フリーランサーっていったいどうなの?現状と課題を解説

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この記事は1年以上前に公開されたものです。法律・制度などに関して、現在とは異なる内容が含まれている可能性があります。

昨今、働き方改革の実現に向けて、官民を挙げたさまざまな取り組みが行われています。取り組みの中では、雇用関係を結ばずに働くフリーランサーが注目されています。

フリーランサーは、ソフトウェアの開発、Webデザイン、コンテンツライティング、翻訳・通訳などの分野で、個人の技能や知識を活かして事業活動を行っています。

しかし、フリーランサーの数はまだ多くはなく、実態はあまり知られていないのが現状です。身近なところにフリーランサーがいないこともあって、イメージだけで語られることもあります。

ここでは、中小企業庁の「小規模企業白書」から、フリーランサーを取り巻く現状と課題をお伝えします。

フリーランサーはまさに「自由」な働き方

中小企業庁がまとめた「2015年版小規模企業白書」には、フリーランサー800人を対象に事業活動の実態を調査した結果が掲載されています。調査結果から見えるフリーランサーの活動実態をご紹介します。

自身のスキルで勝負

フリーランサーが活躍する業界は、専門・技術サービス業、情報通信業、デザイン業、出版業が代表的です。職種は、ITエンジニア、デザイナー、ライター・ジャーナリスト、建築設計が多くを占めています。

また、フリーランサーは、自分自身の専門的な知識や技能・技術、経験を強みととらえています。このように、フリーランサーは自分自身のスキルを活かして事業を行っています。

フリーランスとしての強み

(出典:小規模企業白書|中小企業庁

フリーランサーの年代は、40代・50代が7割以上を占めています。フリーランサーとして働いている期間は、10年以上が約半数、次いで5年~10年未満が2割を占めています。

一定の技能や知識を身につけたうえで、独立してから中長期的にわたってフリーランサーとして活動していることがわかります。

フリーランサーの労働環境

フリーランサーは、会社員やショップオーナーのように勤務時間が決まっているわけではありません。自分が働く時間を自分で決められるところが、フリーランサーの特徴といってもよいでしょう。

フリーランサーに1日あたりの労働時間を聞いたところ、5時間から8時間の範囲で回答する人が多くいました。平均では約7時間と、フルタイムで働く会社員に近い水準であることがわかります。

フリーランスの1日の実労働時間

(出典:小規模企業白書|中小企業庁
フリーランサーに定休日を聞いたところ、「不定休」という回答が8割近くを占めました。仕事の繁閑に合わせて柔軟に休暇を設定していることがうかがえます。

調査の設問にはありませんでしたが、1日の労働時間を短くして休日を減らしたり、逆に1日の労働時間を長くして休日を増やしたりといった働き方をしていることも考えられます。

フリーランサーであることへの満足度

フリーランサーは働き方や仕事の内容の自由度を重視しています。いわば、自由を求めてフリーランサーとして働くことを選択したとも考えられますが、フリーランサーであることへの満足度は高いのでしょうか。

調査では、フリーランサーであることにどの程度満足しているかを聞き取っています。

仕事の自由度、仕事のやりがい、プライベートとの両立では、高い満足度を感じていますが、社会的評価や収入の面では満足度が低いことがわかります。

フリーランスという働き方に対する満足度

(出典:小規模企業白書|中小企業庁

働き方に対する満足度の高さは、今後の働き方についての考えにも表れています。今後の働き方について、7割を超えるフリーランサーは、引き続きフリーランサーとして働きたいと考えています。

一方、収入面での満足度の低さは、手取り収入の少なさが原因と考えられます。フリーランサーの6割は手取り収入が300万円未満にとどまっています。

フリーランサーの多くが40歳代~50歳代であることを考慮すると、会社員の平均的な年収に比べて物足りない水準であることがうかがえます。

フリーランサーが広がるための課題

フリーランサーの多くは、今後フリーランサーという働き方が広がりを見せる、または少なくとも現状のまま推移すると考えています。この章では、フリーランサーという働き方が広がるための課題を探ります。

労働法制や社会保障でフリーランサーは不利に

7割以上のフリーランサーは事業を行う上で不安や悩みを抱えています。その内容の大部分は不安定な収入によるものですが、次いで多くを占めるのは社会保障に関する不安です。
フリーランス形態で事業を営む中での不安や悩み
(出典:小規模企業白書|中小企業庁

フリーランサーには、会社員のような労働基準法による保護はありません。先ほどご紹介したように、フリーランサーの労働時間はおおむね5~8時間の範囲内ですが、10時間以上働くフリーランサーも少なからずいます。

また、社会保障の制度では、フリーランサーは個人事業主と同じ扱いになるため、厚生年金や労働保険に加入できません。仕事が原因で病気やけがを負った場合の保障がないほか、老後の年金についても国民年金だけでは不十分なため、自助努力で備える必要があります。

このように、労働法制や社会保障の面でフリーランサーは不利な立場にあります。今後、フリーランサーという働き方が広がるためには、こうした課題の解決が望まれます。

まとめ

自由なイメージだけが先行しがちなフリーランサーの実態についてお伝えしました。フリーランサーは働き方に対する満足度は高いものの、収入に対する満足度は高くありません。

不安定な収入に加えて、労働法制や社会保障などセーフティーネットが弱いことが、フリーランサーに不安を抱かせています。

今後、フリーランサーという働き方が広がりを見せていくためには、フリーランサーに対するセーフティーネットの整備が望まれます。

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