• 更新日 : 2026年1月21日

3社間ファクタリングとは?2社間との違いやメリット・流れを解説

3社間ファクタリングは、利用者・ファクタリング会社・取引先(売掛先)の三者で契約を結ぶ資金調達方法です。2社間契約と比較して手数料を大幅に抑えられる点が最大の魅力ですが、取引先への通知が必須となるため、関係性への配慮が欠かせません。

この記事では、3社間ファクタリングの仕組みや手数料相場、具体的な利用の流れをわかりやすく解説します。

3社間ファクタリング(3社間契約)とは?

3社間ファクタリングとは、売掛先(取引先)からの承諾を得たうえで、ファクタリング会社へ売掛債権を譲渡する仕組みのことです。

この契約形態では、売掛先が直接ファクタリング会社へ代金を支払うため、未回収リスクが低く抑えられます。その結果、手数料が安く設定されやすく、利用者はコストを最小限にして資金調達が可能です。「3者間」や「三者間」とも表記されますが、内容は同一です。ただし、取引先に資金繰りの事実を知られることになるため、事前の丁寧な説明が求められます。

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3社間ファクタリングと2社間ファクタリングの違いは?

3社間と2社間の主な違いは、「取引先への通知の有無」「手数料の安さ」「資金化までのスピード」の3点にあります。

3社間はコスト面で優れていますが、手続きに時間がかかるのが一般的です。一方で2社間は、手数料は高めですが、取引先に知られずスピーディーに現金化できます。それぞれの特徴を比較した以下の表を参考に、自社の優先順位に合わせて契約方式を選んでください。

比較項目3社間ファクタリング2社間ファクタリング
取引先への通知必須(承諾が必要)原則不要
手数料相場1%〜9%程度8%〜18%程度
資金調達スピード数日〜2週間程度最短即日〜数日
審査難易度比較的通りやすいやや厳しい
売掛金の回収ファクタリング会社が直接回収利用者が回収して送金

ここでは、両者の違いについて詳しく解説します。

違い1:取引先への通知の有無

最大の違いは、取引先にファクタリングの利用を通知し、承諾を得る必要があるかどうかです。

3社間ファクタリングでは、取引先に対して「債権譲渡通知」を行い、支払先の変更を承諾してもらうプロセスが欠かせません。取引先を契約に巻き込むことになるため、どうしても資金調達の事実が知られてしまいます。

対して2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社の二者間のみで完結します。取引先への通知は原則不要であるため、今後の取引関係への影響を懸念する場合や、信用不安を持たれたくない場合には2社間が選ばれる傾向にあります。

違い2:手数料の相場

手数料に関しては、3社間ファクタリングのほうが圧倒的に安く設定されるのが特徴です。

一般的な相場は、3社間が売掛金額の1%〜9%程度であるのに対し、2社間は8%〜18%程度と高くなる傾向があります。これは、3社間契約では売掛先が直接支払うため、ファクタリング会社にとっての貸し倒れリスクが低いからです。

たとえば100万円の調達を行う場合、数パーセントの手数料率の差でも、手元に残る金額には数万円単位の違いが生まれます。少しでもコストを抑えて資金を確保したいのであれば、3社間契約が断然有利といえるでしょう。

違い3:資金調達のスピード

現金化までのスピードは、手続きがシンプルな2社間ファクタリングのほうが速いといえます。

2社間は取引先の承諾が不要なため、審査さえ通れば即日で契約・入金が完了するケースも珍しくありません。緊急の支払いが迫っている場合には非常に頼りになる存在です。

一方、3社間ファクタリングは、取引先への説明や承諾書の取り付けが必要になるため、申し込みから入金までに数日から1週間、場合によっては2週間程度かかることがあります。相手方の都合にも左右されるため、スケジュールには十分な余裕を持つことが重要です。

3社間ファクタリングのメリットは?

