- 更新日 : 2025年7月18日
女性起業家×インフルエンサーという働き方|始め方や収益モデルを解説
SNSの発展により、個人の発信力をビジネスに変える「インフルエンサーの女性起業家」が注目を集めています。InstagramやYouTube、TikTokを活用し、共感を呼ぶ発信から商品やサービスを展開する女性が増えています。本記事では、インフルエンサーとして活動する女性起業家のビジネスモデルや始め方、収益を上げやすい業種、必要なスキル、法人化・収益化のポイントを解説します。
目次
インフルエンサーの女性起業家とは?
インフルエンサーの女性起業家とは、SNSなどの発信活動を通じて影響力を持ち、その影響力をビジネスに結びつけている女性のことを指します。Instagram、YouTube、TikTokなどのプラットフォームを活用し、ファッション、美容、ライフスタイル、教育、子育てなど多様な分野で情報を発信しながら、自身の商品やサービスを展開するのが特徴です。
彼女たちはフォロワーとの信頼関係を土台に、オンライン講座やブランド商品の販売、コミュニティ運営などで収益化を図ります。「影響力を持つ発信者」にとどまらず、マーケティングや商品設計、事業運営の視点を持ち、自ら事業を切り拓く起業家としての側面が強くなっています。
近年では、女性起業家の増加とSNSの発展が相まって、インフルエンサー起業家という新しいキャリアの形が注目されており、自分らしい働き方を模索する女性たちにとって選択肢のひとつとなっています。
未経験からインフルエンサーの女性起業家になるには?
SNSで影響力を持ち、その力をビジネスに転換する「インフルエンサーの女性起業家」は、新しい働き方の一つとして注目されています。ここでは、未経験から始める人でも目指しやすいよう、ステップごとに必要な取り組みを解説します。
STEP1:SNSでの発信を始めて影響力を育てる
まずはInstagram、YouTube、TikTokなど、自分に合ったSNSで発信を始めましょう。最初から多くのフォロワーを集めようとする必要はありません。テーマを明確にし、自分の興味・経験・スキルと結びついた分野を選びましょう。たとえば育児、料理、美容、語学、ハンドメイドなど、日常の延長で発信できる内容で構いません。定期的に投稿し、フォロワーとのやりとりを通じて「この人の話をもっと聞きたい」と思ってもらえる関係性を築くことが、インフルエンサーとしての影響力の土台になります。投稿には一貫したトーンやビジュアルを持たせ、自分らしいブランドイメージを作ることが大切です。
STEP2:小さなサービスや商品を試験的に販売する
SNSである程度の反応が得られるようになったら、自分の得意分野に関連した商品やサービスを試験的に販売してみましょう。たとえば、オリジナルのアクセサリーや雑貨、オンライン講座、電子書籍、ノウハウ資料などが考えられます。BASEやSTORESなどのECツールを使えば、初期費用を抑えてネットショップを開設できます。(ただし、販売手数料や決済手数料が発生し、利用するプランによっては月額費用がかかる場合があります。)ほかにも、noteは有料記事などの情報コンテンツを直接販売できます。LINE公式アカウントも外部のECサイトや決済システムと連携することで、情報コンテンツの販売導線を構築するツールとして活用可能です。最初は小さく始めてフォロワーの反応を見ながら内容や価格を調整し、ニーズに合った商品・サービスに育てていきましょう。
STEP3:自分のブランドとしてビジネスを設計する
フォロワーとの信頼関係が強まり、商品やサービスが売れるようになってきたら、発信内容と事業内容を一致させるよう意識を高めていきます。たとえば「ナチュラルな子育てスタイル」を発信しているなら、オーガニック商品の販売や自然派育児に関する講座など、世界観に沿った展開を設計します。ここで大切なのは、自分のブランドの価値や理念を明確にし、フォロワーに一貫して伝えることです。SNSプロフィールや発信の内容、販売ページなど、すべてにおいて統一された印象を保つことで「この人から買いたい」という信頼につながります。
STEP4:起業の準備を整える
本格的に事業として展開していくには、個人事業主としての開業届を税務署に提出することが基本です。青色申告の申請も忘れずに行えば、節税の恩恵を受けやすくなります。また、売上が安定してきた段階で法人化(会社設立)を検討すると、信用面や税制上のメリットも期待できます。
