• 更新日 : 2025年3月13日

40代で起業する方法は?アイデアの出し方や成功のポイント、注意点を解説

40代で起業する方法として、会社員として働きながら起業する方法、会社を辞めて起業する方法などがあります。40代の起業では、どのようなことを考えて計画していくとよいのでしょうか。40代で起業するメリットや注意点、成功のポイントなどについて解説します。

40代で起業する方法

40代で起業する方法としては、主に以下の3つが考えられます。

  • 本業と並行して起業する方法
  • 本業を辞めて起業する方法
  • 社内スタートアップ制度を利用して起業する方法

社内スタートアップ制度は、大企業などの一部の企業で設けられている制度です。会社内に独立した組織を立ち上げる方法で、社員のモチベーション向上やリスク分散などの目的があります。

会社員の場合、本業と並行するか、本業を辞めるかといったいずれかの方法で起業するのが一般的です。本業と並行する場合は、本業に支障がきたさない程度の事業内容や規模などを検討する必要があります。

40代で起業を考えるメリット

日本政策金融公庫の「2024年度新規開業実態調査」のアンケート結果によると、2024年度(調査年度)の開業時の年齢は、全年齢の37.4%を40代が占める結果でした。40代は各世代の中でも、最も高い割合であり、40代で起業する方が多いことがわかります。

40代で起業することにどのようなメリットがあるのか、主なものを3つ取り上げます。

知識やマネジメント能力を活かせる

40代は、社会に出て20年が経過する年代です。社会経験が豊富であり、社内や取引先とのコミュニケーション能力や実務スキルもそれなりに磨かれています。長年同じ業界で働いている場合は、業界についての知識も十分に深まっている年代と言えるでしょう。40代になると管理職の経験を持つ方も増えてきます。40代では、これまで培われてきた経験やスキル、マネジメント能力などを活かしながら、事業に注力することができるでしょう。

人脈を活かせる

40代は、20代や30代などと比べると、人とのつながりも多様に、さらに濃くなっていくことが予想されます。これまで形成された人脈を活かせることも、40代で起業する強みです。

資金調達の面で信用を得やすい

20代や30代などの若年層と比べると、40代は、金融機関からの融資を受けやすい傾向にあります。長年、会社に勤務してきた実績や安定した収入を得ている実績があるためです。そのため、若年層よりも高額な融資を受けられる可能性があり、事業の視野が広がります。

40代だと、順調にいけば給与も右肩上がりに上昇して、起業するまでにそれなりの貯蓄があるケースも見られます。希望額の融資を受けられなかった場合でも、ある程度であれば自己資金でカバーできるのも40代で起業するメリットでしょう。

40代で起業を考える際の注意点

40代で起業を考えるときに注意しておきたいポイントを紹介します。

新しいスキルの習得の壁がある

40代になると、新しい知識やスキルの習得の壁が高いと感じやすくなります。個人差もありますが、40代は30代以下の若年者と比べると、記憶力などの低下が懸念点です。新しいことを覚えよう、取り入れようとしても、10代や20代などの若い人ほどの吸収力は期待できないでしょう。

また、40代の場合、自分や家族のライフプランも想像して起業を進める必要があることから、会社員の仕事と並行するケースも考えられるでしょう。本業に注力しすぎると、新規事業とのバランスが悪くなり、新規事業に必要な知識の習得が後回しになる可能性があります。

業界によっては、技術が日々更新され、トレンドも変化しやすいものです。業界選びを誤ると、新しい情報を常に入れておかねばならず苦労します。自分にとって強みのある業界など、新しいスキルの習得は時間がかかる前提で、事業のアイデアを採用していくことが重要です。

家族の理解を得ておく必要がある

40代は、家族のあらゆるライフステージが重なりやすい年代です。子どもの教育費でまとまった資金が必要になったり、住宅の取得で住宅ローンの負担が増えたりすることもあります。家族の重要なライフステージも重なるなかで、成功するかどうか先が見えない事業を開業するのはリスクでもあります。

パートナーや子どもなど家族がいる場合は、生活に影響するかもしれない家族の理解を得ておかなくてはなりません。家族への相談なしに会社を退職してしまうと、家族に負担がかかるばかりでなく、家庭が崩壊するきっかけにもなりかねないでしょう。起業したい気持ちばかりを先行させず、家族との話し合いの場をしっかり設けることも必要です。

起業アイデアの出し方、選び方

40代で起業する場合の注意点でも紹介したように、40代は新しいスキルの習得が若年者よりも難しい傾向にあります。新たな分野で事業を始めるよりも、これまでの経験などから考えた方がよいアイデアに恵まれる可能性があるでしょう。40代の起業のアイデアは、どのように出していくとよいのか、2つの方法を紹介します。

スキルや強みを整理する

40代で起業する強みは、これまでの経験やスキルが開業の足がかりになることです。まったく新しい分野で起業するよりも、自分の経験やスキルを活かした分野で起業する方が、成功する想像もつきやすいでしょう。

自分の強みを把握するために、どのようなスキルがあるか洗い出します。スキルも仕事で培ってきた技術的なスキルのほか、情報を分析するスキル、企画するスキル、データを評価するスキル、情報を整理するスキル、大人数でも円滑にコミュニケーションを図れるスキル、プレゼンテーションのスキルなどさまざまなものがあります。細かなスキルも書き出して整理し、強みになりそうなことから事業のアイデアを出していきましょう。

関連する業界から考える

起業を成功させる方法として、ニーズのある市場やニッチな市場を狙う方法があります。特定の業界について理解を深めるには、前提とする知識やトレンドなどの情報が必要です。これまでに経験のない業界に参入しようとすると、新たに入れておくべき情報量も多くなってしまいます。40代で起業を考える場合は、これまで経験してきた業界や関連する業界など、ある程度知識のある業界から需要やニッチな分野を狙っていくのが効果的です。

40代で起業をする際の手順

40代の起業の手順は、以下の通りです。

  1. 起業について考える時間を作る
  2. 起業の計画を立てる
  3. 家族に起業の相談をする
  4. 開業資金を準備する
  5. 開業する

40代の場合、会社の管理職など重要なポストについているケースもあります。管理職の場合、多忙により日々仕事に追われることも少なくないでしょう。しかし、時間がないからといって、意識して時間を作らなければ、起業に向けた準備は進みません。まずは、少ない時間でもよいため、時間を作って起業について考えられる環境にすることが重要です。

起業についてある程度計画を練り、開業後のプランが固まったら、家族に起業についての相談をします。事業計画書なども作成し、家族に納得してもらえるように十分に話し合いを行いましょう。家族の了解を得たら、開業のための資金を調達し、開業に必要な手続きを行って開業します。

40代での起業を成功に導くポイント

40代の起業で難しいのは、事業が成功しなかったときに、失敗のリスクが重くのしかかってしまうことです。廃業にまで追い込まれることで、家族のライフプランを達成できないリスク、廃業後に再就職先を見つけなければならないリスクなどがあります。

40代の起業を成功させるためにも、事業計画書は現実的な分析や数値などを用いて、詳細にかつ綿密に作成しましょう。事業計画書を現実に沿った内容に落とし込むことで、事業が軌道に乗りそうか、計画書作成の段階である程度のリスクや課題を把握できます。

また、40代でマネジメントの経験があっても、経理などのバックオフィス系の知識が十分にないケースも見られます。バックオフィス業務が滞ると取引関係や資金繰りで問題が生じる可能性もあるでしょう。基本的な知識だけでも身につけておくことをおすすめします。


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