- 作成日 : 2025年7月18日
インスタの怪しい主婦起業の見分け方|安心して始められるビジネスを解説
近年、インスタグラムを活用した主婦の起業が注目を集めていますが、その一方で「怪しい」「本当に稼げるのか」といった疑念の声も増えています。高収入をアピールする華やかな投稿の裏に、高額セミナーへの勧誘や実態不明なビジネスが潜んでいるケースも少なくありません。本記事では、インスタ起業が「怪しい」と見られる背景や特徴、見極め方を解説するとともに、主婦が安心して取り組める健全な起業スタイルについても紹介します。
目次
インスタで主婦起業が「怪しい」と言われる背景
インスタを活用した主婦のプチ起業が広がる一方で、「怪しい」「本当に稼げるのか」といった疑念の声も増えています。ここでは、その背景にある演出と実態のギャップ、メディア報道、高額講座の構造について整理します。
華やかな演出と実態のギャップ
インスタ上で目立つ「キラキラ起業女子」は、高級ホテルでのティータイムやブランド品と一緒に写る写真を投稿し、自由なライフスタイルをアピールします。これに憧れる主婦も多く、「私も起業して自由に働きたい」と思わせる影響力があります。
しかし実際には、SNSで発信されるような高収入はごく一部の例外であると言われています。つまり、投稿の華やかさと収入実態との間にはギャップがあるのです。
キラキラ起業女子への不信感と報道
テレビやネットメディアでも、「月商7桁」などと自称するインスタ起業家の裏側が取り上げられ、「実態は伴っていない」という報道がなされました。何を売っているのか不明なまま、ビジネスモデルの実態が不透明なケースも多く見られます。
その多くは、自分の成功体験を誇張し、「稼ぐ方法を教える」という高額講座への勧誘が中心になっています。こうした仕組みでは、講師だけが利益を得て、受講生は次の生徒を集めないと利益が出ないという構造ができあがっています。このような背景が、「インスタ起業=怪しい」という印象につながっています。
高額セミナーと勧誘ビジネスへの警戒
主婦向けの女性起業セミナーが疑われる理由には、いくつかの共通点があります。ひとつは、数十万円という高額な講座であるにもかかわらず、ビジネススキルがほとんど身につかないということです。中には「宇宙のエネルギーに委ねる」など根拠のない内容に依存する講座も存在します。
また、SNS上の知人やママ友を通じた強引な勧誘も問題になっています。受講生がSNSで講師を称賛し、新たな参加者を集めるというループも、実態が伴わないまま広がる要因です。こうしたビジネスモデルに対する警戒心が、主婦のインスタ起業に対して「怪しい」という印象を与える一因になっています。
怪しいビジネスやアカウントの特徴
インスタ上で起業を名乗るアカウントの中には、怪しさを感じさせるものが少なくありません。見た目が華やかでも、その実態に違和感があるケースもあります。ここでは、怪しいビジネスやアカウントに共通する特徴を整理し、見極めの参考となる視点を紹介します。
収入自慢と豪華ライフスタイルの演出
怪しいアカウントに多いのが、収入自慢や豪華な生活を強調する投稿です。「月商7桁」「〇カ月で100万円達成」などのキャッチコピーをプロフィールに掲げ、フォロワーに夢を与えるような内容が目立ちます。投稿内容も、高級ホテル、ブランド品、海外旅行、札束の写真など、物質的な豊かさをひたすらアピールする傾向があります。
こうした演出は「誰でも簡単にこんな生活ができる」という錯覚を狙ったものですが、本当に裕福な人ほど、金銭アピールにメリットを感じないため、自ら誇示する必要はありません。過剰な演出が続くアカウントは、実態とのギャップを疑って冷静に判断する必要があります。
顔出し無し・経歴不明で正体が見えない
怪しいアカウントの多くは、運営者の実態が不透明です。顔出しを避け、アイコンはモデルのような写真や子ども・ペットの画像というケースが目立ちます。投稿内容にも「女性の夢を応援」など抽象的な表現が多く、どんな商品やサービスを提供しているのか具体性に欠けます。
さらに、経歴も「元大手企業勤務」など曖昧な情報で、過去の実績や資格などが明記されていないことがほとんどです。本当に信頼できる人であれば、何をどうやってきたかを明確に示すはずです。情報をぼかしたまま高収入を謳うアカウントは、信頼性を慎重に見極めるべきでしょう。
DMでの勧誘と個人情報の要求
もう一つの特徴が、DM(ダイレクトメッセージ)を使った接触です。「副業に興味はありませんか?」「無料で稼げる方法があります」といった文言で接触し、LINEなど外部サービスに誘導される流れが一般的です。
LINE登録後は、高額講座や集客ツールの購入を持ちかけられたり、個人情報を入力するよう促されることもあります。中には詐欺まがいの投資案件に誘導される例もあり、リンクを安易にクリックすること自体がリスクになります。
このようなアカウントは「初期費用が必要」として、数万円〜十万円単位の支払いを求める傾向があり、DMで急な副業話や金銭・情報の提供を求められた場合は、無視するのが最も安全です。警戒心を持って接することが、トラブル回避につながります。
