• 作成日 : 2023年1月20日

そば屋を開業するには?必要な開業資金や成功のコツも解説

そば屋を開業するには?必要な開業資金や成功のコツも解説

そば屋の開業を考える方の中には、「本当にうまく行くのだろうか」「どれくらいの資金が必要なのか」「どのような段取りで開業を進めればよいのか」といった不安を覚えている方もいるのではないでしょうか。どれくらいの規模でそば屋を営業したいのか、どのような客層をターゲットにするかによって必要な準備や資金は異なります。

本記事ではこれからそば屋を開業したいと思っている方に向けて、段取りや資金の詳細、成功のコツなどを詳しく解説していきます。

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そば屋を開業する方法

そば屋の開業形態には個人開業、フランチャイズの2種類があります。ここでは、個人開業とフランチャイズ、それぞれの特徴とメリット・デメリットについて解説します。両者の特色を踏まえて最適な方法で開業を目指してください。

個人開業

個人開業とは、その名の通り1人のオーナーがお店を切り盛りする形式のことです。

個人開業のメリットは、よくも悪くも全てを自分で決められるという点です。例えば、「こんな内装、外装にしたい」「こんなメニューを出したい」という希望を、利益率や従業員との兼ね合いを考えて好きなように決められます。

デメリットは、全ての責任を自分1人で負わなくてはならないという点です。なかなか固定客がつかず経営が厳しくなったとしても、会社員のように給料の保証はありません。

フランチャイズ

フランチャイズは大手企業が加盟店に対して商号や商標の使用許可、独占販売権を与えるという形です。コンビニエンスストアのような形態を思い浮かべてください。

フランチャイズのメリットとしては、フランチャイズ本部が大手のそば屋であることが多く、老若男女問わずにお店の認知度が高い点にあります。認知度が高ければその分お客さんを確保しやすく、売上が上がる可能性も高いでしょう。

デメリットは、自分でメニューの種類や料金を決めることができないという点です。

そば屋の開業資金

いざそば屋を開業するとなったら、最も気にかかるのはどれくらいの費用がかかるのかという点でしょう。個人開業とフランチャイズ、それぞれどれくらいの開業資金が必要なのでしょうか。

開業資金の目安

そば屋の開業資金は、個人開業で1,000万円ほど、フランチャイズは350万〜400万円程度が一般的です。

個人開業は、外装や内装の工事費用、調理器具などの備品費用、人件費、営業が軌道に乗るまでの運転資金などが必要となるため、1,000万円という高額な費用が必要になります。

一方フランチャイズは大手企業がバックアップをしてくれるため、個人開業ほど開業資金がかからないことが一般的です。とはいえ、店舗として加盟する際の加盟費や研修費など、個人開業では必要ない費用がかかる可能性があるため、ある程度まとまった金額が必要になります。

開業にかかる費用の分類

個人開業でかかる費用には、店舗取得費、設備投資費、内装・外装工事費、人件費などが挙げられます。

一方、フランチャイズは、加盟費、保証費、研修費といったフランチャイズならではの費用がかかる上、個人開業と同じように店舗取得費、設備投資費、内装・外装工事費、人件費がかかります。

ただ、個人開業でもフランチャイズでも居抜き物件などで厨房や調理器具などがある程度そろっている場合は、設備投資の費用を抑えることができるでしょう。

開業資金の調達には補助金の支援や融資もおすすめ

数百万〜1,000万円というまとまった金額を用意するのは難しいという方もいるのではないでしょうか。開業資金を調達できずに諦める前に、補助金や融資など使えるものは使ってみるのも1つの方法です。

創業支援等事業者補助金や小規模事業者持続化補助金などが用意されているため、条件に当てはまれば利用してみてください。

また、融資に関しては自己資金の2倍程度の金額を助けてくれる金融機関もあり、複数の融資を並行して受けることも可能です。

そば屋の開業前に必要な準備

そば屋の開業をするためには、いくつかやらなくてはいけないことがあります。そば作りの修業をはじめ、どのような段取りで開業準備を行うべきなのかを行程に分けてご紹介します。

