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  • 更新日 : 2021年6月11日

個人事業主の開業にはいくら必要?資金調達の方法、助成金・手当まとめ

個人事業主の開業にはいくら必要?資金調達の方法、助成金・手当まとめ

事業を始めるとなると、資金を用意しなければなりません。しかし、実際どの程度の資金があれば開業できるのか、よくわからない人も多いのではないでしょうか?

本記事では、個人事業主の開業に必要な資金の額を解説します。資金調達の方法についても説明しますので、参考にしてみてください。

開業時にかかる費用にはどんなものがある?

まず、開業時に一般的にかかる費用の種類をピックアップしてみましょう。

賃借物件の敷金・礼金や保証料

店舗やオフィスを借りる場合には、初期費用として敷金・礼金または保証料などがかかります。自宅開業の場合にはこうした費用はかかりません。

リフォーム費用

店舗やオフィスとして使える形にリフォームするための工事費等がかかることがあります。自宅開業でも、リフォームは必要な場合があります。

パソコンなどの機器の購入・リース費用

開業すれば、事業用のパソコンやその他のOA機器が必要になります。家庭用のプリンターでは機能が不十分なことが多く、自宅開業でも新たに購入しなければならないケースがあります。こういった機器は、購入する以外に、リースで調達する方法もあります。

通信回線などの工事費用

電話やインターネットを使うための工事費用も考えておきましょう。自宅開業の場合でも、家庭用とは別に、事業専用の電話を用意するのがおすすめです。この場合には、回線追加のための費用がかかります。

事務用机や応接セットなどの備品購入費用

オフィスを借りる場合には、事務用デスクや応接セットなど大型の備品も必要でしょう。その他、文房具などを購入する費用もかかります。

チラシやホームページの制作費用

集客のためにチラシを作る場合には、紙代や印刷代がかかります。ホームページを作る場合には、サーバーのレンタル料やドメイン取得費用が発生します。チラシやホームページの制作を専門の業者に依頼することもできますが、もちろん手数料が必要になります。

運転資金はどれくらい準備しておくべき?

開業時には、当面の運転資金も必要です。開業資金を準備するときには、運転資金のことも考慮しておきましょう

運転資金が必要な理由

開業後、すぐに事業が軌道に乗るとは限りません。また、取引先等の締め日の関係で、売上後に現金が入ってくるまで時間がかかることが多くなります。

入金がない間も、毎月の経費の支払いは発生します。現金が不足して支払いが滞ることのないよう、運転資金が必要です。

少なくとも3カ月分の運転資金を準備

開業時には、少なくとも3カ月分の支払いができる程度の運転資金を用意しておくと安心です。また、軌道に乗るまでに時間がかかる飲食店等は、6カ月程度の運転資金があった方がよいでしょう。

開業費用の平均額や資金調達方法は?

ここまでで、開業時には、さまざまな費用がかかることがわかりました。では、どれくらいの金額を、どのようにして用意しておけばよいのでしょうか? 日本政策金融公庫が新規開業企業(個人・法人)の実態を把握するために行った「2019年度新規開業実態調査」にもとづき考えてみます。

開業費用は平均で約1,000万円

「2019年度新規開業実態調査」によると、開業時にかかった費用の平均値は1,055万円となっています。ちなみに、この数字は調査が始まった1991年以降で、最も少ない金額です。

開業費用の金額別の割合としては、500万円未満が40.1%と最も多くなっています。500万円未満で開業する個人・法人の割合は調査開始以降最大となっており、低資金で開業する人が増えている実態がわかります。

日本政策金融公庫「2019年度新規開業実態調査」より抜粋
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_191122_1.pdf

自己資金の割合と資金調達先

「2019年度新規開業実態調査」では、開業時に実際に資金調達した金額についても調査されており、資金調達額の平均は1,237万円となっています。つまり、200万円程度を運転資金として用意していた人が多いことがわかります。

資金調達先としては、金融機関等からの借入が847万円(68.4%)、自己資金が262万円(21.2%)で、両者で全体のほぼ9割を占めています。

日本政策金融公庫「2019年度新規開業実態調査」より抜粋
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_191122_1.pdf

開業するなら自己資金を

開業資金としていくら必要かは、業種や開業場所によって変わってきます。近年は500万円未満で開業している人も多いですが、資金が少なくても安心というわけではありません。