怪しさを見極める確認ポイントと対策
インスタでの副業や起業情報には、見た目が魅力的でも実態に問題があるケースが存在します。被害を未然に防ぐためには、ユーザー自身が冷静に見極める力を持つことが大切です。ここでは、怪しいビジネスやアカウントに騙されないためのチェックポイントと対策を紹介します。
SNSやネットで評判や不自然な点を確認する
まず基本は、気になる起業家やサービス名をインスタ以外のSNSや検索エンジンで調べることです。「○○ 詐欺」「○○ 評判」と検索すると、被害報告が見つかる場合があります。また、フォロワー数や投稿内容にも注意が必要です。たとえば「実績多数」と書かれていても、フォロワーが極端に少ない場合や、フォロー数ばかり多い場合は不自然です。短期間で急増したフォロワー数も、購入された偽フォロワーの可能性があります。
さらに、投稿やDMの日本語に違和感がある場合も注意です。海外の詐欺グループが日本語で発信しているケースでは、文法や言葉遣いが不自然なことが多く、詐欺アカウントを見抜く手がかりになります。
事業者情報や登記の有無を確認する
信頼できるビジネスであれば、会社概要や特定商取引法に基づく表示をサイト上で明示しているのが一般的です。インスタのプロフィールやリンク先に公式サイトがある場合、住所・電話番号・代表者名などが記載されているか確認しましょう。「お問い合わせはDMで」など、正式な連絡先を避けている場合は要注意です。
また、会社名を名乗っている場合は、法務局の商業登記簿や法人番号検索サイトで実在するかどうか確認できます。個人事業主でも開業届や屋号があるはずで、信頼できる相手であれば、その証拠を見せることに躊躇しません。逆に、質問しても曖昧な回答しか返ってこないようであれば、信用しない方が賢明です。
実績の透明性とサービス内容を見極める
数字だけを強調する実績表示にも注意が必要です。「○人を月収100万円に育てた」といった主張には、その根拠となる情報があるか確認しましょう。本当に実績がある人であれば、具体的な事例や顧客の声、メディア掲載などの裏付けを提示しているはずです。
提供しているサービス内容もチェックが必要です。「女性の夢を応援する講座」など、抽象的な表現しかなく、カリキュラムや提供内容が明示されていない場合は、新規勧誘が目的である可能性があります。質問に対して明確な説明がなく、「詳細は入会後に」と濁される場合は、信頼性を再検討しましょう。
主婦が安心して取り組める起業スタイル
怪しい副業や高額な詐欺まがいのビジネスに巻き込まれず、安心して挑戦できる起業スタイルは多数存在します。ここでは、家庭と両立しやすく、継続性の高い3つの起業パターンを紹介します。地に足のついた方法で、無理なく収入を得ることができます。
ハンドメイド販売で趣味をビジネスに
手芸やアクセサリーづくりなど、ハンドメイド作品を販売するスタイルは、主婦にとって定番の起業方法です。自身の趣味や特技を活かして商品を制作し、minneやCreemaなどのオンラインマーケットプレイス、あるいはInstagramを活用して販売できます。
このビジネスは、自宅で少量から始められ、在庫リスクも最小限に抑えられるため、スモールスタートに向いています。実際に月数万円から十数万円の収入を得ている主婦も多く、起業アイデアランキングでも上位にランクインしています。コツコツと作品を発信しながらファンを増やすことで、無理のないペースでビジネスを拡大することができます。
教室業で培ったスキルを活かす
自分の資格や得意分野を活かして教室や講師業を始めるのも、信頼性の高い起業スタイルです。料理、ヨガ、英会話、ピアノ、手芸など、学びを提供する形式のビジネスは、地域社会やオンラインでも需要があります。
近年はオンラインレッスンの普及により、場所を選ばず全国の生徒にアプローチできる環境が整いました。例えばハンドメイド作家が初心者向け講座を開いたり、子育て経験を活かしてベビーサインや幼児教育の教室を開く事例もあります。
副業からのスタートも可能で、口コミや紹介を通じて生徒を増やしていけるのが特徴です。実績が少しずつ積み上がることで信頼も深まり、安定した収入へとつながっていきます。自治体や企業が提供する女性向け起業支援制度を活用すれば、さらに始めやすくなります。
オンラインサービスで在宅ワーク
パソコンとインターネットを活用して提供するオンラインサービスは、主婦にとって非常に相性の良いビジネスです。代表的なものとしては、Webライター、ブロガー、ネットショップ運営、デザイン、動画編集、翻訳、オンライン秘書、バーチャルアシスタントなどが挙げられます。
これらの仕事は在宅で行えるため、子育て中や介護との両立がしやすく、スキマ時間を活かして少しずつ収入を増やせるのが魅力です。必要な初期投資はパソコンとネット環境程度で、リスクが小さい点も安心材料のひとつです。