そば作りの修業をする

そば屋では、まずは「そば」でいかにお客さんに満足してもらえるかというところが一番重要となります。そばの提供の仕方は、一つ一つ手打ちで麺を提供する方法と、製麺機を使って効率的に提供する方法の2種類あります。

手打ちの麺はそば粉や水の配合の仕方、練り方、切り方など店によって味わいや食感が異なりますが、まずは基本を学びましょう。

製麺機に関しては機械の正しい使用方法、材料の配分、投入のタイミング、温度管理など手打ちとはまた違った面での勉強をする必要があります。

どちらの方法にしても修業をしてからでないとクオリティーの高いそばを提供することはできませんので、師匠を探して弟子入りするほか、有名そば店で一度働いてみるのもおすすめです。なお、そば屋に弟子入りした場合、一人前になるまでに3年かかるといわれています。

店舗のコンセプト設計

どのような飲食店においても大切なのは、コンセプトを決めておくことです。どのようなお客さんをターゲットにするのか、お店の雰囲気や方向性、大切にする思いはどのようなものなのかなど、店舗の個性が光るように考えていきましょう。

資金計画を立てる

資金計画はそば屋の開業にかかわらず、飲食店開業全般において非常に大切なことです。まずは費用の概算を算出し、それに向けて初期費用の準備を進めてください。製粉機や製麺機などの専用機械はリースすると安く済む可能性もあります。

資格取得や届出を行う

開業の際に、忘れてはいけないのが資格取得や届出です。後述しますが、そば屋を開業するにあたって必要な資格や許可がありますので、それらを確実にクリアしておく必要があります。

そば屋(飲食店)の開業に必要な資格・営業許可

そば屋を開業するには、資格の取得や届出をする必要があります。具体的にどのような資格や届出が必要なのか知っておくと、開業までの道のりがスムーズに進むでしょう。

食品衛生責任者

まず必要なのが食品衛生責任者という資格です。食品衛生責任者は1店舗につき必ず1人常駐していなければならないということが法律で定められています。食品衛生責任者は、店舗の衛生管理を行うリーダー、責任者の役割を果たします。

食品を扱う飲食店においてはこの資格が必要不可欠で、後にご紹介する飲食店営業許可を取得する際にも必要です。もし食品衛生責任者がいない場合は、飲食店営業許可を申請することができません。

ただし、食品衛生責任者は経営者本人でなくてもよいため、店舗に常駐しているスタッフを食品衛生責任者にしている店舗も多く見受けられます。

約6時間の「食品衛生責任者要請講習」を受けると受講修了証が授与されます。講習の予約を取るところから始めましょう。

また、例外としてすでに栄養士や調理師など「食品に関する知識が十分である」と見なされる資格を保有している場合、講習は免除され、届出だけするので問題ありません。

飲食店営業許可

飲食店営業許可は、飲食店を開業する際に必要となる届出です。この届出を出さずに無許可で営業した場合は食品衛生法などで違反となり、2年以下の懲役や200万円以下の罰金を支払わなくてはならない可能性がありますので注意してください。

また、先述した通り、飲食店営業許可を得るためには、店舗に1人の食品衛生責任者が常駐させる必要があります。営業許可を受ける際には管轄の保健所に申請をして検査に合格しなければなりません。

そば屋は儲かるのか?

そもそも「そば屋というビジネスは儲かるのか」と開業するにあたって不安を覚える方もいるのではないでしょうか。

そこで、そば屋の開業が失敗しないためのコツやそば屋の平均的な年収、潰れるそば屋と潰れないそば屋の違いなどを見ていきましょう。

そば屋の平均年収

手打ちそば屋の店主の平均年収は店舗の規模や売上にもよりますが、そばの材料費などまとまった費用が必要であるため約350万〜450万円です。しかし、客単価が高いそば屋の場合は、1,000万円以上の年収を実現することも夢ではありません。

ランチ営業や単品、定食のみのメニューしか用意していない場合は客単価が低くなり、1人あたり1,000円以下となってしまうことが多いようです。しかし、ディナー営業やお酒のおつまみとなるようなメニューを展開する場合は、客単価が高くなる傾向にあります。

