- 作成日 : 2022年10月22日
シリコンバレーに日本人起業家が多い理由とは?起業のメリットや方法も解説!
シリコンバレーは、アメリカ西海岸に位置し、数多くのIT企業が集積する「スタートアップの聖地」と呼ばれるエリアです。起業家だけでなく投資家や研究機関も集まり、強力なネットワークを築いています。そのため、シリコンバレーで起業を志す日本人も多いでしょう。
本記事では、なぜシリコンバレーに起業家が集まるのか、シリコンバレーでITスタートアップが成功しやすいといわれている理由や、日本人がシリコンバレーで起業するために準備すべきこと、成功のポイントなどについて解説します。
目次
シリコンバレーに日本人起業家が多い理由とは?
アメリカ西海岸にあるシリコンバレーは、IT関連の企業が集積しているエリアです。企業だけでなく、大学や投資家、研究機関などが集結し、強力なネットワークを形成しています。
本章では、シリコンバレーに日本人起業家が集まる理由について解説します。
そもそもシリコンバレーとは?
シリコンバレーはアメリカ合衆国のカリフォルニア州沿岸部のことで、IT関連の企業が集積しているエリアです。
シリコンバレーという名前は、半導体の素材であるシリコンに由来します。半導体は、あらゆるデバイスに使われ、IT業界を支えている物質です。
シリコンバレーは、その名の通りIT産業が盛んで、スタートアップの聖地とも呼ばれます。AppleやGoogle、Intelなど、世界的に名高い多くのIT大企業の本社があることも特徴です。
シリコンバレーではスタートアップのIT企業が成功しやすい?
シリコンバレーには「大企業・大学・投資家・サービスプロバイダー・研究機関・サポート機関」の6つで構成されるエコシステムが存在します。この強力なエコシステムが、スタートアップのIT企業が成功しやすい環境を実現しているのです。
成功した起業家や投資家がビジネスの手法を直接教えてくれたり、連続起業家が新たな起業家の創業支援に積極的だったりするなど、スタートアップを育てる仕組みが形成されています。
シリコンバレーで起業するメリット
多くのIT企業や投資家、研究機関が集まるシリコンバレーで起業すると、たくさんのメリットが得られます。メリットを最大限活用すれば、日本で起業するよりも大きな成功を収められる可能性もあるでしょう。ここでは、シリコンバレーで起業するメリットを2つ紹介します。
ネットワークを活用できる
シリコンバレーには数々のIT企業が集積しており、世界最大級のネットワークが存在します。大学やベンチャーキャピタルと共創する仕組みも整っており、強力なネットワークを活用して事業を展開できることがメリットです。
また、優秀な人材を集めやすく、エンジェル投資家が多いため投資を受けやすいという魅力もあります。こうしたネットワークを最大限活用できるのは、シリコンバレーならではのメリットだといえるでしょう。
メディアに取り上げてもらいやすい
シリコンバレーは世界から注目されるエリアであり、シリコンバレーに関して積極的に情報を収集している方も多いです。また、多くのITメディアが、シリコンバレーのスタートアップの動向に注目しています。
シリコンバレーで起業して現地メディアに取り上げてもらえば、多くの人に認知され、事業を加速させられる可能性が高いでしょう。
シリコンバレーで起業するデメリット
シリコンバレーの起業には、シリコンバレーならではのメリットがある一方、デメリットもあります。現地での起業を検討している方は、安易にシリコンバレーを選択せず、デメリットも考慮したうえで起業する場所を選びましょう。ここでは、シリコンバレーで起業するデメリットを2つ紹介します。
物価が高くコストがかかる
シリコンバレーは物価が高いエリアです。住宅価格や人件費の相場が高いため、コストがかかります。
例えば、1ヶ月あたりの住宅価格の相場はワンルームで約15〜20万円、家族で住める住宅なら家賃30万円以上です。また、シリコンバレーで働く人材の平均給与は、日本の2〜3倍といわれています。そのため、現地で人を雇って事業を進める場合は、かなりのコストが必要です。
さらに、アメリカには国民皆保険の制度がないため、医療費が全額自己負担となります。日本と違い莫大な医療費がかかるため、アメリカでの生活には注意が必要です。
日本人にとっては現地のコミュニティに馴染むのが難しい
シリコンバレーで成功するためには、現地のコミュニティに馴染む必要があります。そのためには、英語で現地のハイレベルな会話についていけるスキルが必要です。
したがって、シリコンバレーで起業する方には、ITの深い知識と高い英語力が欠かせません。うまく溶け込めないとビジネスチャンスを逃す可能性があるため、日本人にとってはかなりハードルが高いといえるでしょう。
シリコンバレーで起業するために準備すべきこととは?
