- 作成日 : 2023年4月21日
ワンマン経営とは?社長の特徴やメリット・デメリットを解説!
ワンマン経営とは、経営者が強い権力を持ち、単独で経営判断を行う経営スタイルです。メリットもありますが、従業員がイエスマンになったり、後継者が育たなかったりなどのデメリットもあります。今回は、ワンマン社長の特徴や会社に与えるメリット・デメリット、対策や辞め方などを解説します。ワンマン経営に課題を感じている企業は必見です。
目次
ワンマン経営とは?
ワンマン経営とは、経営者が強いリーダーシップを持ち、単独で経営判断を行う経営スタイルのことです。
ワンマン経営というと、独裁的でネガティブなイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、ワンマン経営が必ずしも悪いとは限りません。一口にワンマン経営といっても、優秀な経営者が会社の舵を取って迅速な意思決定を可能にしているポジティブなパターンや、経営者が従業員の意見を一切聞き入れず、独裁的な経営を行っているネガティブなパターンもあります。
特に中小企業では、優秀な人材を十分に確保できておらず、経営者が強いリーダーシップを発揮しているケースが多いです。
ワンマン社長の特徴は?
ワンマン経営を行う社長のことを「ワンマン社長」と呼びます。ワンマン社長の特徴は、以下のとおりです。
<良い特徴>
- 意思決定や行動が早い
- 強いリーダーシップがある
- 責任感が強い
- 周囲を巻き込むのがうまい
<悪い特徴>
- 自身の経営手腕に過剰な自信がある
- 自分がすべて正しいと思い込む
- 仕事を1人で抱え込む
- 自分と同じ意見を持つ社員ばかりを優遇する
- 反対意見を聞き入れない
- 高圧的な態度をとる
このように、ワンマン社長には良い特徴もあり、経営手腕に優れていることもあります。
一方、社員の意見を聞かずに独断で経営を推し進めている場合もあり、悪い特徴に当てはまる場合は、ワンマン経営からの脱却を検討することも必要です。
ワンマン経営のメリットは?
ネガティブなイメージがあるワンマン経営ですが、以下のようなメリットもあります。
- 意思決定をスムーズに行いやすい
- 責任の所在がわかりやすい
- 従業員が緊張感を持って働ける
- 会社の求心力が高まる
経営者の優れたリーダーシップによって、迅速な意思決定を実現できるのは大きなメリットです。また、経営者が多くの責任や強い権力を持っている場合が多く、会社に良い影響をもたらすこともあります。
以下では、ワンマン経営のメリットについて解説します。
意思決定をスムーズに行える
ワンマン経営では、経営者が単独で経営判断を行うため、意思決定をスムーズに行えるのがメリットです。
市場の変化が目まぐるしい現在、スピーディーな意思決定は非常に重要視されています。あらゆる意思決定を多くの社員が議論したうえで下す場合、時間がかかってビジネスチャンスを逃してしまう可能性があります。また、リスクを回避するため、保守的な結論に至る可能性も高いです。
ワンマン経営では、経営者の一存で迅速に意思決定を行えます。経営者が下した判断が正しい場合は、ビジネスチャンスを逃すことなく、事業や会社をスピーディーに成長させられるでしょう。
責任の所在がわかりやすい
ワンマン経営では、すべての責任が経営者に集中します。そのため、責任の所在がわかりやすく、従業員が失敗を恐れて行動しなくなる、という状況を回避できるのもメリットです。さらに、従業員同士が責任をなすりつけ合うトラブルの抑制も期待できます。経営者の責任は重くなりますが、会社をスムーズに運営しやすいのが魅力です。
従業員が緊張感を持って働ける
ワンマン経営では、経営者が強い権力を持つため、従業員が緊張感を持って働きやすいのも特長です。もちろん、過度な緊張を与えることは逆効果ですが、適度な緊張は企業にとってプラスに働くものです。緊張感から集中して仕事に取り組むようになり、ミスが減ったり、仕事のスピードが上がったりと、生産性の向上が期待できます。
会社の求心力が高まる
ワンマン経営では、従業員が経営者に認めてもらおうと仕事をするため、会社の求心力が高まるのもメリットです。
ワンマン経営では、強い権力を持つ経営者が、絶対評価者となります。従業員は、「経営者に認めてもらいたい」「経営者に近いポジションに就きたい」といったモチベーションで仕事をするようになり、組織としてのまとまりが生まれやすいのは特長です。
ワンマン経営のデメリットは?