3社間ファクタリングを利用するメリットは、コストの安さと審査の柔軟さに集約されます。

ファクタリング会社にとってリスクが低い契約である分、利用者には好条件が提示されやすいのが魅力です。具体的には、圧倒的に低い手数料での調達が可能になる点や、自社の業績に関わらず審査に通りやすい点などが挙げられます。

ここでは、3社間ファクタリングならではの3つのメリットについて解説します。

手数料が安い

一つ目のメリットは、他の資金調達方法と比較しても手数料を低く抑えられることです。

前述のとおり、手数料相場は1%〜9%程度と非常に低水準です。これは、売掛先から直接回収できる仕組みにより、ファクタリング会社が安心して買い取りを行えるためです。

たとえば500万円の売掛債権を現金化する場合、手数料が15%の2社間契約では75万円が引かれますが、5%の3社間契約なら25万円で済みます。この50万円の差は利益に直結するため、財務体質を強化したい企業にとっては見逃せないメリットとなります。

審査に通りやすい

二つ目のメリットとして、審査のハードルが比較的低いことが挙げられます。

ファクタリングの審査では、利用者(自社)よりも売掛先(取引先)の信用力が重視されます。とくに3社間ファクタリングでは、売掛先が支払いを承諾するため、ファクタリング会社のリスクは極めて限定的です。

そのため、利用者自身が赤字決算や税金滞納などの問題を抱えていても、売掛先の経営状態が良好であれば審査に通る可能性が高くなります。銀行融資を断られてしまった場合でも、この方法であれば資金調達の道が開けるケースは少なくありません。

個人事業主も利用できる

法人だけでなく、個人事業主でも利用しやすい点も大きなメリットです。

2社間ファクタリングでは、債権譲渡の対抗要件として「債権譲渡登記」を求められることがありますが、個人事業主は原則としてこの登記ができません。そのため、2社間契約自体を断られるケースがあります。

しかし、3社間ファクタリングならば、取引先からの「承諾」を得ることで対抗要件を満たせるため、登記の手続きが不要です。これにより、登記ができない個人事業主や、登記費用を節約したい小規模事業者であっても、スムーズに利用できる環境が整っています。

3社間ファクタリングのデメリットは?

メリットの多い3社間ファクタリングですが、導入にあたってはデメリットもしっかり理解しておく必要があります。

とくに「時間」と「信用」に関わる部分は、ビジネスへの影響が大きいため慎重な判断が求められます。取引先を巻き込む以上、2社間のような手軽さは期待できません。

ここでは、事前に押さえておくべき2つのデメリットについて解説します。

資金調達に時間がかかる

デメリットの一つ目は、申し込みから現金化までに時間がかかることです。

3社間ファクタリングでは、取引先に対して債権譲渡の通知を行い、承諾書に署名・捺印をもらうプロセスが発生します。郵送でのやり取りが必要な場合や、取引先が法務確認などで慎重な対応をとる場合、手続き完了までに1週間以上かかることもあります。

「今日中に資金が必要」といった緊急度の高いシーンでは、このタイムラグが命取りになりかねません。3社間を利用する際は、支払い期限から逆算して、余裕を持ったスケジュールで動くことが不可欠です。

取引先への通知が必要

二つ目は、取引先にファクタリングの利用を知られてしまうことです。

日本ではまだ「ファクタリング=資金繰りが苦しい」というイメージを持つ企業も存在します。通知を行った際に「この会社は経営が危ないのではないか」と不安視され、今後の取引縮小を示唆されるリスクもゼロではありません。

こうした事態を避けるためには、単に通知書を送るだけでなく、事前に資金調達の目的(前向きな投資やキャッシュフロー改善など)を丁寧に説明し、理解を得る努力が必要です。信頼関係を維持するための配慮が求められます。

3社間ファクタリングが向いているケースは?

3社間ファクタリングは、特定の条件下で最大の効果を発揮する資金調達手段です。

コスト削減を最優先する場合や、取引先との関係が強固で協力が得られる場合には、積極的に検討すべき選択肢といえます。逆に、スピードや機密性を重視する場合は不向きかもしれません。

ここでは、どのような状況であれば3社間ファクタリングの利用が向いているのか、代表的な3つのケースについて解説します。

ファクタリングを初めて利用する場合

初めてファクタリングを利用する企業には、3社間ファクタリングが適しています。

3社間契約に対応している会社には、銀行系や大手資本の業者が多く、コンプライアンス意識が高い傾向にあります。契約内容も透明性が高く、取引先を含めた三者間で確認を取り合うため、悪質な手数料を請求されるリスクが極めて低いのが特徴です。

また、不明点があれば取引先を交えて確認できるため、契約トラブルを未然に防ぎやすいという安心感もあります。安全性を最優先に考えるなら、まずは3社間から検討することをおすすめします。

資金調達までの時間に余裕がある場合

支払い期日まで日数があり、資金調達を急いでいない場合は、3社間ファクタリングが賢明な選択です。

前述のとおり、3社間は手続きに時間がかかりますが、その分手数料を低く抑えられます。「来月末の資金を今のうちに確保したい」といった計画的な調達であれば、スピードよりもコストメリットを優先すべきでしょう。

