- 更新日 : 2025年7月9日
会社設立登記のオンライン申請が早い!申請手続きやメリットについて解説!
法人設立時に必要な登記申請は、オンライン申請が便利です。この記事では、法務局に行くことなく短時間で登記できるオンライン申請の流れやメリットを解説します。
※当記事は法務局でのオンライン申請を想定した記事となります(マネーフォワード クラウド会社設立は電子申請に未対応です)
目次
会社設立登記はオンライン申請がおすすめ
会社設立にあたって法人登記が必要です。登記申請書類などの必要書類を作成し、法務局に提出することが求められています。
法人登記申請は、登記・供託オンライン申請システムを活用することで、オンラインで行えます。法務局に出向いて提出する時間が省けるため、登記申請を効率的にしたい方にはおすすめです。
また、法人設立ワンストップサービスを活用することで、法人登記やその他の事務手続きをワンストップで行うことが可能です。
原則24時間!オンライン申請にかかる日数
法務省が提供する「登記・供託オンライン申請システム」を利用し、以下の条件をすべて満たす場合、登記申請から原則として24時間以内に登記が完了するとされています。詳細については以下の通りです。
ただし、申請が混み合う時期や、申請内容に不備がある場合は、24時間以内に完了しないこともありますので注意してください。
上記のオンライン申請の条件を満たさない場合や、申請内容に不備がある場合は、数日から1週間程度かかるのが一般的といわれています。また、法務局の窓口で直接申請した場合、登記完了までに平均して数日から数週間とされているため、余裕を持って準備をすることが必要です。
なお、法人設立の登記を電子申請で行った場合、会社の設立日は「法務局が登記申請を受け付けた日」になりますが、「登記申請の受付時間」と「システムの利用時間」が異なることに注意が必要です。
「登記・供託オンライン申請システム」の場合、申請日が会社設立日になるのは、登記申請受付時間である17時15分までとなります。同日でもそれ以降の時間に受け付けられたものは、翌開庁日が会社設立日です。特に設立日にこだわる方は受付時間には気をつけましょう。
会社設立登記のオンライン申請方法
会社設立登記のオンライン申請手続きのステップは以下の順序で行われます。
- 事前準備
- 申請書情報の作成
- 電子定款など添付書面情報の準備
- 電子署名の付与
- 申請データの送信
- 登録免許税の納付
ここでは、それぞれのやり方や注意点について解説します。
1.事前準備
オンライン申請を行うための事前準備として、「登記・供託オンライン申請システム」の窓口である「登記ねっと」への登録とソフトのダウンロード、ログインが必要です。
「登記ねっと」で申請者情報を登録すると、IDとパスワードを取得できます。その後、パソコンにソフトをダウンロードし、取得したIDとパスワードでログインすると申請可能です。
ただし、申請用ソフトはWindowsのみの対応であるため、Macユーザーの方は注意しましょう。事前に有料の商業登記電子証明書、またはマイナンバーカードに格納された公的個人認証サービスの電子証明書、もしくは民間事業者が提供する特定認証業務電子証明書などを取得する必要があります。
また、マイナポータルを利用して会社設立手続きをワンストップで行う際は、マイナンバーカードが必要です。マイナポータルをパソコンで利用する場合は、マイナンバーカード情報を読み取るためのICカードリーダライタも準備しましょう。
2.申請書情報の作成
用意されているテンプレートから適切な様式を選び、操作手順に従って申請書情報を作成しましょう。必要事項を入力すれば申請書が自動で作成され、最後にはプレビューで内容の確認が可能です。問題なければ、申請書情報を保存して作成が完了します。
3.電子定款など添付書面情報の準備
電子定款や、発起人の同意書といった電子署名済みのPDFファイルの添付書面情報を準備しましょう。なお、添付書面情報として提出できるのは、署名つきPDFファイル(.pdf)・ビットマップイメージファイル(.bmp)・XML電子公文書ファイル(.xml)の3つです。
4.電子署名の付与
作成した申請者情報には、申請人または代理人の電子署名を付与することが必要です。電子署名は、署名を付与したいPDFを表示させ、出力先や署名方法を指定するだけで簡単に付与できます。
なお、2021年2月15日施行の商業登記規則の法改正により、申請人本人の電子署名として使用できる電子証明書の種類が増えました。マイナンバーカードに格納された公的個人認証サービス電子証明書や、電子署名の正当性を確認する認証業務のうち、一定の基準を満たした特定認証業務電子証明書も利用可能です。
5.申請データの送信
申請データがそろっているか確認し、不備がなければ送信します。これで申請が完了です。送信後は、システム上で最新の処理状況を随時チェックできて便利です。また、到達・受付のお知らせを取得できます。
送信後に不備があった場合は、システム上で修正対応が可能です。処理状況で「補正」の連絡を受け取ったら、内容を確認して修正を行いましょう。補正情報を作成し、電子署名を付与したうえで、登記・供託オンライン申請システムに再度送信してください。
6.登録免許税の納付
登記申請では、登録免許税の納付が必要です。到達・受付のお知らせを受け取ったら、忘れずに納付しましょう。オンライン申請の場合、収入印紙による納付と電子納付が可能です。
電子納付の場合には、インターネットバンキングを利用してソフトから納付できます。収入印紙で納付する場合は、納付用紙をプリントアウトして、窓口へ持参するか郵送して納めましょう。
会社設立登記のオンライン申請を利用するメリットとは?
