- 更新日 : 2021年6月28日
独立・開業の第一歩!「開業届」の書き方と抑えておきたい3つのポイント
会社を設立することなく個人事業主として事業を開始する場合、事業の開始時に提出が必要になるのが「開業届」。
法人を設立する場合とは異なり、特に難しい手続きはありませんが、それでも経験のない人にとっては未知の存在であることは確かではないでしょうか。
ここでは、特にこれからフリーランスとして働くことを検討している方に向けて、開業届の基本事項と抑えておくべき3つのポイントについてご紹介します。
目次
開業届とは?

そもそも開業届とは、新たに事業を開始したときに提出が必要となる書類のことで、正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。事務所の新設以外にも、増設、移転、廃止した際にも手続きを行うために必要となります。
(※国税庁ホームページより、PDFファイルのダウンロードが可能です。)
提出が必要となる対象者は個人事業を行う人全員で、提出期限は開業日から一ヶ月以内となっています。
提出先は最寄りの税務署へ
提出先は「納税地」を管轄する税務署となり、書類上は所轄税務署の署長宛となります。税務署の所在地については、国税庁のホームページにてご確認ください。
納税地は自宅の所在地が基本。事務所や店舗の場所でもOK。
納税地に関しては、通常、個人事業主であれば、自宅の所在地となるのが一般的です。
また、事務所や店舗を納税地とすることも可能です。その場合、納税地の欄には事務所や店舗の住所を記入し、その下に自宅の住所を記入します。
新設、増設、移転、廃止に係る事務所・事業所の所在地が納税地と異なる場合であっても、納税地を所轄する税務署長以外の税務署長への提出は不要です。
なお、これらの事務所・事業所を納税地として選択する方は、「所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書」を提出してください。
提出方法は持ち込みか郵送
届出書は直接税務署に持参、または郵送のほか、電子申告での提出も可能です。
開業届について抑えておきたい3つのポイント
1.手元で保管する開業届の控えには、受付印をもらうこと
後々、屋号の口座を開設する際などに、銀行をはじめとした金融機関から開業届の提出を求められることがあります。そのため、後で困らないように提出用の開業届の控えを保存しておきましょう。また、その控えにも受付印をもらっておくことを覚えておきましょう。
2.職業欄の記入は「日本標準職業分類」を参考に

職業欄を記入する際は、総務省統計局の「日本標準職業分類」を参考にするとよいでしょう。
3.開業届と共に「青色申告承認申請書」の提出を!
個人事業主は自分で1年間の所得を計算し、税額を確定させる確定申告を行います。その際に、通常の白色申告ではなく、様々な節税効果を受けられる「青色申告」を選ぶために必要となるのが、「青色申告承認申請書」となります。
届出書は、通常青色申告を行う予定の年の3月15日までに提出する必要があります。年の途中で開業する場合は、開業の日から2ヶ月以内に提出で問題ありません。
事業の開始と同時に青色申告を行う予定であれば、手間を省くためにも開業届とともに、青色申告承認申請書を税務署に提出することをおすすめします。
まとめ
いかがでしょうか。開業届については、ポイントさえ抑えて提出すれば滞りなく手続きが進み受理されます。その際、開業届と併せて青色申告申請書を提出することで、課税控除などの優遇措置などを受けることができるため、なるべく早い段階で併せて提出してしまいましょう。
個人事業主となる場合に最低限、税務署に提出しておくべき、または提出すると得をする届出書について詳しく知りたい方は実は簡単!個人事業主が開業するために必要な書類とは?についても合わせてご確認ください。
よくある質問
開業届とは?
そもそも開業届とは、新たに事業を開始したときに提出が必要となる書類のことで、正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。詳しくはこちらをご覧ください。
納税地はどこ?
納税地に関しては、通常、個人事業主であれば、自宅の所在地となるのが一般的です。また、事務所や店舗を納税地とすることも可能です。詳しくはこちらをご覧ください。
開業届について抑えておきたい3つのポイントは?
「1.手元で保管する開業届の控えには受付印をもらうこと」「2.職業欄の記入は日本標準職業分類を参考にすること」「3.開業届と共に青色申告承認申請書の提出すること」の3つがあります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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