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  • 作成日 : 2020年12月25日

給与支払事業所等の開設・移転・廃止届出書の書き方<記入例付き>

個人事業主が従業員を雇用する場合には、税務署に提出が必要な書類があります。そのうちの1つが、「給与支払事業所等の開設届出書」です。

本記事では、個人事業主が「給与支払事業所等の開設届出書」を提出する場合の書き方や注意点について説明します。届出が必要な個人事業主は、忘れずに手続きするようにしましょう。

従業員を雇う場合に必要な手続き

個人事業主が従業員を雇用して給料を支払う場合には、税務署への届出が必要になります。

従業員を雇う場合に提出が必要な書類

従業員を雇用することになった時に提出する書類は、「給与支払事業所等の開設届出書」「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」「青色事業専従者給与に関する届出書」の3つです。

ただし、必ず3つとも提出が必要なわけではありません。それぞれの書類の提出が必要な場合は、以下のとおりです。

書類の名称必要な場合
給与支払事業所等の開設届出書
従業員を雇用する場合
(開業時から雇用する場合には不要)
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書本来毎月納めなければならない源泉所得税を、半年分まとめて納付する場合
青色事業専従者給与に関する届出書家族を青色事業専従者にし、払った給与を必要経費に算入する場合

それぞれの書類の書式は税務署でもらえるほか、国税庁のホームページからダウンロードも可能です。

給与支払事業所等の開設届出書
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
青色事業専従者給与に関する届出書

「給与支払事業所等の開設届出書」の目的

「給与支払事業所等の開設届出書」は、従業員を雇用して給与を支払う場合に提出する書類です。

従業員を雇用したら、事業主は従業員の給与から源泉徴収を行って所得税を納めなければなりません。「給与支払事業所等の開設届出書」は、従業員へ給料の支払いを行うことを税務署に知らせ、源泉所得税の納付書を送ってもらうために必要なのです。

「給与支払事業所等の開設届出書」は、会社の場合には設立時に必ず提出しなければなりません。しかし、個人事業主の開業時には、開業届(「個人事業の開業・廃業等届出書」)に「給与等の支払の状況」について記入する欄(下図の(a)、(b))があるため、別途「給与支払事業所等の開設届出書」を提出する必要はありません。

国税庁:個人事業の開業・廃業等届出書

国税庁:個人事業の開業・廃業等届出書より抜粋

「給与支払事業所等の開設届出書」の提出期限

「給与支払事業所等の開設届出書」は、給与支払事務所の開設の事実があった日から1カ月以内となっています。開業時には従業員はいなかったものの、途中から従業員を雇用するようになった場合、雇用した日から1カ月以内に税務署に提出しなければなりません。

期限までに提出しなかったら?

「給与支払事業所等の開設届出書」を期限内に提出していなくても、ペナルティはありません。

ただし、本来納めなければならない源泉所得税を納めていなければ、追徴課税され、余分な税金を払うことになってしまいます。たとえ提出期限に遅れても、届出書を提出しておき、源泉所得税の納付も忘れないようにしましょう。

「給与支払事業所等の開設届出書」が必要なケース

「給与支払事業所等の開設届出書」は、従業員を雇用して給与を支払う場合に提出しなければなりません。特に、以下のようなケースでは、「給与支払事業所等の開設届出書」の提出が不要と誤解してしまいがちですので、注意しておきましょう。

パート・アルバイトを雇う場合

「給与支払事業所等の開設届出書」の提出が必要なのは、正社員を雇った場合だけではありません。パートやアルバイトを雇用した場合にも提出が必要です。

源泉徴収の必要がない場合

パートやアルバイトで源泉徴収が必要になるのは、給与が月88,000円以上の場合です。月88,000円未満の場合には、源泉徴収は必要ありません。ただし、税務署の方で納税状況をチェックすることになるため、源泉徴収の予定がなくても、「給与支払事業所等の開設届出書」の提出は必要になります。

家族を青色事業専従者にする場合

青色申告する場合、事業を手伝ってもらう家族を青色事業専従者として届出をすれば、その家族に払う給与を全額必要経費に算入できるというメリットがあります。青色事業専従者に給与を払う場合には「給与支払事業所等の開設届出書」だけでなく、「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出も必要です。

「給与支払事業所等の開設届出書」の書き方

「給与支払事業所等の開設届出書」が必要な場合には、書類を入手した後、必要事項を記入して税務署に提出しましょう。以下、届出書の入手方法や書き方を説明します。

届出書の入手方法

「給与支払事業所等の開設届出書」の書式は、国税庁のホームページからダウンロードできます。印刷できない場合には、最寄りの税務署で用紙をもらって記入しましょう。

税務署の書式を見ながらエクセルやワードで作成してもかまいません。またインターネット上でテンプレートも無料配布されています。

届出書の記入例

(1)提出日及び提出先
税務署に届出書を提出する日付を記入し、提出先の税務署を書きます。提出先は、納税地を管轄する税務署です。

(2)事業主の情報
納税地として届出している住所、事業主の氏名、マイナンバーを書きます。屋号を使っている場合には、「氏名又は名称」に屋号を記入し、「代表者氏名」に事業主の氏名を記入しましょう。

(3)開設・移転・廃止年月日
「開設」に〇をつけ、事務所等を開設した日付を書きます。

(4)給与支払を開始する年月日
従業員に給与の支払いを開始する日付を書きます。

(5)届出の内容及び理由
「開設」の欄の「開業又は法人の設立」にチェックを入れます。

(6)給与支払事務所等について
空欄でかまいません。

(7)従業員数
従業員の人数を記入します。

控えも用意する

届出書を提出する時には、控えも一緒に提出しましょう。税務署では、控えに受領印を押して返却してくれます。

なお、控えにはマイナンバーを記載しないようにします。控えとしてコピーした書類にマイナンバーが印刷されてしまった場合には、黒いペンで塗りつぶす等してマスキング処理しておきます。

届出書の提出方法

「給与支払事業所等の開設届出書」は、税務署の窓口に持参するか、郵送で提出できます。

なお、届出書にはマイナンバーを記入するため、税務署で番号確認と身元確認が行われます。税務署に行く際には、番号確認書類と身元確認書類を忘れないように持参しましょう。番号確認書類と身元確認書類として使えるものは、以下のようなものです。マイナンバーカードなら1枚で両方の書類を兼ねることができます。

番号確認書類身元確認書類
マイナンバーカード
・通知カード(※住所・氏名に変更がない場合に限り利用可)
・住民票(マイナンバー入り)
・住民票記載事項証明書(マイナンバー入り)
・運転免許証
・パスポート
・健康保険証

従業員の給料を払うなら「給与支払事業所等の開設届出書」を提出

開業後に従業員を雇う場合、正社員であるかパート・アルバイトであるかにかかわらず、「給与支払事業所等の開設届出書」の提出が必要になります。届出書を提出した上で、従業員の給与から所得税を源泉徴収できるよう準備をしておきましょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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監修:並木 一真(税理士/1級FP技能士/相続診断士/事業承継・M&Aエキスパート)

並木一真税理士事務所所長
会計事務所勤務を経て2018年8月に税理士登録。現在、地元である群馬県伊勢崎市にて開業し、法人税・相続税・節税対策・事業承継・補助金支援・社会福祉法人会計等を中心に幅広く税理士業務に取り組んでいる。

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