会社設立登記にオンライン申請を利用するメリットとして、以下の2点が挙げられます。
- 法務局に出向く手間や費用が不要
- 申請状況を把握できる
特に、どこからでも申請を行えるのは大きなメリットです。法務局に出向く必要がないため、申請にかかる時間を短縮できます。
以下では、会社設立登記にオンライン申請を利用するメリットの詳細を解説します。
法務局に出向く手間や費用が不要
書面申請の場合、地域の法務局の登記所窓口に赴いて、書類を提出する必要があります。設立準備で忙しい場合はかなりの手間となるでしょう。中には平日の受付時間(平日の9時から17時)に窓口に行く時間を設けることが難しいという方もいることでしょう。さらに、法務局が遠方にある場合、その分の移動時間や交通費がかさみます。
郵送でも申請できますが、届くまでにタイムラグがあるのは難点です。会社設立日を事前に決めている方は、希望日に受理されない可能性があります。
一方、登記・供託オンライン申請システムは、ネットに接続できる環境があれば申請できるのが大きなメリットです。利用時間は、月曜日から金曜日(国民の祝日・休日、12月29日から1月3日までの年末年始を除く)の8時30分から21時までとなっているため、夕方以降も申請できます。
ただし、利用可能時間中にシステムのメンテナンスなどで、一時的に運用の停止や休止などがあるため、公式ホームページの情報を確認しましょう。
申請状況を把握できる
郵送で申請する場合、書類はきちんと届いているのか、承認プロセスはどこまで進んでいるのかなど、心配される方もいることでしょう。
オンライン申請を活用することで、システム上で申請状況を逐一チェックできます。修正が必要な場合も、登記所から「補正のお知らせ」が入るため、迅速な対応が可能です。
株式会社の場合は法人設立ワンストップサービスも利用可能
2021年2月26日から利用可能された「法人設立ワンストップサービス」とは、法人設立に関連するさまざまな手続きをオンラインで簡単に行える、利便性の高いサービスです。
まずはオンラインで問診を行うことで、必要な手続きをリストアップできます。結果をもとに申請・届出を行う手続きを選択し、入力した申請情報やマイナンバーカードの情報をもとに、オンラインで申請が可能です。
法務局での手続きのうち、現状このオンラインサービスで申請できるのは設立登記のみです。しかし、税務署や労働基準監督署、公証役場など、さまざまな機関に対する手続きをオンラインで一貫して行えるため、手続きにかかる時間を大幅に短縮できます。
法人設立ワンストップサービスを使った申請の際は、法人代表者のマイナンバーカードが必要です。また、パソコンでマイナンバーカード情報を読み取る場合は、ICカードリーダライタも準備しましょう。
法人登記はオンライン申請を活用してみよう
今回は、会社設立登記のオンライン申請について解説しました。オンライン申請を活用することで、法務局の窓口に出向く必要がなくなり、申請状況を逐一確認することもできます。
オンライン上での操作に慣れるまでは時間がかかるかもしれませんが、操作に慣れるとスムーズな申請が可能になります。
オンライン申請を利用する際は、専用ソフトのダウンロードや電子証明書の取得、マイナンバーカードの用意など、いくつかの事前準備が必要です。会社設立を検討している方は、この記事を参考に、オンライン申請の効率化に向けて準備を進めてみてください。
※本記事の数値につきましては、2025年4月28日時点の情報をもとに反映しております。
※当記事は法務局でのオンライン申請を想定した記事となります(マネーフォワード クラウド会社設立は電子申請に未対応です)
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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