• 更新日 : 2026年1月14日

マンション経営の仕組みとは?メリット・デメリット、初期費用、失敗しない始め方を解説

マンション経営は、長期的に安定した収入を得やすく、節税や生命保険代わりの効果も期待できることから、会社員や公務員の副業・投資として高い人気を誇ります。

しかし、空室リスクや金利上昇など、事前に知っておくべきリスクも存在します。本記事では、マンション経営の仕組みから、メリット・デメリット、初期費用や利回りの計算方法、そして失敗しないためのポイントを解説します。

目次

マンション経営の仕組みとは?

マンション経営は、主に家賃収入(インカムゲイン)と売却益(キャピタルゲイン)の2つの収益源によって成り立っています。

現代のマンション経営は、毎月の家賃収入でローンを返済しながら資産を形成するインカムゲイン重視の運用が主流です。

  • 家賃収入(インカムゲイン):毎月継続的に入ってくる家賃収入のことです。マンション経営の主目的であり、長期的に安定した不労所得を得ることが可能です。
  • 売却益(キャピタルゲイン):物件価格が購入時より値上がりした際に売却して得られる利益のことです。地価上昇が見込まれるエリアでは大きな利益が期待できます。

区分マンション投資と一棟マンション投資の違いは?

マンション経営には、部屋単位で購入する区分マンション投資と、建物全体を購入する一棟マンション投資の2種類があります。初心者は、少額から始められリスク分散もしやすい区分マンション投資から検討するのが一般的です。

比較項目区分マンション投資
(ワンルーム等)
一棟マンション投資
(アパート・マンション)
購入対象マンションの1室単位建物全体(土地+建物)
初期費用比較的少額(数百万〜数千万円)高額(数千万〜数億円)
利回り一棟に比べると低め比較的高め
リスク空室になると収入がゼロになる複数戸あるため空室リスクを分散しやすい
管理の手間建物管理は管理組合が行うため楽建物全体の維持管理が必要で手間がかかる
向いている人初心者、自己資金が少ない人経験者、資産規模を拡大したい人

マンション経営とアパート経営の違いは?

マンション経営とアパート経営の最大の違いは、建物の構造と耐久性にあります。

  • マンション経営(RC造など): 鉄筋コンクリート造が多く、耐久性が高いのが特徴です。特にワンルームマンション投資は好立地が選ばれやすく、単身者需要を取り込みやすいメリットがあります。
  • アパート経営(木造・軽量鉄骨造): 基本的に建物1棟を建築・購入します。土地を含めた資産価値を持てる点が強みですが、災害リスクや耐久性はマンションに劣ります。立地条件の見極めには高いスキルが必要です。

マンション経営のメリットは?

マンション経営の最大のメリットは、ミドルリスク・ミドルリターンの投資として、長期的に安定した収入と副次的な効果(節税・保険)が得られる点です。株式投資やFXのような短期的な価格変動リスクが少ないのが特徴です。

1. 安定した家賃収入(私的年金)

公的年金にプラスして、毎月安定した家賃収入を得られるため、老後の生活資金(私的年金)として機能します。ローン完済後は、家賃収入のほとんどが利益となるため、定年退職後の生活を支える強力な収入源となります。

2. 節税効果(所得税・住民税・相続税)

不動産所得が赤字の場合、給与所得と損益通算することで所得税や住民税を減額できる可能性があります。また、現金のまま相続するよりも、不動産として相続するほうが評価額が下がることが多いため、相続税対策としても非常に有効です。

参考:No.1391 不動産所得が赤字のときの他の所得との通算|国税庁

3. 団体信用生命保険(団信)への加入

ローンを利用してマンション等を購入する場合、多くの金融機関で団体信用生命保険(団信)への加入が条件となります。万が一、契約者が死亡したり高度障害状態になったりした場合、ローンの残債は保険金で完済されます。そのため、残された家族には借金のない収益物件を残せて、生命保険代わりになります。

マンション経営のデメリットは?

「マンション経営は儲からない」「やめとけ」と言われる原因の多くは、以下のリスク対策が不十分なケースです。

1. 空室や家賃下落のリスク

入居者が決まらず空室が続くと家賃収入が途絶え、ローンの返済を自己資金から持ち出す必要があります。また、建物の築年数が経過するにつれて、家賃相場は徐々に下落する傾向があります。これを防ぐためには、賃貸需要の高い立地(駅近、都心部など)を選ぶことが最重要です。

2. 修繕費や管理費などのランニングコスト

マンションを維持するためには、管理費・修繕積立金、固定資産税、仲介手数料などの経費(ランニングコスト)がかかります。特に、エアコンや給湯器の故障による突発的な修繕費や、大規模修繕工事に伴う積立金の値上げなどは、収支計画を圧迫する要因となります。

