- 作成日 : 2024年6月12日
整体院、リラクゼーションサロンの事業計画書の書き方をひな形を基に解説
人々の身体の不調や疲れを改善する整体院やリラクゼーションサロン。人気店ともなれば多店舗展開して多大な利益が得られる可能性もあります。しかし、成功するためには事業計画が必須です。
この記事では整体院・リラクゼーションサロンの開業を考えている方のために、事業計画書の書き方についてご説明します。
目次
整体院、リラクゼーションサロンの事業計画書とは?
事業計画書とはその名のとおり事業の計画をまとめた書類で、創業の目的や取扱商品・サービスの内容、開業や事業運営に必要な資金の試算、事業の見通しなどを記載します。事業計画書を作成する必要性としては以下の2点が挙げられます。
事業の見通しを立てる
日本のリラクゼーションの市場規模は年々拡大しており、2014年には1,060億円でしたが、2016年には1,093億円、2018年には1,196億円となっています。リラクゼーションサロンの利用率は男性4%、女性9%程度(2011年現在)とそれほど高くないものの、逆に言えば新たなニーズを掘り起こせるチャンスともいえます。
一方で大手がチェーン展開し、低価格で施術を提供する店舗が増えてきたため、価格競争に陥っている側面もあります。こうした状況下で整体院・リラクゼーションサロンを開業して成功するためには綿密な計画が必要不可欠です。
金融機関からの融資を受ける
整体院・リラクゼーションサロンを開業するためには物件や設備、器具、備品などを調達しなければならないため、多額の資金が必要となります。自己資金で足りない分は金融機関などから融資を受けて資金を調達しますが、その際には審査があり事業計画書の提出が求められます。
整体院、リラクゼーションサロンの事業計画書のひな形、テンプレート
整体院・リラクゼーションサロンを開業して成功を収めるためには事業計画書の作成が必須といえます。しかし、一から作成するのは非常に大変です。そこで、当サイトではすぐに使えるフォーマットをご用意しました。ぜひこちらを参考に事業計画書を作成してみましょう。
整体院、リラクゼーションサロンの事業計画書の書き方・記入例
ここからは先ほどご紹介したフォーマットをもとに、事業計画書の書き方を項目別にご紹介します。
創業の動機・目的
まずは「なぜ創業しようと思ったのか」「何のために創業するのか」といった創業の動機や目的を書きましょう。「●●の経験から●●のような整体院・リラクゼーションサロンを開業したい」というように、ご自身の経験から創業の動機や目的につなげれば説得力が増します。
職歴・事業実績
創業者の学歴や職歴、事業実績などを記載します。「●●年 ●●株式会社 入社」というように年次と勤務先を簡潔に書きます。また、事業に関連する経験や実績、資格を取得した経歴などがあれば、それも付け加えて記載しましょう。
取扱商品・サービス
「取扱商品・サービスの内容」、「セールスポイント、ターゲット・戦略」、「競合や市場などの分析」という3つの項目を記載します。
取扱商品・サービスの内容については「もみほぐし」「骨盤矯正」などの施術の名称と価格を記載します。
セールスポイント、ターゲット・戦略については、「どのような整体院をどこで開業するのか」「誰に対してどのような施術を行うのか」「その施術はどのような売りがあるのか」などを記載しましょう。これが整体院・リラクゼーションサロンのコンセプトとなります。
競合や市場などの分析については市場の状況や出店予定地周辺の競合(ライバルとなる整体院・リラクゼーションサロン)の出店状況について記載します。
取引先・取引関係
販売先(顧客)、商品や備品などの仕入れ先、外注先の名称やシェア、掛け取引の割合、回収・支払い条件(〆日と回収・支払日)を記載します。整体院・リラクゼーションサロンの場合は個人が顧客となるので、「一般個人」というように記載して構いません。仕入れ先や外注先がある場合は、具体的な会社名や商号を記載しましょう。
従業員
常勤役員の人数、3カ月以上継続して雇用する従業員の人数を記載します。なお、従業員については家族従業員、パート従業員の人数も記載しましょう。
借り入れの状況
代表者が創業時点で借り入れをしている場合は、借入先名や区分、借入残高、年間返済額について記載します。なお、事業に関わるものだけでなく、個人的な借り入れ(自動車や住宅ローンなど)についても明らかにしておきましょう。
必要な資金と調達方法
開業や事業運営に必要となる資金の内訳や金額と、資金の調達方法について記載します。特にこの部分は事業を運営していくうえで、あるいは融資を受ける際には非常に重要な項目となります。特に必要資金に関しては実際に見積もりを取るなどして試算しましょう。また、必要となる資金の合計と調達する資金の合計は一致させるのが望ましいのです。
