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  • 更新日 : 2020年11月6日

開業届を出さないとどうなる?青色申告・屋号での口座開設に注意

個人で事業を行って収入を得ているけれど、「開業届を出していない」という人もいるでしょう。継続して事業を行う場合、本来は開業届の提出が必要です。また、開業届を出さないことで、デメリットになることもあります。

本記事では、開業届を出さなかった場合にどうなるかを説明しますので、参考にしてみてください。

開業しても開業届を出さなくてもいい?

所得税法では、事業所得、不動産所得、山林所得を生じる事業を開始したときには、その事実があった日から1カ月以内に開業届を提出しなければならない旨が定められています。すなわち、事業を開始した人は、開業届を出す義務があるということです。

開業届を出さなくても罰則はない

個人で事業を開始したら開業届を出す義務がありますが、もし開業届を出さないまま事業を行っていても罰則はありませんし、税務署に出すように言われることも通常はありません。開業届を出さずに事業を行っている人も現実にいることでしょう。

ただし、罰則がないからと言って、開業届を出さなくてよいというわけではないことは理解しておきましょう。開業届の提出は、任意ではなく、義務的なものです。

開業届を出す目的

開業届を出さなくても罰則はなく、税務署から出すように言われることもないのなら、一体何のために開業届を出すのでしょうか。詳しくは後述しますが、開業届を出していないと、青色申告ができなかったり、屋号での銀行口座を開設できなかったりと、不便なことがあります。そういった、開業届を出さないと困るケースがあるため、多くの人は開業届を出しているのです。

開業届を出していなくても確定申告は必要

もちろん、開業届を出さなかったからといって、事業で得た所得を申告しなくてもいいわけではありません。開業届を出す・出さないにかかわらず、事業所得も含めた所得をきちんと確定申告する必要があります。開業届を出さなくてもペナルティーはありませんが、必要な確定申告をしていなければペナルティーがありますので注意しましょう。

開業届を出さないとどんなときに困る?

開業届を出さなくても罰則はありませんが、開業届を出さないと困るケースがあります。以下、開業届を出さない具体的なデメリットについて説明します。

青色申告ができない

青色申告とは、事業を行う人が税務署の定める方法で正しく記帳を行えば、さまざまな税務上のメリットを受けることができる制度です。青色申告の大きなメリットと言えるのが、青色申告特別控除です。要件をみたしていれば、最大で65万円を所得から控除でき、その分税金が安くなります。また、青色申告では赤字を最長3年間繰越でき、黒字になった年の税金を安くすることもできます。

青色申告をするには、事前に税務署に申請して承認を受けなければなりません。青色申告承認申請をするには、開業届を提出していることが前提になります。開業届を出していない場合には、青色申告承認申請書を受け付けてもらえません。

屋号での口座開設ができない

個人事業主が銀行で事業用の口座を開設した際、口座名義は個人名になります。ただし、銀行によっては、個人名に屋号を付け加えた口座を開設できますが、銀行から開業届の控えを求められることが多く、開業届を出していないと屋号での口座開設は難しいでしょう。

クレジットカードを作れない

安定した給与をもらえる会社員と違い、個人事業主はクレジットカードの審査に通りにくくなっています。個人事業主としてクレジットカードの申し込みをすると、事業を行っている証明として、開業届の控えを求められることがあります。開業届を出していないと、クレジットカードを作れない場合もあるかもしれません。

小規模企業共済に加入できない

小規模企業共済は、個人事業主が退職金代わりになる共済金を積み立てられる制度です。小規模企業共済に加入するには確定申告書の写しの提示が必要ですが、まだ確定申告していない初年度から加入するには開業届の写しを提出しなければなりません。

補助金・助成金の申請ができない

事業を開始するときには、補助金や助成金をもらって資金調達できることがあります。開業時に補助金や助成金の申請をする場合、開業届が必要になるケースが多くなっています。開業届を出さなければ、補助金・助成金等の申請もできないということです。

開業届を出すことにデメリットはある?

開業届を出さないと困ることがあるのはおわかりいただけたでしょう。では逆に、開業届を出すことでデメリットになることはあるのでしょうか?

記帳の義務が発生

開業届を出して個人事業主となったなら、日々の取引を帳簿に記載しておき、なおかつ帳簿を保存しておかなければなりません。白色申告の個人事業主であっても、記帳や帳簿の保存義務はあります。記帳の手間が発生することは、デメリットとも考えられます。

失業保険がもらえなくなる

会社を辞めて雇用保険の失業給付(失業保険)を受給している人や、これから受給しようとしている人の場合、開業届を出すと受給資格がなくなります。

失業保険は、再就職の意思があり、求職活動をしている人が受給できるものです。個人事業を開始した場合にはハローワークに申告しなければならず、無申告で失業保険を受給すると不正受給となり、厳しい処分を受けることになります。

社会保険の扶養を出なければならなくなる

配偶者の社会保険の扶養に入っている人が開業届を出して個人事業主となった場合、扶養を出なければならないことがあります。ただし、具体的にどういう場合に扶養から外れるかは、加入している社会保険によって変わります。開業届を出していても、収入が少ない場合には、扶養に入ったままでいられるケースもあります。

開業届を出さなければならない人と出さなくても大丈夫な人

個人で事業を開始したときには、開業届を提出しなければなりません。以下、どのような人が開業届を出さなければならないのか、出さなくても大丈夫な人はいるのかについて説明します。

フリーランスや副業でも基本的には出さなければならない

開業届を出さないといけないのは、事務所や店舗を構えて自営業をしている人だけではありません。フリーランスであっても、開業届を出す必要があります。会社員が副業で事業を行う場合でも、継続して事業を行う予定なら、開業届を出さなければなりません。出さなくても罰則はありませんが、提出は義務付けられています。

フリーランスや副業の場合でも、開業届を出すことにより、青色申告ができるようになります。青色申告特別控除を受けられたり、赤字を繰り越したりできれば、税金を抑えることができます。フリーランスや副業で開業届を出していない人は、出すことを検討しましょう。

継続した収入でなければ出さなくてもいい

なお、収入が一時的なものの場合には、開業届を出す必要はありません。例えば、フリマアプリやネットオークションで不用品を売って収入を得たけれど、継続的に利益を得るつもりではない場合には、開業届の提出は不要です。これは、一度だけ頼まれて原稿を書き、原稿料をもらった場合なども同様です。開業届を出すかどうかは、反復・継続して収入を得ている(事業)かどうかが基準になります。

継続して事業を行うなら開業届を出そう

個人で事業を開始したら、開業届を出す必要があります。フリーランスであっても、開業届を提出する義務はあるので、未提出の人は今からでも提出しましょう。開業届を提出することで、青色申告ができるようになるので、節税にも役立ちます。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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監修:並木 一真(税理士/1級FP技能士/相続診断士/事業承継・M&Aエキスパート)

並木一真税理士事務所所長
会計事務所勤務を経て2018年8月に税理士登録。現在、地元である群馬県伊勢崎市にて開業し、法人税・相続税・節税対策・事業承継・補助金支援・社会福祉法人会計等を中心に幅広く税理士業務に取り組んでいる。

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