3. 金利上昇による返済総額の増加

変動金利でローンを組んでいる場合、市場の金利が上昇すると毎月の返済額が増加し、キャッシュフローが悪化する恐れがあります。金利上昇リスクへの対策として、自己資金を多めに入れて借入額を減らす、あるいは固定金利を選択するなどの検討が必要です。

4. 自分で住む場合のリスク

最初は第三者に貸して、将来は自分で住もうと考える方もいます。この場合、低金利の住宅ローンを使って物件を購入し、実際には他人に貸して家賃収入を得る行為は、たとえ第三者への賃貸期間が最初の数年だけだとしても契約違反(不正利用)となり、ローンの一括返済を求められるリスクがあります。将来的には自己の居住用とする場合であっても、必ず不動産投資ローンを利用する必要があるので注意が必要です。なお、不動産投資ローンで購入した物件を将来的に自己の居住用とすることは問題ありませんが、購入当初から他人に貸さず自分で住むことも契約違反になる可能性があるため注意してください。不動産の利用目的に合ったローンを選ぶことが重要です。

マンション経営の利回りの計算方法は?

投資判断において利回りは重要ですが、広告上の数字だけでなく、経費を考慮した「実質利回り」で判断することが不可欠です。

表面利回り

投資物件の広告でよく使われる、大まかな収益性をチェックするための指標です。

表面利回り = 年間家賃収入の総額 ÷ 物件価格

実質利回り

管理費や修繕積立金などの経費を考慮した、現実に即した指標です。「思ったほど儲からない」という事態を防ぐため、不動産投資を始める前に必ず計算しましょう。

実質利回り =(年間家賃収入 − 諸経費)÷(物件価格 + 購入時の諸経費)

マンション経営に必要な初期費用は?

一般的に、マンション経営の初期費用は物件価格の10〜20%程度が目安とされていますが、フルローンを活用すればより少額で始めることも可能です。ただし、健全な経営を行うためには、ある程度の自己資金(頭金)を用意することが推奨されます。

初期費用の内訳(諸経費)

物件購入費用以外にかかる諸経費は、物件価格のおおむね3〜8%程度と言われています。主な内訳は以下の通りです。

  1. 仲介手数料:不動産会社に支払う手数料(物件価格×3%+6万円+消費税が上限)
  2. 印紙税:売買契約書や金銭消費貸借契約書(ローン契約書)に貼付する印紙代
  3. 登録免許税:所有権移転登記や抵当権設定登記にかかる税金
  4. 司法書士報酬:登記手続きを代行する司法書士への報酬
  5. 火災保険料・地震保険料:災害リスクに備えるための保険料
  6. 不動産取得税:物件取得後に一度だけ支払う税金

マンション経営を始めるまでの流れは?

マンション経営を成功させるためには、情報収集から物件選定、購入後の管理まで、以下の5つのステップを計画的に進める必要があります。

1. 情報収集と投資目的の明確化

まずは、書籍やセミナー、Webサイトを通じて不動産投資の基礎知識を身につけ、何のために投資をするのかを明確にします。節税がしたいのか将来の年金を作りたいのか短期で利益を出したいのかによって、選ぶべき物件や戦略が異なります。

参考:投資用マンションについての悪質な勧誘電話等にご注意ください|国土交通省

2. 資金計画の策定と金融機関の選定

自身の年収や貯蓄額から、いくらまで融資を受けられるかを確認し、無理のない資金計画を立てます。複数の金融機関を比較し、金利や融資期間など条件が良い金融機関を選定します。融資を受ける際にはまず事前審査(仮審査)を受けておくと、その後の手続きがスムーズです。

3. 物件選定と現地調査

信頼できる不動産会社から物件情報の紹介を受け、立地条件、築年数、利回り、管理状態などを比較検討します。必ず現地に足を運び、最寄り駅からの距離や周辺環境、建物のメンテナンス状況を自分の目で確認することが重要です。

4. 買付証明書の提出と売買契約

購入したい物件が決まったら買付証明書を提出し、価格交渉や条件調整を行います。なお、買付証明書には法的な効力はないため、交渉の結果、条件が合意に至らない場合には、通常、撤回することが可能です。条件が合意に至れば、重要事項説明を受けた上で不動産売買契約を締結し、手付金を支払います。その後、ローンの本審査を経て決済(引き渡し)となります。

なお、万一、ローンの本審査で融資が下りなかった場合にも、不動産売買契約に融資利用の特約の記載があれば、契約自体を白紙解除することが可能です。不動産売買契約書の終結の際には融資利用の特約も含め、しっかり契約内容を確認してください。

5. 管理会社の選定と賃貸運用開始

物件の引き渡しと同時に、入居者募集や家賃集金、トラブル対応を行う賃貸管理会社(プロパティマネジメント会社)と契約を結びます。会社員や公務員など本業がある人が副業としてマンション経営を行う場合は、管理業務のほとんどを委託するのが一般的です。優秀な管理会社を選ぶことが、高い入居率維持につながります。

マンション経営で経費にできる費用は?