儲かっているそば屋は客単価を高く設定していたり、回転率を上げたりと工夫をしています。ほかの店舗との差別化ができるようなそばを提供したり、ほかの店舗にはない個性的なメニューを取り扱ったりすると儲かるそば屋となる可能性があるでしょう。

そば屋として成功する(失敗しない)ためのコツ

潰れるそば屋と潰れないそば屋の違いとして一番に挙げられるのが、その店舗にしかないオリジナリティーの高いメニューを提供できるかという点です。

個性的なメニューはお客さんから「このお店でしか食べられない」と思ってもらえるため、リピーターが定着しやすく、客単価が上がる要因になるでしょう。

手打ちそば屋の場合はそばを打つ労力を考えると、1日に提供できる数に限界があります。サイドメニューやおつまみ、お酒の種類などを充実させるとよいでしょう。

そば屋の確定申告

そば屋に限らず、開業すれば確定申告をしなければなりません。初めて開業する方の中には、どのように確定申告をすればよいかわからないという方もいるでしょう。そこで、そば屋の確定申告について詳しく解説します。開業前の参考にしてください。

そば屋で確定申告が必要な場合とは?

基本的に事業を営んでいる場合には確定申告が必要となりますが、例外として不要なケースがあります。個人事業主の場合、1年間の所得が48万円以下であれば確定申告は不要です。しかし、そば屋を開業すれば、それ以上の利益が出ることが予想されますので、ほぼ100%確定申告をする必要があるということになります。

確定申告の方法

正確な申告を行わないと追徴課税が課されることもあります。確定申告と聞くと「難しそう」と感じられるかもしれませんが、大きなポイントは2つです。

1つ目は12月31日時点での在庫金額を「仕入れ」として計上するという点です。仕入れたものがまだ販売されていない、売上になっていないもののことを「たな卸資産」といいます。当然、そば粉だけではなく塩や油、水なども仕入れとして見なされるので、別表でたな卸資産を管理する表を作成するのが好ましいでしょう。

2つ目は経費や領収書の保管を確実に行うことと、それらを帳簿に記入するという点です。大まかにご紹介しましたが、詳しい内容はこちらに記載されていますので、ぜひ一度目を通してみてください。

開業資金や確定申告についてしっかり理解した上で、そば屋を開業しよう!

そば屋を開業するとなれば、具体的な段取りや資金計画などあらゆる点に疑問を感じるでしょう。「本当に儲かるのか」と不安になるかもしれませんが、開業資金や確定申告など特にお金に関する知識をしっかりと身につけておけば、トラブルの多くは避けられます。

手打ちそば屋の開業は決して簡単ではありませんが、自分が打ったそばをおいしそうに食べてもらえるのはうれしいことです。ぜひお客さんに愛されるそば屋を目指してみてください。

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よくある質問

そば屋の開業資金の相場と足りない場合の対処法は?

個人開業で1,000万円、フランチャイズで400万円程度かかります。自己資金で足りない場合は補助金や融資を検討してみてください。詳しくはこちらをご覧ください。

そば屋を開業するならどのような形式がある?

そば屋の開業形式は個人開業とフランチャイズの2種類で、両者ともに一長一短があるため何を重視するかで形式を決めてください。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:坪 義生(社会保険労務士)

じんじ労務経営研究所代表(社会保険労務士登録)、労働保険事務組合 鎌ヶ谷経営労務管理協会会長、清和大学法学部非常勤講師、「月刊人事マネジメント」(㈱ビジネスパブリッシング)取材記者。社会保険診療報酬支払基金、衆議院議員秘書、㈱矢野経済研究所、等を経て、91年、じんじ労務経営研究所を開設。同年より、企業のトップ・人事担当者を中心に人事制度を取材・執筆するほか、中小企業の労働社会保険業務、自治体管理職研修の講師など広範に活動。著書に『社会保険・労働保険の実務 疑問解決マニュアル』(三修社)、『管理者のための労務管理のしくみと実務マニュアル』(三修社)、『リーダー部課長のための最新ビジネス法律常識ハンドブック』(日本実業出版社、共著)などがある。

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