特別決議から2週間以内に管轄の法務局に議事録を提出しなければなりません。
取締役会非設置会社こそ電子定款でシンプルに管理しよう
取締役会非設置会社の定款作成において、電子定款の選択は組織構造のシンプルさを活かす最適な方法です。一人会社や少人数経営が多い取締役会非設置会社では、設立コストの削減が特に重要であり、電子定款による印紙代4万円の節約は、限られた創業資金を事業運営に振り向けることができる大きなメリットとなります。
取締役会非設置会社は意思決定が迅速で機動的な経営が特徴ですが、電子定款もその特性と相性が良く、定款変更時もデータ管理により手続きがスムーズです。事業拡大に伴い監査役の設置や株式の譲渡制限の変更など、相対的記載事項を追加・変更する場合も、電子データなら変更前後の比較が容易で、株主総会の特別決議に必要な資料作成も効率的に行えます。
マネーフォワード クラウド会社設立の利用者へのアンケートによると、電子定款の利用者は98.07%(紙定款の利用者は1.93%)というデータがあります。
出典:マネーフォワード クラウド会社設立、利用後のユーザー様へのアンケート(回答者:1449名、集計期間:2022年7月~2025年9月)
取締役会非設置会社の定款の作成方法を理解して、会社設立を円滑に進めよう
取締役会非設置会社の定款とは、会社を設立する際に、取締役会を設置しない会社の運営に関わる規定を記載した定款です。
会社の商号や事業目的、本店所在地だけでなく、株式の発行数や譲渡制限についての項目も記載します。また、取締役会を設置しない場合にも監査役を置ける点も考慮しておきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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