マンション経営で正しく節税するためには、「何が経費になるか」を正確に把握し、漏れなく計上することが重要です。

経費にできる費用
  • 減価償却費(建物の取得費を耐用年数で分割して計上)
  • 管理費・修繕積立金・管理委託料
  • 固定資産税・都市計画税・不動産取得税などの税金
  • 借入金の利息(土地部分の利息には制限あり)
  • 損害保険料(火災保険、地震保険など)
  • 仲介手数料、司法書士報酬、税理士報酬
  • 広告宣伝費(入居付けのための広告費)
  • その他(通信費交通費、新聞書籍代、接待交際費など事業に関わるもの)
経費にできない費用
  • ローンの元本返済分
  • 不動産所得が赤字の場合の土地部分に対する借入金利息*
  • 所得税・住民税(個人の税金)
  • その他、経営に直接関係のない個人的な支出

*正しくは、経費にはなりますが、損益通算の際に土地部分に対する借入金利息分は他の所得と相殺ができません

マンション経営に失敗しないためのポイントは?

マンション経営は、物件を購入して終わりではありません。マンション経営の失敗を避けるためには、以下の4つのポイントを意識して物件を選びましょう。

1. 新築と中古のメリット・デメリットを見極める

  • 新築:融資が通りやすく、設備が新しいため入居者が決まりやすい。ただし価格が高く利回りは低め。
  • 中古:価格が安く利回りが高いのが魅力。ただし設備の老朽化や修繕リスクがあるため、物件の目利きが必要。

2. 入居者のニーズに合う物件を選定する

空室を防ぐには、入念なリサーチが欠かせません。単に安いからではなく、ターゲット層(単身者、学生、ファミリー)のニーズに合った立地・設備(オートロック、宅配ボックス、ネット無料など)であるかを確認してください。

3. 利回りの高さのみを意識しない

高利回り物件は、リスクが高い(空室が多いなど)可能性があります。短期的な利回りだけでなく、資産価値が維持できるか、20〜30年後も需要があるエリアか、などを予測することが大切です。

4. 無理のない運用計画と十分な自己資金

修繕費の発生や金利上昇、空室期間に備え、十分な自己資金(手元資金)を確保しておきましょう。ギリギリの資金計画ではなく、不測の事態にも耐えられる余裕を持った運用が成功の鍵です。

マンション経営についてよくある質問

最後に、マンション経営についてよくある質問とその回答をまとめました。

マンション経営に特別な資格は必要ですか?

必要ありません。

建物管理などの専門的な業務は、管理会社に委託するのが一般的であるため、知識ゼロの初心者や会社員の方でも始められます。もちろん、宅地建物取引士などの知識があれば役立ちますが、必須条件ではありません。

マンション経営を始めるために必要な年収はいくらですか?

融資を受ける金融機関や購入する物件にもよりますが、一般的に年収500万円以上が一つのラインと言われることが多いです。自身の年収や貯蓄額から、いくらまで融資を受けられるかを確認し、無理のない資金計画を立てることが重要です。

マンション経営は1部屋(ワンルーム)から始められますか?

はい、可能です。マンション経営には、1部屋単位で購入する「区分マンション投資」があります。マンションやアパートを一棟購入する「一棟マンション投資」に比べて初期費用が比較的少額(数百万〜数千万円)で済むため、初心者の方に適しています。

マンション経営で購入した部屋に自分で住むことはできますか?

原則として、投資用ローンで購入した物件に住むことはできません。将来的に自分で住むこと自体は問題ありませんが、低金利の住宅ローンを使って購入し、実際には他人に貸して家賃収入を得る行為や、逆に不動産投資ローンで買った物件にすぐ自分で住む行為は、契約違反となる可能性があります。

マンション経営のリスクを理解して資産形成を

マンション経営は、ニーズのある物件を見極め、適切な運用計画を立てられれば、将来的に安定した収益を獲得できる可能性の高い事業です。資産形成に有効な方法ではありますが、もちろん一定のリスクが存在します。マンション経営に成功するためには、マンション経営に関するリスクや失敗しないためのポイントを理解した上で、マンション経営に取り組むことが大切です。


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