- 作成日 : 2025年5月16日
宮城県で受けられる創業支援は?補助金や融資、相談窓口などを解説
宮城県で起業をする場合、特定創業支援等事業や補助金・助成金など様々な支援制度を利用することができます。この記事では、宮城県で起業を考えている方が利用できる様々な支援制度について、その内容や活用方法を詳しく解説します。
目次
宮城県の特定創業支援等事業
宮城県では、創業を志す方や創業して間もない方が、事業を軌道に乗せるために必要な知識や支援を受けられる「特定創業支援等事業」が、県内各地の市町村で展開されています。
この事業は、国が定める産業競争力強化法に基づいて、市町村や地域の創業支援事業者が連携して実施するもので、創業に必要な「経営」「財務」「人材育成」「販路開拓」の4つの知識を習得できるようなプログラムが提供されています。
これらの支援事業を活用し、一定の要件を満たすと、市町村から「特定創業支援を受けたことの証明書」が交付されます。この証明書を持つことで、様々な優遇措置を受けることができるようになります。
特定創業支援を受けるメリット
特定創業支援を受けることで、会社設立時の登録免許税が1/2に軽減される場合があります。例えば、株式会社や合同会社を設立する際に、通常かかる税金が半額になるなど、初期費用を抑えることができます。
具体的には、株式会社の最低税額15万円が7.5万円に、合同会社の最低税額6万円が3万円に軽減されます。
また、創業関連保証の特例として、通常は事業開始の2ヶ月前から申し込める創業融資の保証を、事業開始の6ヶ月前から利用できるようになる場合があります。さらに、日本政策金融公庫の「新規開業資金」といった融資制度を利用する際に、貸付利率が引き下げられるといったメリットもあります。
宮城県内では、多くの市町村が特定創業支援等事業を実施しています。証明書の申請方法や必要な書類は各市町村によって異なりますが、一般的には、申請書に加えて、特定創業支援を受けたことを証明する書類(セミナーの修了証など)や、事業計画書、開業届の写しなどが必要となる場合があります。
参考:特定創業支援事業の支援を受けたことの証明書の発行について|仙台市
宮城県での起業で使える補助金・助成金
宮城県で起業する際には、初期費用や事業運営に必要な資金をサポートしてくれる様々な補助金や助成金制度を活用できます。
宮城県全体を対象とした補助金・助成金
宮城県では、「宮城県スタートアップ加速化支援事業」として、県内で創業する中小企業者等に対し、最大250万円(AI・IoT創業者向け)または100万円(一般創業者向け)の補助金が交付される制度があります。
また、「みやぎ中小企業チャレンジ応援基金事業」では、地域資源を活用した新商品開発などを行う創業者に対し、最大300万円の助成金が交付される場合があります。
さらに、東京圏から宮城県へ移住して起業する方を対象とした「みやぎUIJターン起業支援事業」では、最大200万円の起業支援金が交付されます。
参考:宮城県スタートアップ加速化支援事業 | (公財)みやぎ産業振興機構
市区町村ごとの補助金・助成金
県内の市町村でも、独自の補助金制度を設けている場合があります。
例えば、多賀城市では、市内で新たに創業または第二創業を行う個人や中小企業等に対し、「多賀城市創業支援補助金」として最大100万円の補助金が交付されます。亘理町では、「亘理町新店舗運営支援事業補助金」として、町内で新たに店舗を開業する起業家に対し、店舗の整備費や賃借料の一部が助成されます。
これらの補助金や助成金は、対象となる事業や申請期間、要件などがそれぞれ異なりますので、ご自身の事業計画に合わせて、利用できる制度を事前にしっかりと確認することが大切です。
宮城県での起業で融資を受けるには?