時間に余裕があれば、取引先への説明も丁寧に行うことができ、承諾を得るための準備もしっかりと整えられます。焦って高い手数料の2社間を選ぶ必要はありません。

とにかく手数料を抑えたい場合

利益率が低い業種や、調達額が大きい場合など、とにかくコストを抑えたいケースにも向いています。

売掛金額が大きくなればなるほど、手数料率の違いが最終的な手取り額に大きな差を生みます。たとえば1,000万円の調達で手数料が10%違えば、100万円もの差になり、経営へのインパクトは甚大です。

取引先に知られるリスクと、コスト削減のメリットを天秤にかけ、コスト削減の効果が上回ると判断できるのであれば、迷わず3社間ファクタリングを選択すべきです。実利をとる経営判断として有効といえます。

3社間ファクタリングを利用する流れは?

3社間ファクタリングを利用するためには、正しい手順を理解し、段取りよく進めることが大切です。

取引先への依頼が含まれるため、不手際があると信用問題に発展しかねません。基本的には、業者の選定から始まり、審査、契約、そして取引先への通知というプロセスを経ることになります。

ここでは、一般的な利用フローを5つのステップに分けて解説します。

ファクタリング会社の選定

まずは、3社間ファクタリングに対応している信頼できる業者を探すことから始めます。

すべてのファクタリング会社が3社間契約に対応しているわけではないため、公式ホームページなどで対応可否を確認しましょう。選定時は手数料だけでなく、これまでの実績や担当者の対応品質もチェックポイントです。

とくに3社間の場合、ファクタリング会社の担当者が取引先に直接説明を行うケースもあります。そのため、担当者のビジネスマナーや説明能力の高さは、その後の取引関係を守るうえでも非常に重要な要素となります。

申し込みと審査

利用したい会社が決まったら、申し込みを行い審査を受けます。

審査に必要な書類は業者によって異なりますが、一般的には「決算書(2〜3期分)」「売掛金の内容がわかる書類(請求書、契約書など)」「通帳のコピー」などが求められます。

3社間ファクタリングでは売掛先の信用力が重視されるため、売掛先との継続的な取引履歴がわかる通帳などは重要な判断材料となります。書類に不備があると審査が長引く原因になるため、事前に漏れなく準備しておきましょう。

ファクタリング契約の締結

審査に通過し、提示された条件に合意できれば、ファクタリング契約を締結します。

契約書には、債権譲渡の条件や手数料、償還請求権(リコース)の有無などが詳細に記載されています。とくに償還請求権は、万が一売掛先が倒産した場合に自社が責任を負うかどうかを決める重要な項目です。

一般的なファクタリングでは償還請求権がない「ノンリコース」契約が多いですが、念のため契約書の内容を細部までよく確認しましょう。不明点があれば署名前に必ず質問して解消することが大切です。

取引先への通知と承諾

契約締結の前後で、取引先に対して債権譲渡の通知を行い、承諾を得ます。

実務的には、利用者とファクタリング会社の連名で「債権譲渡通知書」を作成し、取引先に送付または持参して説明を行います。取引先が内容を確認し、問題がなければ「承諾書」にサインをして返送してもらいます。

この承諾書がファクタリング会社に届いた時点で、手続きが法的に完了します。このステップが最も時間がかかる部分であり、取引先の協力がスムーズに得られるかどうかがカギとなります。

債権譲渡と入金・回収

承諾書の確認が取れ次第、ファクタリング会社から利用者の口座へ買取代金が入金されます。

この際、売掛金額から手数料が差し引かれた金額が振り込まれます。その後、売掛金の支払期日が到来すると、取引先は利用者ではなく、ファクタリング会社の口座へ直接代金を振り込みます。

これにより一連の取引は完了となります。2社間ファクタリングのように、利用者が一度回収してから送金する手間はなく、回収業務はすべてファクタリング会社が行うため、管理コストも削減できます。

3社間ファクタリングにおすすめの業者は?