シリコンバレーで起業するためには、移住準備からスタートする必要があります。日本での起業よりも必要な手続きが多いため、計画的に準備しましょう。その際、手続きを弁護士に依頼することで安心して進められます。本章では、シリコンバレーで起業するための準備について解説します。
ビザを取得する
ビザは、渡航者の身元を審査する許可証です。アメリカに90日以上滞在する場合は、ビザの取得が必要になります。シリコンバレーで起業する場合は、ビザの中でも一度取得すれば事業を継続している限り滞在できる「投資駐在員ビザ(E-2ビザ)」を取得することがおすすめです。
E-2ビザを取得するためには、1,000〜2,000万円ほどのお金をアメリカで使い、事業を継続している証明が必要になります。そのため、1〜2年ほどでE-2ビザを取得できるような事業計画を立てることがおすすめです。ビザを取得するためには、移民弁護士を手配して、相談しながら進めましょう。
参考:米国国務省 米国ビザ申請
弁護士を手配し、創業手続きを行う
現地での法人手続きはわからないことも多く、州によって手続きや法律も異なります。そのため、創業手続きをサポートしてくれる弁護士を手配しましょう。主に必要な創業手続きは以下の通りです。
- 事業計画書を作成する
- 会社形態を選択する
- 会社登記を行う
- アメリカ合衆国内国歳入庁(IRS)へ申請する
- 銀行口座を開設する
会社登記の手続きは州によって異なりますが、州のホームページからオンラインで登記できるところもあれば、用紙を郵送して登記できるところもあります。弁護士を手配すれば、登記手続きを代行してもらえるため安心です。
住居予定地を探す
アメリカで住民登録をするためには、住居予定地を決める必要があります。海外専用の物件情報サイトを活用し、住居予定地を決めましょう。
その際、犯罪マップを活用して、周辺の犯罪発生状況を確認することが大切です。また、HOA(Homeowners Association)と呼ばれる、地域の管理組合に加入している物件を選ぶと、共有施設が充実していたり、資産価値を守りやすかったりするメリットがあります。
シリコンバレーでの起業に失敗しないためのポイントは?
シリコンバレーは村社会と呼ばれるほど、人と人とのつながりが強い環境です。コミュニティは強力である一方、閉鎖的ともいえます。そのため、シリコンバレーで成功するためには人脈を活用することが大切です。
現地のビジネスパーソンに知り合いを紹介してもらったり、人脈を強化したりすることで、ビジネスにつなげましょう。また、人脈を活かすためには、コミュニティに馴染むことも大切です。
そのためには、ただ英語が話せるだけでなく、専門的な会話についていける知識やスキルが必要になります。
思いつきはNG!起業する場所は慎重に検討しよう
本記事では、シリコンバレーで起業するメリットや準備、失敗しないためのポイントなどを解説しました。ITスタートアップの聖地と呼ばれるシリコンバレーには、事業の成長に貢献する強力なネットワークが存在し、起業しやすい環境が整っています。
しかし、シリコンバレーで起業するためには、英語力の向上やビザの取得などの準備はもちろん、英語力や多くのビジネス知識・スキルも必要です。そのため、日本では駄目なのかどうかも含め、慎重に判断するべきでしょう。
単なる思いつきで、シリコンバレーに行って起業してもうまくいかない可能性が高いので、今回紹介した内容を参考に入念な準備をしてからチャレンジすることをおすすめします。
よくある質問
シリコンバレーとはどこのこと?
アメリカ合衆国カリフォルニア州沿岸部、いわゆる西海岸のことです。IT企業が集積しており、あらゆるデバイスに使われる半導体の素材がシリコンであることから「シリコンバレー」と呼ばれます。詳しくはこちらをご覧ください。
シリコンバレーで成功している企業が多いのはなぜ?
シリコンバレーには「大企業・大学・投資家・サービスプロバイダー・研究機関・サポート機関」が集まってネットワークを築いています。そうした強力なネットワークを活用でき、注目を集めやすいためです。詳しくはこちらをご覧ください。
日本人がシリコンバレーで起業するためのポイントは?
異国の文化・コミュニティに馴染むことです。また、ビザの取得が大変であり、物価が高く生活費や人件費がかかることには注意が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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