事業を始めるにあたって、自己資金だけでは足りない場合、融資を活用することも重要な選択肢となります。宮城県では、創業者向けの様々な融資制度が用意されています。
宮城県創業育成資金を利用する
宮城県では、「宮城県創業育成資金」という制度があり、新たに事業を始める方や創業後5年未満の方を対象に、運転資金や設備資金の融資を受けることができます。
融資限度額は3,500万円以内、利率は年1.55%以内となっています。
新事業創出支援融資(起業家支援資金)を利用する(仙台市)
仙台市では、「新事業創出支援融資(起業家支援資金)」という制度があり、新たに創業する方や創業後5年を経過していない方を対象に、運転資金や設備資金の融資を受けることができます。
融資限度額は3,500万円以内、利率は年1.0%以内となっています。
日本政策金融公庫を利用する
また、日本政策金融公庫でも、創業者向けの「新創業融資制度」をはじめとする様々な融資制度を提供しており、宮城県内で創業する方も利用できます。
無担保・無保証人で利用できる場合があるほか、特定創業支援等事業を受けた方は、自己資金要件が緩和されたり、融資利率が引き下げられるなどの優遇措置を受けられることがあります。
その他
その他、七十七銀行や仙台銀行といった地域金融機関でも、創業を支援するための融資商品を用意している場合がありますので、相談してみることをお勧めします。
融資を受ける際には、事業計画書の提出が求められます。事業の目的や内容、将来性、資金計画などを具体的に示すことが重要です。
宮城県の起業について相談できる窓口
宮城県には、様々な疑問や不安を解消し、スムーズに事業を始められるよう、起業について相談できる窓口があります。様々な窓口がありますが、こちらでいくつかご紹介しましょう。
宮城県よろず支援拠点
「宮城県よろず支援拠点」では、中小企業や小規模事業者、そして創業を検討している方に対して、無料で経営相談を行っています。
専門的な知識や経験を持つコーディネーターが、事業計画の作成から資金調達、販路開拓など、幅広い相談に対応してくれます。電話やメールでの相談も可能です。
仙台市起業支援センター“アシ☆スタ”
仙台市では、「仙台市起業支援センター“アシ☆スタ”」が、起業を目指す方や創業間もない方、第二創業を目指す方に対して、事業資金計画や販路開拓、販促ツールのデザイン、売場づくりなど、様々な相談に対応しています。
仙台商工会議所
仙台商工会議所でも、創業に関する相談窓口を設けており、事業計画の作成や資金調達などについて相談することができます。専門家による個別相談や、創業セミナーなども開催されています。
その他、宮城県内の各商工会や、日本政策金融公庫の創業サポートデスクなどでも、起業に関する相談を受け付けています。
その他の宮城県の創業支援制度
宮城県では、資金調達や相談支援以外にも、起業家をサポートする様々な制度が用意されています。
コワーキングスペースやインキュベーション施設を利用する
事業を始めるためのオフィススペースとして、コワーキングスペースやインキュベーション施設を利用することができます。
仙台市内には、「INTILAQ東北イノベーションセンター」や「YUI NOS」など、様々な施設があり、オフィススペースの提供だけでなく、入居者同士の交流や、専門家によるメンタリングなどのサポートを受けることができます。
セミナーやイベントを利用する
また、宮城県では、起業に関するセミナーやイベントが多数開催されています。これらのイベントは、起業に関する知識を深めたり、同じ志を持つ仲間と出会うための良い機会となるでしょう。
その他
宮城県では、地域課題の解決に資する事業をデジタル技術を活用して行う起業者や、Society5.0関連業種などの付加価値の高い産業分野で事業承継や第二創業を行う方を対象に、起業支援金を交付する制度もあります。
これらの支援制度を積極的に活用することで、宮城県での起業をよりスムーズに進めることができるはずです。
宮城の創業支援制度を積極的に活用しよう
この記事では、宮城県における創業支援についてご紹介しました。
宮城県では、特定創業支援等事業による知識習得のサポート、補助金や融資による資金援助、そして心強い相談窓口やオフィススペースの提供など、様々な創業支援を利用することができます。
創業を検討されている方は、まずご自身の事業計画や状況に合わせて、利用可能な支援制度を詳しく調べ、それぞれの窓口に相談してみることをお勧めします。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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