- 作成日 : 2024年10月25日
経営感覚とは?ある人ない人との違い、社員の必要性や磨き方を解説
経営感覚とは、会社全体を動かす立場として、主に経営者が持つべき意識のことです。経営感覚がないと会社の経営がうまくいかなくなることもあるため、経営者をはじめとして経営感覚を身につけることが重要です。この記事では、経営感覚を持つべき理由や経営感覚の磨き方などを解説します。
経営感覚とは?
経営感覚とは、経営者として必要な考えや意識を持つことです。会社を動かす立場として、会社としてどうあるべきか、どのように対処すべきか、というように会社全体で物事を考える感覚をいいます。
会社は、売上を上げ、その中から利益を生み出すことによって正常な運営ができます。経営感覚では、会社の利益を意識することが重要です。例えば、お客さま視点のみで営業すると、顧客には好条件でも場合によっては会社が損をすることもあります。
経営感覚があれば、お客さまにとっても、会社にとっても得になる、ちょうどよい提案ができ、会社の利益を確保しながら顧客との関係を存続していくことができるでしょう。
経営者視点と経営感覚の違い
経営者視点とは、経営者の視点で物事を見ることです。つまり、会社のリーダーとして、会社全体を俯瞰して見ることをいいます。経営感覚は、経営者として持つべき意識や考えのことで、どちらも経営者の立場で会社を考えることになるため、同じような意味合いで使われます。
経営感覚を持ったリーダー像
経営のスタイルや経営者のタイプは多種多様であり、経営において明確な正解は存在しません。ただし、会社全体を俯瞰したトップとしての考え方と仮定すれば、以下のような要素を持っていることが経営感覚のあるリーダー像として捉えられるでしょう。
- 会社の課題を発見できる力
- あらゆる可能性やアイデアを創出できる力
- 厳しい局面でも逆転の発想ができる力
- 優先順位を考え決断できる力
- 会社の利益を考えられる力
- メンバー間の橋渡しとして組織の結束を強化できる力
- 会社の将来を考え行動できる力
社員が知っておくべき経営感覚
経営者は、会社全体を俯瞰して見る経営感覚を身につけるべきです。それでは、会社を構成する管理職や管理職以外の社員はどうでしょうか。
管理職は組織の一部をとりまとめる役割があります。一般社員と異なり、人事権や決裁権などの権限を有しており、一般社員と比べて会社の経営陣とコミュニケーションを取る機会が多いのも管理職の特徴です。管理職は、ある程度の権限が認められている代わりに、一定の責任も負います。所属する部署の経営者という見方もできるでしょう。社長と比べて管理する規模は狭まるものの、部署を率いる立場として、経営感覚を身につけることは重要です。
管理職以外の社員は、営業やバックオフィス業務など、基本的に決められた中で職務を果たします。経営から遠い立場にあることから、社長や管理職のように、経営感覚を身につけにくい立場にあります。しかし、一般社員も組織の一員です。社員が一丸となって会社の目標を達成するには、一般社員にもある程度の経営感覚を持ってもらうことが重要になるでしょう。
経営感覚の磨き方、身につける方法
経営感覚は、言葉で説明しても簡単に身につくものでもありません。日常の小さな積み重ねで磨かれるものです。会社のコストや利益、変化に目を向けるだけでなく、日常にあふれるさまざまな情報について考える習慣をつけましょう。例えば、普段訪れる飲食店ではどのくらいの利益が出ているかといった、メニューや客席など複数の情報から推測してみるのもよいでしょう。
しかし、経営者がいくら経営感覚を身につけても、管理職やその他の従業員が無関心だと、同じ方向を向いて会社を経営することが難しくなります。
従業員に経営感覚を自主的に身につけてもらうには、まずはコミュニケーションを大切にしましょう。良好な関係性を構築できたら、自然に経営者視点での話を織り交ぜたり、日常のふとしたことを経営視点で考えられる質問をしたりすることで、経営に関心を持ってもらいやすくなります。他にも、経営に関する研修やセミナーに従業員を参加させたり、社長以外の経営者の話を聞ける機会を設けたりするなどの方法も有効です。
経営者だけでなく従業員にも経営感覚を持ってもらえる工夫を
経営感覚は、経営者として必要な考えや意識のことをいいます。会社が一丸となって目標の達成をするには、経営者はもちろん、管理職や一般の従業員にも経営感覚を持ってもらう必要があります。
経営について興味を持ってもらえる機会を増やす、経営に関する外部研修を実施するなど、従業員が自然に経営感覚を身につけられるような工夫をしましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
経営に携わる仕事6つと会社経営者の5つの仕事
会社経営者とは会社の経営に携わる者のことであり、「代表取締役」や「社長」、「CEO」とも呼ばれます。事業のトップに立つ存在となるため、個人経営者や小規模事業の個人事業主も経営者として分類されます。 今回は、経営者の主な仕事内容とドラッカーが…
詳しくみる親会社とは?種類や子会社への責任、会計処理のポイントを解説
企業関連の情報では「親会社」「子会社」という用語をよく目にします。しかし、なんとなく理解していても、親会社、子会社の定義を知らないという方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、親会社にスポットを当て、定義や種類を紹介します。子会社との…
詳しくみるワンマン経営とは?社長の特徴やメリット・デメリットを解説!
ワンマン経営とは、経営者が強い権力を持ち、単独で経営判断を行う経営スタイルです。メリットもありますが、従業員がイエスマンになったり、後継者が育たなかったりなどのデメリットもあります。今回は、ワンマン社長の特徴や会社に与えるメリット・デメリッ…
詳しくみる海外子会社のガバナンスとは?なぜ難しい?不正事例や強化する方法を解説
海外子会社のガバナンスは、海外子会社における親会社への説明責任ともいえます。海外子会社での不正を防止するためには、内部統制の強化や管理方法の検討、適切な会計ソフトの利用などが必要です。海外子会社のガバナンスが問題になる理由やガバナンスが弱い…
詳しくみる個人事業主が従業員を雇うには?雇用するメリットや社会保険手続きも解説!
仕事が忙しくなってきた個人事業主の中には、従業員を雇用しようと考えている人もいるのではないでしょうか。本記事では、従業員を雇用するために必要な手続きや、従業員を雇用するメリット・デメリットについて解説します。 個人事業主が従業員を雇用するた…
詳しくみる健康経営とは?メリット・取り組み事例も紹介!
健康経営とは、従業員の健康に配慮し、健康を経営的視点から考える経営手法です。従業員の健康管理や健康増進の取り組みを「投資」と捉え、戦略的に取り組みます。 本記事では健康経営の概要や注目されている背景を説明するとともに、取り組むメリットや健康…
詳しくみる