- 更新日 : 2023年4月26日
法人口座におすすめの銀行は?手数料や開設のメリットを比較して選び方を解説
基本的にはどの金融機関でも法人口座を開設できます。しかし、振込手数料や月額基本料、ATM手数料は安いか、維持費は無料か、海外送金やネットバンキングは利用しやすいか、開設時間などは、金融機関によって異なるため注意が必要です。株式会社や合同会社などの法人が、口座を開設するときにおすすめの金融機関を紹介します。
また都市銀行(メガバンク)や地銀、GMOあおぞらネット銀行や住信SBIネット銀行などのネット銀行、信用金庫、証券会社、ゆうちょ銀行などの違いを比較し、特徴やメリット・デメリットも説明します。自社に合う金融機関の選び方、個人事業主が作りやすい口座、起業時や会社設立時に注意するポイント、口座開設時の審査や提出書類についても説明します。ぜひご覧ください。
目次
法人口座を開設するメリットは?個人口座との違い
即日開設できることも多い個人口座とは異なり、法人口座は開設までに1ヶ月ほどかかることもあります。しかし、時間がかかっても、法人口座は開設するほうが良いでしょう。法人口座にすべての取引をまとめると、会社の財務の流れがわかりやすくなり、より透明性の高い経営を実現できます。
取引先から代金などを入金してもらうときも、法人口座があると取引がスムーズに進みます。そのほかのメリットについては、以下の記事をご覧ください。
法人口座の比較ポイントと選び方
法人口座をどの金融機関に開設するか迷ったときは、次のポイントを比較してみましょう。
- 振込やATM利用時などの各種手数料・月額基本料
- インターネットバンキングの利用可能時間
- 審査の通りやすさ
- 口座開設のスピード
- 振込限度額
- 社会的信用
- 立地
- 融資金利
会社で株式などに投資をする場合には、証券会社に口座を開設する必要があります。しかし証券会社の口座を開設する前には、銀行口座の開設が必要です。取引だけでなく投資をスムーズに行うためにも、紹介するポイントを比較して金融機関を絞り込んでおきましょう。
振込やATM利用時などの各種手数料・月額基本料
振込手数料が安いと、取引先の負担を軽減できます。また、月額基本料などの維持費やATMの手数料が安いと、自社の負担が軽減できます。
海外送金を利用する場合は、海外送金手数料も確認しておきましょう。
インターネットバンキングの利用可能時間
インターネットバンキングの利用可能時間が長いと、自社にとっても取引先にとっても便利になります。とりわけ海外との取引がある企業は、時差を考えずに利用するためにも24時間対応であることが好ましいです。
審査の通りやすさ
審査に通りにくい金融機関を選ぶと、法人口座を作れない可能性があります。取引先からの入金をスムーズにするためにも、審査に通りやすい金融機関を選びましょう。
また、審査時に提出する書類の多さにも注目できます。あまりにも書類が多いと、口座開設を申し込むだけでも手間がかかってしまいます。しかも審査に通らないときには、書類集めの手間がすべて無駄になる点にも注意が必要です。できれば審査時に提出する書類が少ない金融機関を選びましょう。
口座開設のスピード
口座開設のスピードにも注意が必要です。あまり時間がかかる金融機関を選ぶと、取引の機会を逃すことにもなりかねません。
振込限度額
振込限度額は、金融機関によって異なります。あまりにも限度額が低い金融機関を選ぶと、取引に支障が出る可能性もあります。1回の振込で取引が完了する程度の金額か、口座開設を申し込む前に確認しておきましょう。
社会的信用
都市銀行(メガバンク)は、社会的信用が高い金融機関です。取引先にも安心を与えられるというメリットがあります。
地方銀行や地元の信用金庫は、地域密着型のイメージです。地域内では社会的信用も高いため、特定のエリアでのみ業務を行う会社の法人口座に適しています。
立地
金融機関の立地にも注目しましょう。窓口やATMが会社の近くにあると、入出金が楽になるだけでなく、気軽に相談できて便利です。
インターネットバンキングでも入出金は可能ですが、現金が必要なときは窓口やATMに行く必要があります。法人口座の開設を申し込む前に、窓口とATMが近くにあるか確認しておきましょう。
融資金利
口座開設時には融資を受ける予定はなくても、事業拡大などの折に融資が必要になることがあります。口座開設前に、どのような融資商品があるのか、また金利がどの程度の水準か調べておきましょう。
法人口座開設ができる金融機関の特徴やメリット・デメリット
法人口座を開設できる金融機関には、主に次の種類があります。
- 都市銀行(メガバンク)
- 地方銀行
- ゆうちょ銀行
- ネット銀行
- 信用金庫
金融機関ごとの特徴やメリット、デメリットを紹介します。口座を開設する金融機関を選ぶときに、参考にしてください。