数あるファクタリング会社の中から、3社間契約に適した業者を選ぶには、いくつかのポイントがあります。

安易に手数料だけで選んでしまうと、サポート体制が不十分で取引先とのトラブルを招く恐れがあります。安心して任せられる業者を見極める視点を持つことが重要です。

ここでは、とくに注目すべき4つの特徴について解説します。

実績が豊富で信頼性が高い

3社間ファクタリングでは、実績が豊富で社会的な信用度の高い業者を選ぶのが無難です。

歴史の浅い業者や運営実態が不明瞭な業者が取引先に連絡を入れると、取引先が不信感を抱く可能性があります。一方で、銀行の子会社や上場企業、長年の運営実績がある企業であれば、取引先も安心して承諾しやすくなります。

公式ホームページで運営歴や累計買取額、資本金などを確認し、企業としての体力が十分にある業者を選びましょう。相手方の安心感も考慮した業者選びが成功への近道です。

取引先との関係を配慮してくれる

取引先への配慮が行き届いているかも重要な選定基準となります。

3社間契約ではファクタリング会社が取引先に連絡をとる場面がありますが、その際に威圧的な態度をとったり、説明が不十分だったりすると、利用者の評判まで落としてしまいます。

利用者の立場に寄り添い、取引先に対して失礼のないよう丁寧に対応してくれる業者や、場合によっては黒子に徹して目立たないように振る舞ってくれる業者を選ぶことが大切です。今後の取引継続を第一に考えた対応が期待できるかを確認しましょう。

手数料や料金体系が明示されている

手数料や諸費用の体系が明確に公開されている業者を選ぶべきです。

3社間ファクタリングの手数料は低水準ですが、なかには「事務手数料」などの名目で追加費用を請求し、実質的なコストが高くなるケースも稀にあります。契約前に見積書を提示し、最終的に手元に残る金額がいくらになるのかをはっきりと説明してくれる業者が誠実です。

「手数料◯%〜」という下限だけでなく、上限もしっかりと確認し、納得できる料金体系であるかを見極めてください。不透明な費用がないかをチェックすることが重要です。

柔軟なサポートを受けられる

利用者の状況に合わせた柔軟なサポート体制があるかも確認しましょう。

たとえば、地方の企業であればオンライン完結や郵送契約に対応しているか、対面が必要な場合は出張対応が可能かなどは利便性に直結します。また、ファクタリングだけでなく、資金繰り改善のコンサルティングを行っている業者であれば、根本的な経営改善のアドバイスも期待できます。

単なる資金提供にとどまらず、ビジネスパートナーとして頼りになる業者を選ぶのがおすすめです。自社の課題に寄り添った提案をしてくれるかどうかも見極めましょう。

3社間ファクタリングを利用する際の注意点は?

3社間ファクタリングはメリットが大きい反面、運用上の注意点も存在します。

これらを知らずに進めると、法的なトラブルや取引先との信頼崩壊につながるリスクがあります。スムーズかつ安全に資金調達を行うために、事前にリスク対策を講じておくことが欠かせません。

ここでは、とくに注意すべき2つのポイントについて解説します。

債権譲渡登記が必要な場合がある

一つ目の注意点は、ケースによって債権譲渡登記を求められる場合があることです。

通常、3社間ファクタリングでは取引先の承諾があるため、登記は不要とされることが多いです。しかし、ファクタリング会社の方針や契約内容によっては、権利関係をより強固にするために登記を必須とする場合もあります。

登記を行うと履歴が残り、金融機関などが閲覧できる状態になるため、今後の銀行融資審査などに影響する可能性があります。契約前に、登記が必須条件なのか、省略可能なのかを必ず確認しておきましょう。

取引先への説明は慎重に行う

最も注意すべきは、取引先への説明の仕方とタイミングです。

突然「債権を譲渡しました」と通知書だけを送りつけるのは避けるべきです。事前に電話や訪問で事情を説明し、「御社の経営不安ではなく、あくまで当社の早期資金化のニーズによるもの」であることを誠実に伝える必要があります。

また、「今回限りの利用である」といった見通しや、ファクタリングが公的にも認められている正当な資金調達手段であることを補足資料とともに説明すると、理解を得やすくなります。丁寧なコミュニケーションがトラブル回避のカギです。

手数料を抑えた資金調達として検討しましょう

3社間ファクタリングは、取引先の承諾が必要となるものの、手数料を大幅に抑えて資金調達ができる有効な手段です。

時間に余裕がある場合や、コスト意識の高い企業、個人事業主にとってはメリットの大きい選択肢となります。一方で、取引先への説明には細心の注意が必要です。誠実な説明と信頼できるファクタリング会社の選定ができれば、リスクを最小限に抑えて活用できます。まずは自社の状況と照らし合わせ、最適な調達方法を検討してみてください。


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