事業の見通し(月平均)
毎月どれだけの売り上げが見込まれるのか?売上原価や経費はいくらかかるのか?その結果どれくらいの利益が得られるのか?を記載します。
売り上げについては見込まれる平均客単価と来客数、稼働日数を掛け合わせることで求められます。売上原価は整体・リラクゼーションの場合は商品や材料などを仕入れる必要がないため0円でも問題ありません。経費については「人件費」「家賃」というように、それぞれ内訳を記載します。利益については「売り上げ-売上原価-経費」という計算式で求めることができます。
この項目に関しても融資の審査の際にはシビアに見られますので、しっかりと根拠を明らかにしましょう。
整体院、リラクゼーションサロンの事業計画書成功のポイント
ここからは整体院・リラクゼーションを開業して成功を収めるためのポイントについてご紹介します。ぜひ、以下のことも意識して事業計画を立ててみましょう。
コンセプトを明確にする
この業界は個人や中小企業、大企業や有名企業まで、多くの事業者が参入しています。競合の中で差別化するためには、「どのような整体院・リラクゼーションサロンを開業するのか?」といったコンセプトをしっかりと明確にしましょう。コンセプトが明確になっていないと特色がうまく見込み客に伝わらず、あまたある競合に埋もれてしまいかねません。
経験やスキルをアピールする
他の整体院・リラクゼーションサロンで働いた、学校で知識やスキルを身につけたなどの経験、あるいは資格を取得したなどの実績があれば、積極的に事業計画書あるいは広告でアピールしましょう。顧客や借入先からの信頼度がアップします。
立地調査を行い商圏や競合を把握する
店舗ビジネスは出店地が非常に重要となります。立地の良さ(通いやすい、見込み客が多くいるなど)と競合の状況、物件の価格などを総合して判断し出店地を選びましょう。
たとえば駅チカの物件は人が多く交通の便もいいので集客が見込めそうですが、その分賃料が高い、競合が多いなどのデメリットもあります。郊外の物件は賃料が安い、競合が少ないなどのメリットがありますが、交通の便が良くなくて見込み客も少ないといった懸念もあります。
客観的な売り上げ予測・価格設定をする
売り上げの予測は「だいたいこんなもんだろう」「これくらいあればいいな」ではなく、客観的に考えましょう。客足が思ったほど伸びないという事態も起こりえます。少しシビアに予測・計画を立てておくことで、不測の事態にも備えられるようになります。
強みを生かしたプランやサービスで差別化する
特徴がない施術ではすぐに客足が途絶えてしまいます。プランや施術の内容を差別化して打ち出しましょう。「●●という不調の改善が期待できる」という施術の効果・効能を打ち出し方もあれば、「業界初の●●を導入」というように設備を打ち出す方法、「60分で2,980円」というようにお値打ち感を訴求する、「おしゃれで落ち着いた空間」というように店舗の内装や雰囲気を売りにする方法もあります。
まずはしっかりと整体院・リラクゼーションの特徴あるいは施術の強みについて明確にして見込み客にアピールしましょう。
ランニングコストを試算する
整体院やリラクゼーションサロンを運営するためには賃料や人件費、備品代、水道光熱費など、さまざまなランニングコストがかかります。経費をどんぶり勘定で試算した結果、想定以上に出費がかかって資金がショートしてしまう事例も少なくありません。やはりランニングコストに関してもシビアに考えましょう。
損益分岐点を想定する
経営をしていくうえでは売り上げと経費がまったく同じ額になる損益分岐点を把握しておくことも非常に重要です。たとえば毎月50万円経費がかかるとすると、損益分岐点は50万円ということになります。売り上げがこれよりも高ければ利益を得られますが、これより下回ってしまうと損失が発生することになってしまいます。
損益分岐点がわかれば、「1日何人の来客が必要になるのか?」「価格設定が適正かどうか?」がわかるようになるでしょう。また、現状の売り上げで利益が出ているのか、あるいは損をしているのかも把握しやすくなります。
競合がひしめく整体院・リラクゼーションサロンの開業では事業計画書が必須
整体院・リラクゼーションサロンの経営は、うまくいけば規模を拡大したり多店舗展開したりして多大な利益が得られる可能性もあります。一方で、競争も非常に激しいため特色を打ち出していかないと、あるいは行き当たりばったりの運営をしていると、すぐに廃業に追い込まれてしまうおそれもあります。
開業をお考えなら、まずはしっかりと計画・戦略を立て、事業計画書を作成してみましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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