- 作成日 : 2023年6月9日
起業したい外国人のための支援策が続々!サポート体制や手続きを解説
経済産業省では、外国人起業家の招へい促進を目指し、2018年、外国人起業活動促進事業を開始しました。条件に該当する起業家は最長1年間の在留許可(スタートアップビザ)を得られるだけでなく、指定された地方自治体の助成金事業なども活用できます。活用できる支援策の具体例や、手続きについて説明します。
目次
外国人起業活動促進事業とは
外国人起業活動促進事業とは、2018年12月に開始された経済産業省主導の事業のことです。外国人が起業しやすい土壌をつくり、外国人起業家の招へい促進を目指します。
外国人起業活動促進事業には、主に次の3つの団体が関わっています。
- 地方公共団体:管理・支援プログラムの作成と実施、適用可能な外国人の選定
- 経済産業省:地方公共団体が作成したプログラムの認定
- 地方出入国在留管理局:在留資格「特定活動」の審査、許否の決定
外国人起業家の受け入れ拡大と起業促進が目的
外国人起業活動促進事業は、外国人起業家の受け入れ拡大と、起業促進を目的とした事業です。1年以内に起業する見込みがある外国人のみを対象とし、起業するまでは「特定活動」の在留資格を得て活動します。また、6ヶ月以内に確実に起業する場合は、特区制度と同じく、「経営・管理」(創業活動)の在留資格となります。
期間中に満たせばビザを「経営・管理」へ変更できる
次の2要件を満たすと、在留資格を「経営・管理」に変更できます。
- 外国人本人が500万円以上の出資をすること
- 独立した事業所を確保すること
「経営・管理」のビザを取得すると、第三者の事業を引き継ぐこともできます。
認定地方公共団体
外国人起業活動促進事業では、次の地方公共団体を認定団体としています。
日本に居住する外国人の在留資格要件も緩和
外国人起業活動促進事業では、1年以内に起業する目的で来日する外国人だけでなく、すでに居住している外国人の在留資格要件も緩和されます。主な緩和策を説明します。
資料提出などの条件を満たせば「経営・管理」ビザが申請可能
すでに居住している外国人も、以下の要件を満たすことで、在留資格を「経営・管理」に変更することが可能です。
- 500万円以上の出資をすること
- 独立した事業所を確保すること
なお、事務所は法人名義にする必要があります。
複数人の出資も認められるように
すでに日本に居住している外国人が起業する場合は、出資者の人数は問われません。ただし、出資者全員が外国人で、なおかつ全員が「経営・管理」の在留資格を得るためには、次の要件を満たすことが求められます。
- 出資者各自が500万円以上を出資する
- 出資者各自の業務分担を明確にする
東京で開業手続きのサポートを受けるには
外国人起業活動促進事業では、16の自治体ごとにサポートを提供しています。助成金制度も自治体によって異なるため、起業する地域のサポート内容を確認しておきましょう。
自治体ごとのサポートは、各地域のサポートセンターで提供しています。東京では、次のサポートセンターを利用できます。
- 東京開業ワンストップセンター
- 外国人在留支援センター
- ビジネスコンシェルジュ東京
東京開業ワンストップセンター
東京開業ワンストップセンターは、国と東京都が共同で運営しているサポートセンターです。法人設立や事業開始時に必要な以下の行政手続きを、すべてセンター内でおこなえます。
外国人在留支援センター
外国人在留支援センターとは、出入国在留管理庁が運営するサポートセンターです。在留資格についての相談会の開催や、法的支援の提供をしています。
参考:外国人在留支援センター
ビジネスコンシェルジュ東京
ビジネスコンシェルジュ東京は、事業計画認定の申請受付センターです。ビジネス関連の支援だけでなく、資金調達の支援も提供しています。
各自治体の外国人向け起業促進事業を活用しよう
国や自治体では、外国人向けの起業促進事業を実施しています。
起業に必要な「経営・管理」ビザも取得しやすく制度改正されているため、今が起業のチャンスともいえます。ぜひ活用して、日本での起業を実現してください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
鹿児島県で受けられる創業支援は?補助金や融資、相談窓口などを解説
鹿児島県では新たな事業の創出と地域経済の活性化を目指し、起業家への支援体制を強化しています。この記事では、鹿児島県で起業を検討している方々がスムーズに事業を始められるよう、資金調達から事業計画の策定、専門家への相談窓口まで、利用可能な支援制…
詳しくみる法人登記を司法書士に依頼すべきケースは?メリットや費用相場などを解説
法人登記は、会社の設立や重要事項の変更を公的に認めてもらうための申請であり、自分で手続きすることもできます。しかし、専門知識が必要で手間のかかる作業は、法人登記の専門家である司法書士へ依頼する方がメリットは大きいことも事実です。 本記事では…
詳しくみるママ起業で成功する人・失敗する人の違いは?おすすめの業種や方法も解説
「ママ起業」というキーワードをご存知でしょうか?子育てをしながらご自身で起業し、仕事をこなしている女性が最近増えています。起業家として成功することもありますが、怪しい起業コンサルのセミナーにつかまり、起業に失敗するといったケースも見受けられ…
詳しくみる大分県で受けられる創業支援は?補助金や融資、相談窓口などを解説
大分県では、創業を志す人々や創業間もない事業者を力強く後押しするための様々な支援制度が用意されています。この記事では、大分県で起業を検討している方が活用できる主要な支援策について、その内容や利用方法を詳しく解説していきます。 大分県の特定創…
詳しくみる無限責任社員とは?有限責任社員との違いやメリットを解説
「起業で会社を設立するなら株式会社」というのが一般的な考え方ですが、会社の形態はそれだけではありません。特に、事業への強いコミットメントと引き換えに、大きな裁量権を得られる「無限責任社員」という働き方・経営の形があります。 「責任が無限大」…
詳しくみるひとり起業を目指す女性必見!おすすめ業種・始め方・支援制度を解説
近年、日本では「ひとり起業」を選ぶ女性が増えています。時間や場所にとらわれず、自分らしい働き方を実現できることから、育児や家庭と両立したい方にも支持されています。本記事では、ひとり起業を選ぶメリット、向いている業種、起業前に必要な準備や支援…
詳しくみる