あわせて、事業計画書の作成や資金計画、商品設計、顧客管理など、ビジネスの基本的なスキルも少しずつ習得していきましょう。起業セミナーや女性向け創業支援制度も活用すれば、初めての起業でも安心して準備が進められます。日本政策金融公庫の「女性、若者/シニア起業家支援資金」や、各自治体が実施する創業支援制度(女性向けのプログラムを含む)では、低利融資や専門家相談が受けられる環境も整っています。
STEP5:継続的な学びとネットワークを大切する
インフルエンサーとしても起業家としても、トレンドや市場の変化に柔軟に対応できる力が必要です。SNSアルゴリズムの変化、顧客ニーズの変化、新しい発信手段などをキャッチアップし続けるためには、定期的な情報収集や学習が欠かせません。また、同じように起業を目指す女性たちとのつながりも、貴重な学びや励みになります。コミュニティやセミナーへの参加、先輩起業家との交流を通じて視野を広げ、自分のビジネスを長く続けられるよう成長していきましょう。
インフルエンサーの女性起業家が収益を上げやすい業種
SNSで影響力を持つインフルエンサーの女性起業家は、その発信力を活かしてビジネスを展開しやすい立場にあります。ここでは、フォロワーとの信頼関係や共感性を軸に、収益を上げやすい業種を分野ごとに解説します。
美容・コスメのD2Cブランド運営
InstagramやYouTubeなどで美容に関する情報発信を行うインフルエンサーは、自身のブランドでコスメやスキンケア商品を販売するD2C(Direct to Consumer)モデルと親和性が高いです。
発信者が日頃使っているアイテムやこだわりを紹介することで、フォロワーに「信頼できる商品」として認識され、購入へつながりやすくなります。製品の開発段階からフォロワーの意見を取り入れることで、共感と参加感を醸成し、初期の購買層の獲得にも成功しやすい点が特徴です。また、SNS上でのリアルタイムなフィードバックによって、効率的なマーケティングや需要に即した商品開発が可能となり、継続的な収益化につなげやすくなります。
オンライン講座・コンテンツ販売
自らのスキルや経験を活かした情報発信を行っているインフルエンサーにとって、オンライン講座やデジタル教材の販売は収益化しやすい業種のひとつです。たとえば語学学習、デザイン、起業ノウハウ、SNS運用術、ライフスタイル提案など、フォロワーが「学びたい」「真似したい」と思うテーマを選ぶことで、講座への参加意欲が高まりやすくなります。プラットフォームは自社のウェブサイトやSTORES、BASE、noteなどがあり、サブスクリプションモデルや単発販売形式も選択可能です。動画・PDF・ワークシートなどを組み合わせることで付加価値を高められるほか、自動販売によって時間の制約を受けずに売上を上げることができます。こうした知識ビジネスは在庫リスクがない点も大きなメリットです。
アパレル・雑貨などのセレクト販売
ファッション系インフルエンサーは、自身の世界観に共感するフォロワーに向けて、アパレルや雑貨を販売することで高い収益を期待できます。完全オリジナル商品のブランド立ち上げだけでなく、既存商品をキュレーションして販売するセレクト型のECも有効です。BASEのようなツールを使えば比較的低コストで自社ECサイトを運営できるほか、Shopifyのような高機能なプラットフォームも活用可能です。Instagramとの連携により、投稿から直接購入への導線も構築できます。コーディネート提案やレビュー投稿を通じて、商品のリアルな使用感を伝えることで購買率も高まります。サイズ感や素材なども丁寧に説明すると、返品やクレームのリスクが抑えられ、信頼感を強化できます。
PR案件やスポンサータイアップ
フォロワー数やエンゲージメント率が高いインフルエンサーは、企業からのPR依頼やスポンサータイアップによって安定した収益を得ることも可能です。美容・飲食・家電・教育など幅広い分野で企業は影響力のあるインフルエンサーを活用したいと考えており、PR投稿1本あたり数万円〜数十万円の報酬が支払われるケースもあります。特に女性インフルエンサーは「リアルな生活者の声」として信頼されやすく、企業の商品やサービスを日常に自然に取り入れて紹介することで、フォロワーからの良好な反応も得られます。タイアップには契約交渉やスケジュール管理が伴いますが、メディア出演や長期スポンサー契約に発展することもあり、プロモーション活動の一環として重要な収益源になります。
コミュニティ・サロン運営