金融機関等で融資を受けるにしても、自己資金をコツコツ貯めておいた方が、審査で有利になります。開業資金は計画的に貯蓄しておきましょう。

少ない資金で開業する方法

事業を始めたいけれど資金が十分でない場合には、自宅開業を検討してみましょう。また、事務所を賃借すると費用がかかりますが、レンタルオフィスやシェアオフィスなら費用を抑えられます。その他に、低資金で始められるフランチャイズを利用して起業する方法などもあります。

開業資金調達の主な選択肢

上述したとおり、個人事業主の開業の場合、数百万から1,000万円程度の資金が必要になります。以下、個人事業主が資金調達するにはどういった選択肢があるのかをご紹介し、注意点についても説明します。

親族・知人等からの借入

親や兄弟、友人・知人等から借りる方法です。親族や知人から借りる場合、利息や返済時期について明確に取り決めをしないケースも多いですが、借りたお金を返さなかったら信用を失い、人間関係にひびが入ってしまいます。

また、返さないでいると「贈与」とみなされ贈与税の課税対象になることもあります。開業資金を借りたら、返済条件を決めて、契約書を交わすようにしましょう。

日本政策金融公庫の創業融資

金融機関から融資を受ける場合、最初に検討したいのが日本政策金融公庫です。同機関は、個人事業主や中小企業の資金調達を支援しています。新規開業から2期以内なら利用できる「新創業融資」では、最大で3,000万円を無担保・無保証で借入可能です。

自治体の制度融資

制度融資とは、小規模事業者向けに、自治体が民間金融機関及び信用保証協会と連携して提供する融資制度です。通常の民間金融機関の融資に比べて審査に通りやすく、自治体の基準に合えば融資を受けられる可能性が高いでしょう。なお、利用できる制度融資の内容は、自治体によって異なります。

民間金融機関からの融資

銀行や信用金庫に直接融資を申し込む方法もあります。ただし、まだ実績のない新規開業時には信用が十分でないため、審査は厳しくなってしまいます。信用保証協会に保証を依頼して保証審査に通れば融資を受けやすくなりますので、検討してみましょう。

ビジネスローン

ビジネスローンとは、クレジット会社や消費者金融などのノンバンクが提供する事業資金の貸付です。銀行の融資に比べて審査基準が緩く、スピーディーに資金調達できるというメリットがあります。ただし、銀行等の融資に比べて金利は高くなってしまうので、返済のこともよく考えておきましょう。

補助金・助成金

補助金や助成金は国や自治体が事業資金を援助してくれるもので、要件を満たせば申請できます。融資と違って返済しなくてもよいお金なので、利用できるものがあれば積極的に活用するのがおすすめです。

クラウドファンディング

クラウドファンディングは、インターネットを通じて事業の支援者を募り、資金を調達する方法です。通常はクラウドファンディング専門のプラットフォームを利用してプロジェクトを立ち上げますが、手続きも簡単で、審査もさほど厳しくはありません。

支援者にリターンを提供することにより開業支援金を募る購入型のクラウドファンディングでは、プロジェクトで生み出される魅力的な商品やサービスをリターンとすることにより、多くの支援を集められる可能性もあります。

開業するなら資金調達の方法を考えよう

開業するためには資金が必要になります。自宅開業にすれば低資金での開業も可能ですが、運転資金は用意しておきましょう。

自己資金が十分でない場合、創業者向けの融資制度や補助金・助成金があります。要件を調べ、利用できるものがあるか確認しましょう。

よくある質問

運転資金はどれくらい準備しておくべき?

開業時には、少なくとも3カ月分の支払いができる程度の運転資金を用意しておくと安心です。詳しくはこちらをご覧ください。

開業費用の平均額や資金調達方法は?

「2019年度新規開業実態調査」によると、開業時にかかった費用の平均値は1,055万円となっています。詳しくはこちらをご覧ください。

開業資金調達の主な選択肢は?

親族・知人等からの借入、日本政策金融公庫の創業融資、自治体の制度融資、民間金融機関からの融資、ビジネスローン、補助金・助成金、クラウドファンディングなどです。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

マネーフォワード クラウド開業届で開業手続きをかんたんに

監修:並木 一真(税理士/1級FP技能士/相続診断士/事業承継・M&Aエキスパート)

並木一真税理士事務所所長
会計事務所勤務を経て2018年8月に税理士登録。現在、地元である群馬県伊勢崎市にて開業し、法人税・相続税・節税対策・事業承継・補助金支援・社会福祉法人会計等を中心に幅広く税理士業務に取り組んでいる。