決算日はいつがオススメ?押さえておきたいポイント3選

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決算日をいつにするのかという問題は、これから会社を設立する人にとって頭を悩ませる問題なのではないでしょうか。

多くの会社が採用している3月決算や12月決算に倣ったほうがいいのか、それとも自社の事業内容に合わせた決算日を設定すべきか、個人事業主だったときと同じ12月決算のままでよいかなど、判断基準があればあるほど悩んでしまうものです。

そこで紹介したいのが、決算日を決めるために知っておきたい3つのポイントです。この3つのポイントさえ押さえれば、迷いなく決算日を決めることができます。

決算日と会社設立日の意外な関係

決算日を決めるのに最も大切なことは、「いつであれば損をしないか」ということです。

会社設立日と決算日が近ければ近いほど事業を開始してすぐに決算を迎えることになるため、初年度の事業年度が短くなると同時に、利益を上げる期間も短くなってしまいます。

また、初年度が赤字であったとしても、法人地方税を支払わなければなりません(地方税法第52条、312条)。

地方税法第52条、312条で定められている法人地方税は「均等割」と呼ばれるもので、資本金等の額、従業者数などの区分によって納付すべき額が定められています。

法人道府県民税の均等割(標準税率)

法人の区分均等割額
資本金等の額が1,000万円以下の法人2万円
資本金等の額が1,000万円以上1等億円以下の法人5万円
資本金等の額が1億円以上10億円以下の法人13万円
資本金等の額が10億万円以上50億円以下の法人54万円
資本金等の額が50億円以上の法人80万円

(参考:地方税法

法人市町村民税の均等割(標準税率)

法人の区分均等割額(年額)
従業者数
50人以下
従業者数
50人超
公共法人・公益法人等
5万円
5万円
資本金等の額が1,000万円以下の法人
5万円
12万円
資本金等の額が1,000万円以上1億円以下の法人
13万円
15万円
資本金等の額が1億円以上10億円以下の法人
16万円
40万円
資本金等の額が10億万円以上50億円以下の法人
41万円
175万円
資本金等の額が50億円以上の法人
41万円
300万円

均等割は原則として、決算日時点での上記表の法人の区分に応じて均等割額(年額)が計算されます。事業年度が12か月に満たない場合には月数按分で計算されます。

たとえば、2月1日に設立して3月に決算を迎えた資本金額1,000万円以下の法人の場合、均等割の計算期間は2か月のため、道府県民税と市町村民税合計で7万円(年額)を2か月分に月数按分して計算します。初年度が赤字決算だった場合でも11,600円は地方税として納付が必要になります。

なお、自治体によっては、標準税額に上乗せした均等割額がかかる場合があるので、納税額を計算する際には各自治体の均等割額の確認が必要です。

決算日を迎えた後にしなければならないこと

決算日とは1事業年度の終了日を指し、事業年度終了後にしなければならない手続きが様々な法によって定められています。

ここでは決算日を迎えたあとにしなければならないことを、根拠条文を交えながら解説していきます。

[会社法第296条第1項 定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない]

「毎事業年度の終了後」とは、決算日を迎えた後のことを指します。同条第2項にて「株主総会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。」旨が定められていますが、「定時」株主総会に関しては決算日を迎えた後に招集しなければなりません。

[会社法第435条第2項 株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(中略)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。]

株式会社は会社法第435条第2項にて、貸借対照表や損益計算書といった計算書類等の作成が義務付けられています。ちなみに合同会社などの持分会社は会社法第617条第2項にて、NPO法人は特定非営利活動促進法第28条第1項にて、計算書類等の作成義務が定められています。

[会社法第438条 (前略)株式会社においては、取締役は、(中略)計算書類及び事業報告を定時株主総会に提出し、又は提供しなければならない。]

前述した会社法第435条第2項に従って作成した貸借対照表や損益計算書といった計算書類等は、取締役が定時株主総会に提出又は提供しなければなりません。

[法人税法第74条 各事業年度終了の日の翌日から二月以内に、税務署長に対し、確定した決算に基づき次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。]

「各事業年度終了の日の翌日から二月以内」とは、3月31日が決算日の場合、4月1日から5月31日までに法人税に関する確定申告書を税務署に提出しなければなりません。

これらのように、決算日を迎えた後に作成しなければならない書類があるため、繁忙期を避けて決算日を設定することによって、余裕をもって決算手続きを行なうことができます。

決算日は変更できる?

実は既に事業を開始していたとしても、決算日を変更することは可能です。

決算日を変更するために必要な手順は、以下の2つです。

1.定款変更のための株主総会の特別決議
2.税務署へ「異動届出書」の届出

まず1ですが、事業年度が記載されている定款を変更する必要があります。定款を変更するためには、株主総会の特別決議が必要です。

株主総会の特別決議を得ることができた後は、税務署へ「異動届出書」を届け出ます。

異動届出書

(出典:異動届出書

「事業年度を変更した場合」という記入欄へ、変更後最初の事業年度を記載します。

原則として当該届出書のみで変更可能ですが、内容確認のため定款等の写しを添付しなければならないこともあります。提出先の税務署の指示に従いましょう。

まとめ

決算日と聞くと3月31日や12月31日を連想する人が多いのではないでしょうか。

多くの会社が選択する決算日に合わせておけば安心できるかもしれませんが、その会社の繁忙期と決算期が重なって業務に差し支えが出ることも考えられます。

繁忙期を避けて決算日を決定するなどして、業務負担がかからないように配慮しておくと、余裕をもって決算作業に取り掛かることができます。

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Bizpedia編集部

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