すぐに高収入を得ることは難しいかもしれませんが、ブログであれば有益な情報を発信し続ける、ネットショップであれば丁寧な顧客対応を心がけるなど、地道な努力が確かな成果に結びつきます。継続することで信頼と実績を築き、安定した働き方を実現できるでしょう。オンラインでの仕事は柔軟性が高く、これからの時代に合った主婦向けの起業スタイルとして有力です。
主婦におすすめの地域密着型スモールビジネス
地域に根ざしたスモールビジネスは、派手さはなくても着実に信頼と収入を積み重ねることができ、起業初心者や主婦にも取り組みやすい選択肢です。ここでは、地域との関わりを深めながら社会とつながる方法や、実現しやすいビジネスモデルを紹介します。
地域ニーズに寄り添ったサービスを考える
地域密着型ビジネスを成功させる鍵は、住民や地域のニーズに応えることです。たとえば、高齢化が進む地域では、買い物代行や訪問美容、家事支援などのサービスが求められることがあります。子育て世帯が多い地域では、学習支援や一時保育、親子向けイベントの開催などが喜ばれます。
これらのサービスは、特別な資格や大規模な設備がなくても、自宅や地域の公共施設を活用して小規模にスタートできます。地元住民の困りごとに耳を傾け、それに寄り添う形でビジネスを設計することで、自然と信頼関係が築かれていきます。
顔の見える関係づくりが信頼を生む
地域密着型ビジネスでは、顔を合わせる機会が多くなるため、誠実な対応がそのまま信用につながります。たとえば自宅でのパン教室、地域イベントへの出店、商店街でのポップアップ販売などでは、直接会話を重ねながらリピーターを増やしていくことができます。
オンライン中心のビジネスに比べると、SNSのフォロワー数や広告力に頼らなくても、お客様との信頼が売上につながりやすいのが特徴です。「顔が見えるから安心」「地元の人だから応援したい」といった心理も働き、紹介や口コミによる集客も期待できます。
公的施設や地元ネットワークの活用
地域密着型ビジネスを始めるにあたり、市区町村の起業支援窓口や公民館、商工会議所などを活用するのも有効です。創業セミナーやワークショップ、スペース貸し出し制度などが整っている地域も多く、小さなビジネスを始める環境が整いつつあります。
また、地域のイベントやマルシェへの出店、地域情報誌への掲載なども、認知度を高めるうえで効果的です。地元の活動に参加することで、単なる“お金を稼ぐ人”ではなく、“地域に貢献している人”としての立場を築くことができます。
主婦が起業に利用できる支援制度・補助金
主婦が安心して起業を始めるためには、国や自治体の支援制度や補助金を上手に活用することが大切です。ここでは、代表的な制度と使い方、活用のための準備ポイントについて紹介します。
補助金・助成制度
代表的なのが、中小企業庁の「小規模事業者持続化補助金」です。これは、個人事業主や小規模法人が販路開拓や業務効率化を目的とした経費(広告費、Webサイト制作費、店舗改装費など)の一部を補助する制度で、女性の起業も対象となっています。補助上限額は通常枠で原則50万円ですが、特定の要件を満たす枠(例:創業型など)では200万円、さらにインボイス特例を適用する場合は上乗せされることもあります。
また、各自治体が独自に実施している女性起業支援助成金や、商工会議所を通じた創業サポート融資なども注目です。
(例)東京都「女性・若者・シニア創業サポート事業2.0」:最大2,000万円の融資と5年間の専門家支援。
補助金活用のための準備とポイント
補助金や助成金を受けるには、事業内容や計画の明確さが求められます。まずは「誰に、何を、どう提供するか」を明確にした事業計画書を作成しましょう。そのうえで、実際に必要な経費や見込み収支を試算し、資金用途を具体的に示すことがポイントです。
申請時には、開業届や見積書、本人確認書類なども必要となるため、事前に準備しておくとスムーズです。不安な場合は、商工会議所や自治体の相談窓口を活用すれば、専門家から無料でアドバイスを受けられることもあります。
補助金制度は申請期間が限られているため、定期的に公式サイトを確認し、チャンスを逃さないようにしましょう。起業の第一歩を支えてくれるこれらの制度を上手に活用すれば、安心してスタートが切れます。
怪しい起業に飛びつかず、安心して始められる方法を知ろう
インスタグラムを活用した主婦の起業が広がる一方で、「キラキラ起業女子」と称される華やかな投稿の裏に、実態とのギャップや高額セミナー勧誘の問題があることから、「怪しい」というイメージを持たれることも増えています。とはいえ、健全で地に足のついた起業方法も多数存在します。自分の特技やライフスタイルに合った方法を選べば、安心して取り組むことが可能です。起業支援制度や補助金の活用も視野に入れ、誠実に続けられるビジネスで、自分らしい働き方を実現しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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