インフルエンサーが自身の価値観や知識を共有する有料のコミュニティやオンラインサロンを運営することも、安定した収益モデルとなります。月額会費を設定し、限定コンテンツ、オンライン相談会、勉強会、オフ会などを提供することで、フォロワーとの関係性をより深く築けます。教育系、美容健康系、起業支援系など、専門性が高いテーマほどリピート率も高く、長期的な収益につながります。会員との距離が近いため、ファンの声を新サービスや商品開発に生かしやすく、継続的なビジネス展開にも有効です。信頼に基づくコミュニティは、販売チャネルにとどまらず、ブランドのファン基盤として価値の高い資産となります。
インフルエンサーの女性起業家に必要なスキル
インフルエンサーとして活動しながら起業を目指す女性にとって、影響力だけで成功するのは難しく、事業として継続させるためには多面的なスキルと事前準備が欠かせません。ここでは、インフルエンサーの女性起業家としての道を着実に歩むために必要な能力と、実践前に整えておくべき要素を解説します。
マーケティングとブランディングのスキル
まず、SNSを起点としたビジネス展開には、マーケティングとブランディングの基礎について理解が必要です。投稿を重ねるだけでなく、誰に向けて、どのような価値を発信するのかを明確にした上で、発信内容を事業コンセプトと一致させていく意識が求められます。プロフィールの作り込みや投稿のテーマ統一、使用するハッシュタグ、ビジュアルの一貫性などもブランドイメージの形成に影響します。SNSで育ったフォロワーは、ブランドの世界観に共感することで購買へとつながっていきます。フォロワー数がそのまま「見込み顧客」の規模を示す指標となるため、ブランディング戦略は経営と直結しているといえます。
情報発信とフォロワーとの信頼構築
SNSでの発信は、商品やサービスの魅力を伝えるためだけではなく、フォロワーと信頼関係を築く場でもあります。成功している女性インフルエンサーは、日々の投稿やライブ配信を通じてフォロワーの声に耳を傾け、双方向のコミュニケーションを大切にしています。ただ物を売るのではなく、自身の経験や価値観を語ることで、「この人を応援したい」「この人から買いたい」と思ってもらえる関係性を築くことができます。また、フォロワーの意見や悩みに敏感に反応することは、商品開発やサービス改善のヒントにもなり、より実用的で共感性の高いビジネスを育てることにつながります。
商品企画とビジネス運営の基礎知識
起業家としての信頼を築くためには、フォロワーとの関係性だけでなく、提供する商品やサービス自体の質が重要です。インフルエンサーはターゲットとする顧客層に近い目線を自分自身で持っていることが多いため、「自分だったら欲しいと思える商品かどうか」を基準に企画を練ることができます。加えて、価格の設定、販売チャネルの選定、原価の把握、在庫管理、納期対応など、事業運営に関する知識も必要です。創業前に事業計画書を作成し、収益構造や資金の流れを把握しておくことで、売上が不安定になったときにも冷静に対応できます。各自治体や金融機関が提供している創業セミナーや相談窓口を活用すれば、こうした知識を体系的に学ぶことが可能です。
インフルエンサーの法人化・収益化のポイント
SNSで影響力を高め、安定した売上を得るようになったインフルエンサーの多くは、一定の段階で法人化を選択するようになります。ここでは、個人事業主から法人へと進む理由やメリット、多角的な収益化の動きについて整理します。
個人事業主から法人化へのタイミング
女性インフルエンサー起業家の多くは、最初は個人事業主やフリーランスとして活動を開始します。しかし、年間所得が安定し800万円〜900万円を超えるような収益が継続して出てくると、法人化を検討するメリットが生じる場合があります。法人化によって節税効果が期待できるほか、経費として計上できる範囲が広がることも魅力です。たとえば、SNSコンテンツ制作のための機材費や広告費、外注費などを会社の必要経費として処理しやすくなるため、実質的な利益を圧縮しつつ健全な投資が可能になります。また、報酬を役員報酬として分配することで、所得税と法人税を最適化しやすくなるという税制上の利点もあります。
法人化するメリット
法人化によるもうひとつの大きな利点は、対外的な信用の向上です。会社組織になることで、金融機関からの融資が受けやすくなったり、大手企業との契約がしやすくなったりなど、事業機会の拡大につながります。たとえば、ある女性インフルエンサーは、SNS上の影響力で商品プロデュースやコラボ案件を展開してきましたが、法人化を機に新規事業への参入がスムーズになり、メディア出演や企業コンサルティングといった新しい収益源も確立しました。さらに法人化により、スタッフの雇用やチームづくりがしやすくなるため、個人の稼働時間だけに依存しないビジネス体制の構築も視野に入れられます。