都市銀行(メガバンク)
都市銀行は、信用度が高い金融機関です。ATMも多いため、現金の入出金がしやすい点も特徴です。また知名度が高く、日本全国、あるいは海外に取引先がある場合にも適しています。
メリット | デメリット |
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地方銀行
地方銀行は、地域内で高い社会的信用を得ています。しかし、他の地域では知名度が低いため、取引先に不安を与えるかもしれません。特定の地域内の取引のみの法人なら、口座開設を検討してみましょう。
メリット | デメリット |
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ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行は全国にATMがあり、取引先が広い場合でも問題ありません。社会的信用も高く、取引先に安心感を与えられます。ただし預入限度額が低めのため、高額取引が多い会社には適していません。
メリット | デメリット |
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ネット銀行
ネット銀行は利用できるATMが多いものの、社会的信用が低めで取引先に安心を与えにくい点に注意が必要です。しかし、インターネットバンキングの利用可能時間が長いため、利便性は高いといえます。
メリット | デメリット |
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信用金庫
地方銀行と同じく、信用金庫も地域密着型の金融機関です。地域内での取引が多い場合には、検討してみましょう。ただし、利用できる法人に制限がある点に注意してください。従業員が300人以上、または資本金が9億を超えると信用金庫から脱退する必要が生じます。
メリット | デメリット |
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法人口座におすすめの銀行を紹介!
法人口座をどこで開設するか迷ったときは、重視するポイントで金融機関を決めましょう。重視するポイントごとのおすすめ金融機関を紹介します。
なるべく手数料を安くして手軽に作りたい場合
手数料や月額基本料が安く、審査に通りやすいのがネット銀行です。GMOあおぞらネット銀行や住信SBIネット銀行などを検討してみましょう。
利便性を重視したい場合
システムメンテナンスを除く24時間いつでも振り込め、なおかつ手数料や月額基本料が安いのがネット銀行です。GMOあおぞらネット銀行や住信SBIネット銀行などを検討できます。
社会的信用が欲しい・大きな融資が必要な場合
社会的信用を重視する場合や、将来的に大きな融資が必要であれば、都市銀行です。ゆうちょ銀行も社会的信用はありますが、預入限度額が1,300万円までと低めである点に注意しましょう。
法人口座開設時に必要書類は?
法人口座の開設を申し込むときには、次の書類を求められることがあります
金融機関によって異なることもあるため、申し込む前に確認しておきましょう。
法人口座の審査ポイント
法人口座の審査では、次のポイントがチェックされることがあります。
- 事業内容が明確であること
- 資本金額が少なすぎないこと
- 申請書と登記書類の住所が一致していること
- 代表者の信用度が高いこと(過去に債務整理をしていない、反社会的勢力とのつながりがないなど)
また、固定電話やホームページがあることもチェックされることがあります。
法人口座の選び方を理解して、比較してから開設しよう!
自社に合う金融機関を選び、法人口座の開設を申し込みましょう。利用手数料の安さやATMの多さなども重要ですが、社会的信用を得られるかという点も重要です。
個人事業主の口座開設については、次の記事で詳しく説明しています。ぜひご覧ください。
よくある質問
法人口座を開設するメリットは?
資金の流れがわかりやすくなります。取引先から信用を得られるだけでなく、取引しやすくなります。詳しくはこちらをご覧ください。
法人口座を選ぶポイントは?
手数料や月額基本料、審査の通りやすさ、社会的信用の高さ、振込限度額、インターネットバンキングの利用可能時間などに注目します。また、融資の金利にも注目する必要があります。 詳しくはこちらをご覧ください。
法人口座の審査では何がチェックされる?
事業内容や資本金額について確認されることが一般的です。また、資本金のうちの自己資金の割合についても確認されることがあります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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