- 更新日 : 2024年9月3日
出張鍼灸師に開業届は不要?出張施術業務開始届の書き方も解説!
お客様のところに出張し、鍼灸による治療を行う「出張鍼灸師」により収入を得ている方のなかには、税務署に「開業届」を提出すべきか迷っている方もいるのではないでしょうか。個人事業主が事業を開始したことを届け出する「開業届」ですが、今回は出張鍼灸師と開業届との関係について解説します。
目次
出張鍼灸師に開業届は必要?
鍼灸師は国家資格であることから治療を希望する方も多く、店舗を構えて施術するケースはもちろん、お客様のところに赴き出張で鍼灸治療を行うケースもあります。出張により鍼灸治療を行う場合、開業届の提出が必要かについて解説します。
そもそも開業届とは?
開業届は、個人事業主が税務署に提出する届出書の1つです。個人で事業を開始するにあたり、所轄の税務署長に対して開業する場所や屋号、具体的な業務内容などを報告します。ここでいう「事業」とは、「対価を得て継続的に行う事業」を指します(所得税法施行令第63条)。
自宅や店舗、出張など、鍼灸治療の形態は様々ですが、鍼灸師として継続して事業を行うのであれば、それによって得られる収入は事業所得となります。したがって、開業届を提出しなければなりません。
開業届の提出期限は?
開業届は、事業を開始した日(開業日)から1カ月以内に、事業所を管轄する税務署へ提出します。開業日といっても個人事業主の場合は、事業を始めた日があいまいなこともあるでしょう。この点については決まったルールがあるわけではなく、本人が「開業した」と考える日が開業日となります。
したがって、実質的には特に1カ月以内にこだわる必要はないと言えます。事業を始めた年の内に開業届を提出するようにしましょう。
出張専門の鍼灸師は開設届の提出が不要!
出張専門で鍼灸治療を継続して行う場合、所得税法上の開業届は提出しなければなりませんが、保健所に提出する「開設届」を省略することができます。開設届とは、自宅や店舗など、施術する場所を構えて開業する際、保健所に対して提出する書類です。
従業員を雇用せず、自身1人で出張による治療を行うのであれば、自分で用意した施術所は不要のため、開設届を提出して保健所の審査を受ける必要はありません。
出張鍼灸師の開業に必要な出張施術業務開始届とは?
出張鍼灸師の場合、税法上の開設届の提出は不要ですが「出張施術業務開始届(出張届)」を提出する必要があります。出張鍼灸師として業務を開始してから10日以内に住所地を管轄する市区町村の保健所に提出しなければなりません。
出張専門で鍼灸治療をする場合に提出義務がある
施術所がある場合は開設届を提出し、施術所としての要件を満たしているか等、保健所の審査を受けなければなりません。その点、出張専門の鍼灸治療には施術所がないため、それに替わる手続きとして出張施術業務開始届の提出が求められます。保健所の審査がない分、開設届より手続きが簡単であるメリットがあります。
施術所がある方の出張鍼灸は届出不要
すでに施術所があり開設届を提出済みの方が、新たに出張鍼灸のサービスを開始する場合、改めて出張施術業務開始届を提出する必要はありません。提出済みの開設届で届け出た事業所から、お客様のところに出張し施術することができます。
従業員を雇用する場合は開設届が必要
事業主1人で鍼灸の事業を行う場合は、出張施術業務開始届の提出だけで済みます。ただし、従業員を雇用し鍼灸治療を行うことになると、新たに開設届の提出が必要です。将来的に事業拡大を検討している方は注意しましょう。
出張施術業務開始届の書き方は?
次に、出張施術業務開始届の書き方のポイントについて解説します。
住民票の所在地が事業の拠点となる
出張施術業務開始届に記入する住所は、住民票がある住所地となります。施術を行わない事務所を借りているようなケースでは注意が必要です。なお、届出書を提出する際には住民票を添付書類として一緒に提出することになります。
業務実施場所に記入した地域以外の出張鍼灸も可能
出張施術業務開始届には、鍼灸治療を実施する具体的な場所を記入する欄があります。出張鍼灸を行う地域名を記入することになりますが、記入した地域以外に出張してはいけないということではありません。出張することが多いメインの地域を記入しましょう。
提出する保健所によって届出様式が異なる
出張施術業務開始届は、提出する保健所によって少しずつ様式が異なります。記入する項目も保健所によって変わるため、提出する前に必ず添付必須の書類などを確認するようにしましょう。
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