収益源は一元管理して効率化しよう
インフルエンサーとして得られる収益には、SNS広告案件、アフィリエイト、オンライン講座、自社商品販売、イベント運営など多岐にわたるものがあります。これらを法人の事業収入として一元管理すれば、会計処理が明確になるだけでなく、事業全体の収支管理や中長期的な経営計画も立てやすくなります。たとえば、広告収入が季節やタイミングによって変動する場合でも、他の安定収益(例:講座の月額課金や物販のリピーター)と組み合わせてバランスを取ることで、収益の波を抑えることができます。また、法人化によって複数のサービスを組織的に運用できるようになると、運営体制の強化にもつながります。
多角的な収益構造を整える
成功しているインフルエンサーの女性起業家は、収益源を一つに依存せず、さまざまな手段で売上を構築しています。代表的な収益源としては、SNS広告収入、スポンサー契約、自社商品販売、オンライン講座やサロンの月額課金、書籍出版による印税、メディア出演などがあります。法人化することで、これらをビジネスユニットとして管理しやすくなり、戦略的に強化したい領域への投資や新規事業の展開もしやすくなります。たとえば、自社商品を量産・OEM化して全国展開したり、ブランドライセンスを外部に提供したりといった動きも、法人という枠組みがあることで実現しやすくなります。
インフルエンサーはSNS時代に輝く新たな起業スタイル
インフルエンサーの女性起業家は、SNSを活用した発信力をビジネスに転換し、自分らしい働き方を実現しています。日常の延長にあるテーマから発信を始め、フォロワーとの信頼関係を築くことで、商品販売やオンライン講座、コミュニティ運営などへ展開可能です。マーケティングや商品設計、事業運営のスキルを身につけながら、収益化・法人化へと成長するその姿は、今後の女性のキャリア形成に新たな選択肢を与えています。未経験からでも挑戦できる環境が整いつつある今、SNSを味方につけた起業という道が、多くの女性に広がっています。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
プログラマーが起業におすすめの理由は?プログラミングスキルを活かそう!
プログラマーの起業は、初期費用が抑えられるなど多くのメリットがあります。プログラマーとして創業し、成功している起業家は少なくありません。 本記事ではプログラマーが起業におすすめな理由やビジネスモデル、必要なスキル・経験などをご紹介します。 …
詳しくみる山梨県で受けられる創業支援は?補助金や融資、相談窓口などを解説
山梨県で起業をする場合、特定創業支援等事業や補助金・助成金など様々な支援制度を利用することができます。この記事では、山梨県で事業を始める際に活用できる様々な支援策について詳しく解説していきます。 山梨県の特定創業支援事業 山梨県における起業…
詳しくみる神奈川で受けられる創業支援は?補助金や融資、相談窓口などを解説
神奈川県で起業をする場合、特定創業支援等事業や補助金・助成金など様々な支援制度を利用することができます。この記事では、神奈川県で起業を考えている方が利用できる様々な支援制度について、その内容や活用方法を詳しく解説します。 神奈川県の特定創業…
詳しくみるベンチャーとは?ベンチャー企業が成長するビジネスモデルを解説
国内市場が成熟している日本では、新しい市場を開拓する力のあるベンチャー企業への注目が高まっていますが、 そもそも、ベンチャーとはどのような意味かご存知ですか?ここでは、ベンチャー企業の定義やベンチャービジネスの仕組みにまつわる基礎知識につい…
詳しくみる女性起業家が利用できる創業支援制度まとめ!助成金や相談窓口も紹介
女性起業家向け創業支援制度には、経済産業省による支援制度をはじめ、地方自治体や一般社団法人による支援制度などがあります。では、実際にどのような支援内容の制度があるのでしょうか。この記事では、女性起業家向けの創業融資や創業支援について紹介しま…
詳しくみる東京都で利用できる創業支援は?融資や助成金・スタートアップ向けの支援について解説
東京都で起業する際に利用できる創業支援には、さまざまなものがあります。東京都の特定創業支援等事業や東京都内の市区町村が主体の創業支援などです。 本記事では、東京都で起業する際に利用可能な創業支援についてまとめました。これから起業を検討してい…
詳しくみる