一方、ワンマン経営には以下のようなデメリットがあります。
- 従業員がイエスマンになりがち
- 企業風土に悪影響を及ぼす
- 後継者が育たない
- 業績が経営者に依存する
従業員がイエスマンになりやすく自主性が育たない点は、大きなデメリットです。また、企業風土に悪影響を及ぼし、経営体制に反対する優秀な人材が流出する可能性もあります。
さらに、長期的な視点で見ると、企業の発展を阻害するリスクがある点にも注意が必要です。
ここでは、ワンマン経営のデメリットについて解説します。
従業員がイエスマンになりがち
ワンマン経営では、経営者と違う意見を持つことが難しくなるため、従業員がイエスマンになりがちです。結果、従業員はただ経営者の指示に従うだけになってしまい、自主性が失われてしまいます。経営者の意思決定が間違っていても、反対する従業員が現れないため、重大なトラブルにつながる危険性が高いです。
また、従業員の自主性が育たないと、革新的なアイデアも生まれにくいです。結果、組織の成長に影響が出てしまいます。
企業風土に悪影響を及ぼす
ワンマン経営は、企業風土に悪影響を及ぼしやすいのもデメリットです。ワンマン経営で、経営者が従業員に高圧的な態度を取り、反対意見をねじ伏せたり自分の意見に賛成する従業員のみを優遇したりしていると、従業員から反感を買うことがあります。結果、優秀な人材が離職してしまい、企業の生産性が下がってしまうリスクが高いです。
従業員が経営者の意見に賛成しているからといって、経営者を信頼しているとは限らない点に注意が必要です。
後継者が育たない
ワンマン経営では、従業員が判断する機会が少なく、後継者が十分な経営スキルや判断力を身につけることが難しいです。企業を持続させるためには、後継者の育成が欠かせません。
後継者育成にはかなりの時間がかかります。ワンマン経営を長く続けてしまうと、有望な後継者が育たず、後継者不在に陥ってしまうでしょう。その結果、廃業を余儀なくされるリスクや、M&Aを検討せざるを得なくなる可能性があります。
業績が経営者に依存する
経営者に負担や責任が集中するワンマン経営では、業績が経営者の能力に依存しがちです。ワンマン経営が続くと、経営者が変わった瞬間に業績が急激に悪化してしまうリスクもあります。
そのためワンマン経営では、経営者に過度な負担がかかることが多いです。ストレスや長時間労働が原因で、経営者自身が働けなくなってしまうケースも否定できず、一気に経営が傾いてしまう危険性をはらんでいます。
ワンマン経営の対策や辞め方は?
ワンマン経営を進めている企業のうち、デメリットを強く実感している場合は、ワンマン経営を辞める必要があります。
ワンマン経営から脱却するためには、以下のポイントを実践することが効果的です。
- 従業員に情報を共有する
- 従業員に裁量を与えサポートする
- 従業員の自主性や責任感を育てる
まずは、経営者が1人で経営方針や業績などの情報を溜め込むのではなく、従業員に積極的に開示し、共有しましょう。従業員と一緒にアイディアを出し合い、会社を良くしていこうとする姿勢が求められます。
いきなり従業員を放任してもうまくいかないでしょう。従業員にある程度の裁量を与えつつ、困った時にサポートするのが有効です。
そして、ある程度自由に業務に取り組ませ、従業員のチャレンジや失敗を受け入れましょう。従業員がのびのびと働けるようになり、自主性や責任感を養うことにつながります。
ワンマン経営に限界を感じたら脱却を目指そう
ワンマン経営は、経営者が強い権力やリーダーシップを持って経営を推し進める体制です。スピード感のある意思決定を実現しやすく、組織としてのまとまりも生まれやすいといったメリットがあります。
一方、従業員の自主性が育たなかったり、後継者を育成できなかったりと、デメリットもある点に注意が必要です。デメリットを強く感じている場合や、企業の持続的な成長を願う場合は、ワンマン経営からの脱却を
よくある質問
ワンマン経営とは?
ワンマン経営とは、経営者が強いリーダーシップを持ち、単独で経営判断を行う経営スタイルのことです。詳しくはこちらをご覧ください。
ワンマン経営のデメリットは?
ワンマン経営には、従業員がイエスマンとなり自主性が育たなくなる、従業員から信頼されなくなり企業風土に悪影響を及ぼす、後継者が育たない、業績が経営者に依存する、などのデメリットがあります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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